犬の病気・症状

公開日:

最終更新日: 2022.04.20

犬が何回も吐く…危険な嘔吐との見分け方

ご飯を食べすぎたり、お腹がすきすぎたりすると、犬はよく吐きます。1度吐いたくらいではそんなに心配することはありませんが、何度も吐くようであれば、病気が原因かもしれません。

ここでは1度だけでなく、何度も吐く場合について説明したいと思います。


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【表で見る】繰り返す嘔吐の危険度合い

何度も嘔吐を繰り返す場合、それが危険な嘔吐なのかどうかを見極めるために、表を掲載しておきます。
こちらの表をもとに判断してください。

チェック項目様子見で良い危険な嘔吐
年齢・子犬
・老犬
全年齢
タイミング・早食いのあと
・薬を飲み始めてから
・空腹のとき
・環境や季節が変わるとき
・乗り物に乗ったあと
・1日に3~5回吐いた
・毎日吐いている
吐しゃ物・毛玉
・透明や白い液体
・黄色い液体を吐いている
・異物
・便臭がする
・寄生虫がいる
・濃い茶色~黒色の液体
・ピンク色の液体
他の症状吐いてもけろっとしている・下痢や発熱など
・吐かないが何度もえずいている

毎日吐いている場合や、吐しゃ物が悪臭を放っていたり、吐いた後に目がうつろだったり、ぐったりして立てない場合はすぐに獣医師の診断を受けてください。

犬が何回も吐くが心配ないケース


1日に何度も嘔吐をする場合は、心配になりますよね。しかし、何度吐いても心配ないケースもあります。

表にも記載してありますが、さらに細かな状況ごとに説明していきます。以下の症状に当てはまる場合は、吐く回数が多くても心配することはありません。

吐いた後けろっとしている

吐いてしまっても、吐いた後に何ごともなかったかのようにけろっとして、食欲もあり、特に問題なさそうなら大丈夫です。

早食いのあと吐いている

多頭飼いの場合、犬の本能として、食べ物を取られまいとして早食いをする傾向にあります。
急いで食べた後に吐いたものの、吐いたものをもう一回食べるくらい食欲があったり、食べなくても元気に遊びまわったりしているようなら大丈夫です。

毛玉を吐いている

特に毛の生え変わりの時期などは、自分の抜けた毛を飲み込んでしまい、消化できずに便として排出されるか、吐くことで体の外へ出します。
よくあることなので、特に心配はありません。

透明や白い液体を吐いている

透明や白い液体を吐いていることがありますが、この場合は水や胃液、または唾液の可能性が高いと思われます。
特に基礎疾患などがなくても、これらによって胃が刺激されて吐いてしまうことがあります。

水の場合は「勢いよく水を飲みすぎてしまった」、胃液の場合は「空腹だった」、泡を吐く場合は「乗り物酔いなどで吐き気を感じている」ことが原因である場合が多いです。

黄色い液体を吐いている

黄色い液体を吐いた場合は、長時間胃の中が空っぽの場合です。黄色い液体は食べ物を消化する時に必要な「胆汁」です。
お腹が空きすぎて、でも吐くものがないので胆汁を吐いたという状態です。吐く以外の気になる症状がなければ大丈夫です。

薬を飲み始めて吐くようになった

痛み止めや、抗生剤を飲むと吐いてしまうことが多いようですが、薬を飲み始めてから吐く回数が増えた場合は、薬をやめた方が良い場合もあるので、主治医に相談しましょう。

環境や季節が変わるときに吐いている

犬も人間と同じように、環境や季節の変化などでストレスを感じます。引っ越しをした、新しい家族が増えた、毛の生え変わる時期にたくさんの毛を飲み込んだ、寒くなってきたため血行が悪くなってきたなど、理由はいろいろです。

ストレスを感じると自律神経が乱れ、胃腸に症状が出やすくなります。環境や季節の変わり目が原因だと思われる嘔吐は心配しなくても大丈夫です。

乗り物酔いで吐いている

人間もそうですが、犬も乗り物が苦手な子がいます。特に成犬に比べて三半規管が未発達な子犬が、乗り物酔いを起こしやすいようです。

乗り物に慣れれば吐くこともなくなるようですが、慣れるまでは獣医師に酔い止めの薬を処方してもらったり、乗り物に乗る前の食事は軽めにしたりしてあげた方が良いですね。

子犬や老犬が吐く

子犬は、まだ消化器官が十分に整っていないため、ちょっとしたことで吐いたりします。
老犬もまた、加齢と共に筋力や食べ物を消化する力が落ちてくるのでよく吐いたりします。

老犬の場合は、他の病気が関係していないか、いつもと様子が違うことはないか、気を配る必要がありますね。

要注意の何回も吐くケース


犬が吐きやすい生き物だとしても、体調不良や病気が原因の場合もあります。吐いた物や、愛犬の様子を観察し、愛犬の身に危険が及ぶ嘔吐なのかどうかを見極める必要があります。

ここでは、何回も吐く、注意した方が良いタイプの嘔吐について説明したいと思います。

1日に3~5回吐いた

1日に1~2回の嘔吐で、特に体調にも問題が無さそうなら心配する必要はありませんが、3回以上となると、体のどこかに異常があるのではないかと疑った方が良いです。
病気ではなくても、飲み込むことが苦手な「嚥下障害」の場合もあるので、異常がないか1度獣医師に相談してみると良いでしょう。

毎日吐いている

回数は少なくても、毎日吐いている、吐くだけでなく好物のおやつもあまり食べないというように、具合が悪そうな場合は獣医師に相談した方が良いです。
消化器の病気や異物の誤飲、なんらかの感染症に感染している可能性があります。

異物を吐いている

吐いたものの中に、フード以外のもの、おもちゃの破片などが混ざっている場合は誤って異物を誤飲している可能性があります。

異物を誤って飲み込んだ場合は、腸閉塞や中毒症状など命に関わる症状を引き起こす可能性があるので、様子見などはせず、すぐに病院に連れて行ってください。

他の症状と一緒に吐く

吐くだけではなく、下痢や発熱も伴う場合は、胃腸や大腸炎などの内臓系の病気や、寄生虫、ウイルス性疾患が疑われます。

ウイルス性疾患の1つである「犬レプトスピラ病」は、犬だけではなく人を含めたさまざまな哺乳類に感染する疾患です。感染した犬の吐しゃ物や排泄物などからも感染する可能性があるので、必ず手袋などを付けた状態で対応すると良いですね。

ワクチンをまだ摂取していない犬の場合は、「犬パルボウイルス感染症」にも要注意です。嘔吐だけでなく血便の症状も引き起こし、最悪の場合だと1~2日で死に至ってしまうこともあるので、疑わしい場合はすぐに獣医師の診断を受けてください。

ピンク色の液体を吐く

吐いたものがピンク色の液体の場合、血が混じってる可能性があります。
口の中や食道、胃にできた潰瘍などから出血しており、出血してすぐの場合だと赤い鮮血になります。ピンクだと少量の出血なので、食道などの炎症が考えられます。

もし鼻からも同じようなピンク色の液体が出てきたら、心臓性肺水腫の可能性もあるので、早急に獣医師の診断を受けてください。

濃い赤色~黒茶色の液体を吐く

出血して時間が経っている場合は、血液が赤から茶色になるため、茶色い液体を吐く場合があります。しかしドックフードの色がまざって茶色に見える場合もあるので、吐いたものをよく観察する必要があります。
吐いたものが濃い赤色、または黒茶色の場合は、粘膜から出血している可能性があります。出血の可能性が見られる場合は、早急に獣医師の診断を受けてください。

吐しゃ物から便臭がする

吐き戻したものから便臭がする場合は、食糞の可能性が高いです。しかし、食糞をしていないのに便臭がする場合は、腸が詰まっている腸閉塞などが考えられるので、早急に獣医師の診断を受けてください。

寄生虫を吐く

吐いた物の中に、動くものがいたら、それは寄生虫の可能性があります。寄生虫は便に混ざって排出されることも多いので、便にもいないか確認してみましょう。寄生虫の感染は、子犬に多く見られます。

吐かないが何度もえずいている

胃がたくさんのガスで膨れる「胃拡張」や、胃がねじれてしまった「胃捻転」の場合に吐こうとしても吐けないという状態になります。
胸が深い大型犬に多い病気で、発見が遅れてしまうと死に至る疾患なので、この症状を見かけたらすぐに獣医師の診断を受けてください。

犬が何回も吐く場合に疑われる病気


蚊を媒体として感染し、最終的には死に至る怖い感染症のフィラリアなどでは、「吐く」症状はおきません。
「吐く」場合は、ほとんどが消化器系や代謝、フィラリア以外の感染症、ストレスなどが関係しています。

消化器系の病気

犬が何回も吐く場合に疑われる消化器系の病気として、以下が考えられます。
胃の炎症、腫瘍、胃潰瘍、胃が捻じれる胃捻転、胃の出口が狭くなる幽門部の狭窄。

腹腔内の病気

犬が何回も吐く場合に疑われる腹腔内の病気として、以下が考えられます。
膵臓が炎症を起こす膵炎、お腹の中の腹膜が炎症を起こす腹膜炎、お腹の中の臓器(胃、肝臓、脾臓、腸管、腎臓等)にできる腫瘍。

代謝性の病気

犬が何回も吐く場合に疑われる代謝性の病気として、以下が考えられます。
・腎炎などで血液のろ過がうまくできなくなる腎不全
・肝機能が低下してしまう肝不全
・体内のインスリンの作用がうまくいかず、慢性的に高血糖が続く糖尿病
・副腎皮質の機能が低下する副腎皮質機能症低下等

感染症

犬が何回も吐く場合に疑われる感染症として、以下が考えられます。
・嘔吐や白血球の減少
・下痢の症状が現れる犬パルボウイルス感染症
・下痢や嘔吐の症状が現れる犬コロナウイルス性腸炎等

ストレス

犬が何回も吐く場合に疑われるストレスとして、以下が考えられます。
・飼い主とのスキンシップが減った、合わない同居人がいるなど心因性のストレス。
・関節や骨を痛めていて、痛みが原因のストレス。

寄生虫

犬が何回も吐く場合に疑われる寄生虫として、国内の場合は「犬回虫」が考えられます。

フィラリア予防のために投与する薬には、回虫も一緒に駆除してくれる効果のあるものがあります。
もし蚊が活動している時期に、愛犬にフィラリア予防薬を投与してあげている場合は、使っている薬の詳細を確認してみてください。


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犬が何回も吐いた後の対処法

吐いた後、元気であれば、様子見をして大丈夫です。できれば、あまり体調に支障が出ない半日程度、水も食べ物も与えず、絶食、絶水をさせます。

吐いた後は水を飲みたくなるはずですが、水を飲むことが刺激となり吐き気を催す場合があるので、注意する必要があります。

病院に連れていくときに伝えること

犬が何度も吐くので病院に連れていく場合、獣医師に伝えるポイントは以下になります。

・食前、食後など吐くタイミング
・未消化フードなのか胃液なのかなど、吐いたものの内容
・服用している薬やサプリメントについて
・下痢など他の症状も伴うか

嘔吐物はなるべく獣医師に提出した方がよいですが、すぐに病院に行けない場合は、写真にとっておくなどしておくと良いですね。

感染症が原因で吐く場合もあるので、嘔吐物や嘔吐した場所は、弱アルカリ性洗剤をしみこませた雑巾でふくなど、きちんと掃除をしましょう。

犬が何回も吐かないために飼い主ができること

飼い主さんが工夫することで、愛犬の嘔吐の回数を減らしてあげられます。

空腹の時間を短くする

空腹が原因で、白い泡や黄色、または緑色の胆汁がまじった胃液を吐いている場合は、空腹の時間を短くしてあげましょう。

1回あたりの食事量を減らし、1日あたりの食事の回数は増やします。

いままで1日朝晩の2回だった場合は、寝る前に1回食事の回数を増やして3回にします。
空腹の時間を短くしてあげても吐く場合は、獣医師に相談しましょう。

早食いさせない

吐き戻したものが未消化のフードなど、1度にたくさんの餌を一気に食べ過ぎて吐いてしまう早食いが原因の嘔吐では、早食いさせない工夫が必要です。

一度にたくさん食べすぎないように餌の量を調整する、食事の回数自体を増やしてあげるなど、早食いしなくても大丈夫という環境を作って安心させてあげましょう。

ストレスを避ける

極端に空腹ではないはずなのに、空腹の時に吐き戻す内容物(白い泡や黄色、または緑色の胆汁がまじった胃液)と同じものを吐く場合は、ストレスが原因の嘔吐の可能性があります。

最近引っ越しした、新しい家族を迎え入れた、飼い主さんとのスキンシップの時間が減ったなど、思い当たる原因がある場合は、できるだけ取り除いてあげましょう。

誤食を避ける

おもちゃなど誤って誤飲、誤食をした場合、異物が胃の出口をふさいだり、腸をふさいだりして嘔吐と下痢を繰り返します。

たばこや人間用の薬、ペットシーツ、洋服のボタン、観葉植物、段ボールなども誤飲、誤食に繋がりやすいので、愛犬の届かない場所に置くのが望ましいですね。

また夏場のフードはドライタイプでも酸化したり、カビや虫などが湧いたりするので、早めに使い切る、密封できる容器に入れる、食べきらなかったフードはすぐに破棄するなど、きちんと管理してあげましょう。

緊急性の高い嘔吐を見分けられるようにする

基本的に、吐いたあとにケロッとして元気そうで、食欲もあるようなら問題ありませんが、以下に当てはまる嘔吐の場合は、吐いたものや、吐いたものの画像を持って獣医師の元に連れて行き、診察してもらいましょう。
・嘔吐と下痢を繰り返す
・嘔吐と共に下痢や熱がある
・何回も嘔吐して食欲も元気もない
・嘔吐した後にずっとぐったりしている

まとめ


犬が何回も吐くからといって、必ずしも危険が伴うわけではありませんが、危険が隠れている嘔吐の場合もあるので、吐くタイミングや吐いた物、吐いた後の状態を観察する必要があります。

日頃から犬の様子をよく観察し、危険が隠れている嘔吐に当てはまる様子が見られた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。

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