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猫の甲状腺機能亢進症、治療しないとどうなる?末期症状や治療法を解説

高齢猫が発症しやすい「甲状腺機能亢進症」。

「年齢を考えると手術はリスクが高くて難しい…」
「投薬治療は一生続くから金銭的な負担が大きいし、副作用も心配…」

治療にもリスクを伴うことから、治療をしないとどうなるかを知りたい飼い主さんも多いと思います。

甲状腺機能亢進症を治療しないと、さまざまな病気を併発し、結果として余命・寿命が短くなってしまいます

そこで、この記事では甲状腺機能亢進症を治療しない場合に起こり得る影響や末期症状、そして治療法の選択肢について詳しく解説します。

猫の甲状腺機能亢進症とは?

猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に生産・分泌されてしまう病気。

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺ホルモンとは

代謝や体温、血圧、心拍数、消化器機能などを調整する。
猫が生きていくうえで欠かせないもの。

全身の機能に作用するホルモンなので、正常にコントロールできないと、身体のさまざまな臓器に悪影響を及ぼします。

ただし、甲状腺機能亢進症は急激に悪化するものではなく、ゆっくり進行するという特徴があります。

猫の甲状腺機能亢進症を治療しないとどうなる?

甲状腺機能亢進症を発症した猫の平均生存期間は1.6~4年です。

高齢猫が発症しやすい病気であることを考えると、病状をコントロールすることで寿命をまっとうする猫も多いと言えます。

甲状腺機能亢進症を発症した猫の余命・寿命については、こちらのコラムで詳しく解説しています。

 

ただし、1.6~4年という平均生存期間は、治療を受けた猫における生存期間です。

この病気により、過剰に分泌・生産された甲状腺ホルモンは全身の臓器にさまざまな影響を及ぼします。

もし治療しない場合は、これにより高血圧、肥大型心筋症、慢性腎不全といった病気を併発し、生存期間はさらに短くなるでしょう。

とくに併発しやすい腎臓病も発症した猫は、平均生存期間が0.6~2年まで短縮されるという統計データがあります。

参考
Effects of feline hyperthyroidism on kidney function: a review [英語](外部リンク)

 

猫の甲状腺機能亢進症の末期症状

猫が甲状腺機能亢進症になっても、この病気そのものが死に直結したり、寿命を著しく縮めるというわけではありません。

問題となるのは、病気が進行して併発してしまうほかの病気。

甲状腺機能亢進症を治療しないでいると、全身の臓器がダメージを受けて他の病気を発症し、生きていくことが難しくなるという末期症状に陥ります。

猫の甲状腺機能亢進症の末期症状

併発リスクがとくに高い病気には、肥大型心筋症や高血圧症。また、注意すべき病気として慢性腎不全が挙げられます。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が分厚くなることで、ポンプ機能が低下し、全身の血流が悪くなる病気です。

苦しそうに呼吸をしたり、動きたがらないといった様子が見られ、進行すると心不全などによる突然死のリスクが高くなります。

高血圧症

甲状腺ホルモンは代謝を活発にする働きがあるため、血流が増えることにより、高血圧症を発症しやすくなります。

甲状腺機能亢進症を発症した猫の約20%は高血圧症を併発すると言われています。

高血圧症は、網膜剥離や網膜出血などを引き起こして、失明する可能性もあるほか、腎不全を発症して寿命にも影響することがあります。

慢性腎不全

高齢の猫が発症しやすい腎臓病ですが、腎臓への血流が低下することで発症します。

しかし、甲状腺機能亢進症になると代謝が活発になることにより血流が増加するため、血液検査の数値では腎不全を把握できなくなり、病気を発見できないまま進行する可能性があります。

これを「隠れ腎不全」と呼び、腎不全の症状である口内炎や胃炎、食欲の低下、嘔吐などが現れ、さらに進行すると生きることが困難になります。

甲状腺機能亢進症の治療

猫の甲状腺機能亢進症の治療には、手術をして甲状腺を取り除くという方法があります。

ただし高齢猫など、手術が難しいケースの治療では、食事とお薬で甲状腺ホルモンの分泌をコントロールするしかありません。

甲状腺の摘出手術は、高齢猫にとってリスクあり

猫が甲状腺機能亢進症になった場合、発症の原因となる甲状腺にできた腫瘍を取り除く手術が行われます。

手術には全身麻酔のリスクも伴うため、高齢の猫には簡単に実施できる治療ではありません。

さらに、手術費用も決して安いものではなく、15~30万円ほどかかるケースが一般的です。

食事療法と薬でコントロール

猫の甲状腺機能亢進症治療では、食事療法やお薬で甲状腺ホルモンの分泌量をコントロールすることで、病気の進行を抑えます。

食事療法

食事療法に用いられるのは、ヨウ素を制限した療法食です。

いつものフードからこの療法食に切り替えることで、甲状腺ホルモンの合成をできるだけ抑えていきます。

投薬治療

投薬に用いられるのは、メチマゾールあるいはチアマゾールという有効成分が含まれる薬です。

この成分は、甲状腺ホルモンの過剰な分泌量を抑える効果があります。

ただし投薬中は、下痢、嘔吐、血液検査での肝臓数値や腎臓数値の異常、白血球や血小板の減少などの副作用に注意しましょう。

国内では、チアマゾールが猫の甲状腺機能亢進症の治療薬として認可されています。

甲状腺機能亢進症 チアマゾール フェリマゾール

 

欧米では、チアマゾールと同じ効果をもつメチマゾールを用いた治療が主流となっています。

甲状腺機能亢進症 メルカゾールジェネリック メチマゾール

なお、治療費は血液検査やお薬代などを含めると、月に1万円程度かかりますが、当サイト「ぽちたま薬局」では月2,500円前後に抑えることも可能です。

内科的療法は生涯にわたって続くため、動物病院よりも安い価格で購入できる通販サイトを活用して、費用負担を軽減してください。

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まとめ

猫の甲状腺機能亢進症治療では、手術による全身麻酔のリスクなども伴うため、愛猫の年齢や体調を考慮することが重要です。

ただし、治療しないまま放置すると他の病気を併発し、深刻な状態に陥る可能性も否定できません。

高齢猫で手術に抵抗がある場合は、放置せずに必ずお薬で治療してあげましょう。

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