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猫の膀胱炎は原因不明が多い?気になる原因や膀胱炎のサインについて

猫は膀胱炎になりやすいと言われてお、猫の膀胱炎は決して甘く見てはいけません。

膀胱炎は放置すると腎臓の病気を引き起こす可能性があり、最悪の場合、腎不全を併発して命を落としてしまうこともあります。

なお、猫の膀胱炎は注意深く観察していれば、早期に発見できる病気でもあります。
この記事では猫の膀胱炎の原因や発症のサイン、治療法について解説します。

>>猫の膀胱炎について詳しくはこちら

猫の膀胱炎について

猫の膀胱炎は膀胱で炎症が起こることによって引き起こされ、尿の排出に影響が生じる病気です。

猫の場合、原因不明の猫下部尿路疾患(特発性膀胱炎)が一般的に多く見られます。

猫の膀胱炎が重症化した場合、慢性腎不全や尿毒症など、命に関わる病気に進行する可能性もあります。

愛猫に膀胱炎が疑われるような様子があった場合は、早期の検査や治療が必要です。

参考
犬・猫の細菌性尿路感染症の診断管理に関する国際コンパニオンアニマル感染症学会(ISCAID)ガイドライン(外部リンク)

猫の膀胱炎の原因

猫が膀胱炎を発症する原因は、主に以下の3つとされています。

膀胱炎は細菌の侵入が原因で起こる細菌感染や、結石の発生によって起こるものがあり、発症の原因によって治療方法も異なります。

猫下部尿路疾患(特発性膀胱炎)

猫下部尿路疾患は特発性膀胱炎とも呼ばれ、膀胱から尿道までの下部尿路に生じる病気の総称です。

10歳以下の猫に発症することが多く、発症する原因は不明です。
ただ、食事や環境の変化、水分の低下、ストレス、肥満などが要因とも考えられています。

猫下部尿路疾患を患っている場合、トイレに行く回数の増加、オシッコが少量しか出ない、オシッコが濁っている、血尿が出るなどの症状が見られることがあります。

尿検査をしても細菌や結石などが確認できない場合は原因不明とされ、猫下部尿路疾患と判断されることがあります。

参考
猫の特発性膀胱炎とその栄養学的管理について(外部リンク)

細菌感染

猫の細菌感染による膀胱炎は、ブドウ球菌や大腸菌などが膀胱に侵入し発症します。
細菌感染が原因の膀胱炎は頻尿や排尿時の痛み、血尿などの症状が特徴です。

一般的に、猫は犬と比べて細菌感染による膀胱炎の発症は少ないとされています。
ただし、糖尿病や慢性腎臓病などの病気を抱えている場合は、免疫力の低下により細菌感染しやすいとされています。

そのため、免疫力の低下を招く病気を抱えている猫の場合は、日々の排尿に注意を払うとともに、定期的な健康チェックが重要です。

膀胱結石・尿道結石

猫の膀胱結石や尿道結石は尿管、膀胱、尿道内でミネラルや化学物質が過剰に蓄積して固まり、結晶や結石が形成されることによって引き起こされます。

結石が膀胱内で形成される場合は膀胱結石と呼び、尿道内で形成される場合は尿道結石と呼びます。

膀胱結石や尿道結石は、腎臓からの尿が正常に流れない場合や、尿の成分のバランスが崩れた際に発症するリスクが高まります。

結石は膀胱を傷つけて炎症を引き起こし、激しい痛みや血尿、尿意切迫感などの症状をもたらすことがあります。
これらの症状が見られる場合は、結石を取り除く治療が必要です。

膀胱炎の発症リスクを上げる要因

猫の膀胱炎は、細菌や結石によるものなどが考えられますが、原因が特定できない場合も多いです。

ただ、原因は特定できなくても膀胱炎の発症リスクを上げる要因には、以下のものが挙げられます。

  • 食事の変化によるストレス
  • 生活環境の変化によるストレス
  • 飲水量の低下
  • トイレが汚れている
  • 肥満気味
  • 運動量の低下など

特にストレスは膀胱炎の大きな原因となり、神経質な猫の場合は、ストレスを感じて溜め込みやすいため、環境の清潔さや穏やかさを保つように心掛けましょう。

※要チェック!猫の膀胱炎のサイン

猫に以下の行動が見られる場合、膀胱炎のサインである可能性が考えられます。

猫の様子をよく観察し、以下の項目に当てはまる場合は動物病院で診察を受けることをお勧めします。

  • トイレに何度も行く
  • トイレにいる時間が長い
  • トイレに行ってもおしっこが少しか出ない
  • おしっこをするときに痛みを感じて鳴く
  • 尿が赤い(血尿)
  • おしっこの色が濃い、濁っている
  • おしっこのニオイがキツイ
  • トイレ以外の場所でおしっこをする
  • 陰部を過度に舐める、気にするなど

どんな猫が膀胱炎にかかりやすい?

猫の膀胱炎にかかりやすい品種はなく、どんな猫でも発症する可能性があります。

ただし、少しの物音に反応したり来客者に怯えるなど、警戒心が強く神経質な性格を持つ猫は日常的にストレスを溜めやすく、突発的な膀胱炎を発症しやすい傾向があります。

普段から水分摂取が少ない猫や、肥満気味の猫なども注意が必要です。
また、細菌感染による膀胱炎は、免疫力が低下している高齢猫がかかりやすいとされています。

他にも糖尿病や慢性腎臓病などを抱えている猫の場合、病気が原因で免疫力を低下させている可能性があるため、排尿の様子を注意深く観察することが重要です。

猫の膀胱炎の治療方法

猫の膀胱炎には、特発性膀胱炎、細菌感染、膀胱結石や尿道結石などがあり、それぞれの原因によって治療方法が異なります。

細菌感染が原因の場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤を投与します。
排尿を促す皮下補液をおこなうこともあり、膀胱炎が悪化して腎不全を併発している場合は、入院して点滴を行うケースもあります。

膀胱結石や尿道結石が原因の場合は、状況に応じてお薬や療法食、手術、点滴などによる治療がおこなわれます。

特発性膀胱炎の場合は、膀胱炎の原因と考えられるストレスの除去や生活環境の改善を行います。
痛みがある場合には、痛み止めを使用することもあります。

猫の膀胱炎の治療方法については、下記記事で詳しく解説しています。

猫の膀胱炎は再発しやすい

猫の膀胱炎は癖になりやすく、再発しやすいとされています。
膀胱炎を再発させないために、以下の予防方法を活用しましょう。

  • ト飲水量を増やして水分補給を促す
  • 水分不足を防ぐためにウェットフードを取り入れる
  • 猫のトイレを清潔に保つ
  • 肥満を防ぐ食事管理、適度な運動を意識する
  • ストレスを与えない環境を整える

また、動物病院で定期的に健康診断を受けることも推奨されています。
健康診断の際に尿検査を受けることで、膀胱炎の早期発見・早期治療に繋げられます。

まとめ

膀胱炎は珍しい病気ではなく、どんな猫にも発症する可能性があります。
細菌感染や結石などが原因となりますが、原因不明な場合も多いです。

膀胱炎は放っておくと腎臓の病気を招く可能性があり、最悪の場合、腎不全を併発して命を落とすこともあります。

猫の排尿に異常が見られた場合はすぐに動物病院で診察を受け、早期に治療しましょう。

>>猫の膀胱炎について詳しくはこちら

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