「愛犬が、もう何日もうんちをしていない…」
うんちは、愛犬の健康を知る上でとても大切な要素です。
・既に2日はうんちをしていない
・お腹がパンパンに張っている
・小さく乾燥したうんちが出る
もしこれらに心当たりがあるのなら、あなたの愛犬は便秘に苦しんでいる可能性があります。
この記事では、愛犬が便秘かどうかを確かめる方法や、便秘の解消に効果的なマッサージのやり方を紹介していきます。
目次
犬が便秘の時に現れる症状
個体差はありますが、犬は通常1日に2~3回、子犬であれば5回前後のうんちをします。
なので、2日以上うんちが出ていないのであれば、便秘を疑った方が良いでしょう。
そしてうんちの回数以外にも、便秘気味の犬には以下の症状が現れることがあります。
・きばるが出ない
・何度もトイレを行き来する
・うんちの際に痛がって鳴く
・お腹がパンパンに張っている
・うんちの表面に血が付いている
・小さく乾燥したうんちが出る
犬の健康なうんちは、水分を含んでツヤがあり、手で掴んでも形が崩れないぐらいの程よい硬さがあります。
もしウンチが出ている場合でも、それが小さく乾燥した「コロコロうんち」だったり表面に血が付いていたりすれば、それは便秘の兆候と言えます。
犬が便秘になる主な原因は?
犬が便秘になる原因としては、主にこれら6つが挙げられます。
・運動不足
・水分不足
・栄養バランスの乱れ
・環境の変化(ストレス)
・誤飲誤食
・病気
この中に、心当たりのあるものはありますか?
散歩の時間が減っていたり、引っ越しをしたり、最近フードを変えたなど、こうした変化が便秘の原因となっている可能性は充分に考えられます。
これから紹介するマッサージと共に、これらの原因も取り除けば、便秘は改善していくでしょう。
しかし、「前立腺肥大」や「腸閉塞」「ヘルニア」などの病気が便秘を引き起こしている可能性もあります。
便秘に加えて、嘔吐や血尿、震えなどの症状が見られる場合は、マッサージよりも先に獣医師の診察を受けさせましょう。
老犬や肥満犬は便秘になりやすい
犬は便秘になりにくいと言われていますが、老犬や肥満犬に関しては例外です。
まず、老犬になると水分の摂取量が減り、うんちが硬くなりやすくなってしまいます。
更に運動量も減っていくことで腸の活動が弱まり、筋力が低下しうんちを出す力が衰え便秘になりやすくなってしまいます。
そして肥満犬の場合、脂肪によって腸が圧迫され、うんちの通りが悪くなることで便秘になりやすくなります。
もちろん、肥満は便秘以外にも、関節炎や尿路結石、糖尿病など様々な病気の原因になることは言うまでもありません。
犬の便秘解消マッサージのやり方は?
犬の便秘解消に効果的なマッサージを3種類紹介していきます。
全てのマッサージに共通する注意点として、必ず愛犬がリラックスした状態で実施するようにしましょう。
嫌がるところにマッサージをしても逆効果ですし、愛犬に恐怖心を与え、信頼関係を壊すことにもなりかねません。
普段のスキンシップの延長として実施するのがオススメです。
お腹を時計回りにマッサージ
まず最初に、マッサージ前に両手を温めておきましょう。
お腹は犬の急所であり、冷たい手でいきなり触れると愛犬がビックリしてマッサージを拒否してしまいます。
愛犬を仰向けに寝かせたら、ヘソを探しましょう。
ヘソは胴体のちょうど真ん中あたりで、周辺と比べて少しだけ毛が薄くなっているのが特徴です。
見付けたら、ヘソを中心にして円を描くように、手のひらで優しく撫でてあげましょう。
お腹にある、便秘に効果的なツボ |
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名称 | 場所 | 効果 | |
天枢(てんすう) | ヘソの左右、約1.5cmの地点 | 下痢、便秘に効く | |
中脘(ちゅうかん) | 胸骨とヘソの中間地点 | 胃痛や嘔吐に効く | |
関元(かんげん) | ヘソから約1~2cm下の地点 | 血行を促進する |
私達がお腹を壊した際に同様のマッサージをするように、手の温度を腸に伝えるつもりでゆっくりと撫でるのがポイントです。
背中のツボ押しマッサージ
便秘解消に効果的なツボは、背中にも存在します。
背中にある、便秘に効果的なツボ |
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名称 | 場所 | 効果 | |
胃兪(いゆ) | 最後の肋骨の付け根と背骨が交差した両脇 | 胃の働きを活発にする | |
大腸愈(だいちょうゆ) | 骨盤と背骨が交差した部分の少し上、背骨の両側 | 大腸と後ろ脚の働きをよくする |
それぞれ人差し指と親指で挟むようにして押していきます。
ゆっくりと力を加え、留め、徐々に力を抜いていく。
愛犬が嫌がらない強さで、この一連の動作を1回10~15秒ほど掛けて5回ほど繰り返しましょう。
綿棒で優しく肛門マッサージ
これは、特に老犬に用いられる方法です。
私達が普段使っているのと同じ綿棒で、愛犬の肛門をトントンと叩くようにマッサージしていきます。
こうすることで肛門が刺激され、うんちを促すことができます。
しかし、乾いた綿棒を使用すると、誤って肛門に深く挿入してしまった際に、肛門や直腸を傷付けてしまう可能性があります。
それを避ける為、綿棒には事前にベビーオイルやオリーブオイルなどを染み込ませておくのが効果的です。
マッサージ以外に犬にうんちをさせる方法
もしあなたの愛犬が紹介したマッサージを拒否したり、効果が出なかった場合は、別の方法も試してみましょう。
うんちを促す食べ物を与える
水分を充分に摂れる工夫をする
運動不足を解消させる
比較的簡単に実践できる方法としては、これらがオススメです。
しかし、これらの方法に即効性は期待できません。
既に便秘になってから長い時間が経過していたり、今まさに愛犬が苦しそうにしている場合は、獣医師の診察を受けさせる方が愛犬への負担も小さく済むことを再度お伝えさせて頂きます。
うんちを促す食べ物を与える
普段与えているフードに加えて、便秘解消に効果があるとされる食べ物を与えるのも効果的です。
- ヨーグルト
- オリーブオイル
- さつまいも
- キャベツ
- レタス
- りんご
犬も人間と同じように、乳酸菌を摂取することで整腸作用が期待できるので、ヨーグルトは効果的です。
ヨーグルトがもたらす良い効果と、与える際の注意点については以下の記事を参考にどうぞ。
他にも、オリーブオイルにはうんちを柔らかくする効果が、キャベツには食物繊維が豊富に含まれていて、便秘解消が期待できます。
もちろん犬によって好き嫌い分かれたり、与えていい量なども違ってくるので、詳しくは獣医師の指導を受けることをオススメします。
水分を充分に摂れる工夫をする
うんちは出ているが、水分が少なく乾燥した「コロコロうんち」の場合は、水分不足の可能性が高いです。
特に寒い季節は、水を飲む量が減ってしまいがちなので注意が必要です。
水飲み場を増やしたり、小まめに新しい水に入れ替えたりなど、愛犬に合わせて色々と工夫をしてみましょう。
また、ドライフードを中心に与えているなら、お湯をかけてふやかしたり、ウェットフードを併用するのも効果的です。
運動不足を解消させる
愛犬の運動量は充分に足りていますか?
犬種や年齢などでも変わりますが、犬に必要な散歩量の大まかな目安は以下の通りです。
適切な散歩時間と距離の目安 |
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体格 | 時間 | 距離 | 回数 |
小型犬 | 15~30分 | 1~2km | 朝夕2回 |
中型犬 | 30~45分 | 2~3km | 朝夕2回 |
大型犬 | 30~60分 | 2~4km | 朝夕2回 |
充分な運動ができれば、足腰の筋力維持、ストレス解消、そして腸の活性化と、便秘のあらゆる原因解消が期待できます。
特に老犬の場合、筋力が衰えてうんちの際に踏ん張りが効かなくなり便秘になることがあります。
無理のない範囲で運動させて、筋力維持に努めましょう。
便秘が長引いている場合は必ず病院へ
今回紹介したマッサージやその他の便秘解消法は、便秘が軽症であれば効果が期待できます。
しかし前述したように、便秘には「腸閉塞」や「ヘルニア」など、重大な病気が隠れている可能性があります。
そして、そのような重度の便秘にマッサージ等はあまり効果がありません。
たかが便秘と侮っていると、その間に病気が進行して取り返しの付かない結果を招くことも考えられます。
愛犬の要素をよく観察して、異変を感じたら早めに獣医師の診察を受けさせるようにしましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。