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フィラリア予防薬を飲み忘れた時のリスクと対処法

「フィラリア予防薬を飲み忘れた場合、どうなるの?」
というのは、犬や猫を飼っている飼い主さんなら気になる疑問ではないでしょうか?

このページではフィラリア予防薬を飲み忘れた場合に起こるリスクと、飲み忘れを防ぐための対処法について解説しています。
うっかり飲み忘れを起こしやすい飼い主さんは、ぜひご活用ください。

フィラリア予防薬飲み忘れたらどうなるの?

フィラリアは蚊を媒介として、犬や猫に感染する感染症です。
フィラリア予防薬の飲ませ忘れがあった場合、フィラリアに感染する可能性が高くなります。

ここでは、フィラリア予防薬を飲み忘れた場合に起こるリスクについて解説します。

フィラリア症感染のリスクが高まる

フィラリア予防薬を飲み忘れた場合、犬・猫共にフィラリア症感染のリスクが高まります。

フィラリア予防薬は「飲んだ後にフィラリア症感染を予防するお薬」ではなく「今、体内に潜んでいるフィラリアを駆虫するお薬」です。

そのため、フィラリア予防薬を飲み忘れた場合、体内に潜んでいるフィラリアが駆虫されない期間ができてしまいます。

飲み忘れた期間が長いほど、体内でフィラリアの幼虫が成長して成虫となり、フィラリア症が重症化(フィラリアが心臓や血管に寄生)するリスクが高まります。

フィラリアの生態については、下記の図をご確認ください。

フィラリア虫は卵を産まない卵胎生です。成虫となって交尾を終えたメスは1日に2,000~3,000匹もの幼虫を生み続けます。
生まれたばかりの幼虫をミクロフィラリアと呼び、幼虫は5つのステージで成長します。
成長段階はミクロフィラリアをL1とし、脱皮ごとにL2、L3、L4、L5と表記されます。
Lは「Larva・幼虫」の意味です。L1~L5を経て成虫になります。


アイリスペットどっとコム「フィラリア虫のライフサイクル」より引用

フィラリア予防薬飲み忘れ1ヵ月後のリスク

フィラリア予防薬の飲み忘れから1ヵ月が経った場合、咳などフィラリアの症状がすぐに現れることはありません。

ただし、体内に潜んでいるフィラリアは50~60日ほどで成長します。

1ヶ月間の飲み忘れがあった場合、約2ヶ月(60日)の期間が空いたことになり、フィラリアが成長して血管内に移動している可能性があります。

そのため、フィラリア予防薬を飲み忘れて1ヵ月経つと、フィラリアが成長し駆虫薬が効かない可能性があるほどリスクが高まっています。

フィラリア予防薬飲み忘れ時の対処法

フィラリア予防薬飲んでない犬

「フィラリア予防薬を飲ませるのを忘れていた!」
そんな飲み忘れが起こった時にできる対処法を解説します。

飲み忘れに気づいたらすぐに対処

フィラリア予防薬の飲み忘れに気づいたら、犬と猫で対処法が変わってきます。

猫の場合
気づいたタイミングで、すぐにフィラリア予防薬を投与

犬の場合
・動物病院で血液検査を受ける
・検査の結果、陰性だったらフィラリア予防薬を投与

猫の場合、フィラリア予防薬を飲み忘れてフィラリアに感染しても、フィラリアの発育が悪いので成長できず、寿命も長くないと言われています。

また、猫は犬と違ってフィラリアに感染しているかの診断が非常に難しいとされています。
検査を受けても感染しているかの判別がほぼできないため、検査はあまり意味がないです。

そのため、飲み忘れに気づいたタイミングでフィラリア予防薬を投与してください。

【参考リンク】
クウ動物病院 動物内視鏡医療センター|猫のフィラリア症
たかつきユア動物病院

犬の場合、フィラリア予防薬の飲み忘れに気づいたら動物病院で血液検査を受けましょう。

検査結果でフィラリアに感染していないことがわかったら、フィラリア予防薬を投与してください。

  • 犬にはなぜ検査が必要か
  • 検査が必要な理由は、万が一のショック症状を防ぐためです。

    フィラリア予防薬を飲ませ忘れた期間の内に、体内で成虫となったフィラリアがミクロフィラリア(フィラリアの赤ちゃん)を生んでいた場合、フィラリア予防薬を飲むことで血液中のミクロフィラリアが急速に駆除されます。

    一度に大量のミクロフィラリアが駆除されるとショック症状を起こすことがあり、最悪の場合は死に至ることもあります。

    ショック症状などのリスクを避けるためにも、フィラリア予防薬の飲み忘れに気づいたら予防薬を投与するのではなく、必ず動物病院でフィラリアの検査を受けましょう。

    検査結果で陰性だとわかったら、フィラリア予防薬を投与してください。

フィラリアの検査についての詳細は、下記ページで紹介しています。

フィラリア予防薬の飲み忘れを防ぐには?

フィラリア予防薬の投薬日を教える犬

愛犬・愛猫のフィラリア感染を防ぐためにも、フィラリア予防薬の飲み忘れを防ぐのは非常に重要です。

飲み忘れを防ぐための5つの方法を紹介するので、飲み忘れを起こしがちな飼い主さんは参考にされてください。

カレンダーやお薬カレンダーを活用
お薬リマインダーアプリを利用
パッケージに日付を書く
フィラリア予防薬を注射に変更
フィラリア予防薬を通年投与する

カレンダーやお薬カレンダーを活用

飲み忘れを防ぐのに活用できるのが、お薬カレンダーです。
カレンダーにお薬を入れられるポケットが付いており、壁にかけられるので使いやすいです。

フィラリア予防薬を投与する日をあらかじめ何日と決めておき、その日付のポケットに薬を入れて目に留まる箇所にかけておけば、飲み忘れを防ぐことができます。

お薬カレンダーは楽天などの通販を始め、100円ショップでも手軽に購入できます。

【参考リンク】
楽天市場|お薬カレンダー

また、普段利用しているカレンダーを利用する方法もあります。
フィラリア予防薬を投与する日を、以下のように目立たせましょう。

・赤丸で大きく囲む
・「薬を飲ませる日!」と書き込む

カレンダーは壁にかけておくなど、日ごろから目に入る所にかけておくことで、飲み忘れ防止に役立ちます。

ちなみに、筆者の家もカレンダーに大きく「フィラリア薬飲ませる!」と書くことで、飲み忘れを防いでいます。

なお、壁にかけられるポケット付きのお薬カレンダーには注意点があります。

愛犬・愛猫の届く位置にお薬カレンダーがあると、ポケットを嚙みちぎってフィラリア予防薬を食べてしまうことがあります。

フィラリア予防薬の投与日ではない時に食べるのを防ぐため、お薬カレンダーは愛犬・愛猫の届かない高さにかけてください。

お薬リマインダーアプリを利用

お薬飲み忘れ防止用のリマインダーアプリを利用するのも、飲み忘れを防ぐのに役立ちます。

・飲み忘れ防止のアラームが鳴る
・しつこく通知がくる

など飲み忘れを防ぐための機能がついているので、活用できますよ。
アプリもたくさんあるので、自分にあったアプリを探して役立ててください。

アプリはGoogle PlayやApp Storeでダウンロードできます。

【参考リンク】
Androidの方はコチラ⇒ Googleplay|お薬リマインダー
iPhoneの方はコチラ⇒ appstore|お薬リマインダー

パッケージに日付を書く

薬の飲み忘れを防ぐにはパッケージに日付を書いてしまおう

フィラリア予防薬のパッケージに、投与する日付を書き込みましょう。

予防薬はパッケージに入れて保管しておくのがよいため、中身ではなくパッケージ本体に書き込んでおくことをおすすめします。

なお、日付を書き込んでも見えないところに収めると忘れてしまいます。
フィラリア予防薬は毎月使用するものなので、日付を書いて目に見える箇所に置いておくことで、飲み忘れを防げます。

フィラリア予防薬を注射に変更

「忙しくてつい飲ませるのを忘れてしまう」
「気を付けていても度々飲み忘れが…」

そんな飼い主さんには、フィラリア予防薬の投与を注射に変更することをおすすめします。

注射のメリットは、1回の注射で1年分のフィラリア予防ができる点です。
1年に1回の頻度でフィラリアが防げるため、毎月の投与と違って飲み忘れを起こす心配がありません。

ただし、フィラリア予防の注射には下記のようなデメリットがあります。

  • 副作用が強く出ることがある
  • 値段が毎月投与するよりも高い
  • 体重によって投与量が変わるので、成長期の犬には適さない
  • 動物病院でしか受けられない
  • フィラリア予防薬の注射を受けられない犬もいる
  • フィラリアの予防注射があるのは犬のみ

飲み忘れによるフィラリア感染のリスクと、フィラリア予防薬によるデメリット、どちらを重視するか考えて変更を検討してみてください。

フィラリア予防薬を通年投与する

蚊が発生している時期だけフィラリア予防薬を投与していると、蚊がいない時期は休薬期間となるため、フィラリア予防薬を飲ませない時期が出てきます。

しかし、休薬期間があると翌年の蚊が発生する時期に投与するのを忘れがちになります。

そこで、毎月1回フィラリア予防薬を投与する通年投与にすることで、休薬期間がなくなり飲み忘れを防ぐことができます。

特に近年は気候変動の影響で、蚊が発生している時期が長くなっています。
動物病院でも通年投与は推奨されているので、飲み忘れを防ぐと共に年間を通して愛犬・愛猫をフィラリアから予防できることから、通年投与はおすすめです。

なお、通年投与の場合は毎月投与する日を決めておくことで、先述したお薬カレンダーお薬リマインダーアプリを活用てし飲み忘れを防げるというメリットもあります。

フィラリア予防薬の飲み忘れに関するQ&A

フィラリア予防薬の飲み忘れに関して、よくある質問を紹介します。

フィラリア予防薬の投与を忘れて、予定より2週間過ぎてしまいました。今から飲ませても大丈夫?

毎月フィラリア予防薬を投与しているなら、飲み忘れて1~2か月経過した程度であれば、フィラリア症の症状が現れることはないです。

しかし、飲み忘れた時期にフィラリアに感染している可能性があります。

飲み忘れたのが猫だった場合は、フィラリア予防薬を投与してください。

飲み忘れたのが犬だった場合は、フィラリア予防薬を投与する前に動物病院で血液検査を受け、検査結果が陰性だったらフィラリア予防薬を投与しましょう。

高層階の完全室内飼いで、フィラリア予防薬を飲ませ忘れました。蚊にさされにくい状況だから大丈夫ですか?

高層階でも、人の出入りによって蚊が室内に入ってくることがあります。

完全室内飼いだからといって、絶対にフィラリアに感染しないとは限りません。

室内飼いの犬・猫も部屋に入ってきた蚊によってフィラリアに感染する場合があります。

猫の場合、フィラリア予防薬を飲ませ忘れたことに気づいたタイミングで、フィラリア予防薬を投与してください。

犬の場合、フィラリア予防薬を投与する前に動物病院で血液検査を受け、陰性だったらフィラリア予防薬を投与しましょう。

蚊のシーズン始めにフィラリア予防薬を飲ませるのをいつも忘れてしまいます。どうしたらいい?

フィラリアを予防するには、定期的なフィラリア予防薬の投与と飲み忘れを防ぐことが大切です。

蚊のシーズン初めにいつも飲ませ忘れてしまうのなら「通年投与」をおすすめします。

フィラリア予防薬を毎月1回投与することで、蚊のシーズンに限らず年間を通してフィラリア予防が行えます。

また、通年投与をしておけば血液検査の回数も減らせるので、愛犬・愛猫の負担も減らせます。

フィラリア予防薬飲み忘れまとめ


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