ブラベクト錠の死亡事例や危険性について|安全に使う方法を解説

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ブラベクト錠の死亡事例や危険性について|安全に使う方法を解説

ブラベクト錠は、フルララネルを有効成分とする犬専用のノミ・マダニ駆除薬です。

効果が3ヶ月続くため投与回数が少なくて済み、多くの飼い主さんに選ばれているお薬です。

その一方で、「ブラベクト錠」とネット検索すると、関連ワードに「死亡」と出てくるなど、不安を感じている方も多いかもしれません。

そこで今回は、製薬メーカーやFDAの研究資料をもとに、ブラベクト錠の副作用や危険性、死亡例について解説します。

ブラベクト錠とは

ブラベクト錠とは

ブラベクト錠は、犬専用のノミ・マダニ駆除薬です。

有効成分にフルララネルを含有しており、愛犬をノミ・マダニから3ヶ月にわたってガードする効果をもちます。

ポーク風味で嗜好性の高いチュアブルタイプで、メーカーの研究では十分な安全性も確認されています。

>>ブラベクト錠はコチラをご覧ください

ブラベクト錠の作用機序

ブラベクト錠の有効成分であるフルララネルは、ノミ・マダニといった節足動物のGABA作動性塩素イオンチャネルに作用して、塩素イオンが神経細胞に流入するのを阻害します。

神経伝達を阻害された節足動物は、異常な興奮を制御できなくなり、麻痺を起こして死滅します。

つまり、ノミ・マダニの神経に作用して死に至らしめるということです。

こうした作用は節足動物のみに限定され、犬猫などの哺乳類には作用しないものとされています。

参考
MSD「BRAVECTO_技術資料」(外部リンク)

ブラベクト錠による死亡事例

ブラベクト錠による死亡事例

ブラベクト錠をはじめとするイソキサゾリン系寄生虫駆除剤に関する調査では、ブラベクト錠の有効成分「フルララネル」について、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)で2.50%、ヨーロッパのEMA(欧州医薬品庁)で23.56%の死亡例が報告されています。

とくにEMAでは5頭に1頭の割合となっていて、少し驚くかもしれません。

しかしこれらのデータは、調査の母数やブラベクト錠との因果関係、犬の既往歴などの情報が明確でなく、さらにFDAとEMAとの数字にも大きな開差があります。

そのため、慎重に扱うべきデータであるといえます。

大切なことは、前提としてFDAは大多数の犬や猫に対するイサゾリン系薬剤の安全性と効果を認めているということです。

参考
Survey of canine use and safety of isoxazoline parasiticides(外部リンク)

国内における死亡事例

国内に目を向けると、動物用医薬品データベースにブラベクト錠による死亡例が数件掲載されています。

ただし、これらは因果関係が不明な事例がほとんどです。

このほか、動物病院で処方されたイソオキサゾリン系の駆除薬を経口投与した後に、けいれん発作のような神経症状が現れて死亡に至ったという事例もみられます。

病院の報告をみると、この動物は心不全治療のACE阻害剤を服用中だったようですが、明確な因果関係には触れられていません。

ブラベクト錠は臨床試験で安全性が認められていますが、お薬である以上100%安全だとは言い切れません。

使用する際は、犬の病歴や服用しているお薬の有無、健康状態なども確認しながら、獣医師さんとしっかり相談することが重要です。

>>ブラベクト錠はコチラをご覧ください

参考
動物用医薬品データベース「ブラベクト錠」(外部リンク)
当院において発生した「外部寄生虫駆除薬」による有害事象についてのご報告(外部リンク)

ブラベクト錠の副作用

ブラベクト錠の副作用

ブラベクト錠の副作用には、以下の症状などが挙げられます。

  • ・下痢や嘔吐、食欲不振、流涎などの消化器症状
  • ・まれにけいれんや嗜眠
  • ・一部の動物においてASTやALTの増加

ブラベクト錠は飲み薬なので、発現する副作用は消化器症状が多いようです。

また、まれにけいれんなどが起こるため、てんかんの既往歴のある犬への投与は慎重に判断すべきとされています。

このほかにも、投与後に気になる症状が見られた場合は、速やかに動物病院で診察を受けましょう。

FDAによる警告

アメリカのFDAは、2018年にブラベクト錠を含むイソキサゾリン系寄生虫駆除薬に関して、警告する文書を発出しています。

FDA が通常の市販後活動の一環として受け取ったデータによると、犬用 Bravecto (フルララネル) 錠剤、猫と犬用 Bravecto (フルララネル) 外用液、犬用 Nexgard (アフォキサラネル) 錠剤、または犬用 Simparica (サロラネル) 錠剤を投与された一部の動物で、筋肉の震え、運動失調、発作などの有害事象が発現しています。

引用元:Animal Drug Safety Communication: FDA Alerts Pet Owners and Veterinarians About Potential for Neurologic Adverse Events Associated with Certain Flea and Tick Products

この文書は、寄生虫などの節足動物にのみ作用するとされるフルララネルの神経作用が、哺乳類にも影響する可能性があるとして、添付文書への追記などを求めるものとなっています。

ただしFDAは、こうした事象は一部の動物に対するもので、大多数の動物には安全で効果的だとしています

使用を禁止するものではなく、駆除薬を選択する際の大切な参考情報として把握しておきましょう。

ブラベクト錠以外のノミ・マダニ駆除薬

ここまでブラベクト錠の死亡例や副作用についてみてきましたが、ノミ・マダニ駆除薬はブラベクトだけではありません。

ブラベクトが属するイソキサゾリン系駆除薬のほかにも、さまざまな種類のお薬が販売されています。

たとえば、マクロライド系駆虫薬として、セラメクチンを有効成分とするレボリューションや、そのジェネリックであるレボスポットがあります。
レボリューション
これらの商品はノミ駆除とフィラリア予防はできますが、マダニは駆除できないため注意しましょう。

ほかにも、フィプロニルを有効成分とするフロントラインプラスや、ジェネリックのフロントラインプラスジェネリック犬用(メロニルプラス)といった駆除薬も選ぶことができます。

フロントラインプラス

これらはすべて皮膚に直接垂らすスポットタイプなので、飲み薬が苦手な愛犬にも投与しやすいお薬です。

ブラベクト錠を安全に使用する方法

ブラベクト錠を安全に使用する方法

さいごに、ブラベクト錠を安全に使用するための方法を確認していきます。

愛犬の健康状態をチェック

ブラベクト錠を投与する前は、愛犬の健康状態をチェックしましょう。

体調を崩しているときに薬を投与すると、副作用のリスクが高くなってしまうことがあります。

とくに、てんかんなどの持病がある犬や、服用しているお薬がある場合は、必ず獣医師さんに相談するようにしてください。

定められた用法用量を守る

ブラベクト錠は、定められた用法用量を守って投薬しましょう。

体重別に投与量が決まっているので、愛犬の体重に合った適正量を与えてください

また、8週齢未満の子犬や2kgに満たない犬に対する安全性は認められていないため、使用は避けてください。

投与後は愛犬の体調を観察する

ブラベクト錠を投与した後は、愛犬の体調を観察しましょう。

投与後にぐったりしていたり、ピクピクとけいれんしたりする場合は、速やかに動物病院を受診してください。

また、異変があったときにすぐに診てもらえるように、できるだけ午前中に投与するのがおすすめです。

ブラベクト錠は正しく安全に使おう

ブラベクト錠は安全性が認められているノミ・マダニ駆除薬ですが、お薬である以上は100%安全であると言い切れません

とくに、定められた使い方や投与量を守らないと、予期せぬ副作用があらわれてしまう可能性もあります。

安全に使用するためにも、正しい投与方法を確認したうえで愛犬に与えるようにしましょう

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