おにぎりを握っているときや恵方巻を食べているときなど、「これを食べていると猫が寄ってくる」猫ホイホイ的な食品の代表格として海苔があります。
「ウチの子は寄ってこないよ」とお思いの飼い主さんもいらっしゃると思いますが、意外と海苔好きな猫ちゃんは多いみたいなんです。動画を検索してみると、夢中で食べる様子が見られるほど。
ちなみに、ぽちたまスタッフが飼っている猫ちゃんも寄ってくるそうです。
なんとなく消化に悪い気がして今まであげたことが無いらしいのですが、あげてみてもいいものなのでしょうか?
今回は猫と海苔について深掘りしてみたいと思います。
猫は海苔を食べても大丈夫
いきなり結論ですが、猫は海苔を食べても「大丈夫」です!
猫が海苔を好きな理由は、あの独特な「磯の香り」にあると思われます。
食べ物が「美味しいかどうか」「食べられるかどうか」ということを判断するとき、猫は味や見た目より「匂い」を重視しているからです。
例えば猫がチーズや生クリームを好む理由は、含まれている乳脂肪分の匂いに反応しているのです。
海苔はミネラルの宝石箱!海苔に含まれているミネラルについて
人間は生きていくために必ずミネラルを摂取しなければなりませんが、それは猫にとっても同じことです。
動物に必要なミネラルとは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、イオウ、塩素、クロム、モリブデン、コバルト、セレン、ヨウ素の、合計16種類です。
海苔にはその内、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンの、合計9種類ものミネラルが含まれています。
これはまさにミネラルの宝石箱と言えるのではないでしょうか。
その内、特に猫に必要なミネラルは以下の7つです。
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
- 鉄
- 亜鉛
これらのミネラルにどのような効果があるのか、詳しく見ていきましょう。
ナトリウム
カリウムと共に、体内の水分や、細胞間の浸透圧のバランスを保ってくれる栄養素です。
また、体内の水分を保持しつつ体液の量を維持し血圧を調整しています。
食塩などを通じてナトリウムを過剰に摂るとこの液量が増大し、血圧が上がったり、むくみを生じたりします。
その他にも胆汁や膵液、腸液などの材料になります。
カリウム
特に乾し海苔や焼き海苔には、カリウムが豊富に含まれています。
ナトリウムとともに、主に体内の細胞の浸透圧を保持しているほか、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応を調節するなどの働きをします。
また、カリウムは腎臓におけるナトリウムの再吸収を抑制して尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があり、カリウムが不足してナトリウムばかりが過剰になると体にむくみが生じます。
カルシウム
カルシウムはご存じのとおり、骨や歯の構成に必要な成分です。
その他、細胞の分裂や分化、筋肉の収縮や血液凝固作用の促進、神経興奮の抑制などに関与しています。
よく、「イライラしているときにカルシウムを取るとよい」と言われるのは、この作用のためです。
マグネシウム
マグネシウムは、体内の300種類以上の酵素の働きを助けたり活性化させたりするのに必要な成分です。
エネルギー産生にも関わっており、栄養素の合成や分解、遺伝情報、神経伝達にも作用します。
また、カルシウムと拮抗して筋肉の収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたりするなどの働きをします。
リン
骨や歯を正常に発達させる働きを担う栄養素です。
カルシウムと共に「ハイドロキシアパタイト」として骨や歯を構成する働きをするため、リンが不足してしまうと、成長の遅れや骨の変形が見られる場合があります。
また、細胞膜の構成成分になったり、遺伝情報を伝達するうえで重要なDNAやRNAなどの核酸となったりするなど、生体内の重要な成分の構成要素としてさまざまな代謝反応に関与します。
ハイドロキシアパタイトとは |
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鉄
血液中の赤血球は全身へ酸素を運ぶ重要な役割を担っていますが、鉄はこの赤血球中の色素を構成します。
赤血球は細胞内に「ヘモグロビン」というたんぱく質を持っていますが、これはたんぱく質の「グロビン」と鉄分を含む色素「ヘム」の複合体です。
鉄は酸化しやすい性質があるため、鉄分を含むヘモグロビンによって酸素が全身に運ばれるのです。
赤血球の赤色は、鉄が酸化した色なんです。錆びた釘と同じですね。
亜鉛
亜鉛はさまざまな生体内の反応に関与しています。
アミノ酸からのたんぱく質の再合成、DNAの合成などにも必要で、特に胎児や乳児の発育や生命維持に非常に重要な役割を持っています。
また、骨の成長や肝臓や腎臓、インスリンを作る膵臓や精子をつくる睾丸など、日々新しい細胞が作られる組織や器官で必須となるミネラルです。
猫に与える適量は?おやつ感覚であげてみよう
実は、猫が必要とする一日のミネラルの適量というのは、各調査機関によって基準値がバラバラで、いまだに決まった答えがあるわけではありません。
また、猫の体質によっても推奨される量が変わってくることから海苔はおやつ程度に与えるのがおすすめです。
どんな食品にも言えることですが、いくら体によいとされている食品であっても、過剰に食べさせると逆に体に悪影響が出ることがあります。
特に、焼き海苔に含まれるマグネシウムは、摂りすぎると尿路結石を発症することがあります。
焼き海苔全型1枚3gに含まれるマグネシウム量は、およそ9㎎ほどです。
でも、これだけ様々な効果を秘めているのならぜひ愛猫にあげてみたいですよね。
端っこをちぎって与えたり、細かくちぎってフードに振りかけたりする程度にあげてみましょう。
しかし、すでに腎臓病や尿路結石などの疾患を抱えている猫ちゃんにはあげないようにしてください。
猫に海苔まとめ
なんでも食べすぎはダメですが、海苔を欲しがる猫ちゃんにはあげても大丈夫だということがわかりました。
スタッフの家の猫ちゃんにも、少しならあげて大丈夫だよと教えてあげようと思います。
日本の猫は魚が好きだから海苔の磯の香りに反応するのかな?と思っていましたが、インターネットを検索していると、意外にも海苔を食べる海外猫ちゃんの動画を多く発見しました。
海外の猫ちゃんにも海苔は人気があるようです。
日本人のソウルフードとも言うべき海苔が、世界の猫たちにも浸透しているとわかって嬉しくなりました。
今日は帰りに海苔を買って帰ろうと思います。
犬も猫も好き!ぽちたま薬局ライターです。ぽちたま薬局公式Twitter担当者でもあります!ぜひTwitterのフォローもよろしくお願いします♡→@pochi10tama