この記事では、絶対に知っておくべきイベルメクチンの副作用と注意点を解説します。
なお、この記事で解説するイベルメクチンは人間用の薬についてであり、犬のフィラリア予防薬として使用されるイベルメクチンの話ではありません。
目次
イベルメクチンの投与量と副作用の関係
イベルメクチンは疥癬(かいせん)というミクロサイズのダニによる皮膚疾患の治療や、腸管糞線虫症という寄生虫の虫下しに用いられる治療薬です。
イベルメクチンは、疥癬や腸管糞線虫症の治療のために一般的な投与量を使用するのであれば、副作用の少ない薬です。
ただし、全く副作用がない訳ではなく、一般的な投与量でも副作用が起こる可能性はあります。
そのため、投与量を多く服用するとその分副作用の発現リスクも高くなります。
なお、一般的なイベルメクチンの投与量は、下記に掲載している通りです。
一般的なイベルメクチンの投与量
・疥癬の治療に用いる場合
体重1kg当たり約0.2mgを1回、投与します。
※体重60kgであれば、1回12mgの投与となります。
重症型の角化型疥癬の場合は1回目の服用後、1~2週間以内に効果を確認し、2回目の服用が必要となる場合があります。
・腸管糞線虫症の治療に用いる場合
体重1㎏あたり約0.2mgを2週間間隔で2回、投与します。
※体重60kgであれば、1回12mgの投与となります。
知っておくべきイベルメクチンの副作用
イベルメクチンの副作用には、以下の症状が報告されています。
・吐き気
・かゆみ
・めまい
・一時的なかゆみの悪化
・嘔吐
・下痢
・発疹
・肝機能異常
・好酸球数の増加
イベルメクチンの重大な副作用
まれに起こる重大な副作用として、以下の症状が報告されています。
これらの症状が現れた場合はイベルメクチンの使用を中止し、すぐに医師の診察を受けてください。
中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群
目の充血、唇のただれ、全身の倦怠感、38度以上の高熱など
肝機能障害や黄疸
体のだるさ、食欲の低下、皮膚や白目の部分が黄色くなるなど
血小板の減少
鼻血や歯ぐきの出血、血尿、手足などの皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくいなど
意識障害
意識が薄れる、判断力の低下、考えがまとまらない、昏睡など
【参考リンク】
ストロメクトール錠3mg | くすりのしおり : 患者向け情報
イベルメクチンを飲んではいけない方
イベルメクチンの注意点として、服用してはいけない方がいます。
以下に該当する方は、イベルメクチンの安全性が確立されていません。
そのため、絶対に自己判断で服用しないでください。
服用を希望する場合は、必ず獣医師に相談したうえで判断しましょう。
妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある方
妊娠中・妊娠の可能性がある方に対するイベルメクチンの安全性は、確立していません。
また、動物実験では催奇形性の副作用が認められています。
妊娠中や妊娠している可能性がある方には、治療上のメリットがリスクを上回ると判断される場合にのみ、投与することが推奨されています。
なお、イベルメクチンはヒト母乳中に移行することが報告されています。
イベルメクチンを服用中は、授乳を中止しなければいけません。
高齢者の方
高齢者の方に対するイベルメクチンの安全性は、確立されていません。
一般に高齢者の方は肝臓や腎臓、心機能が低下していることが多いです。
また、合併症がある場合や他のお薬を併用していることも多いため、服用には注意が必要です。
小児の方
体重15kg未満の小児を対象とした臨床試験は行われていないため、イベルメクチンの安全性は確立されていません。
【参考リンク】
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
イベルメクチンは副作用で肝臓に悪い影響がある?
イベルメクチンの副作用として、肝機能異常が起こる場合があります。
症状としては、肝臓に多く含まれる酵素ASTやALTの上昇、タンパク質を分解する酵素γ-GTPの上昇、古くなった赤血球が分解されてできる黄色い色素の総ビリルビン値上昇などが挙げられます。
これらの数値は肝臓がダメージを受けたり、肝臓に障害が起こることで上昇します。
また、まれにですが重大な副作用として、著しいASTやALTの上昇を伴う肝機能障害や、黄疸が現れる場合もあります。
【参考リンク】
・AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP | 肝臓に関する検査の一覧 | 肝炎.net
・総ビリルビン(T-Bil)(血液)|健診会 東京メディカルクリニッ
最後に
これからイベルメクチンの購入を検討される方は、この記事でお伝えしたイベルメクチンの副作用と注意点を忘れないでください。
副作用は決して軽く見てはいけません。
イベルメクチンを実際に使用する前に何か気になる点がある場合は、必ず医師に相談することをおすすめします。
ペットの医薬品の個人輸入サイト「ぽちたま薬局」の創設に携わる。
商品知識は業界一と自負しています。
1日のマクロ栄養素のバランスとミクロ栄養素の摂取量に異常なまでにこだわる、筋トレとプロテインを嗜む海外サプリマニアの40代管理職。
調理師免許を持つ。