この記事では、絶対に知っておくべきイベルメクチンの副作用と注意点について解説します。
イベルメクチンは疥癬(かいせん)というミクロサイズのダニによる皮膚疾患の治療や、腸管糞線虫症という寄生虫の虫下しとして使用するお薬です。
※犬のフィラリア予防薬としてのイベルメクチンの話ではありません。
目次
絶対に知っておいて!イベルメクチンの副作用
イベルメクチンは一般的な投与量であれば、副作用の少ない薬です。
しかし発現頻度の差はあれど、どんな薬にも副作用は存在するものです。
当然ですが一般的用量よりも多く服用すれば、それだけ副作用の発現リスクは高まるはずです。
一般的なイベルメクチンの投与量
疥癬治療
イベルメクチンとして、体重1kg当たり約0.2mgを1回経口投与。 体重60kgであれば、1回12~24mgです。
腸管糞線虫症治療
イベルメクチンとして、体重1㎏あたり約0.2mgを2週間間隔で2回経口投与。体重60kgであれば、1回12~24mgです。
イベルメクチンの副作用
重い副作用
一般の投与ではめったにない(頻度不明)ですが、初期症状等に念のため注意が必要です。
重い皮膚・粘膜障害
発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
肝臓の障害
だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
血小板減少
鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
意識障害
昏睡、意識レベルの低下、意識変容状態等。
その他の副作用
吐き気、吐く、下痢
外国で実施された腸管糞線虫症を対象とした臨床試験では11.0%の副作用が確認され、吐き気(吐く)と下痢がそれぞれ1.8%認められました。
発疹、かゆみ、めまい
上記と同じ試験では11.0%の副作用中、めまいが2.7%、発疹、かゆみがそれぞれ2.7%認められました。
肝機能異常、好酸球数増加
副作用は疥癬の投与で肝機能異常が0.4%、腸管糞線虫症の投与で好酸球数増加が1.2%認められました。
【参考リンク】
ストロメクトール3mg – JAPIC
イベルメクチン:ストロメクトール
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
イベルメクチンの重篤な副作用が懸念される人たち
イベルメクチンの投与にはいくつも注意点がありますが、以下の対象者については安全性が確立されていません。絶対に自己判断で投与しないでください。
必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
高齢者への投与
高齢者に対するイベルメクチンの安全性は確立されていません。
一般に高齢者は肝、腎、心機能が低下している場合があります。
また、合併症が有る、もしくは他の薬剤を併用している場合が多いため、服用には注意が必要です。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の女性に対するイベルメクチンの安全性は確立していません。
また、動物実験では催奇形性の副作用が認められています。
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上のメリットがリスクを上回ると判断される場合にのみ投与することが推奨されています。
なお、イベルメクチンはヒト母乳中に移行することが報告されています。
イベルメクチンを服用中は、授乳を中止しなければいけません。
小児等への投与
体重15kg未満の小児に対するイベルメクチンの安全性は確立されていません。
【参考リンク】
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
最後に
これからイベルメクチンの購入を検討される方は、今回紹介したイベルメクチンの副作用と注意点を忘れないでください。
副作用は決して軽く見てはいけないものです。
実際に使用する前に何か気なる点がある場合は、必ず医師に相談することをおすすめします。

ペットの医薬品の個人輸入サイト「ぽちたま薬局」の創設に携わる。
商品知識は業界一と自負しています。
1日のマクロ栄養素のバランスとミクロ栄養素の摂取量に異常なまでにこだわる、筋トレとプロテインを嗜む海外サプリマニアの40代管理職。
調理師免許を持つ。