新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
コロナウィルスへの有効性を期待され治験が続けられていたイベルメクチンですが、残念ながら効果なしとの発表がありました。(2022.09.26)
【参考リンク】
興和/新型コロナウイルス感染症患者を対象とした「K-237」(イベルメクチン)の第III相臨床試験結果に関するお知らせ
それでもイベルメクチンに光を見出す方もいます。
真相がどうなのかは一介の個人輸入代行業者の私には判断のしようもありません。
でも、他の誰よりもイベルメクチンの個人輸入をお手伝いしてきた私だからこそ分かることがあります。
この記事ではコロナの予防や治療で服用するなら絶対に知っておくべきイベルメクチンの副作用と注意点について解説します。
※犬のフィラリア予防薬としてのイベルメクチンの話ではありません
目次
コロナ治療薬として、イベルメクチンの副作用は分かっていない
「イベルメクチンは副作用がほとんどない安全なお薬で、これまで長期間にわたって用いられていることからもそれは明白である。」
そのように主張される方がいますが、それは承認されている一般的な用法用量での話。
そもそもイベルメクチンは本来、疥癬(かいせん)というミクロサイズのダニによる皮膚疾患の治療や、腸管糞線虫症という寄生虫の虫下しとして使用するお薬です。
コロナ治療に転用した場合の有効性と副作用は分かっていないのです。
ちなみに、日本では北里大学病院が実施中の医師主導治験、興和が実施中の企業治験が行わていますが、コロナ治療に用いるイベルメクチンの量は通常よりも高用量となる可能性があります。
量が増えれば副作用のリスクも増えるのは必然です。
詳細はこの記事内のこちらのトピックを参照
コロナ治療で用いるイベルメクチンの投与は高用量
また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、イベルメクチンの不適切な服用は過剰摂取につながり、幻覚、痙攣、昏睡を引き起こして死に至る可能性があると注意を促しています。
要注意!イベルメクチンの重大な副作用に意識障害が追記
イベルメクチンの開発元であるMSD社は2021年10月12日、「COVID-19 に対するイベルメクチンの処方について」と題するステートメントを医療関係者に発し、改めてイベルメクチンが未承認であることを強調しました。
また同日、厚生労働省はイベルメクチンについて「使用上の注意」改訂の指示を出しました。
これにより、新たに重大な副作用の項目に「意識障害」が追記されます。
また、重要な基本的注意の項目にも、「意識障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること」との注意が記載されます。
【参考リンク】
MSDとマルホ COVID-19 へのイベルメクチンの処方で医療関係者に注意喚起 安全性情報の監視継続 | ニュース | ミクスOnline
イベルメクチンの重篤な副作用が懸念される人たち
イベルメクチンの投与にはいくつも注意点がありますが、以下の対象者については安全性が確立されていません。絶対に自己判断で投与しないでください。
必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。
高齢者への投与
コロナ対策としては最も需要が想定される高齢者への投与ですが、残念ながら高齢者に対するイベルメクチンの安全性は確立されていません。
一般に高齢者は肝、腎、心機能が低下している場合があります。
また、合併症が有る、もしくは他の薬剤を併用している場合が多いため、服用には注意が必要です。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関するイベルメクチンの安全性は確立していません。また、動物実験で催奇形性の副作用が認められています。
妊婦または妊娠している可能性のある女性には治療上のメリットがリスクを上回ると判断される場合にのみ投与することが推奨されています。
ヒト母乳中に移行することが報告されています。
イベルメクチンの服用中は授乳を中止しなければいけません。
小児等への投与
体重15kg未満の小児に対するイベルメクチンの安全性は確立されていません。
【参考リンク】
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
絶対に知っておいて!イベルメクチンの副作用
イベルメクチンは一般的な投与量であれば副作用の少ない薬です。
しかし、発現頻度の差はあれど、どんな薬にも副作用は存在するものです。
そして、当然ですが一般的用量よりも多く服用すれば、それだけ副作用の発現リスクは高まるはずです。
コロナ治療で用いるイベルメクチンの投与は高用量
現在臨床試験で試されているイベルメクチンの投与量は一般的な投与量よりもかなり多くなっています。
一般的なイベルメクチンの投与量
疥癬治療
イベルメクチンとして、体重1kg当たり約0.2mgを1回経口投与。 体重60kgであれば、1回12~24mgです。
腸管糞線虫症治療
イベルメクチンとして、体重1㎏あたり約0.2mgを2週間間隔で2回経口投与。体重60kgであれば、1回12~24mgです。
コロナ治療で用いるイベルメクチンの投与量
1回につき体重1㎏あたり約0.2~0.4mgです。体重60kgであれば、1回12~24mgです。
1日1回、5日間、または回復するまで服用となりますので、通常よりもかなり多く飲むことになります。
【参考リンク】
I-MASK+ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および早期の外来患者治療に関するプロトコル – FLCCC
イベルメクチンの副作用
重い副作用
一般の投与ではめったにない(頻度不明)ですが、初期症状等に念のため注意が必要です。
重い皮膚・粘膜障害
発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
肝臓の障害
だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
血小板減少
鼻血、歯肉出血、血尿、皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくい。
意識障害
昏睡、意識レベルの低下、意識変容状態等。
その他
吐き気、吐く、下痢
外国で実施された腸管糞線虫症を対象とした臨床試験では11.0%の副作用が確認され、吐き気(吐く)と下痢がそれぞれ1.8%認められました。
発疹、かゆみ、めまい
上記と同じ試験では11.0%の副作用中、めまいが2.7%、発疹、かゆみがそれぞれ2.7%認められました。
肝機能異常、好酸球数増加
副作用は疥癬の投与で肝機能異常が0.4%、腸管糞線虫症の投与で好酸球数増加が1.2%認められました。
【参考リンク】
ストロメクトール3mg – JAPIC
イベルメクチン:ストロメクトール
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
最後に
・2022年4月に感染爆発が危惧されるステルスオミクロン
・コロナ病床のひっ迫による自宅療養の増加
・自宅療養中に十分な医療を受けられない不安
イベルメクチンを個人輸入する方は、きっとこんなことが不安なのではないでしょうか。
私も高齢の親を抱える身ですので、いざという時のためにイベルメクチンとデキサメタゾン(コロナによる肺炎を抑えるお薬)を手元に置いています。
家族が感染して重症化した際に病床がひっ迫していて、受け入れ先がないという事態が心配だからです。
ただ、私の場合親が感染したときに自己判断では使わず、医師と相談するつもり(相談できれば)です。
副作用は決して軽く見てはいけないものだからです。
もし、これからイベルメクチンの購入を検討しているのなら、今回紹介したイベルメクチンの副作用と注意点を忘れないでください。
そしていざという時がきても、必ず医師に相談することをおすすめします。

ペットの医薬品の個人輸入サイト「ぽちたま薬局」の創設に携わる。
商品知識は業界一と自負しています。
1日のマクロ栄養素のバランスとミクロ栄養素の摂取量に異常なまでにこだわる、筋トレとプロテインを嗜む海外サプリマニアの40代管理職。
調理師免許を持つ。