この記事は2021年7月に投稿した記事を再編集したものです。
2026年5月、クルーズ船で発生したハンタウィルスクラスター感染を受け、SNSで「イベルメクチンが効く」という情報が急速に拡散。
この記事が再び注目されています。
この記事では、購入を判断する前に知っておくべきイベルメクチンの副作用と医学的事実を解説します。
誤解のないように先に申し上げますが、ぽちたま薬局はイベルメクチンの可能性を否定しているわけではありません。あくまで現在分かっている事実のみをお伝えいたします。
目次
クルーズ船ハンタウィルス騒動について
2026年4月〜5月、オランダ船籍の極地クルーズ船「MV Hondius号」(アルゼンチン・ウシュアイア出港)で、乗客・乗員合わせて名がハンタウィルスに感染、3名が死亡するという衝撃的な事件が発生しました。
2026年4月6日、MVホンディウス号に乗船していた男性が呼吸器症状を発症した。症状は急速に悪化し、わずか5日後に死亡した。セントヘレナ島で下船した妻も症状を発症し……南アフリカ国立感染症研究所がこの女性から採取したサンプルを検査し、ハンタウイルス感染を確認した。
報道が広がると、SNSでは「COVID-19のときと同じ流れだ」「早めにイベルメクチンを買っておいたほうがいい」という投稿が急速に拡散。ぽちたま薬局にもイベルメクチンに関する問い合わせが急増しています。
⚠ 今回と新型コロナの「類似点」について
船内でのクラスター発生・未知のウイルス・情報の錯綜——確かに2020年初頭の状況と似た側面はあります。しかしウイルスの種類・感染経路・治療法はまったく異なります。「似ている」は「同じ薬が効く」を意味しません。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、今回のハンタウィルスについて次のように評価しています。
ヒト-ヒト感染はアンデスウイルスを除き報告されておらず、過去のアンデスウイルスの感染事例においても、適切な対応によりさらなる伝播抑制につながったことが示唆されており、国内でヒト-ヒト感染により感染拡大する可能性は低いと考えられる。
WHOが「有効性なし」と言う理由——その構造的問題
今回のハンタウィルス感染拡大を受けて、WHOや各国の感染症専門家は「イベルメクチンがハンタウィルスに効くという根拠はない」と声明を出しています。
前回のパンデミックの際にWHOという組織の信用が揺らいだのも事実。
イベルメクチンを否定する=ワクチン利権を守っている
と考える方が少なくないのも無理もありません。
しかし、ここには重要な前提があるのです。
「まだ研究もされていない」のになぜ否定できるのか?
「WHOはなぜハンタウィルスへの効果を否定するのか。まだ研究もされていないのに」という疑問はもっともです。
これについて、感染症専門医の立場からはこう説明されています。
イベルメクチンがハンタウイルス感染症の治療に有効だという主張がインターネット上で拡散されているが、医師や公衆衛生の専門家らは『偽情報』だとして警鐘を鳴らしている。ニューヨーク・ティッシュ病院の感染症専門医ダナ・マゾ博士は、イベルメクチンが人間のハンタウイルス感染症を治療できるという主張を裏付けるデータは存在しないと指摘した。
つまり「効く証拠がない」のであって「効かないことが証明された」わけではありません。しかしこれは医療の常識的な判断基準です——「効くと証明されていない薬を、重篤な疾患の治療として推奨することはできない」のです。
SNSで拡散した「根拠」の一つは、「ハンタウィルスはRNAウイルスだから、RNAウイルスの複製を阻害するイベルメクチンが効くはずだ」という論理です。確かにイベルメクチンは試験管内の実験でRNAウイルスの複製を阻害する結果が出たことはあります。
しかし、効果が人体でも発揮されるかは、臨床試験で検証しなければわかりません。COVID-19でも同様に「試験管内では効果があった」が、ヒトへの臨床試験では有効性が確認されませんでした。
「WHOが否定=効く」という危険な逆転論理
COVID-19パンデミック以降、「WHOが否定するものほど実は効く」という逆転した信念が一部で広まっています。この心理には理解できる背景があります。
WHOへの不信感はなぜ生まれたか
2020〜2021年のコロナ禍においてWHOは情報発信の遅れや立場の揺れがあり、信頼を損ないました。一方でイベルメクチンは「効くのに政府・製薬業界に揉み消された」という論調と結びつき、強固な支持層を生みました。
COVID-19でイベルメクチンの有効性が否定されたのは、実際に大規模な臨床試験が行われた結果です。日本の製薬会社・興和による国内第3相臨床試験でも、統計的に意味のある有効性は確認されませんでした。
投与開始から168時間までの症状が改善傾向に至るまでの時間を主要評価項目として、偽薬と比較した結果、統計的に意味のある差をもって有効性を見出すことができなかった、と報告した。
イベルメクチンの投与量と副作用
イベルメクチンは疥癬(かいせん)というミクロサイズのダニによる皮膚疾患の治療や、腸管糞線虫症という寄生虫の虫下しに用いられる治療薬です。
イベルメクチンは、疥癬や腸管糞線虫症の治療のために一般的な投与量を使用するのであれば、副作用の少ない薬です。
ただし、全く副作用がない訳ではなく、一般的な投与量でも副作用が起こる可能性はあります。
そのため、投与量を多く服用するとその分副作用の発現リスクも高くなります。
なお、一般的なイベルメクチンの投与量は、下記に掲載している通りです。
一般的なイベルメクチンの投与量
・疥癬の治療に用いる場合
体重1kg当たり約0.2mgを1回、投与します。
※体重60kgであれば、1回12mgの投与となります。
重症型の角化型疥癬の場合は1回目の服用後、1~2週間以内に効果を確認し、2回目の服用が必要となる場合があります。
・腸管糞線虫症の治療に用いる場合
体重1㎏あたり約0.2mgを2週間間隔で2回、投与します。
※体重60kgであれば、1回12mgの投与となります。
知っておくべきイベルメクチンの副作用
イベルメクチンの副作用には、以下の症状が報告されています。
・吐き気
・かゆみ
・めまい
・一時的なかゆみの悪化
・嘔吐
・下痢
・発疹
・肝機能異常
・好酸球数の増加
イベルメクチンの重大な副作用
まれに起こる重大な副作用として、以下の症状が報告されています。
これらの症状が現れた場合はイベルメクチンの使用を中止し、すぐに医師の診察を受けてください。
中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群
目の充血、唇のただれ、全身の倦怠感、38度以上の高熱など
肝機能障害や黄疸
体のだるさ、食欲の低下、皮膚や白目の部分が黄色くなるなど
血小板の減少
鼻血や歯ぐきの出血、血尿、手足などの皮下出血(血豆・青あざ)、血が止まりにくいなど
意識障害
意識が薄れる、判断力の低下、考えがまとまらない、昏睡など
【参考リンク】
ストロメクトール錠3mg | くすりのしおり : 患者向け情報
イベルメクチンを飲んではいけない方

イベルメクチンの注意点として、服用してはいけない方がいます。
以下に該当する方は、イベルメクチンの安全性が確立されていません。
そのため、絶対に自己判断で服用しないでください。
服用を希望する場合は、必ず獣医師に相談したうえで判断しましょう。
妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある方
妊娠中・妊娠の可能性がある方に対するイベルメクチンの安全性は、確立していません。
また、動物実験では催奇形性の副作用が認められています。
妊娠中や妊娠している可能性がある方には、治療上のメリットがリスクを上回ると判断される場合にのみ、投与することが推奨されています。
なお、イベルメクチンはヒト母乳中に移行することが報告されています。
イベルメクチンを服用中は、授乳を中止しなければいけません。
高齢者の方
高齢者の方に対するイベルメクチンの安全性は、確立されていません。
一般に高齢者の方は肝臓や腎臓、心機能が低下していることが多いです。
また、合併症がある場合や他のお薬を併用していることも多いため、服用には注意が必要です。
小児の方
体重15kg未満の小児を対象とした臨床試験は行われていないため、イベルメクチンの安全性は確立されていません。
【参考リンク】
医療用医薬品 : ストロメクトール (ストロメクトール錠3mg)
イベルメクチンは副作用で肝臓に悪い影響がある?
イベルメクチンの副作用として、肝機能異常が起こる場合があります。
症状としては、肝臓に多く含まれる酵素ASTやALTの上昇、タンパク質を分解する酵素γ-GTPの上昇、古くなった赤血球が分解されてできる黄色い色素の総ビリルビン値上昇などが挙げられます。
これらの数値は肝臓がダメージを受けたり、肝臓に障害が起こることで上昇します。
また、まれにですが重大な副作用として、著しいASTやALTの上昇を伴う肝機能障害や、黄疸が現れる場合もあります。
【参考リンク】
・AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP | 肝臓に関する検査の一覧 | 肝炎.net
・総ビリルビン(T-Bil)(血液)|健診会 東京メディカルクリニッ
最後に
これからイベルメクチンの購入を検討される方は、この記事でお伝えしたイベルメクチンの副作用と注意点を忘れないでください。
副作用は決して軽く見てはいけません。
イベルメクチンを実際に使用する前に何か気になる点がある場合は、必ず医師に相談することをおすすめします。

ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。









