新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
こんにちは。医薬品個人輸入サイト「ぽちたま薬局」のスタッフもっちです。
何かと目にする機会の多いイベルメクチンとその飲み方について、ちょっとだけ話をさせてください。
※この記事で触れているのは犬のフィラリア予防薬ではなく、人間用のイベルメクチンの話です。
イベルメクチンは、コロナウイルス感染症への有効性について治験を続けていた興和と北里大学から、効果なしという結果が発表されました。
そのため、残念ながらこの事実は受け止めなければなりません。
【参考リンク】
・興和/新型コロナウイルス感染症患者を対象とした「K-237」(イベルメクチン)の第III相臨床試験結果に関するお知らせ
・北里大学イベルメクチン医師主導治験結果に関するお知らせ|北里大学病院
しかし上記の結果が発表された後も、コロナウイルスへの対策のためにイベルメクチンの服用を続ける方がいらっしゃいます。
服用する理由はそれぞれあると思いますが、むやみな服用は健康を害する恐れがあるためご注意ください。
高用量のイベルメクチンの飲み方は安全性が分かっていない
イベルメクチンは臨床試験において、安全性は確認されています。
しかし、「コロナウイルス感染症への有効性は見いだせなかった」という結果が発表されました。
また、イベルメクチンが適用となっている腸管糞線虫症や疥癬における投与量を超えて、高容量のイベルメクチンを服用した場合の安全性については分かっていません。
さらに、イベルメクチンは服用してはいけない方もいます。
以下に該当する方は、承認されている一般的な投与量であったとしても、服用しないようご注意ください。
妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
動物実験において催奇形性が認められているため、イベルメクチンを服用しないでください。
授乳中の方
母乳に移行することが報告されているため、イベルメクチンを服用しないでください。
高齢者の方
肝臓や腎機能・心機能の低下や合併症、他のお薬を併用している場合が多いので、むやみな服用は危険です。
小児の方
臨床試験において、体重15㎏未満の小児を対象とした試験は実施されていないため、安全性が確認されていません。
もしイベルメクチンをコロナウイルス感染症の予防のために、高齢のご両親や妊娠中の奥様に飲ませたいと思っても、医師に相談せず飲ませるのはとても危険な行為であることをご理解ください。
イベルメクチンの正しい飲み方
イベルメクチンは、腸管糞線虫症と疥癬の治療薬として承認されているお薬です。
ここでは、イベルメクチンの正しい飲み方について紹介します。
腸管糞線虫症に対しての服用方法
※1錠中に主成分3mgを含むイベルメクチンを服用する場合
1回につき0.2mg/kgを2週間間隔で2回、服用します。
例:体重60kgであれば1回12mgを服用
空腹時に水だけで服用し、牛乳や乳製品で服用しないようご注意ください。
疥癬に対しての服用方法
※1錠中に主成分3mgを含むイベルメクチンを服用する場合
0.2mg/kgを1回服用します。
例:体重60kgであれば1回12mgを服用
重症型の角化型疥癬の場合は、1回目の服用後に効果を確認し、2回目の服用を検討してください。
空腹時に水だけで服用し、牛乳や乳製品で服用しないようご注意ください。
イベルメクチンの間違った飲み方
イベルメクチンの間違った飲み方について紹介します。
- コロナウイルス感染症への予防として、高容量のイベルメクチンを服用する
- イベルメクチンを飲んではいけない方に服用させる
- 医師に相談せず、自己判断で服用する
- 自己判断で多量・長期間にわたって服用する
- 医師から処方されたイベルメクチンの服用を自己判断で止める
イベルメクチンは医師の処方・指示が必要な治療薬です。
承認されている治療においても、間違った飲み方は避けてください。
特に自己判断での服用や高容量の服用は危険ですので、控えましょう。
まとめ
現在もコロナウイルス感染症の脅威は存在し、世界の政治や社会不振からイベルメクチンを服用する気持ちはわかります。
また、ワクチンを接種してもブレイクスルー感染や無症状で陽性になる人がいることも事実です。
しかし、臨床試験における結果は認めざるを得ません。
くれぐれもネット上で飛び交う根拠のない無責任な情報に惑わされないよう、注意したいものです。
ペットの医薬品の個人輸入サイト「ぽちたま薬局」の創設に携わる。
商品知識は業界一と自負しています。
1日のマクロ栄養素のバランスとミクロ栄養素の摂取量に異常なまでにこだわる、筋トレとプロテインを嗜む海外サプリマニアの40代管理職。
調理師免許を持つ。