抗インフルエンザ薬である「アビガン(ファビピラビル)」。
この記事ではアビガン(ファビピラビル)の副作用について解説します。
アビガンの副作用
・過敏症:発疹、湿疹、そう痒症
・肝臓:ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、γ-GTP増加、血中ビリルビン増加、血中ALP増加
・消化器:下痢、嘔吐、悪心、腹痛、腹部不快感、胃炎、血便排泄、十二指腸潰瘍
・血液:白血球数減少、好中球数減少、白血球数減少、白血球数増加、網状赤血球減少、単球数増加
・代謝異常:血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、血中ブドウ糖陽性、血中カリウム減少
・呼吸器:喘息、鼻咽頭炎、口腔咽頭痛、鼻炎
・その他:上室性期外収縮、尿中血陽性、血中CK(CPK)増加、色素沈着、扁桃腺ポリープ、挫傷、味覚異常、眼痛、霧視、回転性めまい
アビガンの副作用には上記のような症状が挙げられています。
重大な副作用は?
(1)異常行動
・急に走り出す、徘徊するなどの転落等に至る可能性のある行動
(2)薬類
・アナフィラキシー
・肺炎
・肝機能障害、劇症肝炎、黄疸
・皮膚粘膜眼症候群
・中毒性表皮壊死融解症
・急性腎障害
・好中球減少、白血球減少、血小板減少
・精神神経症状(せん妄、妄想、意識障害、痙攣、幻覚等)
・出血性大腸炎
異常行動
アビガンに限らず、抗インフルエンザ薬を投与したことによると思われる異常行動が報告されています。
因果関係も頻度も不明ですが、高層階のマンションの窓から飛び降りるなどの事故が年間50件ほど発生しているとのことで、厚生労働省より以下のような通達が出ています。
(1) 高層階の住居においては、例えば、
・ 玄関及び全ての窓の施錠を確実に行うこと(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む。)、
・ ベランダに面していない部屋で療養を行わせること、
・窓に格子のある部屋がある場合はその部屋で療養を行わせること、
等、小児・未成年者が容易に住居外に飛び出ない保護対策を講じることを医療関係者から患者及び保護者に説明すること(2) 一戸建てに住んでいる場合は、例えば、(1)の内容のほか、出来る限り1階で療養を行わせること
※厚生労働省「抗インフルエンザウイルス薬の使用上の注意に関する注意喚起の徹底について」より引用
転落等、事故に至るおそれのある重度の異常行動は、
・就学以降の小児
・未成年者の男性
で、多く報告されています。
異常行動の内容は主に、
・急に走り出す
・徘徊する
というもので、発現は発熱から2日間以内に多いとのことです。
このことから、未成年の男性のお子さんに抗インフルエンザ薬を飲ませるときは、特に注意が必要です。
妊娠・胎児への影響
アビガンは、動物実験において催奇形性が認められているため、妊娠中、妊娠する可能性のある女性への投与が認められていません。
前期胚の致死・催奇形性がある
アビガンの投与によって、初期胚(受精し分割が進み始めている卵子)の致死や催奇形性が確認されています。
そのため、妊娠中の女性にアビガンを投与すると、流産や死産、あるいは胎児が障害を持って生まれてくる可能性を否定できないのです。
また、「妊娠する可能性のある女性」に投与できないとされていることで、服用することが不妊につながるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうことではありません。
アビガンを服用することで、妊娠初期の胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠する可能性のある女性には投与できないのです。
成分は精子にも移行する
アビガンは女性だけではなく、男性にも影響を及ぼします。
アビガンの成分は精子にも移行します。
そのため、アビガンの内服後に性交渉を行った場合、女性がアビガンを内服していなかったとしても受精卵が初期胚のうちに死んでしまったり、催奇形性を起こして流産や死産に結び付く可能性があります。
そのため、男性がこの薬を使用している間、および、使用を終了してから10日間以内に性交渉を行う場合は、必ず避妊するよう呼びかけられています。
避妊方法としては、男性は必ずコンドームを着用し、有効な方法を取るようにしてください。
また、服用中に妊婦と性交渉してはいけません。
アビガンの副作用まとめ
- アビガンの副作用は異常行動やアナフィラキシーなど多岐にわたる
- 妊婦、妊娠する可能性のある女性は服用できない
- 男性の服用中、および服用から服用終了から10日までは確実な避妊を行うこと
- また、男性の服用中は妊婦との性交渉も行ってはならない
- アビガン服用の副作用で脱毛するとは考えにくい
服用の際は医師の指示のうえでお使いいただくことをお勧めいたします。
猫が大好き!な、ぽちたま薬局ライターです。
我が家の2匹を含んだ地上にいるすべての猫たちのために!猫のための情報をおとどけします!現在は猫の食事について日々勉強中(*‘ω‘)