エキノコックスは、キツネに寄生して感染が広がる寄生虫です。
しかし宿主となるのはキツネだけではありません。実は犬もエキノコックスに寄生される可能性があるのです。
しかも感染リスクがあるのは野良犬だけではなく、飼い犬も同様です。
主に北海道で生息しているエキノコックスですが、愛知県などでも確認されています。そのため、本州に住んでいたとしても対策を取りたいところ。
本記事では、愛犬と飼い主さんを感染から守るための対策を解説していきます。
エキノコックスの詳細は、以下のコラムも参考にしてください。
目次
犬はネズミを食べることでエキノコックス症に感染する
犬がなぜエキノコックスに感染してしまうのか、それはネズミを食べてしまうからです。
エキノコックスは幼虫の過程でネズミに寄生しますが、その寄生されたネズミを食べて感染するのが犬やキツネです。
ネズミに寄生していたエキノコックスは、犬やキツネの腸内に侵入して幼虫から成虫になります。
また、感染犬からほかの犬にエキノコックスが寄生することはないため、多頭飼育でも隔離させる必要はありません。
感染経路については、以下のコラムでも詳細を説明しています。
卵がついた糞を食べても犬はエキノコックス症に感染することはない
エキノコックスに寄生された犬やキツネは、糞と一緒にエキノコックスの卵を排出します。
仮にその卵をほかの犬が食べたとしても感染することはありません。
犬はエキノコックスにとって終宿主。犬の体内に入っても、卵は成長しないのです。
一方、中間宿主であるネズミの場合はエキノコックスの卵が口に入ると寄生されます。
詳しくは、以下のコラムでも説明しています。
犬がエキノコックス症に感染してもほとんどの場合は無症状
犬は、エキノコックス症に感染してもほとんどの場合は無症状です。
症状がある場合でも、稀に下痢が見られる程度。基本的に、犬は寄生されても健康に大きな影響はありません。
しかし、飼い主さんは注意が必要。糞を処理するときなどに感染する可能性があるからです。
エキノコックス症は人が感染すると命を奪いかねない危険な病気。たとえ愛犬が無症状であっても、自分を守るという意味でも駆除対策をしましょう。
エキノコックス症から愛犬を守る3つの対策
愛犬をエキノコックス症に感染させないための対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
フィラリアのように有効な予防薬はあるのか、感染した場合はどう対処すればよいのか確認していきましょう。
エキノコックス症の予防対策①駆虫薬で治療する
定期的に駆虫薬を投与することがエキノコックス症の対策になります。
前述した通り、犬は仮に寄生されても基本的には無症状。飼い主さんは気づきにくいのが現実です。
そのため普段から虫下しをして備えておくことが大切。
とくにエキノコックスの流行地域である北海道は、感染リスクがとくに高いので注意をしてください。
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エキノコックス症の予防対策②散歩中にリードを放さない
散歩中は愛犬のリードを手放さないようにしましょう。
ノーリードで行動を把握しきれなくなったときに、愛犬がネズミを食べてしまうかもしれません。
また、散歩中の拾い食いもしないように愛犬から目を離さないことも大切です。
エキノコックス症の予防対策③放し飼いをしない
エキノコックス症の対策として、愛犬の放し飼いをしないということも重要です。
犬にとって、拾い食いや落ちているものを口にする行動は本能。愛犬を放し飼いにすると、いつどこで何を口にするかわかりません。
また、賢くて大人しい犬であっても、放し飼いは感染症のリスクだけでなく人に迷惑がかかる可能性もあります。
愛犬は絶対に、放し飼いしないようにしましょう。
エキノコックス症に効果的なワクチンはある?
狂犬病や感染症予防のように、エキノコックス症に対してのワクチンはあるのでしょうか。注射で対策ができるなら安心ですよね。
しかし現状、エキノコックスに対するワクチンはなく、お薬で有効とされる対策は駆虫薬のみです。
寄生されるリスクが高い場合には、感染を確認するための定期的な検査をして早期発見につなげましょう。
エキノコックス症は犬から人にも感染する!飼い主さんがすべき対策は?
エキノコックス症は、犬から人にも感染します。
もちろん愛犬の感染予防も重要ですが、飼い主さん自身にはどのような対策が必要でしょうか。
ここからは、飼い主さんがすべき感染予防の対策を紹介してきます。
万が一に備えて参考にしてみてください。
外から帰ったら手をよく洗う
外から帰ったときには、しっかり手を洗いましょう。
人がエキノコックス症に感染する原因は、偶発的に卵が口に入ることです。
エキノコックスの卵はとても小さく、直径0.03mmほどなので肉眼では確認できません。
気づかないうちに卵が手に付着している可能性もあります。
定期的に検査をする
定期的な検査はエキノコックス症対策にとても有効。
というのもエキノコックス症は潜伏期間が5~15年ほどと長く、初期症状に気づくことが難しい病気だからです。
検査を受けずに症状に気が付いたときには手遅れだった……なんてことにもなりかねません。
エキノコックス症を治すには早期発見がなにより大切です。心配な方は、定期的にエキノコックスの検査を受けましょう。
人がエキノコックス症に感染すると命を落とす場合もある
人がエキノコックス症に感染すると、命を落とす場合もあります。
体内に侵入した後のエキノコックスの発育場所は肝臓・肺・腎臓・脳などで、初期症状として肝腫大・腹痛・黄疸・貧血・発熱・腹水貯留などが現れます。
そこから約6ヶ月で腹水が蓄積して、死に至ることもあるのです。
詳しい情報は、以下のコラムでも確認できます。
エキノコックス症は早期発見すれば治る
エキノコックス症は、命を脅かす恐ろしい病気。しかし早期に発見できれば治る病気でもあります。
根治的治療を目指すには早期発見が欠かせません。定期的に検査を受けましょう。
詳しくは、以下のコラムでも解説しています。
まとめ
エキノコックスが寄生するのはキツネだけではありません。
犬が感染しているネズミを食べると、そこから寄生される可能性もあります。
犬は寄生されても無症状ですが、言い換えればそれは感染に気付きにくいということ。つまり飼い主さん自身への危険にも直結します。
愛犬と飼い主さん自身を守るためには、感染しないように普段から予防することが大切です。
感染が心配な場合は、定期的な駆除薬の投与や検査で対策しましょう。
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