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犬のクッシング症候群-初期症状のサインとは?

犬のクッシング症候群とは、別名「副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)」と呼ばれ、副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。

コルチゾールは身体機能の維持に欠かせないホルモンで、過剰に分泌されることで様々な症状をあらわします。

治療しながら生涯付き合っていく必要がある病気ですが、早期に発見し治療をすることで、寿命を全うできる場合も多いです。

この記事では、クッシング症候群の初期症状を主に、余命や治療法について紹介していきます。

犬のクッシング症候群の症状

クッシング症候群の症状

クッシング症候群の症状は多岐に渡るため、初期・末期に分けて紹介していきます。

初期症状

まず、飼い主さんが異変に気付くきっかけとして多い、クッシング症候群の初期症状をご紹介します。

・食欲が増す
・水を頻繁に飲む
・何度もトイレに行く
・皮膚が薄くなる
・毛が抜ける
・筋力が落ちる
・呼吸が苦しそう
・お腹が膨らむ

クッシング症候群の多くは、中齢(8歳以上)で発症します。

多飲多尿に、筋力の低下など、一見すると老化の症状にも似ていますが、愛犬が急にこのような症状を表した時はクッシング症候群を疑った方が良いでしょう。

早期に異変に気づき、後述する治療を開始することで、クッシング症候群を患ったとしても穏やかに過ごせる確率が高まります。

末期症状

クッシング症候群の末期症状は、初期症状とは異ります。

・立てなくなる
・食欲の低下
・皮膚炎
・膀胱炎
・血栓塞栓症
・糖尿病
・突然死

免疫力が低下し感染症を起こしやすくなり、糖尿病や血栓塞栓症など、重大な病気を併発するリスクが高まります。

クッシング症候群の犬の余命

クッシング症候群の犬の余命

クッシング症候群を患った犬の余命は、治療の有無によって大きくことなります。

2020年にイギリスで行われた研究によると、クッシング症候群の治療をおこなった犬の中央生存期間が521日だったのに対し、治療をしなかった犬の中央生存期間は178日だったそうです。

もちろん症状の進行具合や基礎疾患によって異なりますが、この報告からも、早期発見・早期治療が愛犬の余命を伸ばすことが分かりますね。

参考
英国でプライマリケアに参加している副腎皮質機能亢進症の犬219頭の生存分析

犬のクッシング症候群の治療方法

治療

クッシング症候群の治療は、その原因によって異なります。

■内服療法
クッシング症候群の治療法において、最も一般的なのが内服療法です。
コルチゾールの分泌を抑える薬を投与し、症状を緩和させます。
副作用を起こさない為に、検査を行いながら適量を投与していきます。

■放射線治療
脳の下垂体にできた腫瘍が原因の場合は、上述した内服療法と併用し放射線使用を行うこともあります。
しかし、放射線治療は専門施設が整った病院でしか受けることができず、かつ費用も高額になるため、飼い主さんの負担が大きいです。

■手術
副腎もしくは脳の下垂体にできた腫瘍には、手術が適用されることもあります。
根本的な治療になりうる一方で、手術の難易度が高くリスクが高い難点があります。

また、上述した通りコルチゾールは非常に大切なホルモンです。術後は不足するホルモンを補充する為、継続的な投薬の必要があります。

なお、クッシング症候群の治療は非常に高額で、中には「払えない…」と感じて治療を諦めてしまう飼い主さんもいらっしゃいます。

クッシング症候群の治療費については、こちらの記事を参考にどうぞ。

また、クッシング症候群の治療に用いられるお薬は、ぽちたま薬局にも取り扱いがございます。

よくある質問

よくある質問

犬のクッシング症候群に関するよくある質問について回答していきます。

犬のクッシング症候群を治療しないとどうなる?

クッシング症候群は自然治癒は見込めません。
また、治療せずに放置し症状が進行すると、免疫力の低下や、糖尿病など合併症のリスク増加に繋がり、死にいたることもあります。

クッシング症候群の犬が食べてはいけないものは?

合併症を避けるため、下記のような注意が必要です。
・高脂肪のフード
・高炭水化物の(高GI値)フード
・高ナトリウムのフード

より詳細に知りたい方は、こちらのブログ記事をどうぞ。

犬がクッシング症候群にならないための予防法は?

効果的な予防法などは存在せず、どれだけ早期に発見し治療を開始できるかがポイントとなります。

クッシング症候群にかかりやすい犬は?

・プードル
・ダックスフンド
・ボストンテリア
・ポメラニアン
・ビーグル
などが多いと言われています。
また、年齢は8歳以降の中齢犬が発症しやすいと言われています。

まとめ

クッシング症候群は生涯付き合っていく必要がある厄介な病気ですが、早期に発見し治療を解すすることで予後は良好な場合が多いです。

残念ながら予防する手段はないため、どれだけ早く愛犬の異変に気付き治療を開始するかがポイントになります。

今回紹介した初期症状をもう一度確認し、小さな変化も見逃さないように気をつけましょう。

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