「猫の膀胱炎の治療費はいくらかかる?」「検査や薬で高額にならない?」と、費用が気になっている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
猫の膀胱炎にかかる治療費は、必要な検査や薬、通院回数などによって異なります。
また、尿道閉塞などを起こして入院や処置が必要になると、治療費が高くなることもあります。
この記事では、猫の膀胱炎にかかる治療費の目安をはじめ、診察・検査・薬などの費用の内訳、入院や手術が必要になった場合の費用について解説します。
治療期間やペット保険、治療費が心配な場合の対処法についても紹介するので、愛猫の膀胱炎で受診を考えている方は参考にしてください。
目次
猫の膀胱炎の治療費はいくら?
猫の膀胱炎の治療費は、症状や必要な検査によって異なります。
動物病院が公開している料金を見ると、軽度の膀胱炎では数千円程度から、検査や治療内容によっては数万円程度かかる場合があります。
また、尿道閉塞や膀胱結石などを伴い、入院や手術が必要になると、さらに高額になることがあります。
動物病院の診療費には一律の料金が定められていないため、同じような検査や治療を受けても、病院によって費用は異なります。
次の項目では、診察料や検査費、薬代など、猫の膀胱炎でかかる費用の内訳を詳しく紹介します。
猫の膀胱炎でかかる費用の内訳

猫の膀胱炎で動物病院を受診すると、診察料のほか、原因や症状を調べるための検査費、治療に使用する薬代などがかかります。
必要な検査は猫の状態によって異なりますが、主な費用の内訳は以下のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 診察料 | 1,000~2,500円程度 | 初診料・再診料など |
| 尿検査 | 1,000~3,000円程度 | 血液や結晶、尿の状態を確認する |
| 超音波検査 | 2,000~10,000円程度 | 膀胱の状態や結石などを確認する |
| レントゲン検査 | 3,000~7,000円程度 | 結石の有無や位置などを確認する |
| 血液検査 | 検査項目によって異なる | 腎機能や全身状態などを確認する |
| 薬代 | 2,000~4,000円程度/7日 | 症状や原因に応じた薬が処方される |
| 療法食 | 商品によって異なる | 尿石症などで必要に応じて使用する |
※実際の費用は動物病院や検査・治療内容によって異なります。
膀胱炎だからといって、すべての検査を行うわけではありません。
症状や尿検査の結果などをもとに、必要に応じて超音波検査やレントゲン検査、血液検査などが追加されます。
また、治療に使用する薬も膀胱炎の原因によって異なります。
薬の種類や投与期間によって、必要な費用も異なります。
猫の膀胱炎に使用される薬について詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。
さらに、膀胱結石や尿石症などが関係している場合は、獣医師の判断で療法食を取り入れることがあります。
猫の膀胱炎と食事の関係やフードの選び方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
猫の膀胱炎は原因によって治療費が変わる
猫の膀胱炎は、原因によって必要な検査や治療方法が異なるため、治療費にも差が出ます。
主な原因として挙げられるのが、特発性膀胱炎、細菌性膀胱炎、膀胱結石・尿石症です。
それぞれどのような治療が行われ、治療費に違いが出るのか見ていきましょう。
特発性膀胱炎の場合
特発性膀胱炎は、検査をしても細菌感染や結石などの明らかな原因が見つからない膀胱炎です。
診断する際は、ほかの病気を除外するために尿検査を行い、必要に応じてレントゲン検査や超音波検査などが追加されます。
治療では、痛みを和らげる薬などを使用するほか、飲水量を増やしたり、トイレなどの生活環境を見直してストレスを減らしたりすることが重要です。
そのため、検査費や薬代に加えて、水分摂取量を増やす目的などで療法食を取り入れる場合は、その費用もかかります。
また、特発性膀胱炎は再発することもあるため、繰り返し受診や検査が必要になれば、その分治療費も増える可能性があります。
細菌性膀胱炎の場合
細菌性膀胱炎は、膀胱内で細菌が増殖することで起こる膀胱炎です。
治療には抗菌薬が使用されますが、症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合には、尿培養検査や薬剤感受性検査を行い、原因となる細菌や有効な抗菌薬を調べることがあります。
そのため、診察料や尿検査、薬代のほか、追加の検査費用がかかる場合があります。
また、治療後に細菌感染が改善しているか確認するため、再度受診や検査が必要になることもあり、通院回数によって治療費は変わります。
膀胱結石・尿石症の場合
膀胱結石や尿石症が原因となって膀胱炎を起こしている場合は、結石の種類や大きさ、猫の状態などに合わせて治療を行います。
結石の種類によっては療法食によって溶かす治療が行われますが、食事療法で溶かすことができない結石や、膀胱炎を繰り返すケースでは手術による摘出が必要になることもあります。
また、結石などによって尿道が詰まり、尿が出なくなる「尿道閉塞」を起こした場合には、カテーテルを使った処置や点滴、入院などが必要になることがあります。
このように膀胱結石・尿石症では、食事療法だけで管理できる場合から、処置・入院・手術が必要になる場合まで治療内容に幅があります。
処置や入院、手術が必要になると、その分治療費も高くなります。
猫の膀胱炎で入院するといくらかかる?

猫の膀胱炎は、すべてのケースで入院が必要になるわけではなく、軽度であれば通院で治療できることもあります。
一方、膀胱炎に伴って尿道が詰まり、尿が出なくなる「尿道閉塞」を起こしている場合などは、入院が必要になることがあります。
動物病院が公開している料金例では、猫の尿道閉塞で入院治療を行う場合、1泊あたり1万5,000~2万円程度、入院期間によっては総額10万~15万円程度かかることがあります。
入院中は猫の状態に応じて、点滴や尿道カテーテルの留置、排尿状態の管理などが行われます。
そのため、入院日数が長くなったり、必要な検査や処置が増えたりすると、治療費も高くなります。
特に尿道閉塞は放置すると急激に状態が悪化する可能性があるため、何度もトイレに行くのに尿が出ない、またはほとんど出ていない場合は、治療費を理由に受診を先延ばしにせず、速やかに動物病院を受診しましょう。
なお、実際の入院費用は猫の状態や入院期間、動物病院によって異なります。
費用が心配な場合は、入院時に治療内容やおおよその費用について確認しておくとよいでしょう。
猫の膀胱炎で手術が必要になった場合の費用
猫の膀胱炎は、基本的にすべてのケースで手術が必要になるわけではありません。
しかし、膀胱結石があり食事療法などで改善が難しい場合や、尿道閉塞を繰り返している場合などには、手術が検討されることがあります。
動物病院が公開している料金例では、膀胱結石を取り除く手術で13万円程度、尿道閉塞を繰り返すオス猫などに行われる会陰尿道瘻設置術では、入院費を含めて15万~20万円程度かかる場合があります。
膀胱結石の手術では、膀胱を切開して結石を取り除きます。
また、尿道閉塞を繰り返す場合には、尿道の細い部分を避けて新しい尿の出口を作る「会陰尿道瘻設置術」が行われることがあります。
手術費用のほかにも、術前の血液検査や画像検査、麻酔、入院、術後の診察や薬などの費用が必要になる場合があります。
そのため、実際にかかる総額は猫の状態や手術方法、入院期間、動物病院によって異なります。
手術を提案された場合は、治療内容とあわせて、入院費などを含めたおおよその総額を事前に確認しておくとよいでしょう。
猫の膀胱炎の治療期間と通院回数

猫の膀胱炎が治るまでの期間は、原因や症状の程度によって異なります。
特発性膀胱炎では、数日~1週間程度で症状が落ち着くこともあります。
一方、細菌性膀胱炎では抗菌薬による治療が必要となり、尿石症を伴う場合は治療や経過観察が長期にわたることもあります。
また、一度の受診だけで治療が終了するとは限りません。
症状が改善しているか確認するために再診したり、尿検査などを再度行ったりすることもあります。
特に、膀胱炎を繰り返している場合や治療を続けても症状が改善しない場合は、原因を調べるために追加の検査が必要になることがあります。
そのため、治療期間が長くなったり通院回数が増えたりすると、その分治療費もかかります。
なお、症状が落ち着いたように見えても、自己判断で薬を中止したり通院をやめたりせず、獣医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
「治療しているのになかなか治らない」「何度も膀胱炎を繰り返している」という場合に考えられる原因については、以下の記事で詳しく解説しています。
猫の膀胱炎の治療費にペット保険は使える?
猫の膀胱炎の治療費は、加入しているペット保険の契約内容によっては補償の対象となる場合があります。
診察や検査、薬による通院治療だけでなく、尿道閉塞などによって入院や手術が必要になった場合も、契約内容に応じて補償を受けられることがあります。
ただし、補償される割合や金額、対象となる診療内容などはペット保険によって異なります。
膀胱炎の治療を受ける際は、加入している保険の補償内容を確認しておきましょう。
また、すでに膀胱炎を発症してからペット保険に加入しても、今回の治療費は補償されない場合があります。
補償開始前に発症していた病気は対象外となるのが一般的で、保険によっては病気に対する待機期間が設けられていることもあります。
そのため、将来的な病気やケガによる治療費の負担に備えたい場合は、愛猫が健康なうちにペット保険への加入を検討しておくのもひとつの方法です。
治療費が心配でも受診を先延ばしにしない
猫の膀胱炎は、軽度であれば比較的少ない費用で治療できることもありますが、症状が悪化すると追加の検査や処置、入院などが必要になり、結果として治療費が高くなる可能性があります。
そのため、治療費が心配だからといって、自己判断で受診を先延ばしにするのは避けましょう。
特に、何度もトイレに行くのに尿が出ない、またはほとんど出ていない場合は、尿道閉塞を起こしている可能性があります。
尿道閉塞は命に関わることもあるため、すぐに動物病院を受診することが大切です。
治療費に不安がある場合は、受診時に獣医師へ相談し、必要な検査や治療、おおよその費用について確認しておくとよいでしょう。
また、どうしても治療費の支払いが難しい場合には、動物病院への相談をはじめ、状況に応じて検討できる方法があります。
治療費が払えない場合の対処法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
よくある質問

猫の膀胱炎について、よくある質問に回答します。
猫の膀胱炎は自然に治る?
猫に多い特発性膀胱炎では、数日~1週間程度で症状が自然に落ち着くことがあります。
ただし、血尿や頻尿などの症状は、細菌性膀胱炎や尿石症、尿道閉塞などでもみられます。
見た目の症状だけで原因を判断することは難しいため、「自然に治るかもしれない」と自己判断して放置するのは避けましょう。
症状がみられた場合は動物病院を受診し、原因に応じた治療を受けることが大切です。
猫の膀胱炎の治し方や自宅でできるケアについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
猫の膀胱炎で元気がある場合も病院へ行くべき?
元気や食欲があっても、血尿や頻尿、排尿時の痛みなどがみられる場合は、動物病院を受診しましょう。
猫は膀胱炎になっても、初期には普段と変わらず元気に見えることがあります。
しかし、膀胱炎だと思っていた症状の原因が尿石症など別の病気である可能性もあります。
症状が軽いうちに原因を調べ、適切な治療を受けることが大切です。
猫の膀胱炎で尿が出ない場合は?
何度もトイレに行っているのに尿が出ない、または数滴しか出ていない場合は、尿道閉塞を起こしている可能性があります。
尿道が完全に塞がると尿を排出できなくなり、急速に全身状態が悪化することがあります。
そのため、尿が出ていない場合は様子を見ず、できるだけ早く動物病院を受診してください。
特にオス猫は尿道が細いため、尿道閉塞に注意が必要です。
猫の膀胱炎は再発する?
猫の膀胱炎は、一度治ったあとに再発することがあります。
特に特発性膀胱炎は再発しやすく、約半数の猫が1~2年以内に再発するとされています。
再発を防ぐためには、水分を十分に摂取できるようにする、トイレを清潔で快適な状態に保つ、ストレスを減らすなど、日頃の生活環境を整えることが大切です。
また、膀胱炎を繰り返している場合でも、毎回同じ原因とは限りません。
症状が再発した場合は自己判断で以前と同じ薬を使用せず、動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫の膀胱炎の治療費は、症状の程度や原因、必要な検査・治療によって異なります。
軽度であれば通院のみで治療できることもありますが、尿道閉塞や膀胱結石などを伴い、入院や手術が必要になると治療費が高額になる場合もあります。
また、治療期間が長くなったり、再診や追加の検査が必要になったりすれば、その分費用もかかります。
治療費が心配な場合でも受診を先延ばしにせず、まずは動物病院で必要な検査や治療、おおよその費用について相談することが大切です。
ぽちたま薬局では、猫の膀胱炎に使用される医薬品を取り扱っています。
猫の膀胱炎に使用される薬の種類や商品について詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

ぽちたま薬局のライターです。
実家では猫を飼っています。
これまでに犬やインコ、ウーパールーパーなど、動物に囲まれて暮らした経験があります。










