猫の膀胱炎が治らない原因は?抗生物質が効かない理由や対処法

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猫の膀胱炎が治らない原因は?抗生物質が効かない理由や対処法

猫の膀胱炎で治療を続けているものの、「なかなか治らない」「抗生物質を飲ませても血尿や頻尿が良くならない」と不安に感じている飼い主さんもいるでしょう。

猫の膀胱炎には、原因がはっきりしない「特発性膀胱炎」や細菌感染による「細菌性膀胱炎」、膀胱結石・尿石症などが関係しているケースがあります。
原因によって必要な治療は異なるため、抗生物質を使用しても症状が改善しない場合は、原因を改めて確認することが大切です。

この記事では、猫の膀胱炎が治らない原因や抗生物質が効かない理由、治るまでの期間、治療法、繰り返さないための対策について解説します。

猫の膀胱炎の基本的な治し方や治療の流れについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

猫の膀胱炎がなかなか治らない原因

猫の膀胱炎がなかなか治らない原因

猫の膀胱炎がなかなか治らない場合、膀胱炎の原因に合った治療ができていないことや、結石など別の問題が関係している可能性があります。

猫の膀胱炎が治らない主な原因として、次のようなものが挙げられます。

  • 特発性膀胱炎である
    猫に多くみられる膀胱炎で、細菌感染や結石などの明確な原因が見つからないタイプです。ストレスや生活環境など、複数の要因が関係すると考えられています。
  • 膀胱結石や結晶がある
    膀胱内に結石や結晶があると、膀胱粘膜が刺激され、血尿や頻尿、排尿時の痛みなどの症状が続くことがあります。
  • 細菌感染が改善していない
    細菌性膀胱炎の場合、原因となっている細菌に抗生物質が合っていないなどの理由で、感染が十分に改善していないことがあります。
  • 膀胱炎以外の病気が隠れている
    血尿や頻尿などは、膀胱炎だけでなく尿石症や腫瘍、腎臓・尿路の病気などでもみられる症状です。

このように、猫の膀胱炎が治らない原因はひとつではありません。
治療を続けても症状が改善しない、または一度良くなってもすぐに症状が現れる場合は、原因を改めて確認し、それぞれの状態に合った治療を行うことが大切です。

猫の膀胱炎に抗生物質が効かないのはなぜ?

猫の膀胱炎に抗生物質が効かないのはなぜ?

抗生物質は細菌に対して作用する薬のため、すべての猫の膀胱炎に効果があるわけではありません。

猫の膀胱炎に抗生物質が効かない場合は、主に次のような理由が考えられます。

  • 細菌性膀胱炎ではない
    猫では、細菌感染が原因ではない「特発性膀胱炎」も多くみられます。特発性膀胱炎の場合は細菌が原因ではないため、抗生物質を使用しても症状の改善にはつながりません。
  • 原因となる細菌に抗生物質が合っていない
    細菌性膀胱炎であっても、原因菌の種類や薬剤耐性などによって、使用している抗生物質が十分に効かないことがあります。
  • 薬を十分に飲めていない
    猫が薬を吐き出していたり、決められた量や期間を投与できていなかったりすると、十分な治療効果が得られないことがあります。
  • 結石や結晶など別の原因がある
    膀胱内に結石や結晶がある場合は、抗生物質だけでは原因を取り除くことができず、血尿や頻尿などの症状が続くことがあります。

抗生物質を投与しても症状が改善しない場合は、自己判断で薬を変更したり中止したりせず、動物病院を再受診しましょう。

尿検査や尿培養・薬剤感受性検査などを行い、膀胱炎の原因や使用している抗生物質(抗菌薬)が適切かを確認することが大切です。

猫の膀胱炎はどのくらいで治る?

猫の膀胱炎はどのくらいで治る?

猫の膀胱炎が治るまでの期間は、原因や症状の程度によって異なります。
特に猫に多い特発性膀胱炎では、適切な治療やケアによって数日~1週間程度で症状が落ち着くことがあります。

一方、細菌性膀胱炎では抗生物質による治療が必要となり、原因菌や症状、基礎疾患の有無などによって治療期間が異なります。

また、膀胱結石や尿石症などが関係している場合は、その原因に対する治療も必要になるため、改善までに時間がかかることがあります。

治療を始めてから数日経っても血尿や頻尿などが良くならない、症状が悪化している、何度も膀胱炎を繰り返している場合は、治療が合っていない、または別の病気が隠れている可能性もあります。

「何日経てば治る」と自己判断せず、症状が改善しない場合は動物病院を再受診し、原因や治療方法を改めて確認しましょう。

参考
Cat Carer Guide to Lower Urinary Tract Diseases(外部リンク)

猫の膀胱炎が治りかけているサイン

猫の膀胱炎が治りかけてくると、血尿や頻尿などの症状が少しずつ改善していきます。

治りかけているサインとしては、次のような変化が目安になります。

  • 血尿が見られなくなる
  • トイレに行く回数が普段の状態に戻ってくる
  • 排尿時に痛そうに鳴いたり、落ち着かない様子を見せたりすることが減る
  • トイレ以外での粗相が減る
  • 排尿前後にウロウロするなど、落ち着かない行動が減る

ただし、これらはあくまでも症状が改善している目安のひとつです。
見た目には元気になり、血尿や頻尿がなくなっていても、膀胱の炎症や原因となった病気が完全に改善しているとは限りません。

また、抗生物質などの薬が処方されている場合は、症状が良くなったからといって自己判断で投薬を中止せず、獣医師から指示された方法や期間を守って治療を続けましょう。

猫の膀胱炎が治らないときに動物病院で行われる検査

猫の膀胱炎が治らないときに動物病院で行われる検査

猫の膀胱炎がなかなか治らない場合は、症状が続いている原因を調べるために、動物病院で追加の検査が行われることがあります。
主な検査には、次のようなものがあります。

尿検査
採取した尿を調べ、血液や結晶の有無、尿の濃さやpHなどを確認します。
また、尿沈渣を調べることで、細菌感染や尿石症などを疑う手がかりが得られることもあります。

尿培養・薬剤感受性検査
細菌性膀胱炎が疑われる場合に、尿中に細菌が存在するか、どのような細菌が感染しているかを調べる検査です。
さらに薬剤感受性検査を行うことで、原因となる細菌に対して、どの抗生物質が効きやすいかを確認できます。
抗生物質を使用しても膀胱炎が改善しない場合には、治療薬を選択するための重要な判断材料となります。

超音波・画像検査
超音波(エコー)検査やレントゲン検査などを行い、膀胱や尿路の状態を確認します。
膀胱内の結石や膀胱壁の変化などを確認できるため、尿検査だけではわからない原因を調べる際に役立ちます。

血液検査
必要に応じて血液検査を行い、腎臓の状態や全身に異常がないかを確認することもあります。
特に膀胱炎を繰り返している猫や高齢の猫では、膀胱炎の背景にほかの病気が関係していないかを調べることも大切です。

このような検査を組み合わせて原因を確認し、その猫の状態に合った治療方法を検討します。

猫の膀胱炎が治らない場合の治療法

猫の膀胱炎がなかなか治らない場合は、原因を特定し、それぞれに合った治療を行うことが大切です。

ここでは、特発性膀胱炎・細菌性膀胱炎・膀胱結石や尿石症に分けて、主な治療法を紹介します。

特発性膀胱炎の治療

特発性膀胱炎は、細菌感染や結石などの明確な原因が見つからない膀胱炎です。

細菌感染が原因ではないため、基本的に抗生物質による治療ではなく、症状に応じた痛みの緩和や水分摂取量を増やす工夫、ストレスを減らすための生活環境の改善などを行います。

特に特発性膀胱炎はストレスとの関係が深いと考えられているため、トイレや食事環境、ほかの猫との関係などを見直し、猫が落ち着いて過ごせる環境を整えることも重要です。

細菌性膀胱炎の治療

細菌性膀胱炎では、原因となっている細菌に適した抗生物質を使用して治療します。
必要に応じて尿培養・薬剤感受性検査を行い、原因菌の種類やどの抗生物質が効きやすいかを確認したうえで、治療薬を選択します。

また、細菌性膀胱炎を繰り返している場合は、結石や基礎疾患など、細菌感染を起こしやすくしている原因がないか確認することも大切です。

処方された抗生物質は獣医師の指示どおりに使用し、症状が改善しても自己判断で中止したり、投与量を変更したりしないようにしましょう。

膀胱結石・尿石症の治療

膀胱結石や尿石症が原因となっている場合は、結石の種類や大きさ、尿路の状態などに応じて治療を行います。

結石の種類によっては療法食によって溶解を目指すことがありますが、食事では溶かすことができない結石もあります。
その場合は、状態に応じて結石を取り除くための処置や手術などが検討されます。

また、水分摂取量を増やすなど、尿を濃くしすぎないための管理も重要です。
膀胱結石や尿石症は再発することもあるため、治療後も獣医師の指示に従い、食事や生活環境を管理していきましょう。

猫の膀胱炎を繰り返す・すぐ再発する原因

猫の膀胱炎を繰り返す・すぐ再発する原因

猫の膀胱炎は、一度症状が改善しても、しばらくして再発することがあります。

特に特発性膀胱炎は再発することがあり、ストレスや水分不足など、膀胱炎を引き起こす要因が残っていると繰り返しやすくなります。
猫が膀胱炎を繰り返す主な原因としては、次のようなものが挙げられます。

  • ストレスの原因が残っている
    引っ越しや模様替え、家族やペットが増えたなどの環境変化のほか、トイレ環境やほかの猫との関係などがストレスとなり、特発性膀胱炎の再発につながることがあります。
  • 水分摂取量が少ない
    水分摂取量が少ないと尿が濃くなりやすく、膀胱や尿路のトラブルにつながることがあります。もともと猫は積極的に水を飲まない傾向があるため、日頃から水分を摂りやすい環境を整えることが大切です。
  • 結石や結晶が再びできている
    一度治療しても、食事や体質などによって膀胱結石や尿中の結晶が再びできることがあります。結石や結晶によって膀胱が刺激されると、血尿や頻尿などの症状が再発する原因になります。
  • 膀胱炎を起こしやすい病気が隠れている
    糖尿病や慢性腎臓病などの基礎疾患がある猫では、細菌性膀胱炎を起こしやすくなることがあります。

膀胱炎を何度も繰り返す場合は、そのたびに症状だけを抑えるのではなく、再発の原因を確認することが大切です。
動物病院で必要な検査や治療を受けるとともに、水分摂取や食事、トイレ、ストレスなどの生活環境も見直していきましょう。

猫の膀胱炎を繰り返さないために自宅でできること

猫の膀胱炎は、一度症状が改善しても再発することがあります。
特に特発性膀胱炎では、水分摂取やトイレ、ストレスなどの生活環境を整えることが、再発予防につながります。

ここでは、膀胱炎を繰り返さないために自宅でできる対策を紹介します。

水分摂取量を増やす

水分摂取量を増やすことは、猫の膀胱炎や尿路トラブルの予防において大切です。

猫がいつでも水を飲めるように複数の場所に水飲み場を用意したり、器の形や素材を変えたりして、水を飲みやすい環境を整えましょう。

ドライフードを食べている猫では、ウェットフードを取り入れて食事から摂取する水分量を増やす方法もあります。
ただし、持病がある場合や食事療法を行っている場合は、フードを変更する前に獣医師へ相談してください。

トイレを清潔で快適にする

猫が排尿を我慢しないように、安心して使えるトイレ環境を整えることも大切です。
排泄物はこまめに取り除いて清潔に保ち、猫が落ち着いて排尿できる静かな場所に設置しましょう。

多頭飼いの場合は、ほかの猫がいることでトイレを使いにくくなることもあります。
猫の頭数や相性なども考慮し、それぞれが利用しやすい数と場所にトイレを用意しましょう。

ストレスを減らす

ストレスは、猫の特発性膀胱炎に関係する要因のひとつと考えられています。

引っ越しや模様替え、新しいペットを迎えるなどの大きな変化だけでなく、騒音やほかの猫との関係、落ち着ける場所がないことなどもストレスにつながる場合があります。

隠れられる場所や高い場所を用意する、食事やトイレを落ち着いて利用できる場所に設置するなど、その猫が安心して過ごせる環境を整えましょう。

療法食は獣医師の指示に従って与える

膀胱結石や尿石症などが関係している場合は、尿路の状態や結石の種類に応じて療法食が使用されることがあります。
ただし、尿石にはいくつかの種類があり、すべての猫に同じ療法食が適しているわけではありません。

自己判断で療法食を選んだり途中で変更したりせず、獣医師の指示に従って、その猫の状態に適した食事を与えましょう。

また、療法食を与えている場合も定期的に診察や尿検査を受け、尿の状態を確認することが大切です。

猫の膀胱炎でこんな症状がある場合はすぐに動物病院へ

猫の膀胱炎でこんな症状がある場合はすぐに動物病院へ

猫の膀胱炎では、血尿や頻尿などの症状がみられますが、なかには緊急の治療が必要なケースもあります。

次のような症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

  • 何度もトイレに行くのに、尿が出ない・ほとんど出ていない
  • 嘔吐や食欲不振がみられる
  • ぐったりして元気がない
  • ふらつく、歩けないなどの異常がみられる

なかでも注意が必要なのが、尿道に結石や結晶などが詰まり、尿を排出できなくなる「尿道閉塞」です。

尿道閉塞によって排尿できない状態が続くと、体内に老廃物やカリウムなどが蓄積し、急性腎障害や高カリウム血症などを引き起こして命に関わることがあります。
特にオス猫は尿道が細く、尿道閉塞を起こしやすいため注意が必要です。

「何度もトイレに行っているから尿は出ているだろう」と判断せず、実際に排尿できているか、尿の量が極端に少なくなっていないかも確認しましょう。

尿が出ていない、または上記のような全身症状がみられる場合は、自宅で様子を見たり薬で対処したりせず、速やかに動物病院を受診してください。

よくある質問

猫の膀胱炎について、よくある質問に回答します。

猫の膀胱炎は自然に治る?

猫の特発性膀胱炎では、数日~1週間程度で症状が落ち着くケースもあります。
ただし、血尿や頻尿などの症状だけでは、特発性膀胱炎なのか、細菌感染や結石などが原因なのかを判断することはできません。

また、一度症状が改善しても再発することがあります。
「そのうち治るだろう」と自己判断で放置せず、膀胱炎が疑われる症状がみられた場合は動物病院を受診しましょう。

猫の膀胱炎で血尿が治らない場合はどうすればいい?

治療を続けても血尿が治らない場合は、動物病院を再受診しましょう。
膀胱の炎症が続いているほか、膀胱結石や尿石症、細菌感染などが関係している可能性があります。

必要に応じて尿検査や画像検査などを行い、血尿が続いている原因を確認することが大切です。
何度もトイレに行くのに尿が出ない、またはほとんど出ていない場合は、尿道閉塞の可能性もあるため、すぐに動物病院を受診してください。

猫の膀胱炎はほかの猫にうつる?

猫の膀胱炎が、ほかの猫に直接うつることは基本的にありません。

猫に多い特発性膀胱炎や、結石・結晶などが原因となる膀胱炎は感染症ではありません。

また、細菌性膀胱炎についても、一般的に猫同士で直接感染する病気ではありません。

ただし、多頭飼いではトイレ環境や猫同士の関係がストレスとなる場合もあるため、それぞれの猫が安心して過ごせる環境を整えることが大切です。

猫は膀胱炎で亡くなることがある?

膀胱炎による症状だけで命に関わるケースは多くありませんが、尿道が詰まって尿を排出できなくなる「尿道閉塞」を起こすと、命に関わることがあります。

尿が出ない状態が続くと、急性腎障害や高カリウム血症などを引き起こす恐れがあるため、緊急の治療が必要です。

特にオス猫は、尿道閉塞を起こしやすいため注意が必要です。
何度もトイレに行くのに尿が出ない、ぐったりしている、嘔吐しているなどの症状がみられる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

まとめ

猫の膀胱炎がなかなか治らない場合は、特発性膀胱炎や細菌感染、膀胱結石・尿石症など、さまざまな原因が考えられます。

特に抗生物質は細菌に作用する薬のため、細菌感染が原因ではない膀胱炎には効果が期待できません。

治療を続けても血尿や頻尿などの症状が改善しない場合は、自己判断で薬を変更したり中止したりせず、動物病院を再受診して原因を確認することが大切です。

また、膀胱炎は一度症状が落ち着いても再発することがあります。
水分を摂りやすくする、トイレを清潔に保つ、ストレスを減らすなど、日頃から生活環境を整えて再発予防につなげましょう。

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