猫がマダニに寄生されると、場合によっては感染症から死に至る可能性もあります。
マダニに寄生されたとき、猫にはどのような症状があらわれるのでしょうか?また、どう対処すれば良いのでしょうか?
本記事では、マダニに寄生された時の症状や対処方法についてわかりやすく説明していきます。
今すぐにマダニの駆除薬を知りたい方は、こちらも参考にしてください。
目次
猫に寄生するマダニとは
「マダニ」とはダニの一種で、動物に寄生する際さまざまな病気を媒介する危険な寄生虫です。
ダニは知っていても、マダニは耳慣れないという方もいるかもしれません。主な特徴に以下のようなものがあります。
大きさ | 3~10mm(成虫)。 吸血後は10倍に膨らむ |
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生息地 | 公園や庭、山林や草むら、藪など。 適度な湿度のある場所。 地上1m程度の植物に付着。 |
種類 | 世界で800種類以上、日本で47種類 |
季節 | 春から秋が活動のピーク。 ただ1年中注意が必要 |
基本的にマダニは緑の多いところに生息しており、葉の裏などで寄生のチャンスをうかがっています。
そのため、公園などにお出かけすることが多い猫は寄生される可能性が高いです。
また、マダニは犬にも寄生するので、もし猫と犬を一緒に飼っているなら散歩帰りにマダニを持ち込んでしまう可能性もあります。
飼い主さんの服に付着することもあるので、完全室内飼いの猫であっても十分注意をしましょう。
猫にマダニが寄生した時の症状
マダニには吸血する力が強く、口だけが体表に残ることがあります。
そうなると肉芽腫(にくがしゅ)ができたり皮膚が硬くなったり、皮膚炎の原因に。
噛まれたところがかゆくなり、搔きすぎて傷ができてしまうこともあるかもしれません。
また、吸血による貧血のリスクもあります。
マダニが引き起こす感染症
皮膚炎や貧血も注意したいですが、さらに怖いのはマダニが病原体を媒介することによって起こる感染症です。
なかには猫の糞便の接触などから人に感染する病気も……。
主にどんなものがあるか解説していきます。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」はマダニの中でも「フタトゲチマダニ」「タカサゴキララマダニ」に刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。
症状は主に発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)や、腹痛、筋肉痛、出血症状など。
猫から人への感染例もあるので普段から予防対策は徹底しておきたいですね。
ちなみに人が感染した場合もほぼ同様の症状が出ると言われており、元気・食欲消失、黄疸、発熱、嘔吐、下痢などの症状があります。
参考
国内のネコ・イヌにおける重症熱性血小板減少症候群の発生状況(外部リンク)
SFTS等の最新の動物由来感染症の発生状況について(外部リンク)
ヘモプラズマ感染症
「ヘモプラズマ感染症」は、赤血球に「ヘモプラズマ」という細菌が寄生する病気です。
初期症状として発熱がありますが、これはヘモプラズマを追い出そうとする免疫反応によるもの。
そして赤血球が破壊されることにより猫が貧血を起こすことがあります。
さらに貧血が進行しすぎると赤血球を補おうとして脾臓が腫れたり、最悪の場合命を落とす危険性も……。
この感染症も猫から人にうつる場合があります。
ライム病
「ライム病」は、「ライム病ボレリア」という細菌によって引き起こされる感染症です。
猫が感染した場合、目立った症状はほとんどありません。
しかし人に感染した場合は倦怠感、頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛等のインフルエンザのような症状などを起こすことがあります。
猫から人にうつることもある病気なので、しっかり対策しましょう。
Q熱
「Q熱」は、「コクシエラバーネティー」という細菌が原因の感染症です。
猫や動物が感染してもほとんどが無症状、軽い発熱程度と言われています。
しかしこの感染症も猫から人にうつることがあるので油断できません。
人が感染すると40℃前後の高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、咽頭痛、発汗、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、などの症状が出る可能性があります。
参考
Q熱とは(外部リンク)
Q熱|厚生労働省(外部リンク)
猫にマダニがいるか調べる方法
恐ろしい感染病のリスクがあるマダニですが、どのように猫がマダニに寄生されているか発見すればいいのでしょうか。
マダニを見つけるためにまず知っておきたいのは、体のどの部分を狙ってくるのかということです。
マダニが吸血するのは、耳、頭、目のふち、お腹、背中、足の指の間、しっぽ、そのほか毛の薄い場所。
愛猫の体をチェックするときは、とくにこのあたりを念入りに見てあげましょう。
また、マダニに寄生されている可能性があるときに猫が取りやすい仕草も覚えておくといいでしょう。
・耳や顔などを何度も掻く
・頭やお尻をよく振る
・毛がよく抜ける
・毛繕いが多く毛玉をよく吐く
・体を床や壁にこすりつける
・過ごしていた部屋に入らなくなる
猫が上記の仕草をが取っているようでしたら、マダニがいる可能性が高いです。
体に手を添わせて、しこりや突っかかりがないかを直接触って確認してみましょう。
マダニの見つけ方・取り方については詳しくはこちらの記事でも解説しています。
マダニを見つけた時の対処法
もし猫の体にマダニを見つけても、無理には取らないでください。
無理に取ると、マダニの身体の一部が猫の皮膚の中に残り炎症や化膿につながったり、
卵が飛び散ったりしてしまうことがあります。
すみやかに動物病院へ行き対応してもらいましょう。
マダニの予防法
マダニから猫を守るための予防方法について紹介します。
日頃から実践できる内容ですので、猫の健康を守るためにもご活用ください。
ブラッシング
マダニは比較的毛の薄い場所に寄生しやすいです。
日頃から猫にブラッシングをしてあげることで、マダニの早期発見に繋がります。
新たにマダニが猫の体に付くのを防ぐためにも、以下で説明する他の方法と併用することでより効果が高ります。
シャンプー
シャンプーをすることでマダニの糞などを洗い流すことができます。
ブラッシング同様、ほかの方法と併用して予防しましょう。
なおシャンプーのやりすぎは乾燥の原因にもなるのでやりすぎには注意してください。
猫用のマダニ駆除薬の使用
マダニの予防には、猫用のマダニ駆除薬を使用することが最も有効です。
猫のマダニ駆除薬にはおやつタイプ・スポットタイプ・スプレータイプがあり、多くの商品が販売されています。
滴下するスポットタイプであれば、猫の後頭部から首付近の毛をかき分けて地肌に滴下するだけなので、簡単に使用できます。
一か所に滴下すれば全身に広がるので、手や櫛で全身に広げる必要はありません。
マダニ駆除薬の効果は1回で1ヶ月続くので、定期的に投与することでマダニを防げます。
用法・用量などについては獣医さんと相談のうえ使用してください。
マダニの対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
マダニは公園や河川敷などに生息しており、猫が少しでも外に出ることがあるなら寄生される可能性があります。
また、完全室内飼いであっても油断はできません。
飼い主さんや他の動物がマダニを持ち込み、そこから猫に寄生することもあるからです。
マダニ駆除薬などを使って予防することは、愛猫だけでなく飼い主さんの健康を守ることにも繋がります。
日頃からしっかり対策しておきましょう。
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