ヤギミルク。
日本ではあまりなじみのない食材ですが、猫や犬がお腹を壊さずに飲めて、なおかつ体によい優しいミルクということで、近年注目が高まっている食材です。
特に成長期の仔犬や子猫、消化が良いことからシニア犬やシニア猫にも向いています。
さらに、犬や猫だけじゃなく、多くの哺乳類のペットや人間の赤ちゃんにもよい乳なんだそうです。
市販のミルクを与えると下痢をしちゃう犬や猫には、ヤギミルクという選択。
いいかもしれません。
そんな今注目のヤギミルクに含まれる栄養素や効果、愛犬、愛猫に与えるときの与え方など、一緒に詳しく見ていきましょう。
ヤギミルクってどんなミルク?
牛乳は牛の母乳ですが、ヤギミルクはヤギの母乳です(あ、すぐわかりますよね、すみません)。
ヤギミルクは牛乳と異なり、犬や猫の消化不良の原因となるラクトース(乳糖)が少なく、犬や猫だけでなく牛乳を飲むとお腹を壊すという方や、消化システムのまだ完成していない人間の赤ちゃんにも安心して与えることができます。
さらにヤギミルクには猫や犬の母乳に近い成分が含まれていると言われており、牛乳よりも栄養面で優れていると言われています。
また、消化も良いので、シニアや体力が落ちているときに特におすすめです。
では、具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
ヤギミルクに含まれる栄養素
牛乳とヤギミルクを比較した時、エネルギーや脂質、たんぱく質などの含有量に大きな差異は見られなかったものの、特に以下の栄養素について、牛乳よりも優れていることがわかります。
・カゼイン
・カリウム
・タウリン
【参考リンク】
文部科学省 食品成分データベース
カゼイン
カゼインはα-カゼイン、β-カゼイン、K-カゼインの3種類に分類されます。
その中でもβ-カゼインは、人間の母乳とヤギミルクに多く含まれています。
哺乳類は、乳中のカルシウムをそのまま摂取しただけでは、体内で有効活用することができません。
乳中には、3種類のカゼインが複合体の形で存在しており、これらが相互に働きます。
乳の中のカゼインは、カルシウムと結合し、運び役となります。
そのため、特に成長期の哺乳類の体の成育に重要な役割を果たすのです。
ちなみに、牛乳アレルギーの抗原の多くはα-カゼインだと言われています。
ヤギミルクはアレルギーを全く起こさないわけではありませんが、α-カゼインの含有量が少ないので、アレルギーを起こしづらいミルクとして知られています。
カゼインは、ヒトの乳汁においても同様に存在するが、人乳においてはα-caseinの量が牛乳に比べて著しく少ない事が知られている。また、このα-caseinはヤギ乳においても存在量が少ない事が知られている。
引用:Wikipedia「カゼイン」
牛乳を飲んで牛乳アレルギー症状を起こす人の多くは、α-カゼインが原因(抗原)であると言われている。そのため、現在では乳幼児用などにこのα-カゼインを減らした乳児用ミルクなどが販売されている。
引用:Wikipedia「カゼイン」
カリウム
ヤギミルクには、牛乳の約1.5倍程度のカリウムが含まれています。
カリウムは、ナトリウムとともに体内の細胞の浸透圧を保持しているほか、酸や塩基平衡の維持神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応を調節するなどの働きをします。
また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
体内のカリウムが不足してナトリウムばかりが過剰になると、体にむくみを生じたりします。
タウリン
水溶性のアミノ酸様化合物のひとつで、特にイカやタコ、貝類、甲殻類に多く含まれています。
肝臓の働きを活発にしたり、血中コレステロールや中性脂肪の削減、血圧の調整や、インスリン分泌を促進して糖尿病を予防したり、視力の衰えを防いだりする機能があります。
特に猫は、このタウリンを体内で合成することができないので、食品から摂取する必要があります。
しかし、猫はイカやタコなどは食べられないので、ヤギミルクはその代わりとなる貴重なタウリン供給源として利用できます。
ヤギミルクには、牛乳の20倍のタウリンが含まれています。
ヤギミルクの与え方
ヤギミルクはミルクの液体そのままの商品と、粉末になっている商品とがあります。
液体を冷蔵庫で保管している場合は、常温に戻してから、はじめは少量ずつ与えることをおすすめします。
冷たいままのミルクは下痢の原因となるので、与える際の温度には注意しましょう。
粉末のミルクは保管しやすく、飲む以外の用途にも使えるので、おすすめです。
特におすすめの与え方について紹介します。
水やぬるま湯に溶かして
粉末状になっているヤギミルクは、水やぬるま湯に溶かして与えます。
お湯を入れた場合は、熱いままでは飲めないので、人肌程度まで冷ましてから与えてください。
ドライフードにトッピング
子犬や子猫の離乳時期、食が細くなっているとき、また、シニア犬やシニア猫に栄養を多く摂らせたいときなどは、粉末状のヤギミルクをドライフードにトッピングするとよいでしょう。
フードの切り替え時期で食いつきが悪いときなども、ミルクの匂いに誘われて食いつきがよくなるかもしれません。
手作りおやつやフードの材料にして
ペットの手作りおやつやフードにヤギミルクを加えると、栄養豊富なおやつになります。
例えば、ホットケーキやプリンに牛乳の代わりに入れたり、シチューにルーの代わりに加えたりします。
猫ちゃんも喜んでくれて、なおかつ栄養満点ならいうことなしですね。
それでも胃腸の調子が悪くなったら
ヤギミルクを与えていてもお腹を壊してしまったという時もあるでしょう。
まず、愛犬・愛猫がお腹を壊してしまったときは、ミルクを与えることを止めましょう。
そして、うんちをしていたら、そのうんちを持って動物病院へ行かれることをおすすめします。
特に下記のような症状が続くときは、早いうちに獣医師にご相談ください。
・ミルクを与えることを止めても下痢が続く
・下痢だけではなく嘔吐もしている
また、急な体調不良に備えて、愛犬・愛猫のために胃腸薬を常備しておくこともおすすめします。
私たちぽちたま薬局では、ペットのための胃腸薬を各種取り揃えております。
猫が大好き!な、ぽちたま薬局ライターです。
我が家の2匹を含んだ地上にいるすべての猫たちのために!猫のための情報をおとどけします!現在は猫の食事について日々勉強中(*‘ω‘)