愛犬が緑内障と診断され、
「これから愛犬がどれだけ生きられるの?」
「手術はした方が長生きできる?」
……と、さまざまな心配ごとが頭をめぐっているのではないでしょうか。
このコラムでは、緑内障にかかった犬の寿命をはじめ、今後の治療法とその費用、そして今後の視力や痛みの経過について、専門的な知識をもとに分かりやすく解説します。
愛犬の病気と向き合い、最善の選択をするための一歩として、ぜひご覧ください。
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目次
犬の緑内障とは?眼圧が上がるメカニズム
犬の緑内障は、眼球内部を満たす「房水」の生成と排出のバランスが崩れ、眼圧が異常に高くなることで起こります。
そして、視神経を圧迫するため強い痛みを引き起こします。

緑内障になる原因は、大きく2つに分けられます。
■ 原発性緑内障(遺伝性)
房水の排出路である「隅角(ぐうかく)」に生まれつき異常があり、房水をうまく排出できず眼圧が上がる。
両眼に発生する可能性が高く、多くの場合、片眼が発症してから数ヶ月~数年以内にもう片方の眼も発症する。
柴犬、ビーグル、アメリカン・コッカー・スパニエルなど特定の犬種に多く見られ、発症する年齢は中年以降が多い。
■ 続発性緑内障(後天性)
ぶどう膜炎、白内障の進行、眼内腫瘍など、他の眼の病気が原因で房水の流れが妨げられることで起こる。
こちらのコラムでは、緑内障のもととなる“白内障の進行”について詳しく解説しています。
緑内障になった犬の寿命は?

緑内障は主に眼の病気であり、心臓病や腎臓病のように全身の生命維持機能に直接ダメージを与える病気ではないため、犬の寿命そのものを大きく変えることは稀です。
そのため緑内障になったとしても、他の重篤な疾患を抱えていない限り、基本的に犬の平均寿命(およそ15歳)はまっとうできるものと考えられます。
しかし、緑内障は激しい痛みを伴うことが多く、最終的には失明に至る進行性の病気です。
痛みが続けば食欲不振や元気の喪失につながり、失明すれば生活の質(QOL)は大きく低下します。
そのため、緑内障の治療では、眼圧をコントロールして痛みを和らげ、できる限り視力を保って愛犬のQOLを維持することが重要です。
愛犬の余命よりも、残りの時間をいかに苦痛なく、楽しく過ごさせてあげるかに焦点を当てることが大切です。
犬の緑内障の症状
緑内障の初期は、進行が緩やかな場合や、犬が痛みを我慢してしまう性質から、症状に気づきにくいことがあります。
そんな中でも、以下のようなサインが出たら見逃さないようにしてあげてください。
犬の緑内障のサイン
- 目の充血
白目の部分(結膜)が赤くなる。 - 角膜の浮腫(むくみ)
黒目(角膜)が青みがかったり白っぽく曇って見える。 - 散瞳(瞳孔の開き)
瞳孔が開きっぱなしになる。 - 痛みのサイン
頻繁に目をこする、涙が増える、まぶしがる、元気がない、食欲不振など。 - 行動の変化
物にぶつかる、段差を嫌がるなど、失明が進行しているサイン。
目の異常はもちろん、「目を気にする」「見えにくそうにする」といった行動の異変として現れることもあります。
緑内障で失明するまでの期間
急性緑内障の場合、眼圧が急激に上がると、発症からわずか24〜72時間で不可逆的な失明に至ることもあるといわれています。
そのため早期治療が重要とされ、受診を先延ばしにしたばかりに失明してしまうという可能性も否定できません。
また、進行が緩やかな慢性緑内障であっても、最終的には失明に至ることが多いです。
片目に発症した場合、もう片方の目も半年〜1年以内に発症することがあります。
遺伝的に生じる原発性緑内障の場合、もう片方の眼も発症する可能性が非常に高いため、定期的に眼圧を測定しながら症状をコントロールすることが大切です。
緑内障の治療方法
緑内障の治療には、大きく分けて「内科治療(目薬など)」と「外科治療(手術)」があります。
愛犬の現状と飼い主さんの希望に応じて、適切な治療法を選択することになります。
内科治療とその治療費
視力がまだ残っている場合、まずは点眼薬(目薬)による内科治療で眼圧コントロールを試みます。
眼圧を下げる目薬を1日1~2回ほど点眼するケースが多いです。
こうした目薬を用いた内科治療を続ける場合、治療費は主に目薬代と定期的な診察・検査費用になります。
目薬は高価なものが多く、一ヶ月あたり数千円~数万円かかることもあります。
緑内障は長く付き合う病気なので、例えば残りの期間を5年とすると、目薬と診察・検査などで総額100万円以上になる可能性も考慮しておくとよいでしょう。
もし治療費を抑えたいときは、インターネット通販を活用するのもひとつの方法です。
犬の緑内障治療薬は通販で購入することもでき、お薬代の節約になるだけでなく、お薬をもらいに行くたびに生じる診察料、通院時間の削減にもつながります。
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| 医薬品名 | ラタノプロスト点眼液 | ビマトプロスト点眼液 |
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| 特徴 | 犬の緑内障治療の第一選択薬として広く使用される | 眼圧低下効果は高いが結膜充血のリスクが高い |
| 使い方 | 1日2回、12時間おきに1滴ずつ点眼 | 1日1回、夕方に1滴ずつ点眼 |
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経済的な負担が大きいと感じたときは、インターネット通販も検討してみてください。
外科治療とその治療費
内科治療で痛みが取れない場合は、QOLの維持のため、最終的に眼球摘出などの外科治療を検討することがあります。
犬の緑内障手術には、主に次のような選択肢があり、それぞれ目的と費用が異なります。
| 目的 | 名称 | 料金相場(片眼) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 視力温存 | 隅角切開術、レーザー手術、房水排出を促進するインプラント手術など | 30万円~50万円以上 | 主に視力が残っている早期のケース。専門施設での実施が多い。 |
| 痛みの除去 | 眼球摘出術 | 10万円~20万円 | 視力を失い、内科治療で痛みが取れない場合。最も確実な痛みの除去方法。 |
| 整容目的 | 義眼挿入術(眼球摘出と同時に行うことが多い) | 20万円~35万円 | 眼球摘出後の見た目を自然にする。 |
| 眼球内の組織破壊 | 房水生成を抑制する薬物を眼内に注入する手術 | 10万円~20万円 | 眼球を残し、痛みを軽減する。再発・副作用のリスクあり。 |
ただし、高齢犬や全身麻酔のリスクが高い場合には手術が難しいケースがあります。
その場合は目薬などで痛みをコントロールしながら、治療を続けていくことになります。
緑内障の愛犬が穏やかに過ごすためにできること
緑内障によって万が一失明してしまっても、犬は嗅覚や聴覚が優れているため、思いのほか順応することができます。
飼い主さんができることは、愛犬が安心できるような環境を整えてあげること。
次のような方策が効果的です。
- 家具の配置を頻繁に変えない
- 階段や段差の前に柵を設ける
- 散歩の際はリードで誘導して急な動きをさせない
- 声かけや体に触れる回数を増やして安心感を与える
飼い主さんがあまり不安にならず、穏やかに接することが、愛犬のQOLを維持する最善のケアとなります。
緑内障でも愛犬は寿命をまっとうできる
緑内障は愛犬の余命に直接的な影響はほぼ与えません。
そのため、犬の平均寿命である15歳ころまで、寿命をまっとうできることが多いでしょう。
しかしながら、緑内障は眼圧が上がって強い痛みが生じるなど、QOLが著しく低下する病気です。
また、緑内障は一度かかると自然に治ることは考えにくく、急激に、あるいはゆっくりと進行して最終的には失明に至ることも少なくありません。
緑内障の治療には眼圧を下げる目薬が用いられ、生涯にわたって投薬する必要があります。
治療費の負担が重いと感じるときは、インターネット通販を利用して節約することも可能です。
飼い主さんの経済的な負荷を減らしながら、愛犬が痛みのない快適な生活を送れるようサポートしてあげましょう。
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参考サイト(外部リンク)
- ・イヌの眼圧下降に対する0.005%ラタノプロスト点眼液の有用性の評価 | 2019年38巻p.9-13
- ・Peng J, Huang W, Duan J. Efficacy and safety of prostaglandin drugs for elevated intraocular pressure: a Bayesian network meta-analysis. Front Med (Lausanne). 2025 Aug 11;12:1642986. doi: 10.3389/fmed.2025.1642986. PMID: 40861241; PMCID: PMC12375679.

ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフです。
10年以上の犬の飼育経験と動物介護士の知識をもとに、ペットの病気やお薬の情報を発信します。












