新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
今年、新たに承認されたコロナ治療薬ソトロビマブ。抗体を投与すれば、コロナウイルスの働きを抑えることができるとされています。
軽症者に使用可能な薬で、多くの患者の重症化を防げるのでは?と期待が高まっています。
現在、使用対象者は入院患者に限定されていますが、外来や往診でも使えるよう検討するそうです。
このページでは、ソトロビマブについて詳しく紹介します。
新型コロナの承認薬「ソトロビマブ」とは
ソトロビマブは、2021年9月27日にコロナ治療薬として承認された軽症・中等症患者向けの治療薬です。
現在、国内でコロナ治療薬として認められている薬レムデシビル(商品名ベクルリー)、デキサメタゾン、バリシチニブ(商品名オルミエント)、カシリビマブ/イムデビマブ(商品名ロナプリーブ)に続き、ソトロビマブが5種類目になります。
軽症者に使用できる薬としては、抗体カクテル療法であるカシリビマブ/イムデビマブに続いて2例目。飲み薬ではなく、感染防御に働く中和抗体を点滴投与します。
薬の供給量には限界があることから、1種類だけでは不足の可能性も懸念されていました。
ソトロビマブが加わったことで、供給も安定し重症化予防に繋がると期待されています。
ソトロビマブの効果・効能
コロナ治療薬は他にもありますが、ソトロビマブはウイルスの働きを抑えるというのが特徴です。
ウイルスが人の細胞に結合して、感染するのを防ぐ抗体を点滴で1回投与することで効果を期待できます。原則、投与は発症後1週間以内です。
海外の治験結果では、入院・死亡リスクが79%減ったとされています。
アメリカでは既に5月から使用されており、日本でも有効性や安全性が認められたことから正式承認となりました。
変異株への効果は?
ソトロビマブは、変異株にも一定の効果があるとされています。
理由は、ウイルスの大本に作用するからです。
ウイルス表面のほとんど変異しない部分、いわばウイルスの大本である「スパイスタンパク」と呼ばれる部分に作用することで、変異の影響を受けず効果を期待できるとされています。
細胞実験では、変異株で知られるデルタ株やラムダ株への効果が確認できたそうです。
そのため、これから新たな変異株が出ても重症化は防げるのでは?とされています。
ソトロビマブと抗体カクテル療法の違い
抗体カクテル療法(カシリビマブおよびイムデビマブ)との違いは、投与される抗体の種類です。
カシリビマブ/イムデビマブは、2種類の抗体を投与するのに対して、ソトロビマブは1種類です。
「抗体なんだから2種類投与した方が効きそう!」と思う方もいるかもしれませんが、その時流行っている変異ウイルスに効くものを投与した方がいいとされています。
仮に2種類投与したとしても、主流になっている変異ウイルスに有効でなければ意味がありませんよね。
その時々に応じて、使い分けることが大切です。
ソトロビマブの副作用
効果を期待されているソトロビマブですが、副作用もあります。
異常がみられた場合は、すぐに投与を中止し適切な処置を受けましょう。
重大な副作用
・アナフィラキシーを含む重篤な過敏症
・急性輸液反応(発熱・不整脈・胸痛・呼吸困難など)
その他の副作用
・過敏症
・胃腸障害
・注入部位疼痛、疼痛
・酸素飽和度低下、血中重炭酸塩減少、C-反応性蛋白増加、AST増加、ALP増加、γ-GTP増加
・神経系障害(味覚不全、頭痛)
・精神障害(不眠症)
開発元のグラクソ・スミスクラインによると、1057人を対象とした治験では投与から24時間以内に発熱や呼吸困難が確認されたほか、1人がアナフィラキシーを起こしたそうです。
【参考リンク】
ソトロビマブ承認プレス
ソトロビマブ投与対象者
ソトロビマブの投与対象者は、酸素療法を必要としない軽症・中等症者で、肥満や糖尿病など重症化リスクが高い人と限定されています。
また、現状では入院患者の使用に限定されています。
田村厚生労働大臣は、「最終的には往診でも使えるようにしたい」と述べていることから今後、安全性などを検討したうえで対象者が広がる可能性は大いにあります。
注意が必要な人
妊婦、授乳婦、小児、高齢者への投与は注意が必要です。
妊婦または妊娠の可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用されます。
また、小児等を対象とした臨床試験は実地されていません。
高齢者への投与は、状態を観察しながら慎重に投与することが求められています。
最後に
新たな治療薬として注目を浴びているソトロビマブ。第5波のときは、デキサメタゾンなどの治療薬が不足することもありました。
医療がひっ迫し、治療薬も不足した状況が続くと不安になりますよね。
ソトロビマブは、軽症者にも使える治療薬です。
今は使用するのに入院が前提となっていますが、安全性が確認されれば制限はなくなっていくかと思います。
そして、これから更に研究が進めば軽症者用の抗体薬は増えていくでしょう。
1日でも早く、ソトロビマブのような軽症者用の重症化を防ぐ治療薬が増えることを期待します。
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