気管虚脱は、日ごろからのケアがとても重要な病気です。
飼い主さんができるサポートの中でも、犬にとって呼吸が楽な姿勢を知っておくことは、症状の悪化を防ぐことにつながります。
今回は、気管虚脱の犬にとって楽な姿勢と、呼吸が苦しそうな時の対処法を紹介していきます。
目次
気管虚脱の犬にとっての楽な姿勢は?
犬にとって楽な姿勢や、正しい姿勢をわかって「伏せをして頭を少し持ち上げた状態」いれば、気管にかかる負担を小さくできるため、気管虚脱の症状悪化も予防できます。
まずは、リラックスしているときや食事のとき、抱っこをするときなど、3つの場面の“犬にとって楽な姿勢”を紹介します。
※犬種や体重、その他の持病によって異なる場合があります。
リラックスしている時は?
リラックスしているときは、基本的に「伏せをして頭を少し持ち上げた状態」が最も呼吸が楽な姿勢と言われています。
横向きや仰向けの姿勢は、肺が圧迫されて呼吸しにくいのでNG。
また、うつ伏せ状態の時に、顎や胸の下にクッションやタオルを入れてあげると、更に呼吸が楽になる場合があります。
愛犬が気に入る高さに調整してあげましょう。
食事の時は?
気管虚脱の犬が食事をするときは、食器を適度な高さに保ってあげることも大切です。
首を曲げる姿勢は犬にとって苦しいため、食事や水を飲むたびに床に顔を近づけさせる行為はNG。
フードボウルや水入れは台に乗せるなどの対策をして、首を曲げずに食べたり飲んだりできるように、愛犬が楽な姿勢を保てるようにしてあげましょう。
抱っこの時は?
気管虚脱の犬は、仰向けや首周りを圧迫するような抱っこをしてはいけません。
- 後ろ脚の間から手を通し、胸を手のひらに乗せる
- 反対の手を前足の脇の下に通す
- 自分の胸に引き付けるようにして、全身で支える
上記の点に気をつけて楽な姿勢を保ってあげれば、愛犬への負担も軽減できます。
しかし、犬にとって抱っこは基本的に、少なからず負担がかかる行為です。
やむを得ない場合を除いて、気管虚脱の犬はできるだけ抱っこしないようにしましょう。
苦しい姿勢で症状は悪化する
気管虚脱は、呼吸が苦しい姿勢になると症状が悪化します。
とくに注意すべきなのは、「抱っこ」をするときです。
飼い主さんは、気を使いながら抱っこしているつもりでも、愛犬には知らぬ間に大きな負担がかかっている場合も。
首の周りに負担がかかると咳を誘発するため、それが原因で気管虚脱の症状悪化につながる恐れもあります。
気管虚脱の犬は、できるだけ楽な姿勢で過ごせるようにしてあげましょう。
呼吸が苦しそうな時の対処法は?
呼吸が苦しそうなときの状態や対処法には、以下のような様子や応急処置が挙げられます。
- 胸や鼻が大きく動く
- 呼吸の回数が増える
- 首を伸ばして呼吸している
- 口を開けて呼吸している
- 皮膚や舌、爪が赤紫色になっている(チアノーゼ)
- ガーガー、ブーブーという呼吸音 など…
愛犬が苦しそうにしている時の対処法としては、早めに獣医師さんに診察してもらうことが最善です。
それは当然として、飼い主さんができる応急処置としては、以下のことが挙げられます。
- 呼吸が楽にできるよう、上述した姿勢にさせてあげる
- 興奮している場合は、落ち着かせ安静にさせる
しかし、呼吸困難におちいった場合などは、判断の遅れが死に直結する場合もあります。
あくまで、動物病院へ到着するまでの処置と考えておきましょう。
気管虚脱を悪化させない為に
気管虚脱を悪化させないためには、姿勢以外にも注意すべき点がたくさんあります。
上述したように、呼吸が苦しくなるような要因は、なるべく避けた方がよいでしょう。
たとえば、以下のような対策が挙げられます。
- 室温や湿度を適切に管理
- 加湿器で空気を乾燥させない
- 室内を掃除し、ホコリなどを取り除く
気管虚脱の犬は楽な姿勢だけでなく、上記のように快適な環境を整えてあげることも、進行を遅らせるために効果的です。
楽な姿勢で、気管虚脱悪化を予防
愛犬が気管虚脱を抱えている場合はとくに、犬にとって呼吸が楽な姿勢を知っておくことは大切です。
小さなことのようにも感じますが、進行性の病気がある犬にとっては、こうしたひとつひとつの気遣いが愛犬のQOLに直結します。
愛犬と長く一緒に過ごせるように、気管虚脱でも楽な姿勢を保てるようにして、症状の悪化を防いであげましょう。
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