犬のジアルジア症は、感染力の強い病気ですが、適切な治療を受ければ回復することも可能です。
この記事では、ジアルジア症に感染した犬の致死率や症状、予防や治療法を解説していきます。
犬のジアルジア症については、こちらの記事で詳しく解説しています。
犬のジアルジア症の致死率
犬のジアルジア症は、寄生虫によって引き起こされる致死率の低い感染症です。
ジアルジアという非常に小さなGiardia属の原虫が感染源で、小腸に寄生するため消化器症状が認められる場合があります。
ジアルジアは感染しても肉眼では確認できないため、気づかないうちに環境中に潜んでいる場合もあるため注意が必要です。
基本的にジアルジア症が命に関わるケースは稀で、致死率は高くありません。
症状と死亡リスク
成犬の場合、ジアルジア症に感染してもほとんど無症状ですが、子犬や免疫力が低下している犬は注意が必要です。
ジアルジア症に感染した犬では、次のような症状が見られます。
・下痢
・軟便
・脱水症状
・食欲不振
・体重減少
・腹痛など
ジアルジア症は、症状がある場合も適切な治療を受ければ回復するため、直接的に命に関わるケースは稀です。
しかし、ジアルジアに多数寄生された犬は、激しい脱水症状を引き起こすことから、致死率にも影響を与えることがあります。
実際に、水様便が出るほどの重度の感染症にかかり、死亡した犬もいます。
適切な治療を受けていない、他の病気を併発しているなどの場合は、症状が悪化する恐れもあります。
ジアルジア症は死亡リスクが低い感染症ですが、症状は放置しないようにしてください。
参考
Zoonosisとしてのジアルジア症に関する研究(外部リンク)
犬のジアルジア感染(外部リンク)
犬のジアルジア症の治療法
犬のジアルジア症には、治療法として駆虫薬の投与が用いられます。
また、下痢などの症状が見られる場合は、下痢止めの投与も行います。
一般的に使用されるメトロニダゾール(フラジール)は、1クールとされる5~8日間かけて行う投与有効率は50.0%です。
犬のジアルジア症は、体内の寄生虫を完全に排除することが難しいため、症状が改善された場合も定期的に糞便検査を行います。
なお、下痢などが続いて重度の脱水症状になった場合は、入院による点滴が必要になるケースもあります。
犬のジアルジア症は、体内からジアルジアがいなくなるまでの期間、駆虫薬の投与が必要です。
症状が改善されたからと、自己判断で投薬をやめずに、獣医師さんの指示に従いましょう。
参考
ベンズイミダゾール系薬剤による犬ジアルジア症の治療(外部リンク)
犬のジアルジア症の予防法
犬のジアルジア症の予防法は、以下の通りです。
・定期的に糞便検査を受ける
・散歩中の誤食や水たまりの水は飲ませにようにする
・多頭飼いの環境は下痢をしている犬を隔離する
ジアルジア症は感染力が強いため、早期発見と治療が欠かせません。
ペットショップやブリーダーなどは、感染が広がりやすい環境です。
新しく迎え入れた子犬が下痢をしていたり、愛犬の下痢が続いたりしている場合は、糞便検査を受けましょう。
また、水たまりはジアルジアに汚染されている可能性があるため、散歩中は愛犬を近づかせないように注意してください。
ジアルジア症は多くが無症状なので、多頭飼いで1頭でも感染した場合は速やかに全頭の糞便検査を行い、感染拡大を防ぎましょう。
ジアルジア症は人にも感染する?
ジアルジア症は、人にも感染リスクがある人獣共通感染症です。
感染した愛犬の糞には、環境中でも長期間生存できる感染源が排出されるため、飼い主さんも注意しましょう。
また、人のジアルジア症は汚染された水や、食べ物などを口にすることなどが感染経路です。
感染した愛犬が通る場所や生活スペースは、少なくても1ヶ月は感染源になるとも言われています。
環境中に感染源を残さないためにも、愛犬の糞は速やかに処理しましょう。
被毛に便が付着している場合は、すぐに洗ってあげてください。
愛犬からの感染を防ぐためにも、清掃の際は手袋を着用して、手はしっかり洗いましょう。
まとめ
犬のジアルジア症は、致死率の低い感染症です。
基本的に、成犬は感染しても無症状で、適切な治療を受けることで回復します。
しかし、子犬や基礎疾患がある犬、高齢犬が感染した場合は、下痢などの症状が続くことで脱水症状を引き起こす可能性があります。
死亡リスクは低いとされていますが、重篤化する恐れがあるため、ジアルジア症は放置しないようにしてください。
また、ジアルジア症に愛犬が感染した場合は、飼い主さんへうつる可能性もあるので注意が必要です。
一般的に使用される「メトロニダゾール(フラジール)」でも、1クールで100%の効果は期待できません。
愛犬の排出物には感染源が潜んでいるため、速やかに処理した後は手をよく洗って感染を防ぎましょう。
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