新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者は、2020年1月に日本国内で初の感染者が確認されて以降、爆発的な増加は無くても、感染者は毎日確認されています。
今、このブログを読んでいる方の中にも、感染するかもしれないと不安を抱えている方は多いことと思います。
「私がコロナに感染したら、愛犬や愛猫のことはどうすればいいの?」
コロナ禍において、愛するペットと安心して暮らすために、飼い主は何を備えていたらよいのでしょうか。
みんなが知りたい「今、しておくべき備え」について解説します。
目次
コロナ禍における「飼い主がしておくべき備え」とは
今一度、一緒に考えてみませんか?
「もしも飼い主が新型コロナウイルスに感染したらどうする?」
新型コロナウイルス感染者が世界中で急増している中、生活を共にしているペットにも大きな影響を与えています。
コロナ感染した飼い主が隔離施設に収容されることで、家に置き去りにされるペットも増加していることが問題となっています。
このような場合、ペットの飼い主としては具体的にどう備えていたらよいのでしょうか。
いざという時の預け先を押さえておく
感染していない家族が家に残ることができるならそれに越したことはありませんが、現在は家庭内感染が増えていることが問題視されています。そのため、あまり考えたくはないですが、家族全員が感染してしまったときのことを考えておかなければなりません。
新型コロナウイルスに感染したご家庭からペットを預かる際のガイドラインが、東京都獣医師会から発表されています。ペットを預ける際、預かる際に必要な内容が盛り込まれているので、まずこちらをご一読いただくことをおすすめします。
【参考リンク】
東京都獣医師会「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと」
また、東京都福祉保健局のサイトでも以下のようなアドバイスをしています。
1 信頼してペットを預けられる方に相談しましょう
ご家族や知人など信頼してペットを預けられる方に連絡し、いざという時に預かっていただけるようお願いをしておきましょう。また、ペットホテルの情報についても事前に確認し、問合せ等を行うことを検討してください。
2 ペットの性格や飼育上の注意点などの情報をまとめましょう
ペットを預かっていただく上で必要となる情報をノートなどにまとめてお渡しできるようにしておきましょう。
(例)ペットの名前、年齢、性別、不妊去勢手術の有無、マイクロチップ装着、運動習慣、性格(嫌がること、怖がること、好きなこと、喜ぶこと)、健康状態、かかりつけの動物病院、飼育上の注意点など
3 飼育に必要な用具の準備・逸走対策をしましょう
リードや遊具、飼い主表示の物品のほか、常備薬や療法食などペットの命や健康に関わるものは最優先で準備しておきましょう。
人間がペットに新型コロナウイルスを感染させた例はあっても、ペットが人間に感染させた例は確認されていません。専門家の間でも、人間がペットから新型コロナウイルスをうつされる可能性は極めて低いとの見解が出ています。
自分がペットを預けるケースに限らず、預け先を見つけられずに困っている飼い主さんを見かけられたときは、ぜひ手を差し伸べてほしいと思います。
なお、施設に預ける際には、犬猫共に各種ワクチンの接種が必須となっている場合が多いです。詳しくは、各施設にお尋ねください。
親族、友人、知人
預かってくださる方と相談の上、飼い主がペットをケージなどに入れて必要な備品と共に玄関先に置いておくなどの準備をするのがよいでしょう。
または、室内の除菌を行った上で、飼い主の自宅でペットを見てもらうという方法もあります。
その場合は信用できる方にお願いする必要がありますが、飼い主やペットにとっては最も負担の少ない預け先です。
どちらの方法であっても、ペット受け渡しの際は、人間同士の感染を防ぐために預かってくださる方と直接接触することを避けるようにします。
ペットシッター
お住まいの地域において個人でペットシッター活動を行っている人を探したり、ペットシッターを派遣している業者に相談の上、見てもらう方法があります。
飼い主が不在となっている自宅にシッターが入る形になりますので、信用できる業者を探す必要がありますが、ペットにとっては負担の少ない方法です。特に、自宅から外へ出したくない猫などのペットに有効な手段です。
ただし、家を空ける日数によって費用が高額になる場合があります。
ペットホテル
お住まいの地域のペットホテルを利用するという手段もあります。ペットホテルは、ペットサロンが併設されていたり、動物病院が直営で経営していることもあります。
自宅からほど近い場所にペットを預けられるホテルがあると、旅行や出張で家を空けなければならない時や、冠婚葬祭で自宅に人が集まる時などに預けておくことができるます。この機会に行きつけを探しておくのもいいかもしれません。
ただし、宿泊する日数によって費用が高額になる場合があります。
動物愛護団体
全国の多くの動物愛護団体が、犬猫の一時預かりボランティアを募集しており、自分がペットを短期間預けたいという場合にも対応してくれることがあります。
詳しくは、お住まいの地域の動物愛護団体にお問い合わせください。
動物病院
動物病院が一時預かりをしている場合があります。まずはかかりつけの動物病院に問い合わせてみることをおすすめします。
お預かりを断られてしまったときはこんなサービスも「#StayAnicomプロジェクト」
これまでペットを預かってくれる可能性のある施設をご紹介しましたが、コロナ感染者のペットは受け入れない方針を取っている業者も少なくありません。
そのため、ペット保険の会社「アニコム ホールディングス株式会社」が、「#StayAnicomプロジェクト」というサービスを行っています。
2021年3月以降は、アニコム損保のペット保険契約者であれば、このサービスを利用できるとのことです。
東京近郊の預かり施設まで足を運ぶ必要がありますが、新型コロナウイルス感染者のペットのみを受け入れてくれています。
くわしくは、以下のサイトをご参照ください。
【参考リンク】
アニコムホールディングス株式会社 コロナ感染者のペットを無償でお預かりする「#StayAnicom」プロジェクトを始動!
飼い主と離れて暮らす準備
ペットの状態も、いつ預けることになっても大丈夫な状態にしておきたいものです。
そのため、ペットのストレスを最小限に抑えるためにも、飼い主と離れて暮らす訓練をしておくことをおすすめします。
猫もそうですが、特に犬は飼い主に対する心理的な依存度が高い動物です。
飼い主を信頼している度合いが高い犬ほど、突然飼い主と離れて暮らさなくてはならなくなった時のストレスは大きなものになります。
具体的には、自宅の中で別々の部屋で過ごす時間を作ったり、意図的に外出するなどして飼い主と離れている時間を多くしたりする方法などがあります。
また、環境が異なる時でも順応できるように、普段からさまざまな場所に連れ出すようにするのも有効です。
ペットが迷子にならないための対策
預けていたペットが預け先で突然飛び出し、迷子になってしまうという話もよく聞きます。
特に犬は、慣れない環境で過ごさなくてはならなくなった時に、飼い主を求めて預け先を飛び出してしまうこともあるそうです。
そんな状況になっても慌てないですむように、犬には鑑札と迷子札、猫にも迷子札を着けておきましょう。
迷子になって誰かが保護してくれた時に、飼い主の連絡先が分かるものがペットに着いていると、連絡を取りやすくなります。
また、マイクロチップの装着も有効です。
2020年現在、マイクロチップの装着は「犬猫販売業」のみが義務の対象となっていますが、今後は義務の対象が拡大していく可能性が高いです。
非常時の備蓄
万が一、災害などで預け先が閉鎖になったときなどのために、普段からペット用の備蓄品を家に置いておくことをおすすめします。
不測の事態で自宅からペットを外に出すことができなくなった時や、災害で自分が入院中に帰宅困難者になった時など、自宅近くに住む第三者にペットの様子を見に行ってもらえるかもしれません。
そんな時、ペットの傍に備蓄品があることで安心できます。
具体的には、3日分以上のペットフードや水、普段飲んでいる薬などを自宅にストックしておくだけでもよいでしょう。
ペットも新型コロナウイルスに感染します
ニュースにも取り上げられましたので、ご存じの方も多いことと思います。
ペットも新型コロナウイルスに感染することがあると発表がありました。
これまでに新型コロナウイルスに感染したヒトからイヌ、ネコが感染したと考えられる事例が数例報告されています。また、動物園のトラやライオンの感染(飼育員から感染したと推察されている)事例も報告されています。
ただし、新型コロナウイルスは主に発症したヒトからヒトへの飛沫感染や接触感染により感染することが分かっており、現時点では、ヒトから動物への感染事例はわずかな数に限られています。
ペットから人間に感染したとされる報告は今のところないので、少し安心しました。
もし愛猫がコロナに感染していたとしても、私は心置きなくなでなでしようと思います。
でも、完全室内飼いの愛猫がコロナに感染したとしたら、それは私のせいである可能性が高いのです。
外から帰ったらまず手洗い
そこで、外出から帰宅したらまず手洗い!
ペットの新型コロナウイルス予防も、基本は「ペットと触れ合う前に手を洗おう」です。
また、念を入れて飼い主の手をアルコール除菌をすることもおすすめです。
ただし、犬や猫にとってアルコールは腎毒性があるため、ペットにアルコールを直接塗布することは厳禁です。除菌のために行ったことで、ペットを危険な目に合わせてしまっては元も子もありません。
また、人間の手をアルコール消毒した場合もペットに触れるのは20秒以上間隔を空けてからにしましょう。
猫やフェレットは感染しやすい
ペットの中でも、猫やフェレットは新型コロナウイルスに感染しやすいことが判っています。
東京大学医科学研究所が2020年の5月に発表した研究結果によると、新型コロナウイルスに接触したすべての猫やフェレットの体内でウイルスが増殖したことが確認されたそうです。
また、それらの猫やフェレットと同居した別の個体にもウイルスの感染がみられたということです。
日本獣医師会は、特に猫は完全室内飼いを基本とし、外に出すことの無いよう、また、飼養の放棄や遺棄をすることの無いよう呼びかけています。
【参考リンク】
日本獣医師会「愛玩動物と新型コロナウイルス感染症について」(PDF)
犬や猫が感染した時の症状
犬も猫も新型コロナウイルスに感染しますが、犬は症状が出にくく、猫は症状が出やすいと言われています。
猫には症状が現れたという報告がある
「リエージュの獣医学部は、猫でコロナウイルス感染が確認されたと報告しました。猫は飼い主と一緒に暮らしていました。飼い主は猫が現れる1週間前にウイルスの症状を示し始めました」とスティーブンファングフト教授は述べています。
動物は飼い主と密接に接触して生活し、飼い主が症状を示してから1週間後に症状を示し始めました。「猫は下痢をし、嘔吐を続け、呼吸困難を患っていました。研究者たちは猫の糞便からウイルスを発見した」と彼は付け加えた。彼らは猫がまだ生きているかどうかは言いませんでした。
前述の東京大学医科学研究所からも、猫が新型コロナウイルスに感染すると特に呼吸器でよく増えると発表されています。これは、猫と猫の間でも、新型コロナウイルスが流行する可能性があることを示唆しています。
コロナがペットから人に感染した事例は無い
2020年10月現在、新型コロナウイルスがペットから人に感染したという事例を見つけることはできませんでした。世界中の専門家の間でも、新型コロナウイルスがペットから人に感染する可能性は低いと見られています。
そのため、新型コロナウイルスに感染してしまったペットをお世話することで、飼い主に伝染る可能性は低いと言えますが、濃厚接触は控えた方がよさそうです。
猫が大好き!な、ぽちたま薬局ライターです。
我が家の2匹を含んだ地上にいるすべての猫たちのために!猫のための情報をおとどけします!現在は猫の食事について日々勉強中(*‘ω‘)