愛犬がてんかんと診断されてしまったら、飼い主として何をしてあげられるでしょうか。
寿命に影響するのか、突然死もありえるのかなど、不安を感じてしまいますよね。
てんかんは、場合によっては死に至ることもあるため注意が必要です。
この記事では、てんかんの原因や寿命を延ばす方法について解説していきます。
犬のてんかんとは
犬のてんかんは、脳の神経細胞が異常に活発化することで起こる、慢性的な脳の病気です。
けいれんや意識を失うなどの症状がみられ、発作を繰り返す特徴があります。
発作の頻度には個体差がありますが、通常は時間の経過とともに元の状態へと戻ります。
基本的に完治は難しい病気ですが、適切な治療を続けることで、愛犬は日常生活に大きな影響はなく元気に過ごすことが可能です。
ただし、症状によっては命に関わるため、日頃からよく観察することが大切になります。
発作の様子を動画などに記録すれば、時間や頻度など必要な情報を獣医師に伝えられるため、緊急時の診断にも役立ちます。
愛犬に発作が起きた場合は、焦らずに落ち着いて対処しましょう。
犬のてんかんの原因
てんかんの原因は、大きく分けて以下の二つに分けられます。
特発性てんかん
特発性てんかんは、犬のてんかんでとくに多くみられる発作の原因です。
脳に特有の異常が見つからない場合や、原因が特定できない場合に分類されます。
遺伝的要因がわかっていたり疑われたりする場合も、分類は同じです。
1歳~5歳で発作がおこりやすいとされていますが、6ヶ月~10歳以上でも起こることがあります。
構造性てんかん
構造性てんかんの場合、原因は脳の異常です。
炎症や外傷や腫瘍、脳血管障害、認知症などの神経細胞の変性など、さまざまな脳の病変が影響します。
広範囲にわたる病変が原因となって、発作が引き起こされます。
犬のてんかんの症状
犬のてんかんには、様々な症状があります。
・発作の前兆:不安そうにソワソワする。性格が変化するなど。
・焦点性てんかん発作:意識があることが多い。よだれを垂らす。手足が引きつる。顔面の一部がピクピクするなど。
・全般性てんかん発作:犬で最も多い発作のタイプ。意識が無いことが多い。けいれん。空中で水かきの動作をするなど。
・発作の後遺症:ふらつき。徘徊。呼びかけへの反応が鈍いなど。
焦点性てんかん発作の症状は体の一部ですが、全般性てんかん発作の場合は全身です。
また、焦点性てんかん発作から、全般性てんかん発作へ移行するケースもあります。
けいれんなどの大きな症状は、多くが2~3分ほどで治まります。
後遺症が起こることもありますが、続くのは数十分ほどです。
時間の経過とともに、完全になくなります。
てんかんの犬の寿命
特発性てんかんの犬の平均寿命は、13.5歳です。
1回の発作で死んでしまうケースは、ほとんどありません。
てんかん発作が4歳から始まったボストンテリアでは、15歳まで生きている例もあります。
犬っててんかん多いね、普段が元気すぎるのでこのまま発作おきないのでは!?と思ってたけど、てんかんは治ることのない病気みたい。
ただネットで調べてて出会ったブログに、てんかん発作が4歳から始まったボステリ、15歳まで生きててすごく救われる。
イギも長生きしてほしい。— なおすけ (@naoske92) April 27, 2022
早期の治療で発作頻度を3ヶ月に1回以下にできれば、健康な犬の寿命と変わりません。
しかし、群発発作と重積発作をおこしている場合は危険です。
24時間以内に複数回以上の発作がある場合は群発発作、5分以上続く発作は重積発作の可能性があります。
これらを繰り返すと、最悪の場合は死に至ることもあるため、放置すると危険です。
群発発作と重積発作に該当する場合は、一刻を争う事態に直結します。
経過を見ずに、すぐに動物病院を受診してください。
参考
犬猫のてんかん│日本医科大学医学会雑誌(外部リンク)
てんかんの犬の寿命を延ばす方法
犬のてんかんには、寿命を延ばすために有効とされている方法があります。
愛犬を長生きさせるためには、適切な治療や食事の管理が欠かせません。
ここからは、それらの方法について詳しく解説してきます。
適切な治療を行う
てんかんの治療方法は、「特発性てんかん」もしくは「構造性てんかん」かによって異なります。
特発性てんかんの場合は、抗てんかん薬の投与を行います。
発作の頻度を減らす、発作の症状を軽減させることが目的です。
完治が難しい病気なので、早期に治療を開始することが重要で、治療も生涯にわたることが多くなります。
構造性てんかんの場合では、抗てんかん薬と合わせて、発作の原因になっている病変の治療もおこないます。
治療で改善がみられても、自己判断で投薬を止めてはいけません。
定期的な血液検査で血中濃度を測定して、投薬量を調整する必要があります。
適切な治療で発作をうまくコントロールすることが、犬の長生きにつながります。
食事の管理
食事の管理も、寿命を延ばすためには有効とされています。
てんかんの犬に不足しがちな栄養素や、脳に良い栄養素を摂ることも、症状緩和には効果的とされています。
以下の栄養素を積極的に補ってあげましょう。
■てんかんの犬に不足しがちな栄養素
・オメガ3脂肪酸:DHA(亜麻仁油・フィッシュオイルなど)
・ミトコンドリア補因子:αリポ酸、Lカルニチン(レバー・ラム肉など)
・抗酸化物質:ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール(キャベツ・さつまいも・りんごなど)
■脳に良い栄養素
・単糖類:ブドウ糖(かぼちゃ・さつまいもなど)
まとめ
犬のてんかんは、完治することが難しい病気ですが、死には直結しません。
適切な治療を行えば、平均寿命は健康な犬と変わらないのです。
しかし、急を要する発作の場合には、落ち着いた対応が重要になります。
迅速な対応ができるように、てんかんについての知識を増やしておきましょう。
まず飼い主さんにできることは、愛犬の発作の頻度を減らしてあげることです。
生涯にわたる治療で費用は高額になりますが、発作の頻度を抑えるには治療の継続が重要になります。
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適切な治療で発作をうまくコントロールし、愛犬が楽しく生活できるよう見守ってあげてください。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。