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新型コロナウイルスはどんな感染症?

新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。

去年から今年にかけて猛威をふるった新型コロナウイルス感染症。これまでの感染者数は2億5000万件近くという報告が上がっており、亡くなった方は全世界で500万人を突破したようです。
ここでは新型コロナウイルス感染症がどのような感染症なのか説明したいと思います。

新型コロナウイルスとは

2019年に中国の武漢市で発見された新型コロナウイルスは、中国を起点に全世界に感染拡大していった感染症です。
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症を、英語でcoronavirus disease 2019といいますが、それを略して「COVID-19」と呼ばれています。

普通の風邪やインフルエンザとは違い、基礎疾患を持っている方や、高齢者が感染すると肺炎が急速に悪化し、人工呼吸器が必要な状態になってしまいます。

感染しても無症状や症状の軽い方が多いので感染に対して自衛行動が取りにくいため、インフルエンザに比べると感染が爆発的に広がりやすい感染症です。そのため密な状況を回避するなど特別な対策が必要となります。

変異株が起こる仕組み

ウイルスはタンパク質でできた外殻と、中にDNA、RNAの遺伝子をもっただけの単純な構造をした微生物です。
増殖する場合はほかの生き物の体内に侵入し、その生き物の細胞内へ入ってタンパク質を使い、自身のRNAを複製して、細胞外へ放出させます。その複製の際に一定の確率で変異が起こります。
その変異によって新しくできたウイルスが変異株と呼ばれるものです。

変異株の種類と特徴

現在、国が監視している変異株は、3種類あります。イギリス、ブラジル、南アフリカで報告されているものです。それぞれの特徴を以下に記載します。

①「N501Y」の変異がある変異株
・イギリス、南アフリカ、ブラジル、フィリピンで確認されている
・いままでの株よりも感染しやすい可能性がある
・イギリスや南アフリカで確認された株は、重症化しやすい可能性がある
②「E484K」の変異がある変異株
・南アフリカ、ブラジル、フィリピンで確認されている
・いままでの株よりも、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性がある
③「 L452RとE484Q」の変異がある変異株
・インドで確認されている
・イギリス株に続く「脅威」となるのではと専門家が懸念している
・アジア系人種において、ワクチンの効果や免疫の低下をさせる可能性がある

新型コロナウイルス感染症の症状

WHO(世界保健機関)が、新型コロナウイルス感染症として挙げている症状を下記に記載します。

●一般的な症状
 空咳
 発熱
 倦怠感
●時々みられ、他の病気と勘違いされやすい症状
 味覚、嗅覚障害(味やにおいがしない)
 喉の痛み
 めまい
 頭痛
 結膜炎
 嘔吐
 悪心
 悪寒
 下痢
 発疹
 筋肉痛、関節痛
●重度の症状
 食欲減退
 呼吸困難
 錯乱

その他詳しい症状を知りたい方はこちらからどうぞ。

自宅療養の注意点

新型コロナウイルスに感染した場合、軽症者と判断されたら自宅での療養を選択することになります。
ひとり暮らしの方は家族にうつす心配はありませんが、同居人がいる場合は感染を広げないように、以下の8つのポイントを実践する事が推奨されています。

①部屋を分ける
②感染者の世話をする人は、限られた人にする
③感染者、同居者共にマスクをつける
④感染者、同居者はこまめに手洗いをする
⑤日中はできるだけ部屋の換気をする
⑥よく手が触れる共用部分を、消毒、清掃する
⑦感染者が使用して汚れたリネンや衣服は洗濯する
⑧感染者が使用したティッシュなど、ゴミを捨てる場合は密閉する

上記の8つのポイントについて、さらに詳しく知りたい方はコチラへどうぞ。

【参考リンク】
新型コロナウイルス感染症自宅療養者向けハンドブック

感染経路

厚生省によると、新型コロナウイルス感染症は、

接触
感染者の鼻や目、口に直接触れる
飛沫
感染者の鼻や口から、くしゃみや咳、会話の時に排出されるウイルスを含んだ飛沫
マイクロ飛沫
空気中に漂う、ウイルスを含んだ飛沫よりも小さな状態の「エアロゾル」という粒子

上記の3パターンを介して感染するとしています。
どんなに親しい人でも、今の状況下では直接顔に触れるのは避けた方がよさそうですね。

また「飛沫」は2メートル離れると届かないらしいですが、「マイクロ飛沫」はしばらく空中にただよっているそうなので、取り込んでしまわないようにどこへ行くにもマスクは必須ですね。

潜伏期間はどれくらい?

潜伏期間とは、新型コロナウイルスに感染した日から、症状が現れるまでの期間の事を言います。

新型コロナウイルスの場合は、1日~14日で、平均約5日とされています。
インフルエンザの潜伏期間が1~3日だという事を考えると、新型コロナウイルスはかなり長い潜伏期間という事になります。
症状が現れるまでに時間がかかるので、その間に他者に感染させてしまうという厄介な感染症です。

新型コロナウイルス濃厚接触者の定義

自分は感染していなくても、
「一緒に働いている同僚が感染した」
「この間一緒に食事をした友人が感染した」
「同居している家族が感染した」

場合に、果たして自分が濃厚接触者となるのかどうかはとても気になるところです。

しかし一緒にいたからといって、必ずしも濃厚接触者となるとは限りません。濃厚接触者と判定されるには、以下の定義に当てはまる必要があります。

PCR検査で新型コロナウイルス感染症の陽性となった方(患者)と、症状が出る2日前から入院などに至るまでの期間に接触し、以下の条件に当てはまる場合
●患者と同居している、あるいは車内、飛行機内等などで長時間接触があった
●マスク着用などの適切な感染防護なしに、患者を診察、あるいは看護や介護をした
●患者の気道分泌液、または体液などの汚物に直接触れた可能性がある
●手で触る事ができる距離(1m)で、マスク着用などの必要な感染予防策無しのまま患者と15分以上接触があった

実際に判断する場合は、上記の定義を元に保健所が患者や家族、会社などから聞き取り調査をして、その状況に応じて総合的に判断が下されます。

もし自分が濃厚接触者になったら

保険所から、濃厚接触者だと判断された場合は、保健所の指示に従う形となります。

濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染している可能性があるので、患者と最後に接触した日の翌日から14日間は自宅待機と自身の健康観察を行います。

14日間の間は、不要不急な外出、通勤通学、電車やバスなどの公共交通機関の利用を控えるようにします。
生活必需品の買い物など、どうしても外出しなくてはいけない場合は、必ずマスクを着用し、手指消毒などの感染予防対策を必ず行います。

また、毎日同じ時間に熱を測り、体調に変化がないか自身の健康観察を行ってください。
熱が37.5度以上ある、咳が続いて治らない、少し動いても息苦しくなるなどの症状が出た場合は、すぐに医療機関へ相談してください。

新型コロナウイルスの検査

現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判断するための検査として、3種類の検査方法があります。

・PCR検査
・抗原検査
・抗体検査

PCR検査と抗原検査は、今現在感染しているかどうかを調べる検査で、抗体検査は、過去に感染したかどうかを調べる検査です。

PCR検査は検査機器と熟練の検査技師が必要で、検査も数時間かかるため1日に対応できる検査の数が限られてしまいます。
そのため、厚生労働省は約30分で結果がわかる抗原定性検査キットを、薬事承認しました。実際に症状が出れば保険が効く検査です。

抗体検査は検査キットによって精度がまちまちなので、現時点で陰性でも感染していない証明にはならないため注意が必要です。

新型コロナウイルス感染症の治療方法

現在、新型コロナウイルス感染症に対する、有効な抗ウイルス薬などの治療薬は開発されておらず、対処療法を行うのみとなっています。

対処療法とは、今現在表面化している症状に対して、症状を緩和し、痛みを和らげる治療法です。

軽症の場合
咳や発熱の症状があっても、それほど息苦しさはない状態を軽症と判断します。必要に応じて咳止めや解熱剤を使いますが、たいていは自然に治ります。そのため自宅療養をすることになります。
中等症
息苦しい状態が強く出ていて、パルスオキシメーターで血液の中の酸素濃度に低下が認められた状態を中等症と判断します。
肺炎を起こして酸素をうまく取り込めなくなっている事が多いので、入院して人工呼吸器を使いながらウイルスが及ぼす作用に対する治療を行います。
重症
人工的に酸素を大量に送り込んでも、生きていくうえで必要な酸素濃度を体内で保てない状態を重症と判断します。
気道に直接管を入れて人工呼吸器を使い、機械で呼吸をサポートします。
自分で呼吸ができない状態で、命の危機にあるため、集中治療室で治療を行います。

国内で使われているコロナ治療薬

現在国内では新型コロナウイルスの治療薬として以下の薬が承認されています。

ウイルスの働きを抑える薬
カシリビマブ/イムデビマブ(点滴)
ソトロビマブ(点滴)
 └発症の早期(1週間以内)に投与
ウイルスの増殖を抑える薬
レムデシビル(点滴)
 └発症の早期に投与する
ウイルスによる炎症を抑える薬
デキサメタゾン(経口薬)
バリシチニブ(経口薬)
 └中等症Ⅱ以上の症状の場合に投与する

軽症の時点で服用できる経口薬があれば、感染や症状の悪化をかなり抑えることができるはずなので、早く開発されて認可されると良いですね。

新型コロナウイルスのワクチン

いままでのワクチンは、ウイルスの一部のタンパク質を人体に投与する事で免疫を作らせる仕組みのものでした。

しかし、今回の新型コロナウイルスのワクチンは、ウイルスのタンパク質を作る元となる遺伝情報の一部を人体に投与します。
投与された遺伝情報は、人体の中でこの遺伝情報をベースにウイルスのタンパク質の一部が作成され、それに対しての抗体ができることで、ウイルス自体に対する免疫ができるという仕組みです。

初の試みなので、いろいろな意見や憶測が飛び交いますが、他のワクチンと比べて、特にアナフィラキシーが起こる確率が高いというわけではありません。
感染を確実に予防したい、感染しても軽症で済ませたい方は、ワクチン接種を検討した方が良いですね。

マスクの効果はどのくらいあるの?


マスクは、自分からウイルスを周りに拡散させてしまうのを防ぐ事に高い効果を発揮します。現在、マスクの材質といえば、布、ウレタン、不織布がありますが、一番効果が高いのが不織布です。

話をする側も、聞き手側も、双方がマスクをすることで高い効果を得ることができます。

ランニング、ウォーキング中もマスク必要?

新型コロナウイルスの感染予防の観点からすると、ランニングやウォーキング中でも、マスクをした方が良いです。
しかし、平常時とは違って体を動かす時につけるマスクは、以下の選び方に気を付けると良いでしょう。

・息がしやすいものを選ぶ
・速乾性の高いものを選ぶ
・フィット感の良いものを選ぶ
・UVカット機能のものを選ぶ
・接触冷感機能のものを選ぶ
・洗濯して何度も使えるものを選ぶ

人が密集している場所ではマスクが必須だと思いますが、周囲の人との距離が一定以上充分取れるようなら、一時的にマスクを外して休憩するのも良いですね。

無症状の場合、マスクしてれば感染は避けられるのか

マスクは、外から自分にふりかかる飛沫や飛沫に含まれるウイルスを防ぐというよりは、自分が周りへ発する飛沫やウイルスを防ぐ目的のものです。
無症状だからといって新型コロナウイルスに感染していないとは限らないので、常にマスクをする必要があります。

もちろん無症状だからといって、マスクをしなければ周りからの飛沫やウイルスを吸い込んでしまう可能性があるので、自分や周りの人を感染から守るためにも、マスクを着用した方が良いですね。
マスクをしてるからといって100%感染しないとは言えませんが、マスクをすることで感染する確率がかなり下がるのは間違いありません。

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