犬が留守番できる時間は?注意点と環境づくりについて解説

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犬の留守番は何時間まで大丈夫?ストレスを減らす方法

愛犬といつも一緒に過ごしたくても、どうしても留守番をさせなければいけないタイミングはあります。
飼い主さんとして、愛犬に負担をかけないように留守番に関する知識を持っておくことも大切です。

この記事では、犬が留守番できる時間の目安やストレスを減らす方法を解説していきます。

記事の結論
・留守番できる時間は犬によって異なる
・事前の準備や環境づくりも重要
・トレーニングで不安やストレスを軽減できる
・トラブル防止にはケージやサークルでの留守番が有効

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犬が留守番できる時間の目安と年齢別の対策

留守番できる時間の目安は成犬で6~8時間トレーニングを受けた犬では8~12時間が限界と言われています。

イギリスのConn(2010)の調査によると、しつけがきちんと行われている成犬でも限度は4時間とされており、それ以上時間が延びると問題行動が増えることが確認されているようです。

留守番できる時間は、犬の年齢や健康状態、性格やトレーニングしているかなどによっても異なります。

参考
分譲マンションでの犬・猫の飼育状況(外部リンク)

子犬の場合:短時間留守番のコツと対策

子犬の場合

生後6ヶ月未満の子犬の場合、留守番できる時間の目安は1~3時間です。

体が未発達で排泄のコントロールも難しいため、長時間は留守番できません。
さらに、トイレトレーニングの時期でもあるので、子犬のときにトイレの失敗が増えるとしつけの成功率も下がります。

留守番は、1~2時間ほどの短時間から始めて徐々に慣れさせることが基本です。
愛犬が安心できるケージやサークルを用意して、トイレシートを敷いておけばトイレの失敗も対策できます。

長時間の留守番はできないので、やむを得ないときはペットホテルなどを利用しましょう。

シニア犬の場合:長時間留守番のリスクと注意点

シニア犬の場合、留守番できる時間は4~5時間が目安です。

年齢を重ねて変化が起こると、トイレに行く回数が増えたり、介護が必要になったりします。
健康状態によっては、目安よりも留守番できる時間は短くなることもあるため、必要に応じてペットシッターや信頼できる人にお世話をしてもらったほうが安心です。

また、留守番のときは快適な環境を整えて柔らかい寝床を準備することや、水分補給の管理をすることも大切です。
シニア犬に留守番させる場合は細心の注意を払って、無理をさせないように配慮してあげましょう。

病気やケガの場合:特別なケアが必要な犬への配慮

愛犬が病気やケガをしている場合は、基本的に留守番させないようにしてください。

飼い主さんが見ていない間に状態が急変する可能性もあります。
病気やケガをしている場合は、短時間でも留守番させると危険です。

どうしても留守番させなければならないのであれば、ペットシッターや家族にお世話してもらいましょう。
留守番のときは、飲ませるお薬がある場合は事前に準備して、愛犬が安全で快適に過ごせるように環境を整えることが大切です。

また、病気やケガをしている犬は留守番中に健康状態が悪化する可能性もあるので、緊急時に備えてかかりつけの獣医師さんに相談しておきましょう。

犬を留守番させる前に準備すべき5つのポイント

ここからは、犬を留守番させる前に準備すべきものを紹介します。

犬はもともと集団で生活していたので、ひとりで過ごさなければならない留守番は得意ではありません。

ストレスをためさせないにも、愛犬に留守番させるときは安全で快適な環境を整えてあげましょう。

安全な環境づくり:犬の留守番で気をつけるべき場所と物

安全な環境づくり

留守番させるときは、愛犬にとって安全な環境を整えることが重要です。

口に入れたり、触れたりすると危険なものは、犬自身で判断できません。
留守番中の誤飲や感電事故につながる恐れがある、小さなものや電気コードは片付けておくこと。

また、家具も倒れたり犬が登ったりする可能性があるため、しっかり固定しておくと安心です。
安全な環境が整っていれば、飼い主さんがいないときも愛犬は安心して過ごせます。

飲み水とフードの確保:長時間留守番でも安心な方法

飲み水とフード

留守番のときは、飲み水とフードを用意しておきましょう。
長時間にわたって喉がかわいたり、空腹が続いたりすると、犬は体調を崩します。

どうしても留守番が長くなるときは、自動給水器や自動給餌器の活用がおすすめです。
飼い主さんがいないときでも常に新鮮な水が飲めて、決まった時間に食事もできます。

自動給餌器でフードを与える際は適量に設定して、愛犬が誤って食べ過ぎないように注意しましょう。

トイレシートと掃除対策:失敗を防ぐ準備

愛犬に留守番させるときは、適切な場所にトイレシートを設置しましょう。

トイレの失敗を防ぐためには、万が一に備えてトイレシートを広い範囲に敷いておくことも有効です。
排泄しても良いスペースが広がることで、愛犬がトイレを外してしまうリスクも減らせます。

しかし、留守番中にトイレを失敗する可能性はゼロではありません。
留守番中の失敗に備えて、掃除に必要な道具や消臭剤を準備することでストレスを減らしながら、清潔な環境も整えてあげましょう。

ペットカメラの活用法:リアルタイムで犬を見守る

ペットカメラ

留守番させるときにペットカメラを活用すれば、外出先からリアルタイムで愛犬の様子を確認できます。
音声機能が備わっているペットカメラを設置することで、愛犬に声をかけて安心させることも可能です。

さらに、何かあったときも迅速に対応できれば深刻な事態を避けられるので、長時間の留守番でも安心感が得られます。
留守番させるときにペットカメラを活用すれば、飼い主さんの不安も軽減されて、愛犬にとっても良い環境が作れるでしょう。

おもちゃで留守番中に退屈させない

おもちゃ

愛犬に留守番させるときは、おもちゃを準備して退屈させないようにしましょう。
噛んで遊ぶおもちゃや知育玩具は、ストレス発散や脳への刺激になるため、愛犬がひとりのときも楽しく過ごせます。

とくに、愛犬が好きなおもちゃや興味を引くアイテムを選ぶと効果的です。
愛犬が退屈しないようにおもちゃを工夫してあげれば、留守番の時間も短く感じるようにもしてあげられます。

犬の留守番中の不安とストレスを軽減する方法

犬はひとりの時間に不安を感じてストレスが続くと、分離不安症になって吠えや破壊行動などを起こす可能性もあります。
留守番させるときは、愛犬にできるだけ負担をかけないことが大切です。

ここから、分離不安症の症状や対策、留守番中の吠えや破壊行動を防ぐ方法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

分離不安症の症状とその対策

分離不安症の犬は飼い主さんが離れると、過剰に吠える、家具を噛む、物を破壊するなどの行動を見せます。

予防や対策として、事前に留守番トレーニングを行い、短い時間から留守番させて徐々に延ばして慣れさせていくことが重要です。

他にも、飼い主さんの匂いがする毛布などの愛犬が安心できるアイテムや、落ち着いて過ごせる場所を用意することでも対策できます。

分離不安症の問題行動は不安や苦しみから起こるため、厳しく叱るとさらに悪化する恐れがあります。
愛犬が分離不安症になってしまった場合は、動物病院でお薬を処方してもらうこともひとつの手段です。

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留守番時の吠えや破壊行動を防ぐ方法

留守番中に吠えや破壊行動をしてしまう犬には、事前の準備が効果的です。
問題行動は、噛んで遊ぶアイテムやおもちゃを用意して退屈にさせない、留守番が長時間になるときはペットシッターなどを利用する方法などでも予防できます。

さらに音楽やテレビをつけておくなど、飼い主さんと過ごしているときと同じ感覚にすることも愛犬が落ち着ける環境づくりになるため、吠えや破壊行動の予防にもつながります。

犬が留守番に慣れるための効果的なトレーニング法

ここからは、犬に留守番を慣れさせるためのトレーニング方法の紹介です。

留守番に備えてトレーニングを重ねることで、愛犬の不安をなるべく解消してあげましょう。

ひとりで遊ぶ習慣をつけさせる

ひとりで遊ぶ習慣をつけさせることも、トレーニングのひとつです。
留守番中に退屈しなくて済むように、普段から愛犬がひとりで遊ぶ習慣をつけてあげてください。

まずは、知育玩具や噛むおもちゃを用意して、飼い主さんが離れていても遊べる時間を増やしましょう。
犬は遊んでいると、エネルギーを自然に発散することでストレスも軽減できます。

飼い主さんがいないときも、愛犬が楽しく過ごせる環境を整えて、留守番に対する不安を減らしてあげましょう。

犬との適度な距離感を保つコツ

留守番に慣れさせるには、愛犬と適度な距離を保つトレーニングも効果的です。
いつも同じ時間を過ごしたい気持ちはわかりますが、常に一緒にいると愛犬がひとりに慣れる機会を奪うことになるため、留守番させることで分離不安症になる可能性があります。

意図的に、日常生活の中でお互いが別々の部屋で過ごす時間を作って、愛犬に「ひとりの時間」に慣れさせておけば飼い主さんが外出しても安心できるようになります。
適度な距離を保つトレーニングを取り入れて、愛犬が留守番の環境に適応できるようにしてあげましょう。

短時間の留守番から徐々に慣れさせる方法

留守番に慣れさせるためには、短時間の練習から始めると効果的です。

最初の外出は数分間からスタートして、飼い主さんが必ず戻ってくると教えてあげます。
愛犬が落ち着いて過ごせるようになったら、外出時間を徐々に延ばしていきましょう。

このときのポイントは、帰宅時に大げさなリアクションをせずに自然な態度で接することです。
普段通りにすれば、愛犬は「留守番が特別なことではない」と理解するようになるので、安心して過ごしやすくなるでしょう。

ハウストレーニングで安全に留守番させる方法

愛犬を安全に留守番させるためには、ハウストレーニングも効果的です。
留守番中に、愛犬が安心して過ごす自分だけのスペースを作ることにも役立ちます。

また、ハウストレーニングをするときはケージやサークルを使用して、愛犬がリラックスできる環境を整えてあげてください。

ケージ内で過ごさせるときは、短い時間から開始して徐々に慣れさせるようにして、お気に入りの毛布やおもちゃなども入れてあげましょう。

犬の留守番中のトラブル防止策

次に、犬の留守番中に起こるトラブル防止策を紹介していきます。
留守番させるときは事前にしっかり準備して、トラブルや事故から愛犬を守ってあげましょう。

うんちまみれを防ぐための具体的な準備と対策

留守番中は、犬のうんちまみれ対策も欠かせません。

長時間の留守番は緊張や不安を感じて、犬がトイレ以外の場所でうんちをしてしまう場合もあります。

愛犬がうんちにまみれになると大変なので、次のような対策を取り入れてみると良いでしょう。

・トイレトレーニングをしておく
・分離不安症の場合は獣医師に相談して必要な場合はお薬を飲ませる
・事前に散歩やトイレを促してうんちを済ませる

留守番中の噛み癖・家具破壊を防ぐための工夫

留守番中は家具を噛んだり、破壊したりさせないためには、愛犬がエネルギーを発散できるような工夫が必要です。
エネルギーの発散には、留守番前に運動や遊びを取り入れて、十分に疲れさせることが効果的です。

さらに、噛んでも安全なおもちゃや知育玩具を用意しておけば、愛犬の興味を引くことで家具の破壊も防げます。

ケージやサークルでの留守番は、家具や電源コードを噛むなどの思いがけない事故も予防できます。

よくある質問

犬の留守番に関するよくある質問をまとめました。
ぜひ、参考にしてみてください。

Q.旅行中に犬を留守番させても大丈夫?

日帰りであれば、犬によって可能な場合もありますが、数日にわたる旅行の場合は留守番させてはいけません。

留守番できる時間の目安は成犬で6~8時間、トレーニングを受けた犬でも8~12時間が限界だと言われており、年齢や健康状態、性格によっても異なります。

基本的に、飼い主さんが旅行するときは、ペットシッターや家族にお世話してもらいましょう。

Q.犬が留守番中にトイレをしないとどうなる?

犬は、留守番中にトイレを我慢し続けると体に負担がかかるため、膀胱炎や尿路感染症などのリスクが高まります。

留守番中に排泄しない場合は、愛犬にとってトイレが適切な環境ではないのかもしれません。
トイレと寝床の間に柵を設置して休憩する場所と排泄スペースを分ければ、留守番中にできるようになる可能性もあります。

他にも、留守番の前に散歩して排泄を促すなど、事前に済ませておく対策も効果的です。

Q.犬が長時間留守番している時のご飯の量は?

長時間の留守番であっても、愛犬にはいつも通りのご飯の量をあげてください。

ペットシッターや家族に頼めない場合は、自動給餌器を活用することで適切なご飯の量や時間も設定できます。

さらに、自動給水器を使用すればいつでも新鮮な飲み水を飲ませることも可能です。
愛犬に長時間留守番させるときは、いつもと同じ量のご飯や清潔な飲み水を与えてあげましょう。

まとめ

飼い主さんと離れて過ごす留守番は、愛犬にとってさみしくて退屈な時間です。
留守番に不安や恐怖を感じてストレスがたまると、分離不安症を引き起こす恐れもあります。

犬が留守番できる時間の目安は、健康状態や年齢、性格やトレーニングしているかなどによっても異なるので、愛犬にストレスがかからないようにしましょう。

また、愛犬が留守番するためには飲み水やフード、適切な温度を保つなど、快適な環境を整えることも大切です。

ひとりで遊ぶ練習をしたり、ハウストレーニングしたりして、愛犬の不安やストレスが軽減できるように準備してあげてください。
留守番させるときは、愛犬が安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。

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