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犬の甲状腺機能低下症とは、犬の喉のあたりにある臓器の甲状腺から分泌される、甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。
甲状腺ホルモンには、体の新陳代謝を活発にする働き気があります。
甲状腺機能低下症を発症すると、甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなり、新陳代謝が悪くなることでエネルギーの産生、タンパク・酵素の合成、炭水化物・脂質の代謝機能が落ち、全身に影響を及ぼして様々な症状が現れます。
犬の甲状腺機能低下症になると、主に以下のような症状が現れます。
元気がなくなる、疲れやすくなるなどの症状は年齢によるものと思われがちなため、高齢犬の場合は甲状腺機能低下症の症状だと気づけないことがあります。
犬の甲状腺機能低下症の原因は、ほとんどが原発性甲状腺機能低下症によるものです。
リンパ球性甲状腺炎(甲状腺の破壊)や突発性甲状腺萎縮など、甲状腺の異常によって原発性甲状腺機能低下症が起こります。
他にも、稀ではありますが以下のことが原因となる場合もあります。
以下の犬種は、甲状腺機能低下症にかかりやすいと言われています。
中型犬・大型犬や5歳以上~高齢犬での発症が多く、小型犬ではあまり見られません。
ただし、最近では小型犬でも発症するという報告もあり、どんな犬種でも起こる病気です。
犬の甲状腺機能低下症は、一般的に血液検査で診断を行います。
血液検査では、血液中の甲状腺ホルモンの数値を確認します。
甲状腺機能低下症の場合、血液中の甲状腺ホルモン値の低下と、脳下垂体から分泌している甲状腺刺激ホルモンの数値増加が見られます。
なお、血液検査は他の病気や使用している薬の影響を受けるため、病歴や他に病気がないかなどの検査も併せて行い、総合的に判断する必要があります。
他にも甲状腺の画像検査(超音波、レントゲン、CT,MRI検査など)を行うこともあります。
犬の甲状腺機能低下症の治療方法は、甲状腺ホルモン製剤の投与です。
錠剤や飲み薬などで、不足している甲状腺ホルモンを補います。
なお、ホルモン剤の適正量は犬によって異なるため、定期的に血液検査を行い、ホルモン製剤の量が適正か確認が必要です。
投与量が少ないと治療効果が出ず、多いと※甲状腺機能亢進症でという別の病気を引き起こす可能性があるため、ホルモン製剤は適正量を投与することが重要です。
※甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺機能低下症とは逆で甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気です。
全身の代謝が活発になりすぎることで攻撃的になる、食欲があるのに痩せるなどの症状が現れます。
高齢の猫に多い病気で、犬が発症することは稀です。
犬が甲状腺機能低下症を発症した場合、基本的に投薬による治療は生涯必要となります。
甲状腺機能低下症による症状は投薬開始から1週間~数週間ほどで改善が見られます。
皮膚の症状や脱毛については、改善までに数か月かかる場合があります。
犬の甲状腺機能低下症は、残念ながら完治できる病気ではありません。
甲状腺の機能を元に戻すことは難しいため、発症したら生涯にわたって治療が必要となる病気です。
しかしながら、完治はできなくてもホルモン製剤の投与によって、それぞれの症状を改善することはできます。
ただし治療を行わないと悪化して全身に症状が現れ、寿命を縮めることになるため必ず治療を行いましょう。
動物病院では、犬の甲状腺機能低下症の治療薬にはレベンタなど、合成レボチロキシンやレボチロキシンナトリウムというホルモン製剤が使われています。
治療にかかる費用は動物病院によって異なりますが、月約5,000円~15,000円程度です。
※定期的な血液検査は、別途費用がかかります。
当サイトぽちたま薬局では、下記の甲状腺機能低下症治療薬などを取り扱っています。
価格:1箱1,600円~
レボチロキシンは、不足してしまった甲状腺ホルモンを補う治療薬です。
有効成分のレボチロキシンナトリウムは、血中の甲状腺ホルモン濃度を高める働きがあり新陳代謝を高めます。
犬と猫、どちらにも使用できます。
・動物用医薬品等データベース|レベンタ(外部リンク)
犬の甲状腺機能低下症を予防する有効な方法は、残念ながらありません。
予防方法がなく、発症したら生涯投薬治療が必要となる病気のため、早期発見・早期治療が大切になってきます。
犬に元気がない、フケや脱毛などの症状が改善しない、ご飯の量は変わらないのに太ってきたなどの症状が見られたら、動物病院で診察を受けることをおすすめします。
犬の甲状腺機能低下症は、高齢犬に多く見られる病気です。
しかし、高齢犬だけがかかる病気ではなく若い犬も発症します。
なお、高齢犬が発症した場合元気がない、動きたがらないなどの症状は年齢によるものと見過ごされがちなため、定期的な健康診断が推奨されています。
犬の甲状腺機能低下症は高齢犬に多いですが、若い犬も発症する病気です。
発症すると全身に様々な症状が現れ、生涯投薬治療が必要となるため早期発見・早期治療が大切です。
なお、元気がない、疲れやすいなどの症状は高齢犬の場合、年齢によるものと思われて見過ごされやすいので注意が必要です。
若い犬、高齢犬問わず定期的に健康診断を受けることと、気になる症状が現れている場合は動物病院で診察を受けることを心がけておきましょう。
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