新しい猫を迎えてしばらくたつけれど、先住猫はもう受け入れてくれたのかな…。猫同士の気持ちは分かりにくくて、不安になりますよね。
猫は言葉のかわりに、しぐさで気持ちを伝えています。受け入れたサインと、まだ受け入れていないサインの見分け方を知っておきましょう。
- なめ合う・体をこすりつける・くっついて寝るのは、仲良しになったサイン
- すれ違っても何もしないなら「認めた」段階。これも受け入れの1つの形
- シャーがなくても、じっと見つめる・通せんぼがあれば、まだ緊張している
- 受け入れないときは1つ前の段階に戻し、ごはんや寝床を分ける
- 仲良しにならなくても、距離を保って一緒に暮らせる猫は多い

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先住猫が受け入れたサイン
「受け入れた」と一口に言っても、猫同士の関係には段階があります。
全米猫獣医師協会の2024年のガイドラインでは、猫同士の関係を「敵対」「容認」「親和(仲良し)」の3つに分けています。
このうち「容認」と「仲良し」が、先住猫が新入り猫を受け入れた状態にあたります。それぞれのサインを見ていきましょう。
仲良しになったサイン
同じガイドラインと、英国の猫の保護団体キャッツ・プロテクションが挙げているのは、次のようなしぐさです。
- お互いをなめ合う(毛づくろいし合う)
- 体や顔をこすりつけ合う
- 体をくっつけて眠る
- 鼻と鼻をくっつけてあいさつする
- 自分から相手のそばに行く
- そばにいても耳が前を向き、目を閉じてリラックスしている
キャッツ・プロテクションは、くっついて寝る・なめ合う・こすりつけ合うが見られれば、猫同士はかなり仲良く過ごせていると考えてよいとしています。
すべてのサインがそろう必要はありません。1つ2つ見られるだけでも、関係は良い方向に進んでいると考えられます。
しっぽにも注目
しっぽをピンと立てて相手に近づくのも、親しみのサインです。
サウサンプトン大学の研究では、しっぽを立てるしぐさは、猫同士の友好的な場面で見られると報告されています。
体をこすりつける行動と、続けて起こりやすいそうです。
「認めた」段階のサイン
仲良しとまではいかなくても、次のような様子なら「容認」の段階です。
- すれ違っても、特に何もしない
- 同じ部屋にいても、それぞれ好きに過ごしている
- お気に入りの場所を、時間をずらして使い分けている
- ごはん・トイレ・遊びがいつもどおり
ガイドラインでは、友好的でも敵対的でもなく、すれ違ったり同じ場所を使ったりする関係を「容認」としています。
なめ合うような仲にはならなくても、ケンカをせずに落ち着いて暮らせていれば、先住猫は新入り猫を受け入れているといえます。
初めての対面でのサイン
ケージ越しや直接の対面で、お互いのにおいを嗅ぎ合ったり、なめてあげたりするのは良いサインです。
新潟県動物愛護センターは、こうしたしぐさが見られれば対面は成功としています。
ただし同センターは「もう大丈夫と油断しないで」とも呼びかけています。
最初から長い時間一緒にせず、飼い主さんが見ている状態で少しずつ時間を延ばしましょう。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」/サウサンプトン大学「イエネコと小型の野生ネコ科動物の、目と体を使ったコミュニケーション」(博士論文)/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
対面の手順は、こちらの記事でくわしく解説しています。
まだ受け入れていないサイン
シャーと言わなくなったからといって、受け入れたとは限りません。
全米猫獣医師協会のガイドライン概要版では、猫同士の緊張のサインを多い順に挙げています。
いちばん多いのは、じっと見つめること(44.9%)でした。シャーは、通せんぼや追いかけるより後に挙がっています。
| サイン | こんな様子 |
|---|---|
| じっと見つめる | 相手から目を離さない。緊張のサインで最も多い |
| 通せんぼする | 通り道や、ごはん・トイレの前に座り込む |
| 追いかける・忍び寄る | 片方だけが、相手をつけ回す |
| 逃げる・避ける | 相手が来ると、その場を離れる |
| しっぽを小刻みに振る | 相手を見ながら、しっぽの先をピクピクさせる |
| シャー・うなる | 威嚇する。見つめるより少ないサイン |
ほかに、怖さや不安から、動き回らなくなる・食べる量が減る・遊ばなくなるといった変化が出ることもあります。
こうした静かなサインは見逃されやすいので、シャーがないときほど、2匹の様子をよく見てあげてください。
なお、同じ概要版によると、猫を2匹以上飼う家庭の62.2〜87.7%で、猫同士の緊張が見られるとされています。
まだ受け入れていないサインが出ていても、珍しいことではありません。焦らずに進めていきましょう。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」
遊びとの違い
取っ組み合いは本気のケンカに見えても、遊びのことがあります。全米猫獣医師協会のガイドライン概要版でも、そう説明されています。
片方だけが追い回す、相手が逃げてばかりいるなら、緊張のサインと考えましょう。
威嚇やケンカへの対処は、こちらの記事で解説しています。
先住猫が子猫を受け入れない理由
「子猫なら受け入れてもらいやすい」とよく言われます。実際に、成猫と子猫の組み合わせはうまくいきやすいとされています。
それでも受け入れないことがあるのは、次のような理由が考えられます。
子猫の元気さが負担になっている
キャッツ・プロテクションによると、子猫はまだ大人になる前なので、成猫からは脅威と見られにくいとされています。
ただ、のんびり昼寝や自分のペースで遊ぶ生活に慣れた先住猫にとって、子猫の元気さは負担になることがあります。
シニア猫は特に、子猫のペースについていけません。新潟県動物愛護センターも、高齢猫と子猫はトラブルが起こりやすい組み合わせとしています。
去勢手術をしていない
新潟県動物愛護センターによると、オスの成猫でも子猫の面倒をみてくれる子は多い一方、去勢手術をしていないと子猫を襲うこともあります。
キャッツ・プロテクションも、不妊去勢手術をした猫は、なわばり意識が弱まり、ほかの猫を受け入れやすくなる可能性があるとしています。
暮らしの変化にとまどっている
新しい猫を迎えると、飼い主さんと先住猫の関係も変わります。
全米猫獣医師協会のガイドライン概要版では、この変化が猫同士の緊張につながることがあるとしています。
新潟県動物愛護センターは、新入り猫ばかりかわいがると、先住猫がストレスを感じてケンカ・食べない・トイレの失敗などにつながると注意しています。
ごはん・トイレ・寝床を取られる心配があることも、受け入れにくくなる理由の1つです。
出典:キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」
受け入れないときの対処法
1つ前の段階に戻る
緊張のサインが出たら、会わせる時間を減らすか、ケージ越しやにおいの交換など1つ前の段階に戻しましょう。
全米猫獣医師協会は、緊張があるのに先へ進み続けると、緊張が長く続くおそれがあるとしています。
新潟県動物愛護センターも、数日であきらめず、じっくり時間をかけるよう呼びかけています。
子猫は遊ばせてから会わせる
子猫を迎えた場合は、先住猫と会わせる前に、おもちゃでたっぷり遊ばせて疲れさせておきましょう。
先住猫には、子猫が届かない高い場所や隠れる場所を用意してあげてください。キャッツ・プロテクションが勧めている方法です。
ごはん・トイレ・寝床を分ける
キャッツ・プロテクションは、ごはんと水の器、トイレ、寝床を「猫の数+1つ」用意し、家のあちこちに分けて置くよう勧めています。
全米猫獣医師協会も、ごはんは猫同士を近くで食べさせず、目隠しになる家具などで仕切るよう勧めています。
先住猫を一番に・叱らない
新潟県動物愛護センターは、先住猫が一番だと伝えることが大切だとしています。
たとえば、ごはんやあいさつ、なでるのは先住猫からにしてあげましょう。
威嚇しても叱らないでください。全米猫獣医師協会は、叱ると猫のストレスが増え、猫同士の関係にも影響するとしています。
毎日遊ぶ時間をつくる
遊びたい気持ちが強い猫が、おとなしい猫にちょっかいを出すことがあります。
全米猫獣医師協会は、これを防ぐために1日2回以上、1回5分以上遊ぶ時間をつくるよう勧めています。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
仲良くならなくても大丈夫?
なめ合ったり、くっついて寝たりする仲にならなくても、心配しすぎなくて大丈夫です。
全米猫獣医師協会のガイドライン概要版では、猫同士が強い絆を持つことはあっても、それは生きていくうえで欠かせないものではないとしています。
新潟県動物愛護センターも、すべての猫がほかの猫を受け入れるわけではないものの、お互いに距離を保ちながら一緒に暮らすことはできるとしています。
距離を保つ暮らし
それぞれが1匹になれる場所を用意し、ごはん・トイレ・寝床を分けておきましょう。
3匹以上いると、仲良しのグループがいくつかに分かれることもあります。どの猫にも逃げ場があれば大丈夫です。
ただ、ケンカが続く、片方が隠れてばかりいるなど、どちらかがつらそうな状態が長く続くときは、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
全米猫獣医師協会は、猫同士の緊張が強いときは、行動の専門の獣医師に相談することも勧めています。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」
体調の変化に気をつけて
猫同士の緊張が続くと、体調に影響が出ることがあります。
全米猫獣医師協会は、緊張が続くと、ストレスに関係する病気につながるおそれがあるとしています。
新潟県動物愛護センターも、先住猫がストレスから食べなくなったり、トイレを失敗したりすることがあると注意しています。
反対に、体の痛みや病気が原因で、ほかの猫を受け入れにくくなっていることもあります。
同協会は、猫同士の緊張に対処するとき、まず獣医師の診察で病気や痛みがないか確かめるよう勧めています。

- ごはんを食べない、食べる量が明らかに減った
- 隠れたまま出てこない、元気がない
- トイレ以外の場所でおしっこやうんちをする
- ケンカのあと、顔や体が腫れている・さわると痛がる
こうした様子が見られたら、早めに動物病院への相談を検討してください。どちらの猫に出ているかも伝えると、相談がスムーズです。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
よくある質問
受け入れるまでどのくらいかかる?
受け入れるまでの期間は、猫によって大きく違います。
新潟県動物愛護センターは、数日であきらめずに、じっくり時間をかけるよう呼びかけています。
日数よりも、緊張のサインが少しずつ減っているかを見てあげましょう。期間の目安は、対面の記事でくわしく解説しています。
受け入れていたのに病院帰りに威嚇する
病院やホテルから帰った猫は、においが変わっているため、仲間だと分かってもらえないことがあります。
キャッツ・プロテクションによると、離れていた時間が長いほど、元の関係に戻るのが難しくなります。
帰ってきた猫はしばらく別の部屋で過ごさせ、家のにおいになじませてから、少しずつ会わせ直しましょう。
きれいな布にそれぞれの猫のにおいをつけて、交換する方法も勧められています。
先住猫が2匹以上いるときは?
猫が3匹以上いると、仲良しの組み合わせとそうでない組み合わせが出てくることがあります。
キャッツ・プロテクションは、仲良くならない猫や、ほかの猫を「我慢している」猫のために、1匹で過ごせる場所を用意するよう勧めています。
全員が仲良しでなくても大丈夫です。
出典:キャッツ・プロテクション「もう1匹猫を迎えるときに」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
あわせて読みたい
先住猫と新入り猫の会わせ方は、この記事で手順を解説しています。
シャーや威嚇がなかなか止まらないときは、こちらの記事を参考にしてください。
噛む・追いかけるのが遊びかケンカか迷うときは、こちらの記事で見分け方を解説しています。
猫の多頭飼いの全体像は、こちらの記事でまとめています。
まとめ
- なめ合う・こすりつけ合う・くっついて寝るのは、仲良しになったサイン
- すれ違っても何もしない「容認」も、受け入れの1つの形
- じっと見つめる・通せんぼは、シャーがなくても緊張のサイン
- 受け入れないときは1つ前の段階に戻し、ごはんや寝床を分ける
- 先住猫を一番にして、叱らずに見守る
- 食べない・隠れたまま・トイレの失敗が続くときは、動物病院へ相談を
犬猫のお薬の個人輸入は「ぽちたま薬局」へ

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。









