先住猫が新入り猫を噛んだり、追いかけ回したり…。遊んでいるのか、本気のケンカなのか、見ていてハラハラしますよね。
猫同士の取っ組み合いは、遊びのこともケンカのこともあります。見分けるポイントと、止めるときのコツを知っておきましょう。
- 噛む・追いかけるは、遊びのこともケンカのこともある
- 声を出さずに取っ組み合い、お互いに追いかけ合うなら遊びの可能性が高い
- うなる・シャーが混じる、片方だけが追い回すならケンカ寄り
- 止めるときは手を出さず、音や仕切りで気をそらす
- 噛まれた猫は、数日たってから傷が腫れることがある

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先住猫が新入り猫を噛む理由
先住猫が新入り猫を噛む理由は、1つとは限りません。
コーネル大学の猫健康センターが挙げる攻撃の種類から、多頭飼いで起こりやすいものをまとめました。
| 理由 | こんなときに起こりやすい |
|---|---|
| なわばりを守る | 新しい猫が来たとき。たたく・追いかける・飛びかかる形で出やすい |
| 遊び | 若い猫や子猫。兄弟猫と育たなかった猫や、遊び足りない猫に多い |
| 八つ当たり | 窓の外の猫を見た、大きな音がしたなど、興奮した気持ちを近くの猫に向ける |
| 痛み・病気 | 体に痛みがあり、さわられたり近づかれたりするのを避けたい |
| オス同士 | 2〜4歳ごろの、大人になる時期のオス。性ホルモンが関係することがある |
コーネル大学によると、子猫は兄弟猫と遊ぶ中で、噛む強さの加減を覚えていきます。
強く噛みすぎると、相手が遊ぶのをやめたり、やり返したりするからです。兄弟猫と育たなかった猫は、この加減を覚えにくいとされています。
遊びか喧嘩かの見分け方
2023年に発表された研究では、猫210匹(105組)のじゃれ合いの動画を分析しました。
専門家の判定では、56.2%が「遊び」、28.6%が「ケンカ」、15.2%がその「中間」でした。
遊びとケンカの間には、どちらとも言えないやりとりがあるということです。
研究で分かった見分けのポイントは、次のとおりです。
| 見るところ | 遊び | ケンカ寄り |
|---|---|---|
| 声 | ほとんど声を出さない | うなる・シャー・大きな声 |
| 体の距離 | くっついて取っ組み合う | 体を離して、身をかがめて止まる |
| 追いかけっこ | お互いに追いかけ合う | 片方だけが追いかける |
特にはっきり違いが出たのが「声」です。ケンカのときは鳴き声が多く、遊びのときは静かに取っ組み合う傾向がありました。
研究チームは、本当のケンカでは、猫は体をくっつける取っ組み合いを避けるとしています。
ただし、取っ組み合いだけで遊びと決めつけないよう注意も添えています。声や追いかけ方とあわせて見てあげてください。
中間ってなに?
片方は遊びたいのに、もう片方はやめたい。そんなときに起こるのが「中間」のやりとりです。
研究では、一方的に猫パンチをしたあとにシャーが出る、追いかけても追い返さない、といった様子が見られました。
ケンカに発展することもありますが、関係が壊れたわけではなく、その場の気持ちのすれ違いと考えられています。
首を噛むのは遊び?
研究で使われた行動の分類では、噛むことは取っ組み合いの遊びの一部にも含まれています。首を噛むこと自体は、遊びの中でも見られる行動です。
見るべきなのは、噛まれた猫の反応です。噛まれた猫が鳴く、逃げようとする、身をかがめて動かなくなるなら、ケンカ寄りのサインです。
上に乗っかるような行動(マウント)は、研究では「中間」のやりとりに含まれていました。くり返すときは、音などで気をそらしてあげましょう。
追いかけ回すのはなぜ?
研究では、追いかけっこはケンカと結びつきやすい行動でした。ただ、お互いに追いかけ合っているなら、遊びのこともあります。
追いかける回数が増えてきたら、片方が「もうやめたい」と逃げ始めている可能性があるそうです。
コーネル大学によると、遊びの延長で攻撃する猫は、隠れた場所から飛びかかることがよくあります。
決まった時間や場所で起こるなら、その前におもちゃで遊ばせる、隠れ場所に入れないようにする、といった方法が勧められています。
ふだんの様子もヒントに
研究チームは、1回のケンカだけで2匹の関係は決まらないとしています。
ふだんから体をこすりつけ合う、なめ合う、くっついて寝るなら、たまのケンカは心配しすぎなくてよいそうです。
反対に、近くで寝てもくっつかない、なめ合いがケンカで終わる、という様子が続くときは、関係に緊張がある可能性があります。
出典:科学誌サイエンティフィック・リポーツ掲載論文(2023年)「猫同士のじゃれ合いは遊びか、ケンカか、その中間か」/コーネル大学猫健康センター「猫の問題行動:攻撃性」
猫同士の喧嘩の止め方
手や体を間に入れない
コーネル大学は、ケンカしている猫の間に手や体を入れないでと強く注意しています。大ケガをするおそれがあるからです。
興奮した猫は、近くにいる人に噛みつくこともあります。抱き上げて引き離すのも避けましょう。
音で気をそらす
コーネル大学は、猫にふれずに驚かせて気をそらす方法が、たいてい効果的だとしています。
攻撃が始まって数秒以内に、音で注意を引くのがポイントです。エアダスターの空気の音や、人がシャーと声を出すといった例が挙げられています。
目的は怖がらせることではなく、気持ちを切りかえさせることです。猫をたたいたり、さわったりはしないでください。
仕切りで視線をさえぎる
段ボールや板、ペット用のゲートなどの仕切りで2匹を分けるのも効果的です。
クッションや毛布を間に差し込んで、お互いが見えないようにする方法もあります。
落ち着いたら、別々の部屋に移しましょう。別々のおもちゃで遊ばせて、興奮をしずめてあげるのもおすすめです。
くり返すなら会わせ直す
ケンカがくり返されるときは、いったん別々の部屋で暮らさせて、ゆっくり会わせ直します。
コーネル大学が紹介する手順は、部屋を入れかえてにおいに慣らす→離れた場所でごはんを食べさせる→少しずつ距離を縮める、という流れです。
猫によっては数週間〜数か月かかることもあります。手順はこちらの記事でくわしく解説しています。
叱らないで
コーネル大学は、どんな体罰も猫の恐怖や不安を強め、攻撃を悪化させることがあるとしています。
全米猫獣医師協会のガイドも、叱ると猫のストレスが増え、猫同士の関係にも影響するとしています。
ケンカしたあとは、大きな声を出さず、それぞれが落ち着ける場所で休ませてあげましょう。
出典:コーネル大学猫健康センター「猫の問題行動:攻撃性」/全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」
喧嘩を減らす暮らし方
ごはんやトイレは1匹ずつ+1
全米猫獣医師協会は、猫同士の緊張の原因で最も多いのは、資源が足りないことだとしています。
トイレ、ごはんと水の器、爪とぎ、高い場所、隠れ場所は、1匹に1つずつ+1つ用意するのが理想です。
家のあちこちに分けて置くと、取り合いになりにくくなります。逃げ場所になる高い場所があると、追いかけられた猫も安心です。
遊びで元気を発散させる
全米猫獣医師協会は、元気いっぱいの猫には、1日2回以上、1回5分以上おもちゃで遊ぶよう勧めています。
有り余る元気が、ほかの猫に向かわないようにするためです。コーネル大学も、おもちゃは手から離して使うよう伝えています。
不妊・去勢手術も検討を
コーネル大学は、オス同士のケンカへの対処として、まず関係する猫すべての不妊・去勢手術を挙げています。
新潟県動物愛護センターも、去勢していないオスは子猫を襲うことがあるとしています。時期などは、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
出典:全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」/コーネル大学猫健康センター「猫の問題行動:攻撃性」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
子猫を噛むのはいつまで?
先住猫が子猫を噛むのが、何日で終わるという決まった目安はありません。
2023年の研究では、取っ組み合いで遊ぶグループに子猫が多く含まれていました。子猫とのじゃれ合いは、遊びのことも多いと考えられます。
新潟県動物愛護センターも、先住猫が成猫で新入りが子猫の場合は、うまくいくことが多いとしています。
ただし、高齢の先住猫と子猫は、トラブルが起こりやすい組み合わせだそうです。
声を出さずにじゃれ合い、子猫がまた自分から寄っていくなら、見守ってよい範囲のことが多いでしょう。
シャーやうなり声が続くなら、いったん距離をとってあげてください。
出典:科学誌サイエンティフィック・リポーツ掲載論文(2023年)「猫同士のじゃれ合いは遊びか、ケンカか、その中間か」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
先住猫のシャーや威嚇が続くときは、こちらもあわせてどうぞ。
噛まれたあとの注意点
猫同士の噛み傷は、見た目は小さくても油断できません。
ミネソタ大学の獣医臨床の教材によると、噛み傷の表面がすぐにふさがると、中で膿がたまりやすくなります。
膿がたまるまでには、ふつう2〜7日かかるそうです。
傷は毛に隠れて、飼い主さんが気づかないことも少なくありません。ケンカの傷は、顔や首、後ろ足やしっぽの付け根にできやすいとされています。
また、猫エイズ(猫免疫不全ウイルス)は、主に感染した猫の噛み傷からうつることが知られています。
出典:ミネソタ大学「獣医臨床スキル集:犬猫の膿瘍の処置」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」

- 体のどこかが腫れている・さわると痛がる
- 元気がない・ごはんを食べない
- 傷口から膿や血が出ている
- 隠れたまま出てこない
- 急に怒りっぽくなった
ケンカの傷は、数日たってから腫れてくることがあります。こうした様子がある場合は、早めに動物病院への相談を検討してください。
よくある質問
新入り猫が先住猫を噛むときは?
新入り猫のほうが、先住猫の首を噛んだり、追いかけ回したりすることもあります。
コーネル大学によると、遊びの延長で攻撃するのは、若い猫や子猫に多いそうです。
決まった時間や場所で起こるなら、先回りしておもちゃで遊ばせる方法が勧められています。
先住猫が嫌がって逃げるときは、高い場所や隠れ場所など、先住猫だけの逃げ場を用意してあげましょう。
仲良しだったのに急に喧嘩するのは?
コーネル大学は、窓の外の猫を見たあとや大きな音のあとに、そばの猫を攻撃することがあるとしています。
病院から帰った猫が、前は仲良しだった猫に攻撃されることもあるそうです。
思い当たる原因がないのに急にケンカが増えたときは、痛みや病気が隠れていないか、動物病院で確認してもらうと安心です。
猫の喧嘩は止めるべき?
静かに取っ組み合い、お互いに追いかけ合っているなら、無理に止めなくてもよいことが多いでしょう。
うなり声やシャーが出てきた、片方が逃げようとしている、というときは、音や仕切りで止めてあげてください。
コーネル大学は、早めに対処するほうがよいとしています。本気のケンカになる前に、気をそらしてあげるのがコツです。
出典:コーネル大学猫健康センター「猫の問題行動:攻撃性」/科学誌サイエンティフィック・リポーツ掲載論文(2023年)「猫同士のじゃれ合いは遊びか、ケンカか、その中間か」/全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」
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まとめ
- 先住猫が新入り猫を噛むのは、なわばり・遊び・八つ当たり・痛みなどが理由
- 静かに取っ組み合い、お互いに追いかけ合うなら遊びの可能性が高い
- うなる・シャー、片方だけが追い回すならケンカ寄り
- 止めるときは手を入れず、音や仕切りで気をそらす
- ごはんやトイレは1匹ずつ+1、遊びで元気を発散
- 噛まれたあとは数日様子を見て、腫れや元気のなさがあれば動物病院へ
犬猫のお薬の個人輸入は「ぽちたま薬局」へ

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。








