迎えた猫が猫エイズ陽性だった、先住猫にうつらないか心配…。
隔離したほうがいいのか、一緒に暮らせるのか、迷ってしまいますよね。
- 猫エイズは主にケンカの噛み傷でうつる。グルーミングや食器の共有ではうつりにくい
- ケンカをしない猫同士なら、うつるリスクはごくわずかとされている
- いちばん確実なのは、陽性の猫と陰性の猫を分けて暮らすこと
- 隔離できないなら、全頭の避妊・去勢とケンカを起こさない環境づくりを
- 陽性でも、適切なケアで長く元気に暮らす猫は多い

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猫エイズでも多頭飼いはできる?
猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症・FIV)の猫がいても、多頭飼いをしている家庭はあります。
ただし、公的機関の考え方には幅があります。
長野県動物愛護センターは、陽性の猫は室内で、陰性の猫とは一緒にせずに飼うことを勧めています。
一方、北九州市動物愛護センターは陽性の猫も譲渡の対象としています。
多頭飼いの場合は、避妊・去勢や、ケンカしないための工夫が必要だとしています。
コーネル大学も、陽性の猫と陰性の猫を分けるのが理想としつつ、ケンカをしない家庭ではうつる可能性はずっと低いとしています。
つまり、「分けて暮らす」がいちばん確実で、分けられない場合は「ケンカをさせない」が基本です。
出典:長野県動物愛護センター「感染症:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス・FIV)について」/北九州市動物愛護センター「猫免疫不全ウイルス(FIV)について」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」
猫エイズはどうやってうつる?
コーネル大学によると、猫エイズの主な感染経路は、感染している猫に噛まれてできる傷です。
ウイルスをふくむ唾液が、噛み傷から体に入ることでうつります。
一方で、水の器の共有やなめ合い(グルーミング)は、効率のよい感染経路ではないとされています。
埼玉県動物指導センターも、食器の共有や触れ合う程度では感染リスクは低いとしています。
| うつりやすい | うつりにくい |
|---|---|
| ケンカの噛み傷 | なめ合い(グルーミング) |
| 交尾 | 食器・水の器の共有 |
| 母猫から子猫(まれ) | 空気(空気感染はしない) |
母猫から子猫にうつることは、まれとされています。
コーネル大学によると、ウイルスはほとんどの環境で数時間ほどしか生きられません。
出典:コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」/埼玉県動物指導センター「猫エイズ(FIV)ってなに?」/北九州市動物愛護センター「猫免疫不全ウイルス(FIV)について」
多頭飼いでうつる確率は?
「同居で何%うつる」という決まった数字はありません。ケンカをするかどうかで、リスクが大きく変わるからです。
全米猫獣医師協会のガイドラインは、ケンカをしない安定した関係の家庭なら、うつるリスクはごくわずかとしています。
実際、陽性の猫8匹と陰性の猫130匹が一緒に暮らす保護施設では、数年間うつった例がありませんでした。
ただし、ゼロではありません。ケンカが見られなかった26匹の家庭では、最初は9匹だった陽性の猫が、10年で6匹増えました。
この家庭には猫白血病にもかかっている猫がいて、それがうつりやすさに関係した可能性があるとされています。
また同ガイドラインは、仲良く暮らせない猫同士はケンカをしやすく、うつるリスクが高くなるとしています。
隔離できるなら
コーネル大学は、陽性の猫と陰性の猫を分けて暮らすのが理想としています。
部屋を分けられるなら、それがいちばん確実な予防です。
出典:全米猫獣医師協会「2020年 猫のレトロウイルス検査と管理のガイドライン」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」
隔離できないときの5つの対策
部屋数が足りない、猫が鳴いてしまうなど、隔離が難しい家庭も多いはずです。
全米猫獣医師協会のガイドラインも、家の中で分けて暮らすのは難しく、守りきれないことがあると認めています。
そのうえで、リスクを下げる方法として次のことを挙げています。
1.全頭の避妊・去勢
同ガイドラインは、家の猫すべてに避妊・去勢をすることを勧めています。
コーネル大学も、避妊・去勢は交尾や子猫への感染をなくし、ケンカしやすさを減らすとしています。
北九州市動物愛護センターも、多頭飼いでは避妊・去勢が必要だとしています。
2.ケンカを起こさない環境づくり
同ガイドラインは、すべての猫の暮らしの要求を満たして、争いやストレスを減らすことを勧めています。
トイレ、ごはんと水の器、爪とぎ、高い場所、隠れ場所は、取り合いにならないよう十分に用意しましょう。
猫同士の相性を見て、ケンカしないよう工夫することも大切です。
ケンカの見分け方と止め方は、こちらの記事でくわしく解説しています。
3.新しい猫を増やさない
同ガイドラインは、陽性の猫がいる家に新しい猫を迎えないよう勧めています。
新入りが来ると、それまでケンカしなかった猫同士でもケンカが始まることがあるからです。
4.同居している猫も全頭検査
コーネル大学は、陽性の猫が見つかったら、同じ家の猫すべてを検査するよう勧めています。
長く一緒に暮らしてから陽性がわかることも多いためです。
5.完全室内飼いでストレスを減らす
長野県動物愛護センターは、適切な食事や安心できる生活空間など、ストレスの少ない環境が大切だとしています。
埼玉県動物指導センターも、完全室内飼いと、ストレスの少ない暮らしを勧めています。
外に出ると、ほかの猫とケンカしてうつしたり、別の病気をもらったりするおそれがあります。
出典:全米猫獣医師協会「2020年 猫のレトロウイルス検査と管理のガイドライン」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」/北九州市動物愛護センター「猫免疫不全ウイルス(FIV)について」/長野県動物愛護センター「感染症:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス・FIV)について」/埼玉県動物指導センター「猫エイズ(FIV)ってなに?」
猫エイズ検査のタイミング
新しい猫を迎えたら、すぐ検査
全米猫獣医師協会のガイドラインは、猫を迎えたらできるだけ早く検査することを勧めています。
結果がわかるまでは、新しい猫を先住猫と別にしておきましょう。
会わせ方の手順は、こちらの記事で解説しています。
陰性でも、60日後にもう一度
検査は、ウイルスに対する抗体を調べるものです。
コーネル大学によると、感染してから検査でわかるほど抗体ができるまで、2〜6か月かかります。
そのため、感染してすぐの猫は陰性と出ることがあります。
うつった可能性があるときは、最後に接触してから60日以上たって、もう一度検査するよう勧められています。
陽性でも、確認の検査を
同ガイドラインは、健康で室内飼いの猫などは誤って陽性と出る可能性が高めなので、別の方法での追加検査を勧めています。
また、生後6か月未満の子猫は、母猫からもらった抗体で陽性と出ることがあります。
コーネル大学は、こうした子猫は60日おきに、生後6か月をすぎるまで検査し直すよう勧めています。
ワクチンを打ったことがある猫も、検査で陽性と出ることがあります。接種歴がわかれば動物病院に伝えましょう。
出典:全米猫獣医師協会「2020年 猫のレトロウイルス検査と管理のガイドライン」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」
陽性の猫の健康管理
猫エイズに感染しても、すぐに具合が悪くなるわけではありません。
北九州市動物愛護センターによると、多くの猫は感染後5〜10年はほとんど症状がないといわれています。
コーネル大学も、猫白血病に同時にかかっていなければ、平均的な寿命を生きることが多いとしています。
半年に1回以上の健康チェック
コーネル大学は、陽性の猫は少なくとも半年に1回、動物病院で健康チェックを受けるよう勧めています。
歯ぐき、目、皮膚、リンパ節を特によく診てもらいます。
体重が減ることが、悪くなり始めた最初のサインになることが多いそうです。おうちでも体重を記録しておきましょう。
生肉など加熱していない食べ物は避ける
コーネル大学は、栄養バランスのよい食事をあげ、生肉や生卵など加熱していない食べ物は避けるよう勧めています。
食べ物からの細菌や寄生虫の感染を防ぐためです。
このウイルスを退治する薬はなく、症状が出たらその症状を治療していきます。
猫エイズの治療については、こちらの記事でまとめています。
発症すると免疫が弱くなり、ほかの病気にかかりやすくなります。
コーネル大学によると、皮膚、目、尿路、鼻やのどの感染症をくり返したり、歯ぐきや口の中がひどく炎症を起こしたりします。
出典:北九州市動物愛護センター「猫免疫不全ウイルス(FIV)について」/コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」/長野県動物愛護センター「感染症:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス・FIV)について」

- 体重が減ってきた
- 口臭・よだれが増えた、食べるときに痛がる
- 鼻水・くしゃみ、目やに、皮膚の炎症がなかなか治らない
- 熱っぽい、元気や食欲がない
- ケンカで噛み傷ができた(陰性の猫も)
コーネル大学は、陽性の猫は症状が出たらすぐに診てもらうことが大切だとしています。早めに動物病院への相談を検討してください。
よくある質問
猫エイズは人にうつる?
うつりません。コーネル大学によると、猫エイズのウイルスは猫科の動物にしか感染しません。
人のエイズ(HIV)とはまったく別のウイルスです。人に感染するという証拠は、現在のところありません。
猫エイズは犬にうつる?
うつりません。埼玉県動物指導センターは、人にも、犬など猫以外の動物にも感染しないとしています。
長野県動物愛護センターも、猫以外に感染することはないとしています。犬と猫を一緒に飼っていても、犬の心配はいりません。
ワクチンを打てばうつらない?
全米猫獣医師協会のガイドラインでは、猫エイズのワクチンの効果にはばらつきがあるとされています。
オーストラリアの調査では、防げた割合は56%でした。
また、接種した猫は、検査の種類によっては感染と区別がつかず陽性と出ます。接種するかどうかは、動物病院で相談してください。
陽性の猫がいた家に、新しい猫を迎えるときは?
コーネル大学は、新しい猫を迎える前に、食器、寝床、トイレ、おもちゃを洗って消毒するか、新しくするよう勧めています。
猫エイズ以外の病気をもらわないためでもあります。新しい猫は、ほかの感染症のワクチンを済ませてから迎えましょう。
出典:コーネル大学猫健康センター「猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)」/埼玉県動物指導センター「猫エイズ(FIV)ってなに?」/長野県動物愛護センター「感染症:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス・FIV)について」/全米猫獣医師協会「2020年 猫のレトロウイルス検査と管理のガイドライン」
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まとめ
- 猫エイズは主にケンカの噛み傷でうつり、グルーミングや食器の共有ではうつりにくい
- ケンカをしない猫同士ならリスクはごくわずか。ただしゼロではない
- いちばん確実なのは、陽性の猫と陰性の猫を分けて暮らすこと
- 隔離できないなら、全頭の避妊・去勢、ケンカを起こさない環境、新しい猫を増やさない
- 新しい猫はすぐ検査。陰性でも60日後に再検査
- 陽性の猫は半年に1回以上の健康チェックを。体調の変化があれば動物病院へ
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幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。









