猫と暮らしている家に、新しく犬を迎えることになった。先住猫が怖がらないか、犬が猫を追いかけないか、心配になりますよね。
犬と猫は、体の大きさも習性も違います。だからこそ、迎え方の段取りが大切です。
- 犬を迎える前に、犬が入れない猫の避難部屋を用意する
- においと音→ゲート越し→リードを付けて対面、と段階を踏む
- 慣れるまでの目安は1か月ほど。それより長くかかることもある
- 犬に猫を追いかけさせない。猫の威嚇は叱らない
- 犬用のノミ・マダニ薬には、猫に有害な成分を含むものがある

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先住猫のいる家に犬を迎える前に
犬を迎えると、先住猫の暮らしは大きく変わります。
米国オハイオ州の郡立ドッグシェルターは、環境の変化や新しい家族は、犬より猫のほうに大きなストレスになりうるとしています。
まずは、先住猫が安心できる準備から始めましょう。
犬が入れない「猫の避難部屋」をつくる
オハイオ州立大学獣医学部は、犬を家に連れて帰る前に、猫の避難場所を用意しておくよう勧めています。
避難部屋は、寝室や奥の部屋など、人の出入りが少ない場所が向いています。
同大学は、ここにごはん・水・トイレ・爪とぎ・高い場所・おもちゃをひととおりそろえるよう案内しています。
猫が自由に出入りでき、中にいる間は人もペットも邪魔をしない。それが避難部屋の条件です。
先のシェルターも、猫がこの部屋で数週間過ごすこともあるため、隠れ場所や窓の外を見られる場所があるとよいとしています。
出典:オハイオ州立大学獣医学部「猫の避難場所」/フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」

年齢の組み合わせで気をつけること
同シェルターは、猫と犬の年齢の組み合わせにも目を向けるよう伝えています。
| 組み合わせ | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 高齢の先住猫 | ストレスの影響を受けやすく、跳ぶ・隠れる・逃げるのが若い猫より遅い。しつけで接し方を教えやすい子犬のほうが向くことがある |
| 子猫・若い先住猫 | 犬から逃げたり隠れたりすることを、まだ知らない場合がある。成犬を迎えるときは特に慎重に |
| 子猫と子犬 | いちばんうまくいきやすい組み合わせとされる |
犬種の特徴も知っておく
同シェルターによると、牧羊犬やテリア、一部の猟犬は、動くものを追いかける本能が強い傾向があります。
こうした犬種でも、猫と暮らせないわけではありません。ただ、対面はより慎重に進めましょう。
出典:フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」
先住猫と新入り犬の慣らし方
フランクリン郡ドッグシェルターは、犬と猫の対面に1か月ほどかかると考えておくよう伝えています。
同シェルターの手順をもとに、4週間の流れを表にまとめました。
| 時期 | やること | 次へ進む目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | ドア越しに、においと音だけで慣らす | 犬が猫の部屋のドアに執着しない |
| 2週目 | ゲート越しに顔を合わせる。犬はリードを付ける | 犬がゲートに飛びつかない・吠えない |
| 3週目 | ゲートを外し、短い時間だけ対面 | どちらの体もリラックスしている |
| 4週目 | 見守りながら一緒に過ごす | 猫が隠れてばかりいない |
1週目:においと音で慣らす
猫の部屋のドアは閉めたまま、犬がドアに近づけるようにします。
犬も猫も、ドア越しにお互いの音とにおいを感じ取れます。飼い主の服についたにおいでも、相手の存在に気づきます。
この時期に、犬が飼い主と目を合わせたらごほうびをあげる練習をしておきましょう。
対面のとき、犬の気を猫からそらすのに役立ちます。
2週目:ゲート越しに会わせる
猫の部屋の入口にベビーゲートを付けて、姿は見えるけれど触れない状態で会わせます。
犬が大きい場合は、背の高いゲートを選ぶか、ゲートを重ねて使いましょう。
犬にはリードを付け、ゲートに飛びついたり吠えたりさせないようにします。
猫がゲートに近づかなくても、無理に連れていかないでください。
犬が猫をじっと見つめ続けるようなら、ごほうびや声かけで気をそらします。
3〜4週目:直接会わせる
ゲート越しでも落ち着いていられたら、ゲートを外して対面です。
猫が自分から部屋を出てくるのを待ち、犬は猫の部屋に入れないようにします。
オハイオ州立大学獣医学部は、犬にリードを付けて、猫のいる部屋をゆるく引いたまま歩かせる方法を紹介しています。
リードをぴんと張ると、飼い主の緊張が犬に伝わってしまうそうです。
犬が落ち着いていたらほめて、おやつをあげましょう。猫にも、犬がいるときに特別なおやつをあげると効果的です。
最初は短い時間で切り上げ、いい雰囲気のうちに終えるのがコツです。
1か月は目安
フランクリン郡ドッグシェルターは、1か月より長くかかる場合もあるとしています。
途中でゲートを戻して、猫にひとりの時間をあげたほうがよい日もあります。
前の段階に戻るのは失敗ではありません。急がずに進めましょう。
出典:フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」/オハイオ州立大学獣医学部「犬と猫を会わせる方法」
猫同士の対面の手順は、こちらの記事でくわしく解説しています。
犬に猫を追いかけさせない
オハイオ州立大学獣医学部は、犬と猫の多くは仲良く暮らせるとしたうえで、注意点も挙げています。
犬はもともと猫を狩る側の動物です。そのため、犬に猫を追いかけさせたり、口にくわえさせたりしないよう伝えています。
犬に悪気がなくても、猫にはそれが分かりません。
フランクリン郡ドッグシェルターも、ゲートを外した3週目ごろは、犬の追いかけたい気持ちが強く出やすいとしています。
一度追いかけっこが起きると、それまで築いた関係が崩れてしまうこともあります。
対面でやってはいけないこと
- 犬や猫を押さえつけて、無理に近づける
- 隠れる場所のない狭い部屋で、犬と猫を一緒にする
- 猫のシャーや猫パンチを叱る
- 犬を強く叱る(猫がいると嫌なことが起きる、と覚えてしまう)
- 慣れる前に、犬を家の中で自由にさせる
同大学は、猫が威嚇したりうなったりしても、罰を与えないよう伝えています。罰を与えると、猫が犬と嫌な経験を結びつけてしまうためです。
犬が吠える・飛びかかる・追いかけるときは、軽く「ダメ」と伝えて「おすわり」をさせる程度で十分としています。
出典:オハイオ州立大学獣医学部「犬と猫を会わせる方法」/フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」
猫のごはんとトイレを守る
フランクリン郡ドッグシェルターは、犬が猫のトイレの砂や猫のごはんを食べたがるのは珍しくないとしています。
猫のごはん場とトイレは、犬が入れない場所に置きましょう。猫が安心して食べたり、排せつしたりできるようになります。
同シェルターは、次のような工夫を紹介しています。
- 猫だけが通れる小さなくぐり戸付きのベビーゲート
- ドアを猫だけが通れる幅で固定する
- 猫がゲートを飛び越えられるよう、段差を置く
出典:フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」
犬と猫がお互いのごはんを食べてしまったときのことは、こちらでまとめています。
犬のノミ・マダニ薬に注意
犬猫が一緒に暮らす家で、特に知っておきたいのがノミ・マダニ薬です。
英国の獣医薬品局によると、犬用のスポットオン薬の一部には、ペルメトリンという成分が高い濃度で含まれています。
ペルメトリンは犬には使えますが、猫にはとても強い毒になります。
同局は、犬用のスポットオン薬を猫に使わないこと、ほんの少量でも猫が重い症状になり、死ぬこともあると警告しています。
犬に使った薬が猫につくことも
同局は、薬を付けたばかりの犬に猫を近づけない、猫に犬をなめさせない、という注意も挙げています。
全米猫獣医師協会の飼い主向けサイトは、犬と猫がいる家では、ペルメトリンを含まないスポットオン薬を使うよう勧めています。
使う場合は、犬の薬が乾くまで2匹を分けておきます。毛づくろいし合ったり、くっついて寝たりするのを防ぐためです。
部屋用のノミ駆除スプレーや粉剤にも、ペルメトリンを含むものがあります。同局は、こうした製品をペットの体に使わないよう伝えています。
買う前に成分表示と注意書きを確認し、迷ったら動物病院に相談しましょう。
出典:英国獣医薬品局「ペルメトリン:猫を危険にさらさないために」/全米猫獣医師協会 キャットフレンドリー「ペルメトリンとは?」
犬と猫のノミの違いは、こちらの記事で解説しています。

犬用のノミ・マダニ薬が猫についた、または猫がなめたかもしれないときは、症状がなくても動物病院に連絡してください。
- 体がふるえる・ぴくぴくする
- よだれが出る
- ふらつく・うまく歩けない
- けいれんを起こす
全米猫獣医師協会のサイトによると、症状はふつう数時間以内に出ますが、72時間たってから出ることもあります。
こうした様子があれば、すぐに受診してください。
英国獣医薬品局は、受診のときに使った薬の箱を持っていくよう案内しています。
先住猫のストレスサイン
フランクリン郡ドッグシェルターは、猫のストレスは体の健康にすぐ影響しうるとしています。
新しい犬に目がいきがちな時期こそ、先住猫の様子をよく見てあげてください。
- ごはんを食べない・水を飲まない
- トイレを使わない
- 人を避け、隠れてばかりいる
- いつもより攻撃的になる
こうした様子が続くときは、ステップを前に戻しましょう。体調が気になる場合は、動物病院への相談を検討してください。
うまくいかないときは
同シェルターは、時間をかけても、すべての犬と猫が一緒に暮らせるわけではないとしています。
犬が猫に執着して気をそらせない、猫が食べない・隠れ続けるといった状態が続くなら、ひとりで抱え込まないでください。
犬と猫の両方にくわしいトレーナーや、迎えた先の保護団体・ブリーダーに相談してみましょう。
出典:フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」
よくある質問
犬と猫、どっちを先に飼うのがいい?
どちらが先かより、年齢と性格の組み合わせが大切です。
フランクリン郡ドッグシェルターは、先住猫が高齢なら子犬のほうが向くことがあり、子猫と子犬の組み合わせがいちばんうまくいきやすいとしています。
先住猫が新入り犬を威嚇する
猫が犬にシャーと言ったり、猫パンチをしたりするのは自然な反応です。
オハイオ州立大学獣医学部は、こうした猫の行動を叱らないよう伝えています。犬と距離をとれる段階に戻して、猫のペースに合わせましょう。
先住猫と犬は仲良くなれる?
オハイオ州立大学獣医学部は、犬と猫の多くは平和に暮らせるとしています。
ただし、べったり仲良しになるかどうかは犬と猫しだいです。お互いに落ち着いて過ごせていれば十分、と考えておくと気が楽です。
留守番は一緒にさせていい?
同大学は、犬と猫がお互いに慣れたと確信できるまで、犬を家の中で自由にさせないよう伝えています。
慣れるまでの留守番は、犬をケージやサークルに入れるか、猫の部屋を閉めて分けておきましょう。
出典:フランクリン郡ドッグシェルター(米国オハイオ州)「犬と猫の対面のすすめ方」/オハイオ州立大学獣医学部「犬と猫を会わせる方法」
あわせて読みたい
猫の多頭飼いの全体像は、こちらの記事でまとめています。
犬の多頭飼いの基本や、迎える前の準備はこちらも参考にしてください。
まとめ
- 犬を迎える前に、犬が入れない猫の避難部屋を用意する
- 高齢の先住猫や子猫がいる家は、犬の年齢との組み合わせに注意
- においと音→ゲート越し→リード付きで対面。目安は1か月ほど
- 犬に猫を追いかけさせない。猫の威嚇は叱らない
- 猫のごはんとトイレは、犬が届かない場所に置く
- 犬用のノミ・マダニ薬は成分を確認。猫についたら、すぐ動物病院へ
犬猫のお薬の個人輸入は「ぽちたま薬局」へ

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