サナダムシとは、条虫(じょうちゅう)と呼ばれる寄生虫の一種。なかでも猫に多いのが、ノミを媒介する瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)の感染です。
ただ、実際に寄生されても、多くの猫が無症状であるため、「心配しなくてもいいかな?」なんて思ってしまいがち。しかし実は、猫に寄生したサナダムシを放置するのは、とても危険なことなのです。
そこで今回は、サナダムシを放置するとどうなるのか、その危険性や対策について解説します。
サナダムシの詳細はこちらのコラムでも説明しています。
目次
猫のサナダムシを放置したとき起こり得ること5つ
猫はサナダムシに寄生されても、無症状で済むことが多いです。気づくとしたら、猫のお尻に白い虫が付いていたり、猫が座っていた場所にゴマのようなものが落ちていたり、といったことくらいかもしれません。
しかし、そんなサナダムシも大量に寄生したり体力のない子猫が感染したりすると、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が出ることがあります。
サナダムシを放置することはどんな危険がともなうのか、具体的にみていきましょう。
食欲不振や嘔吐の症状が出る
猫が大量に寄生された場合、元気がなくなって食欲が落ち、ときには吐くこともあります。結果的に痩せてしまうこともあるため、注意が必要です。
ただ、こうした消化器症状はほかの病気でもよく起こるため、すぐにサナダムシが原因だと判断することは難しいかもしれません。
気になる症状が出たら、動物病院で診てもらいましょう。
出血性腸炎の原因になる
サナダムシは猫の腸内に寄生する虫。そのため大量に寄生すると、出血性腸炎を起こすことがあります。
便に血が混じっていたり、白い粘液が付着していたりしたら、腸内で炎症を起こしているかもしれません。ウンチがいつもと違わないか、注意して見るようにしましょう。
体力のない子猫は重篤化しやすい
体力のない子猫ほど、サナダムシの影響を受けやすくなります。子猫は免疫状態が不安定で、まだまだ抵抗力が弱いことから病原体の侵入を十分に防ぐことができません。
サナダムシを放置すると、思いがけず重症化して衰弱してしまうリスクがあります。最悪の場合、命を落とす危険も……。
幼齢の猫はきちんと検査して早期に治療しましょう。
大量寄生や再感染の原因になる
とくに多頭飼育をしている家庭で注意したいのが、猫への大量寄生や再感染です。
猫が1匹でも寄生されたということは、部屋の中にノミがいる可能性が高いということ。
そのまま放置するとノミが繁殖してしまい、大量寄生や再感染が起きたり、ほかの猫へ感染が拡大したりするかもしれません。
いくら無症状であることが多いサナダムシでも、感染が深刻化すれば下痢や嘔吐などの症状が出る可能性があります。愛猫を守るためにも、手遅れになる前に対策しましょう。
瓜実条虫症は人にうつる危険がある
サナダムシに寄生されて発症する瓜実条虫症は、人にうつることがあります。
サナダムシが体内にいるノミを口に入れてしまうことで起きる経口感染が原因で、なんでも口にしてしまう乳幼児に多くみられます。
そのため、とくに小さなお子さんがいるご家庭では猫に寄生するサナダムシの駆除はもちろん、室内のノミの駆除も徹底するようにしましょう。
ノミの駆除についてはこちらのコラムでも詳しく解説しています。
サナダムシは放置しても自然治癒する?
サナダムシを放置したまま自然治癒することは基本的にはありません。
病気をきちんと治すためには、ノミを完全に駆逐する必要があります。ノミが存在する以上、また口から入って再感染を起こすことになるためです。
ノミがいなくなれば時間とともにサナダムシも寿命を迎えて死滅しますが、確実に治すためにも駆除薬の投薬がマストです。
サナダムシの治療には駆除薬が必須
大切な愛猫を守るため、そして家族への感染を防ぐためにも、駆除薬を使って治療をおこないましょう。
治療する際には、サナダムシを駆除する条虫駆除薬はもちろんですが、原因となるノミの駆除薬も併用するのがおすすめです。
ぽちたま薬局では、それぞれの薬をとりそろえています。
>>条虫類(瓜実条虫・エキノコックス)駆除薬(猫)はコチラをご覧ください
また、サナダムシの治療や予防法について、こちらのコラムでさらに詳しく紹介しています。
まとめ
猫にサナダムシが寄生しても多くの場合は無症状です。
とはいえ、大量に寄生されると下痢や嘔吐、腸炎を引き起こすことがあるため、放置は危険。とくに体力のない子猫の場合は、命にかかわる事態になりかねません。
もしサナダムシが疑われるときは、放置をせずにしっかり対策をおこないましょう。
対策するときは、サナダムシの駆除薬、そしてノミの駆除薬をあわせて使うのがおすすめです。
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