豆知識

公開日:

最終更新日: 2022.03.23

コロナ治療薬デキサメタゾンの効果

新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。

新型コロナウイルス感染症の治療薬として、国内で2番めに承認された「デキサメタゾン」は、炎症を抑える効果の高い薬です。新型コロナウイルスに感染して発症した中程度の症状の方に処方すると、死亡率を確実に減らす事ができたという報告がされています。

ここではデキサメタゾンの効能や効果などについて詳しく説明したいと思います。

デキサメタゾンの効能・効果

デキサメタゾンはもともと炎症やアレルギー症状を抑えるステロイド薬です。炎症性、アレルギー性、免疫性などの病気に幅広く処方されています。
効果、効能のある症状は以下となります。

・慢性副腎皮質機能不全、急性甲状腺炎、急性副腎皮質機能不全、甲状腺中毒症、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、下垂体抑制試験、ACTH単独欠損症
・関節リウマチ、リウマチ熱、エリテマトーデス、若年性関節リウマチ
・全身性血管炎、強皮症、多発性筋炎
・ネフローゼ及びネフローゼ症候群
・うっ血性心不全
・喘息性気管支炎、気管支喘息、血清病
・重症感染症
・溶血性貧血、顆粒球減少症、白血病、再生不良性貧血、紫斑病
・限局性腸炎、潰瘍性大腸炎
・重症消耗性疾患の全身状態の改善
・劇症肝炎、慢性肝炎、胆汁うっ滞型急性肝炎、肝硬変
・びまん性間質性肺炎、サルコイドーシス
・肺結核、結核性胸膜炎、結核性髄膜炎、結核性心のう炎、結核性腹膜炎
・脳脊髄炎、筋強直症、末梢神経炎、多発性硬化症、重症筋無力症、脊髄蜘網膜炎、小舞踏病、顔面神経麻痺
・悪性リンパ腫及び類似疾患、乳癌の再発転移、好酸性肉芽腫
・抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状
・原因不明の発熱
・特発性低血糖症
・昆虫毒・蛇毒
・副腎摘除、侵襲後肺水腫、臓器・組織移植、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲
・強直性脊椎炎
・全身性ALアミロイドーシス
・難治性口内炎及び舌炎
・湿疹・皮膚炎群、蕁麻疹、痒疹群、乾癬及び類症、扁平苔癬、掌蹠膿疱症、成年性浮腫性硬化症、IgA血管炎、紅斑症、ウェーバークリスチャン病、レイノー病、粘膜皮膚眼症候群、悪性型の円形脱毛症、デューリング疱疹状皮膚炎、天疱瘡群、紅皮症、アレルギー性血管炎及びその類症、新生児スクレレーマ、顔面播種状粟粒性狼瘡、潰瘍性慢性膿皮症、
・卵管整形術後の癒着防止
・嗅覚障害、急性及び慢性(反復性)唾液腺炎
・陰茎硬結、前立腺癌
・視神経、内眼、眼窩、眼筋の炎症性疾患の対症療法、外眼部及や前眼部の炎症性疾患の対症療法において点眼が不適当又は不十分な場合、眼科領域の術後の炎症
・‌急性及び慢性中耳炎、耳管狭窄症、滲出性中耳炎、メニエル病及びメニエル症候群、急性感音性難聴、アレルギー性鼻炎、花粉症、血管運動性鼻炎、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎及び喉頭浮腫、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法

【参考リンク】
副腎皮質ホルモン製剤 デキサメタゾン錠

デキサメタゾンの効果時間

デキサメタゾンのようなステロイド剤は、服用してから体内で代謝されるまでの時間を短時間型、中間型、長時間型の3つに分類されます。
デキサメタゾンはその中でも「長時間型」に属し、服用した後、体内で成分が半分にまで代謝されるのに、36~54時間かかります。

また、デキサメタゾンはほかのステロイド剤に比べて下垂体や副腎皮質系の機能を抑制する作用が強いため、使用する期間や状態に気を配る必要があります。

デキサメタゾンの新型コロナウイルス感染症への効果

新型コロナウイルス感染症は、症状が発症してから数日は体内でウイルスの増殖が起きます。そして発症してから7日前後あたりで感染者の免疫によって炎症反応が起こります。

特に発症してから約1週間~10日前後に、酸素飽和度(血中のヘモグロビンが酸素と結合している割合)が94%未満、または酸素投与が必要となる「中等症」の方にデキサメタゾンを投与すると、重症化するリスクをかなり減らす事ができるようです。デキサメタゾンの持っている炎症を抑える効果が、感染者の免疫によっておこる炎症作用を抑えるからです。

イギリスでは、酸素投与のみ必要だった患者では死亡率を5分の1減少させ、人工呼吸器管理が必要だった患者では死亡率を3分の1減少させたという報告がされています。

【参考リンク】
COVID-19に対する臨床研究のまとめ|公益社団法人 日本小児科学会

使うタイミングが重要!

デキサメタゾンを服用すれば新型コロナウイルス感染症に感染しても必ず回復するのかというと、残念ながらそうではありません。使うタイミング、どの程度の症状の場合に服用するかが大切です。

先程説明した、酸素飽和度が94%未満、人工呼吸器管理を必要とする状態の方に投与した場合はかなりの効果を発揮しますが、それよりも軽症の方に投与してもそれほど大きな変化はみられなかったそうです。

症状が軽い段階でデキサメタゾンを服用したために、服用しなかった人よりも急速に症状が悪化し、搬送される事態に陥る場合もあるようなので、安易に服用するのはやめるべきです。

抗炎症作用

デキサメタゾンのような、副腎皮質ホルモン(ステロイド)は、その抗炎症作用により、多くの症状の治療に用いられます。ある一定量以上を使用すると、とても優れた抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用などが発揮されるからです。

・慢性副腎不全・・・補充療法として副腎皮質ホルモンが不足している場合。
・関節リウマチ、ネフローゼ、潰瘍性大腸炎、膠原病、潰瘍性大腸炎等・・・免疫系が関係している炎症性疾患の場合。
・アレルギーや炎症性の症状、湿疹、喘息、アトピー、結膜炎、アレルギー性鼻炎、角膜炎など・・・各科領域の炎症性疾患の場合。

癌化学療法

悪性腫瘍の治療として化学療法を受けている方の、抗がん薬を使用するとおこる吐き気や嘔吐を抑えるために、デキサメタゾンが用いられます。

・悪性腫瘍・・・化学療法を受けている際、抗がん剤の副作用の治療、予防を目的とする場合。
・脳腫瘍・・・脳の他の部位への圧迫を取り除くための浮腫治療を目的とする場合。

妊産婦

未熟児で出産しそうな妊婦に対して、お腹の中の胎児の肺を発達させるために投与されることがあるようです。

また、適応外の使用としては、お腹の中の子供が女児の場合の、先天性副腎過形成症への使用があるようです。この症状で一番問題視されるのは、女児の女性性器が通常の形とは違った状態になる事です。
出産前から早めに先天性副腎過形成症を治療する事で、一部の症状を軽減できるようです。

デキサメタゾンの効果まとめ

もともといろいろな分野の炎症作用を抑える効果のあるデキサメタゾンが、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされる、体内の免疫系の暴走によっておこる炎症を抑える効果もあるということでしたが、参考になったでしょうか。

軽症の方が服用するとかえって症状が悪化する場合があるので、服用のタイミングは必ず医師に相談するようにしましょう。

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