犬のアジソン病は食欲不振や元気の低下、またそれに伴う体重の減少などさまざまな症状が現れる病気です。
適切な治療を続けることで予後は良好ですが、症状をコントロールするには普段の食事にも注意しなければなりません。
ここでは愛犬がアジソン病にかかってしまった際の食事のポイントや注意点、また食欲がないときの工夫などをお伝えします。
目次
犬のアジソン病とは?
アジソン病は、副腎皮質機能低下症とも呼ばれる病気です。
名前の通り副腎という器官の機能が低下し、副腎皮質から分泌されるホルモンが少なくなることでさまざまな症状が起こります。
・食欲や元気の低下
・下痢
・嘔吐
・ふるえ など
人間では難病指定を受けているアジソン病ですが、犬の場合では治療の継続により予後は良好になります。
ただし犬のアジソン病の症状をコントロールするためには、毎日の食事内容にも注意する必要があります。
基本的にカリウムやタンパク質はできるだけ少なく、そして治療薬の影響によりナトリウムが低下するため増やしていくことがポイントです。
アジソン病の犬に対する食事のポイント
もしも愛犬がアジソン病にかかってしまったら、基本的には獣医師の指導の下で、自宅での治療を続けていくことになります。
このときの食事のポイントとして、以下の内容に注意してあげると体にかかる負担を減らすことができます。
カリウムの摂り過ぎに注意
アジソン病では体内のカリウムが高くなり、高カリウム血症の状態になります。
高カリウム血症の状態では四肢のしびれや嘔吐、不整脈などの症状が起こり、最悪の場合は死に至る危険性もあります。
カリウムは主に野菜や果物に多く含まれ、特に以下の食べ物はカリウムの含有量が多いため、与えすぎないように注意してください。
・バナナ
・メロン
・かぼちゃ
・サツマイモ
・キャベツ など
もし、普段からこれらの食材を口にしている場合は注意がひつようです。
またカリウムは熱に弱いため、愛犬に野菜をあげるときには茹でてから食べさせることがおすすめです。
良質なタンパク質と脂質を摂取
愛犬がアジソン病にかかってしまったら、良質なタンパク質と脂質を摂取できるようにしましょう。
良質なタンパク質や脂質は、ω-3脂肪酸やビタミンなど豊富な栄養を含んでいます。
アジソン病で不足するコルチゾールを合成するためには、良質なタンパク質や脂質が欠かせません。
・ささみ
・サバ
・鮭
例を挙げると良質なタンパク質や脂質は上記の食材に含まれているので、毎日の食事にプラスすることをおすすめします。
血糖値の急上昇に注意
数あるアジソン病の症状の中で、特に注意したいのが低血糖です。
アジソン病を発症したときに白米やパンなどGI値が高い食品を与えると、インスリンが過剰に分泌されることで低血糖状態に陥る恐れがあります。
従って愛犬がアジソン病を発症しているときは、血糖値が上がりにくい低GI値の食品を与えるようにしてください。
キノコ
・野菜
・魚介類
・肉類
・玄米
一例として上記の食品はGI値が低いため、毎日の食事に取り入れてみましょう。
アジソン病の食事はストレスに注意
犬のアジソン病は、ストレスに対処するコルチゾールというホルモンの分泌が低下します。
ストレスにより症状が悪化し、また副腎皮質の機能が低下したときにストレスを受けるとショック状態に陥る危険性もあります。
毎日の生活の中で、ストレス要因となり得ることは避けることが大切です。
些細な点ですが、例えば以下で解説するポイントを守ることでストレスを減らすことができます。
ただし愛犬の性格により異なるため、参考までにご覧ください。
食事の様子を見守らない
ちゃんと食べているか気になり、愛犬の食事の様子を近くで見守る飼い主さんは多くいらっしゃいます。
しかし犬の立場では、食事シーンを見られていると落ち着かず、ストレスを感じてしまいます。
見られているストレスから食欲不振や消化不良を起こすこともあるため、様子が気になる場合は離れたところから見守ってあげましょう。
食事前の「待て」はしない
ご飯をあげる前の「待て」も、やり方次第ではNG行為になることがあります。
数秒程度なら問題ありませんが、もしも数分に渡って「待て」をさせたり、何度も繰り返したりしているとストレスがかかってしまいます。
食事前の「待て」は短い時間で、なおかつ1度だけさせるようにしてください。
ボウルは手に持たない
愛犬が食べやすいようにと、ボウルを手に持ってご飯を与えることはないでしょうか。
意外とやりがちな行為ですが、犬の目線では「ご飯を下げられるかも」と焦ってしまい、ストレスにつながってしまいます。
食べやすいように工夫するのであれば、床より少し高い位置にボウルを置くようにしましょう。
食事台を用意し、それに載せてあげると楽な姿勢でご飯を食べることができます。
食事の時間はざっくり決める
愛犬にご飯をあげる時間は、ざっくりと決めるようにしましょう。
犬の体内時計は、非常に正確です。
食事の時間をきっちり決めると、そこから少しズレただけでも「ご飯はまだ?」と苛立ってしまい、ストレスにつながります。
従って食事の時間は幅を持たせるようにし、その範囲内はで与える方が要求吠えも少なくなり、愛犬と飼い主さんの双方が楽になります。
愛犬が食事を食べない時の工夫
元気や食欲の低下もアジソン病の症状のひとつであり、発症するとご飯を食べなくなることがあります。
しかしご飯を食べない状況が続くと、痩せてしまうことで免疫力が下がったり、低血糖になりやすくなったりなど更なる体調不調を招いてしまうかもしれません。
もしも愛犬が食事を食べなくなってしまったら、食欲を湧かせるなどご飯を食べてもらうための工夫をしましょう。
香りが出やすいよう、ご飯を温める
・フードをお湯でふやかす
・手作りご飯をあげる
・いつものご飯にトッピングを加える
ご飯を食べないからといって無理やり食べさせようとすると、愛犬にストレスを与えてしまうことになります。
自発的に食べてもらうように、さまざまな工夫を試してみることがおすすめです。
まとめ
アジソン病はきちんと治療を続けることで、愛犬は安定した生活が送れるようになる病気です。
しかしそのためには、愛犬に配慮した食事内容が重要になります。
アジソン病を発症すると体内のホルモンバランスが乱れ、栄養素の代謝やストレスに対する抵抗力などさまざまな面で影響が出てしまいます。
基本的にはカリウムの摂り過ぎや血糖値の急上昇などに注意し、良質なタンパク質や脂質が摂れる食事を与えるようにしましょう。
またご飯をあげるときも愛犬のストレスになり得る要因は取り除くことで、アジソン病の進行を防ぎ寿命を全うできるようになります。
アジソン病の治療薬は、ぽちたま薬局にも取り扱いがございます。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。