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新型コロナウイルスのワクチンについて解説

新型コロナウイルスに関係する内容の記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている情報もご確認ください。またワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。

新型コロナワクチン、もう接種されましたか?
ワクチンの種類や必要性、安全性については、さまざまな意見が飛び交っており、果たして接種してもいいのかどうかわからないという方も多いのではないかと思います。

ここでは、新型コロナワクチンについて、現在開示されている情報をまとめました。

新型コロナウイルスのワクチンについて

日本国内で接種できる新型コロナワクチンの種類
製造している会社 ワクチンの種類 有効成分
ファイザー mRNAワクチン トジナメラン
モデルナ mRNAワクチン CX-024414
アストラゼネカ ウイルスベクターワクチン コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター)

「新型コロナワクチン」とひとくくりにすると、全て同じものに見えてきそうですが、この三種類のワクチン、少しずつ違いがあります。

mRNAワクチンとは

mRNAというタンパク質を生成するために使用する情報を運ぶ設計図が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白、つまりウイルス表面のトゲトゲした突起の部分を作る指示を伝える役割を果たしています。

ワクチンが接種されると、mRNAは注射部位近くの細胞に取り込まれ、細胞内のリボソームという器官がmRNAの情報を読み込み、スパイク蛋白を作ります。

その後、スパイク蛋白はマクロファージの表面に現れると、このスパイク蛋白に対する抗体が作られたりT細胞を介した免疫が誘導されることで、新型コロナウイルスに対する免疫を持つことができます。

mRNAワクチンは、もともとヒトの細胞内にも存在するmRNA(メッセンジャーRNA)というものの性質を利用したワクチンです。

mRNAがウイルスの遺伝情報を真似て体内に取り込まれることで、免疫反応を引き起こします。
その働きによって接種後は体内で抗体が作られ、感染症を予防できたり、重症化を防いでくれたりするのです。

ウイルスベクターワクチンとは

アストラゼネカ社のワクチンは、ウイルスベクターワクチンであり、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子をサルアデノウイルス(風邪のウイルスであるアデノウイルスに、増殖できないよう処理が施されています。)に組み込んだワクチンです。このワクチンを接種し、遺伝子がヒトの細胞内に取り込まれると、この遺伝子を基に細胞内でスパイクタンパク質が産生され、そのスパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、新型コロナウイルスによる感染症の予防ができると考えられています。

ウイルスベクターワクチンも、mRNAワクチンと同じようにウイルスの遺伝情報を注射するものですが、ウイルスの遺伝情報は、遺伝子を組み替えられ「サルアデノウイルス」に乗せられています。

コロナワクチンの副反応

新型コロナワクチンの副反応とは

ワクチン接種後の副反応は、1回目よりも2回目接種後の方が強く出るようです。
これは、1回目の接種により、体内で抗体が作られるためです。

2回目の接種のときには、これらの抗体が体内で免疫反応を起こします。
そのため、2回目接種時の方が副反応が強く出るということです。

このほか、ワクチンごとに副反応の出方も変わるようです。
ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのそれぞれのワクチンの副反応について解説します。

【モデルナ】接種後の心筋炎、心膜炎

モデルナ社製のワクチンの副反応として、心筋炎や心膜炎を発症した報告があります。
現在の日本国内のワクチン接種は、1回目にモデルナ製ワクチンを接種した後でも、希望があれば2回目の接種はファイザー製に切り替えることができます。

※2021年11月現在は、ファイザー社製のワクチンでも心筋炎や心膜炎が疑われた報告が上がっています。

心筋炎とは

心筋炎は、その名の通り心臓の筋肉(心筋)に炎症が発生し、心筋の機能が失われるものです。
そのため、血液を送るポンプの役目を果たせなくなり、収縮不全や不整脈、心不全を起こしたり、最悪死に至ることもある病気です。
動悸や呼吸困難、胸痛や倦怠感といった症状が現れます。

心膜炎とは

心膜炎とは、心臓を覆う2層の袋状の膜である「心膜」というところに炎症が起こるものです。
発熱や鋭い胸痛、深呼吸時に胸痛が強くなったりします。
まれに、特徴的な心音が確認されることもあります。

【ファイザー】3回目接種後の副反応

「ブースター接種」とも呼ばれている3回目のワクチン接種。
ファイザー社製のワクチンの3回目を接種したデータでは、以下のような結果が出ています。

・2回目接種と比べ、副反応の頻度は同程度か低い
・3回目接種から7日以内の副反応は通常、軽度から中程度。頻度が高い副反応は、注射部位の疼痛や疲労、頭痛、筋肉痛や関節痛、悪寒
・重大な全身性の副反応の発生頻度は低い

【アストラゼネカ】血栓症のリスク

アストラゼネカのワクチン接種後、まれに血栓症が起こることが発表されました。
この際に起こる血栓症はごく珍しいタイプのもので、「脳静脈血栓症」や、「内臓静脈血栓症」です。
血栓症が起こるのと同時に血小板の減少もみられるとのことです。

血栓症を発症して亡くなった人の年齢は、18~79歳と多岐にわたっていますが、血栓症を起こす割合は若い年代の人が多いということです。
そのためイギリスでは、アストラゼネカのワクチンを40歳以上の人に限定して接種しています。

起こる症状は以下のようなものです。

脳静脈血栓症
⇒脳梗塞、脳出血につながる
・頭痛、嘔吐、けいれん、運動障害、意識障害
内臓静脈血栓症 ・激しい腹痛が長時間
・吐き気、嘔吐

アストラゼネカのワクチンは、他の2種類のワクチンとは異なる「ウイルスベクターワクチン」であるため、副反応に違いが生じるようです。

現在、アストラゼネカ以外のワクチンでは、血栓症のリスクが上がるとの発表はありません。

1回目の副反応(体験談)

接種1回目の副反応として多かったのは、以下のような症状です。

・頭痛
・発熱
・接種部位の痛み
・倦怠感

接種1回目の副反応についてのSNSでの声をご紹介します。

2回目の副反応(体験談)

接種2回目の副反応として多かったのは、以下のような症状です。

・頭痛
・発熱
・接種部位の痛み
・倦怠感

上記は、接種1回目の副反応と同じですが、1回目の時よりも症状が強めに出るという声を多く聞きました。

接種2回目の副反応についてのSNSでの声をご紹介します。

副反応の対処法

新型コロナワクチン副反応への対処

・頭痛・発熱
・接種部位の痛み
・倦怠感

よくある副反応は、主にこのような症状です。
これらの副反応については、対処できるお薬などをあらかじめ準備しておくことをおすすめします。

厚生労働省が、ワクチン接種後に飲むことを推奨している解熱鎮痛薬の種類は、以下のとおりです。

・アセトアミノフェン(炎症を抑える作用が少ない解熱鎮痛剤)
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

接種部位の痛みについては、氷のうなどで冷やすと痛みが和らいだというかたもいらっしゃいました。
ワクチン接種前には、氷のうや、発熱時に飲みたい水分なども用意しておくと安心できます。

接種後の発熱、痛みで飲んでも良い解熱剤は?

厚生労働省は、ワクチンの副反応が現れた際、市販の解熱鎮痛薬を飲むことができるとしています。
推奨されている解熱鎮痛剤の成分は、以下とおりです。

新型コロナワクチンの副反応に推奨されている解熱鎮痛薬
種類 成分の名前 代表的な商品名
非ピリン系解熱鎮痛薬
(炎症を抑える作用が少ない)
・アセトアミノフェン ・カロナールやタイレノールなど
非ステロイド性抗炎症薬
(NSAIDs)
・イブプロフェン
・ロキソプロフェンなど
・イブA錠など
・ロキソニンSなど

これらの解熱鎮痛薬は、発熱や頭痛の時だけではなく、関節痛への鎮痛薬や、倦怠感が強い時なども用いることができます。
但し、以下のような場合は、医師や薬剤師にご相談ください。

・他の薬を常用している場合、妊娠中や授乳中、高齢者、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下などの場合。
・薬などにより、過敏症や喘息を起こしたことがある場合。
・激しい痛みや高熱などの症状が重い場合、症状が長く続いている場合
・ワクチン接種後の副反応としては典型的ではない症状が現れた場合

接種後の注意点

コロナワクチン接種後に気を付けるべき点は、以下の通りです。

・激しい運動を避ける
・深酒をしない
・RNAワクチン(ファイザー、モデルナ)接種後は48時間献血ができない
・ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ)接種後の献血はできない(献血基準については、現在厚生労働省が検討中)

特に、接種後の飲酒については注意が必要だと言われています。
飲酒は、免疫機能を低下させる可能性があるため、抗体ができにくくなるのです。

ワクチンの効果

ワクチンの効果と接種の間隔について
ワクチンの種類 接種後いつから効果出る? 発症予防効果(有効性) 接種の間隔
ファイザー 十分な免疫ができるのは2回目接種以降7日経ってから 95% 1回目接種後、3週間の間隔で2回目を接種
モデルナ 2回目接種以降14日経ってから 94% 1回目接種後、4週間の間隔で2回目を接種
アストラゼネカ 2回目の接種を受けてから15日経ってから 約70%等 1回目の接種後、4~12週間の間隔で2回目を接種(最大の効果を得るためには8週以上空けることが望ましい)

※表)厚生労働省「新型コロナワクチンの有効性・安全性について – ワクチンごとの情報 – 薬事承認され、予防接種法に基づいて接種できるワクチン」それぞれワクチンのページより抜粋

基本的にワクチンの効果は、接種後の時間の経過とともに低下していきます。

「どのくらいの効果があり、どのくらいの期間でどの程度低下していくのか」
ということについては、さまざまな研究チームで異なる見解を発表しており、今後の知見が待たれるところです。

ファイザー製ワクチンの同社による発表では、2回目の接種から2カ月間の発症予防効果は96%。
4か月後の発症予防効果は90%。半年後の発症予防効果は84%。

オックスフォード大学の研究チームの研究結果では、2回目の接種から1か月後の段階で、接種を受けなかった人より有効性が90%。2か月後には85%、3か月後には78%。

一方、アストラゼネカのワクチンは、2回目の接種から1か月後の段階で、有効性が67%、2か月後には65%、3か月後には61%と、ほぼ横ばいで維持するとのことでした。

まだまだ今後の発表を注視していきたいところです。

3回目接種の必要性

どのワクチンにおいても、3回目の接種は必要だとされています。
基本的に、ワクチンは接種後、時間の経過とともに効果が低下していくからです。
接種のタイミングは、発症予防効果の弱まる2回目接種完了から8か月後が目安とされています。

ファイザー製ワクチンについては、2回目の接種から8カ月以上経った人に対して、2021年12月から接種が開始されるとのことで、2021年11月に厚生労働省の承認を受けました。

日本では、ワクチン接種が医療従事者と高齢者から順次開始されていきましたね。
3回目も、同じ順番で接種が開始されていくものと思われます。

ファイザー社の治験において、3回目接種後は2回目と比べて、中和抗体の値を示す「抗体価」が約3.3倍に上昇すると報告しています。

3回目接種後の抗体価だけで「もう新型コロナに感染しない」とは言えませんが、ウイルスの効力を無くす中和抗体の量を示す抗体価が増えるということは、接種後の感染率を下げるという意味では大切ではないかと思います。

妊娠、授乳中でも接種可能らしいけど、本当に安全?

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンを接種することができます。日本で承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません。妊娠中の時期を問わず接種をおすすめします。

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の人も、ワクチンを接種することができます。

妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に妊娠後期で重症化しやすいとのことです。

妊婦が感染する場合、約8割は夫やパートナーからの感染と報告されています。
そのため、妊婦の夫やパートナーの方が率先してワクチンを接種することが呼びかけられています。

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方については、以下のような見解が示されています。

妊娠中の方
米国CDCは、妊娠中の新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
既に14万人以上の妊婦が新型コロナワクチンを接種しています(2021年8月16日時点)。妊娠中にmRNAワクチン接種をした約3万5千人の女性の追跡研究の報告では、発熱や倦怠感などの副反応の頻度は非妊娠女性と同程度でした。また、接種後に妊娠を完了した827人での流産、早産、胎児の発育不全、先天奇形、新生児死亡の発生率は、ワクチンを接種していない妊婦と変わりませんでした。
米国CDCは、妊婦は同世代の妊娠していない女性と比べて、新型コロナウイルスに感染した場合に重症になりやすく、また早産や妊娠合併症、胎児への悪影響のリスクが上がるとしています。また、米国における副反応調査結果から妊娠20週以前にワクチンを接種しても流産のリスクは上がらないとしています。
なお、妊娠中にmRNAワクチンを受けた方の臍帯血(胎児の血液と同じ)や母乳を調べた研究では、臍帯血にも母乳中にも新型コロナウイルスに対する抗体があることが確認されています。こうした抗体が、産後の新生児を感染から守る効果があることが期待されています。

授乳中の方
米国CDCは、授乳中の方にも、新型コロナワクチンの接種を推奨しています。mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。
授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されています。こうした抗体が、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています。

妊娠を計画している方
米国CDCは、これから妊娠を計画されている方にも新型コロナワクチンの接種を推奨しています。米国で承認されているワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告はなく、ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要はないとしています。

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