新しい猫を迎えてから、先住猫の元気がない。ごはんを残すようになった。
そんな変化に気づいて、「ストレスかな」と心配になっていませんか。
- 猫同士の緊張は、新しい猫を迎えたときに始まるケースが最も多い
- 先住猫のストレスサインは「隠れる・食べない・遊ばない」など静かなものが多い
- 解消のカギは、先住猫を一番にする・ごはんやトイレを分ける・叱らないの3つ
- 「食べない」「おしっこが出ない」が続くと命に関わることも。早めに動物病院へ

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先住猫がストレスを感じる理由
全米猫獣医師協会のガイドラインによると、猫が2匹以上いる家庭の62.2〜87.7%で、猫同士の緊張が見られます。
その緊張が始まるきっかけで最も多いのが、新しい猫を迎えたとき(73.3%)です。
新入り猫を迎えて先住猫がストレスを感じるのは、決して珍しいことではありません。
なわばりと暮らしのリズムが変わる
家の中で暮らす猫は、一緒に住む相手を自分で選べません。
そのため、猫同士の緊張が起こりやすいとガイドラインは説明しています。
知らない猫のにおいや声は、先住猫にとって新しい刺激です。
ごはんや寝床、トイレをめぐる取り合いも、緊張のもとになります。
飼い主さんを取られたように感じることも
同じガイドラインは、新しい猫を迎えると、それまでの飼い主さんと猫の関係が乱れることがあると指摘しています。
それが猫同士の取り合いや緊張につながる、という考え方です。
新潟県動物愛護センターも、2匹目ばかりかわいがると先住猫がストレスを感じると注意を呼びかけています。
ひどくなると、ケンカや拒食、トイレの失敗につながることもあるそうです。
意地悪ではない
先住猫の困った行動は、飼い主さんや新入り猫への意地悪ではありません。
不安や欲求不満が、その場の行動として表れているもの、とガイドラインは説明しています。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
先住猫のストレスサイン・症状
先住猫のストレスは、シャーと怒るような目立つ形で出るとは限りません。
次のような変化がないか、ふだんの様子と比べてみてください。
| サイン | 具体的な様子 |
|---|---|
| 新入り猫をじっと見る | 見つめる、通り道をふさぐ、あとをつける |
| 隠れてばかりいる | 家具の裏や押し入れから出てこない |
| 元気・食欲が落ちる | 動かない、遊ばない、ごはんを残す |
| トイレの変化 | トイレ以外で排せつする、何度もトイレに行く |
| 体をなめすぎる | 同じところをしつこくなめ続ける |
| 落ち着かない | うろうろ歩き回る、うなる、シャーと言う |
シャーより「じっと見る」が多い
ガイドラインでは、猫同士の緊張のサインで最も多いのは「じっと見つめる」(44.9%)でした。
シャーと言う、うなるといった声のサインは、順番としては後ろのほうです。
静かになった=慣れた、とは限らない点に気をつけてあげてください。
ご飯を食べない・食べる量が減った
ガイドラインは、不安から活動量や食欲、遊びが減ることもサインに挙げています。
食べる量が減ったときは、「そのうち食べるだろう」と様子を見すぎないことが大切です。
理由は、このあとの「ストレスで命に関わることはある?」で説明します。
トイレの失敗・何度もトイレに行く
全米猫獣医師協会のステップガイドは、トイレ以外での排せつをストレスのサインの1つに挙げています。
コーネル大学猫健康センターによると、ストレスは特発性膀胱炎という病気に関わると考えられています。
家にいる動物の数が変わることも、ストレスのもとの1つに挙げられています。
何度もトイレに行く、血尿が出るといった様子があれば、膀胱炎の可能性も考えて動物病院に相談しましょう。
猫の膀胱炎とストレスの関係や、食事での対策は、こちらでまとめています。
吐く・下痢をする
吐く・下痢は、ストレス以外の病気でも起こります。
「新入り猫が来たからだろう」と決めつけず、続くときや元気がないときは動物病院に相談しましょう。
猫が吐いたときに見ておきたいポイントは、こちらの記事で紹介しています。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」/米国動物病院協会「猫同士の緊張への向き合い方」/コーネル大学猫健康センター「猫の下部尿路疾患」
先住猫のストレスはいつまで続く?
決まった日数はありません。
ステップガイドは、新しい猫に慣れていく過程は数日から数か月、それ以上かかることもあると説明しています。
新潟県動物愛護センターも、数日であきらめず、じっくり時間をかけるよう呼びかけています。
目安にしたいのは、日数より先住猫の様子です。
隠れている時間が減る、ごはんを食べる、また遊ぶようになる、といった変化を見ていきましょう。
変わらないときは会わせ方を1段階戻す
様子がよくならない、または悪くなっているときは、会わせ方を1つ前の段階に戻すのが基本です。
先住猫が落ち着く前に先へ進めると、緊張が長く続く原因になるとステップガイドは注意しています。
先住猫と新入り猫の対面の進め方は、こちらで段階ごとに紹介しています。
出典:全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
先住猫のストレス解消法
ストレスを減らすために、今日からできることを紹介します。
先住猫を一番にする
新潟県動物愛護センターは、「先住猫が一番」という意思表示が大切だとしています。
たとえば、ごはんをあげる、声をかける、なでるといった場面は先住猫から、と決めておくのも1つの方法です。
ガイドラインも、飼い主さんとの関わりを「いつも通り・予測できる形」で続けることを勧めています。
ごはん・トイレ・寝床は1匹ずつ分ける
ステップガイドによると、猫同士の緊張で最も多い原因は、必要なものが足りない、または近くにまとまりすぎていることです。
- トイレ:猫の数+1個
- 食器・水入れ:1匹ずつ+1つ
- 寝床・爪とぎ:1匹ずつ+1つ
- 置き方:お互いが見えないよう、家の中に離して置く
ごはんの時間は、相手の姿が見えない場所で別々に食べさせましょう。
トイレは、静かで安心できる場所に置くのがおすすめです。
高い場所と隠れ場所をつくる
ステップガイドは、1匹ずつに隠れ場所や、ふちの高いベッド、高い位置の休み場所を用意するよう勧めています。
キャットタワーや棚で上下に動ける場所があると、猫は自分で距離を選べるようになります。
にらみ合いが続くときは、家具などで視線をさえぎるのも効果的です。
元気な新入り猫は遊びで発散させる
元気いっぱいの猫は、高齢の猫や気の弱い猫にとって負担になりがちです。
ステップガイドは、こうした猫と1日2回以上、1回5分以上遊ぶよう勧めています。
新入り猫のエネルギーを遊びで発散させると、先住猫が追い回されにくくなります。
叱らない
先住猫がシャーと言ったり、うなったりしても、叱るのはやめましょう。
ガイドラインは、猫を叱るとストレスが増え、猫同士の関係にも影響すると指摘しています。
緊張した様子が見えたら、叱るのではなく、いったん距離をとってあげてください。
いつもの暮らしを変えない
コーネル大学猫健康センターは、暮らしの大きな変化をできるだけ減らすよう勧めています。
ごはんの内容や時間も、なるべくいつも通りにしてあげましょう。
大きな音や、香水・香りの強い洗剤などのにおいも、猫には負担になることがあります。
離れる時間も大切
緊張が高まったときは、少しの間、部屋を分けて過ごすのも1つの方法です。
そのときは、それぞれの猫がトイレやごはんなどを一通り使えるようにしておきましょう。
導入文例:先住猫の威嚇やシャーがなかなか治らないときの対処法は、こちらでまとめています。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/全米猫獣医師協会「新しい猫を先住猫に紹介するためのステップガイド」/コーネル大学猫健康センター「猫の下部尿路疾患」
ストレスで命に関わることはある?
注意したいのは、ストレスそのものより、ストレスから「食べない」「おしっこが出ない」状態になることです。
どちらも、早く気づいて動物病院へ連れて行くことが何より大切です。
食べない状態が続くと肝臓の病気に
メルク獣医マニュアルは、新しいペットを迎えるといった環境のストレスで、猫の食欲が落ちることがあるとしています。
それが、肝リピドーシス(脂肪肝)という病気のきっかけになることがあります。
肝リピドーシスは、早く治療しないと命を落とすこともある病気です。
コーネル大学猫健康センターによると、太り気味の猫に多く見られるそうです。
食器に近づこうとしない、よだれを垂らす、耳や歯ぐきが黄色っぽい、といった様子が見られることがあります。
先住猫が太り気味なら、食欲の変化に特に気をつけてあげてください。
おしっこが出ないときは急いで
ストレスが関わる膀胱炎などで尿道が詰まると、おしっこが出なくなります。
コーネル大学猫健康センターによると、完全に詰まってから命を落とすまで24〜48時間かからないこともあります。
オス猫(去勢済みを含む)は尿道が細長く、メスより詰まりやすいとされています。
トイレで力むのに出ない、少ししか出ない、痛そうに鳴くといった様子があれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

- おしっこが出ない・少ししか出ない(特にオス猫)
- トイレで何度も力む、痛そうに鳴く
- ごはんをほとんど食べない状態が続いている
- よだれを垂らす、耳や歯ぐきが黄色っぽい
- ぐったりしている、何度も吐く
ここに挙げたのは一般的な目安です。いつもと違う様子が気になるときは、早めに動物病院に相談してください。
出典:メルク獣医マニュアル「猫の肝リピドーシス」/コーネル大学猫健康センター「肝リピドーシス(脂肪肝)」/コーネル大学猫健康センター「猫の下部尿路疾患」
よくある質問
先住猫が甘えなくなったのはストレス?
新しい猫を迎えたことで、飼い主さんとの関係が変わったと感じているのかもしれません。
先住猫と2匹だけで過ごす時間を意識してつくってあげましょう。
一方で、猫同士が仲良くなり、飼い主さんとは少し距離を置くようになることもあると新潟県動物愛護センターは紹介しています。
ごはんやトイレ、遊びの様子がいつも通りかどうかも、あわせて見てみてください。
トライアル中に先住猫がご飯を食べません
食欲が落ちるのは、ストレスのサインの1つです。
対面を急いでいるなら1段階戻し、先住猫が落ち着いて食べられる環境を整えましょう。
ほとんど食べない状態が続くときは、先に動物病院に相談してください。
トライアル元の団体にも、早めに様子を伝えておくと安心です。
子犬を迎えて先住猫がストレスを感じています
メルク獣医マニュアルも、新しく迎えたペットを、猫の食欲が落ちるきっかけの1つに挙げています。相手が犬でも同じです。
先住猫が子犬から離れて過ごせる高い場所や、子犬が入れないごはん・トイレの場所を用意しましょう。
出典:全米猫獣医師協会「2024年 猫同士の緊張に関するガイドライン(概要版)」/新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/メルク獣医マニュアル「猫の肝リピドーシス」
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猫の多頭飼いの全体像(何匹まで・相性・準備)をまとめた記事です。
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まとめ
- 猫同士の緊張は、新しい猫を迎えたときに始まることが最も多い
- ストレスサインは「じっと見る・隠れる・食べない・遊ばない」など静かなものが多い
- 先住猫を一番にし、ごはん・トイレ・寝床は1匹ずつ離して用意する
- 叱らず、いつもの暮らしを変えないようにする
- 慣れるまでの期間は数日〜数か月以上。日数より先住猫の様子を見る
- 「食べない」「おしっこが出ない」が続くときは、すぐ動物病院へ
犬猫のお薬の個人輸入は「ぽちたま薬局」へ

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。











