レオパが急に餌を食べなくなったり、ふと見たら尻尾が細くなっていたりすると、「このまま様子を見ていいの?」と心配になりますよね。
レオパの拒食は、食べない日数よりも「体重と尻尾の太さが減っているか」で判断しましょう。
レオパは尻尾に脂肪をためています。食べない期間があっても体重が保たれていれば、季節や繁殖による一時的な食欲低下のこともあります。
一方、体重が減り続けて尻尾が細くなっていく場合は、ためた脂肪を使い切りつつあるサインです。
その代表的な原因として知られるのがクリプトスポリジウム症で、早めに動物病院へ相談することが勧められています。

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レオパの拒食で受診したいサイン
まず、様子見をせずに動物病院へ相談したいサインから確認しましょう。
爬虫類の診療に詳しい獣医師の講演録では、拒食は「病気そのもの」ではなく「何かが起きているサイン」であり、長引くと衰弱して命に関わると説明されています。

- 体重が週ごとに減り続けている
- 尻尾が目に見えて細くなってきた
- 下痢が続いている
- お腹がふくらんで張っている
- 目がくぼむ、皮膚にしわが寄るなど脱水の様子がある
- ぐったりして、あまり動かない
- お腹に卵が見えるのに産まず、食べない
痩せて尻尾が細くなったレオパについて、米国のエキゾチック動物病院AZEAHは「原因はひとつではないため、診察と検査で原因を確かめる必要がある」としています。
原因によっては治療で回復が見込めるものもあり、診断と治療が早いほど反応しやすいとも書かれています。
出典:世界小動物獣医師会(WSAVA)2014年大会講演録「爬虫類の拒食 ― 原因・診断・治療」/AZEAH「痩せて尻尾が細くなるヤモリ(スティックテール)」/LafeberVet「入院したトカゲの栄養管理」/Open Veterinary Journal「アルゼンチンのヒョウモントカゲモドキで確認されたクリプトスポリジウム感染」
レオパの尻尾が細いのはなぜ?
レオパの尻尾は、ただの尻尾ではありません。
獣医師向け資料LafeberVetの「ヒョウモントカゲモドキの基本情報」では、健康なレオパは尻尾の付け根に脂肪をたくさん蓄えているとされています。
つまり尻尾の太さは、体にためた「エネルギーの貯金」の目安です。食べない期間が続くと、レオパはこの貯金を使って過ごすため、尻尾が少しずつ細くなっていきます。
尻尾の太さの目安は「その子のいつもの太さ」
飼い主さんの間では「尻尾の付け根が首と同じくらいの太さなら健康」という目安がよく使われています。
ただ、今回確認した獣医学の資料には、尻尾の太さの基準となる数値は見つかりませんでした。
体格や年齢、一度尻尾を自切したかどうかでも見た目は変わります。LafeberVetによると、自切した尻尾は軟骨の棒のような形で再生するため、元の尻尾とは太り方が違うことがあります。
そのため、ほかの子と比べるより「その子のいつもの太さ」と比べるのがおすすめです。健康なときに上から写真を撮っておくと、変化に気づきやすくなります。
| 尻尾の様子 | 考えられること | 目安の対応 |
|---|---|---|
| いつもどおりふっくら | 脂肪の貯金が保たれている | 体重を記録しながら様子を見る |
| 少しずつ細くなってきた | 食べる量より使う量が多い | 飼育環境を見直し、体重を週1回量る |
| 骨が目立つほど細い | 貯金をほぼ使い切っている | 早めに動物病院へ相談する |

いちばん確実なのは体重を量ること
LafeberVetの「入院したトカゲの栄養管理」では、食べない時期の爬虫類は定期的に体重を量ることが勧められています。
キッチンスケールなど1g単位で量れるはかりで、週1回、同じ時間帯に量ってメモしておきましょう。見た目ではわかりにくい小さな変化にも、数字なら早く気づけます。
体重の参考値
LafeberVetでは、大人のオスは60〜90g、メスは45gほどの子もいるとされています。
個体差が大きいので、この数字に合わせることより、その子の体重が減っていないかを見ることが大切です。
食べなくても様子見できるケース
LafeberVetによると、爬虫類は1〜2回食事を抜いたくらいでは痩せ衰えることはないとされています。次のような理由で、一時的に食べなくなることもあります。
- 秋〜冬の食欲低下:WSAVAの講演録では、冬に向けて秋ごろから食欲が落ちる爬虫類がいると紹介されています
- 繁殖期のオス:縄張り意識やメス探しに気を取られて、食べなくなることがあります
- お腹に卵があるメス:卵でお腹がいっぱいになり、食べる量が減ったり食べなくなったりします
- 満腹・餌が大きすぎる:お腹がいっぱいのときや、餌が大きすぎるときも食べないことがあります
ただし、どのケースでも条件があります。LafeberVetは、本来の冬の休眠では代謝がぐっと下がるため体重はほとんど減らないと説明しています。
逆に、もともと痩せている子や体調の悪い子が食べない時期に入ると、飢餓状態になって衰弱するおそれがあるとしています。
「食べない理由がありそう」でも、体重が減り続けているなら様子見をやめるのが安全です。
お腹に卵が見えるのに産めずにいる場合は、卵詰まりの可能性もあります。卵詰まりも拒食の原因のひとつとされています。
出典:LafeberVet「入院したトカゲの栄養管理」/WSAVA 2014年大会講演録「爬虫類の拒食 ― 原因・診断・治療」
拒食の原因で多いのは飼育環境
WSAVAの講演録では、飼育下の爬虫類の拒食でもっとも多い原因は飼育環境で、なかでも温度が合っていないことが最大の原因だとされています。
体温を上げられない環境では、爬虫類は食べようとしません。

ケージ内の温度が低い・温度差がない
レオパは自分で体温を作れないため、ケージの中で暖かい場所と涼しい場所を行き来して体温を調整します。LafeberVetでは、レオパの飼育温度の目安を次のように示しています。
| 場所・時間帯 | 温度の目安 |
|---|---|
| ケージ全体 | 21〜27℃の温度差をつける |
| 暖かい場所 | 32℃前後 |
| 夜間 | 21〜23℃程度まで下げる |
パネルヒーターの上だけが暖かく、空気は冷えたままということもあります。温度計は床に近い場所と、暖かい場所・涼しい場所の両方に置いて確認しましょう。
餌をあげる時間や照明のリズム
レオパは夜に活動する生き物です。LafeberVetは夕方に餌を与えることを勧めています。
WSAVAの講演録でも、夜行性の爬虫類に昼間に餌を出すと食べないように見えるが、夜に出すと普通に食べることがあると紹介されています。
また、照明を24時間つけっぱなしにするのも拒食の原因になるとされています。昼と夜のリズムをつけてあげましょう。
触りすぎ・同居のストレス
WSAVAの講演録によると、臆病な子を頻繁に触ることや、狭いケージに多頭で入れることもストレスとなり、拒食の原因になります。
同居している場合は、立場の弱い子が強い子に遠慮して食べられないこともあります。
同じ餌に飽きている
いつもと違う種類の餌にすると、また食べ始めることがあるとされています。WSAVAの講演録では、何種類かの餌を用意することが食いつきを刺激すると紹介されています。
出典:WSAVA 2014年大会講演録「爬虫類の拒食 ― 原因・診断・治療」/LafeberVet「ヒョウモントカゲモドキの基本情報」
尻尾が細くなる病気に注意
飼育環境を整えても食べず、体重と尻尾がどんどん減っていく場合に、まず疑われる病気があります。それがクリプトスポリジウム症です。
クリプトスポリジウム症とは
AZEAHの「ヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム症」では、レオパが痩せる原因として最も多いのがクリプトスポリジウム症だとされています。
クリプトスポリジウムという小さな寄生虫が小腸に感染し、栄養をうまく吸収できなくなる病気です。下痢が出て、やがて食べなくなり、痩せて弱っていきます。
尻尾の脂肪がなくなって骨ばった細い尻尾になる状態は、海外の飼育者の間で「スティックテール(棒のような尻尾)」と呼ばれています。
日本でも確認されている病気
日本では2001年にレオパでの感染が初めて確認されました。
麻布大学の研究チームが2002〜2004年に行った調査では、繁殖施設のトカゲの感染率は平均11%だった一方、個人で飼われているトカゲでは66.7%と高い割合だったと報告されています。
研究チームは、ペットの売買を通じて広がっている可能性を指摘しています。
出典:科学研究費助成事業データベース(KAKEN)「輸入爬虫類における侵入性感染症の疫学的・病理学的研究」
完治が難しく、同居の子にうつる
AZEAHによると、この病気は薬で寄生虫の数を減らすことはできても、完全に治すことは難しいとされています。治療をしなければ痩せ続け、数週間から数か月で命を落とすこともあります。
寄生虫の卵(オーシスト)はフンと一緒に出て、何年も生き残ります。ほかの子がそれを口にすると感染するため、感染した子は1匹だけで飼うことが勧められています。
診断はフンや総排泄孔をぬぐった検体を専門の検査機関で調べて行います。同じ検査でほかの寄生虫が見つかることもあるため、自己判断で駆虫薬を使う前に、まず動物病院で検査を受けましょう。
お迎え直後の注意
LafeberVetは、レオパの予防医療として「検疫(隔離期間)」を挙げています。新しい子を迎えたら、しばらくは先住の子とケージや道具を分けておくと安心です。
ほかにも痩せる原因はある
AZEAHは、痩せて尻尾が細くなる原因として、飼育環境や食事の問題、ほかの寄生虫や細菌の感染、床材の砂や苔の詰まり、腎臓病、腫瘍などを挙げています。
原因が重なっていることも多いとされています。
べん毛虫などの寄生虫や細菌による腸の感染は、適切な治療で回復が見込めるとされています。「スティックテール=治らない」と決めつけず、早めに検査を受けることが大切です。
カルシウム不足によるくる病や、口の中の炎症(マウスロット)でも食べられなくなることがあります。
出典:AZEAH「ヒョウモントカゲモドキのクリプトスポリジウム症」/AZEAH「痩せて尻尾が細くなるヤモリ(スティックテール)」/WSAVA 2014年大会講演録「爬虫類の拒食 ― 原因・診断・治療」
餌を食べない時に家でできること
受診したいサインがなく、体重もほぼ保たれている場合は、次のことから見直してみましょう。
- 温度計で、暖かい場所・涼しい場所・夜間の温度を確認する
- 餌は夕方〜夜の、レオパが動き出す時間に出す
- 照明はつけっぱなしにせず、昼と夜のリズムをつける
- しばらくは触る回数を減らし、静かに過ごさせる
- いつもと違う種類の餌も試してみる
- 週1回体重を量り、尻尾の写真と一緒に記録する
強制給餌は自己判断でしない
口をこじ開けて食べさせる強制給餌は、WSAVAの講演録でけがを防ぐため動物病院で行うことが勧められています。
何度も体を押さえること自体がストレスとなり、拒食を悪化させることもあります。
LafeberVetでも、衰弱した爬虫類は、まず水分補給をして体を温めてから食事を与えるべきだとされています。
飢餓状態から急にたくさん食べさせると、かえって危険な状態を招くこともあります。体重が落ちている子への栄養補給は、獣医師に相談しながら進めましょう。
出典:WSAVA 2014年大会講演録「爬虫類の拒食 ― 原因・診断・治療」/LafeberVet「入院したトカゲの栄養管理」
レオパの拒食によくある質問
Q. レオパは何日食べなくても大丈夫?
何日なら大丈夫、と一律には言えません。尻尾にどれだけ脂肪をためているかで、もちこたえられる期間が大きく変わるためです。
日数を数えるより、体重と尻尾の太さが保たれているかを見てください。週ごとに体重が減っている場合は、日数にかかわらず受診を検討しましょう。
Q. 拒食で死んでしまうことはある?
あります。WSAVAの講演録では、拒食が長く続くと衰弱し、最終的には命に関わるとされています。クリプトスポリジウム症のように、痩せ続けて命を落とす病気もあります。
Q. 尻尾を太くするにはどうしたらいい?
まずは、なぜ痩せたのかを確かめることが先です。飼育環境が原因なら、温度や給餌の見直しで食欲が戻ることがあります。
病気が原因の場合は、餌を増やしても尻尾は太くなりません。環境を整えても食べない・痩せ続ける場合は、動物病院で検査を受けましょう。
Q. 冬に食べなくなったけど、休眠なら放っておいていい?
体重がほとんど減っていなければ、季節的な食欲低下のこともあります。ただし、もともと痩せている子や体調の悪い子は、食べない時期に衰弱するおそれがあります。
冬の間も週1回の体重測定は続け、減り続けるようなら相談しましょう。
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レオパなど爬虫類のほかの病気についても、こちらの記事で解説しています。
まとめ
- レオパの尻尾は脂肪の貯金。細くなるのは、ためた脂肪を使っているサイン
- 拒食は日数ではなく、体重と尻尾の太さが減っているかで判断する
- 秋冬・繁殖期・お腹に卵がある時は、体重が保たれていれば一時的な食欲低下のことも
- 拒食の原因で多いのは飼育環境。特に温度、餌の時間、ストレスを見直す
- 痩せる原因として最も多いとされるのはクリプトスポリジウム症。早めの検査が大切
- 体重が減り続ける・下痢・お腹の張りがあるときは、早めに動物病院へ
この記事は獣医学の資料をもとにした一般的な情報で、診断や治療の代わりになるものではありません。レオパの体調に不安があるときは、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。
ぽちたま薬局では、トカゲ・ヘビ・カメなど爬虫類に使用されるお薬も取り扱っています

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。






