「ハムスターがくしゃみを何度もしている」「鼻の周りが濡れている気がする」
小さな体だけに、ちょっとした変化でも心配になりますよね。
- ときどきくしゃみが出る程度で、元気・食欲があり鼻水も出ていなければ、まずは床材のホコリや掃除の頻度など、飼育環境を見直して様子を見る
- くしゃみが続く、鼻水や目やにが出る、食欲が落ちている場合は、早めに動物病院への相談を検討する
- 口を開けて呼吸している、ぐったりしている場合は、様子を見ずにすぐ動物病院へ連絡する
- ハムスターは人の風邪ウイルスには通常かからないとされ、主な原因は細菌などの感染や環境の刺激。人用の風邪薬や手元にある抗生物質は与えない

ぽちたま薬局ではハムスターに使用されるお薬も取り扱っています。
目次
くしゃみ・鼻水で様子見NGのサイン
くしゃみや鼻水と一緒に、次のような様子が見られるときは要注意です。
ハムスターは体が小さく、呼吸器のトラブルが短時間で重くなりやすい動物です。
MSD獣医マニュアルでも、ゼーゼーとした呼吸や呼吸のしにくさがあれば、速やかに受診するよう勧めています。

- 口を開けて呼吸している
- お腹や体全体を大きく動かして、苦しそうに呼吸している
- ゼーゼー・ヒューヒューなど、呼吸のたびに音がする
- ぐったりして動かない、寝床から出てこない
- 餌を食べない・水を飲まない
- 歯ぐきや皮膚が青っぽい・灰色がかって見える
これらは肺炎など重い呼吸器の病気で見られることがあるサインです。当てはまる場合は様子を見ずに、すぐ動物病院へ連絡してください。
くしゃみよりも「呼吸が早い・荒い」ことが気になる場合は、こちらの記事で原因と対処を詳しく解説しています。
くしゃみか鳴き声か?見分け方
ハムスターの「プスプス」「プシュッ」という音は、くしゃみのこともあれば、鼻を鳴らす音や呼吸の音のこともあります。
文字にした音と実際の聞こえ方には個人差があるため、音だけで判断せず、一緒に出ている様子を確認するのがポイントです。
| 確認すること | 様子見しやすい | 受診を検討 |
|---|---|---|
| くしゃみの出方 | ときどき出る程度 | 何度も繰り返す・日をまたいで続く |
| 鼻の周り | 乾いている | 濡れている・鼻水が出ている |
| 目 | いつもどおり | 涙目・目やにが増えた |
| 元気・食欲 | いつもどおり | 餌が減った・寝ている時間が増えた |
| 毛並み・呼吸 | いつもどおり | 毛がボサボサ・呼吸に音がする |
参考:PetMD「ハムスターは風邪をひく?」/VCA動物病院「ペットのげっ歯類がかかる病気」
ハムスターは前足で顔を洗うように毛づくろいをするため、鼻の周りだけでなく前足の内側が濡れていたり、毛が固まっていたりしないかも見てみてください。
音が気になるときは、スマホで動画を撮っておくと、受診時に獣医師へ様子を伝えやすくなります。
PetMDでは、風邪のような症状が24時間以上続く、または悪化している場合は、獣医師の診察を受けるよう勧めています。
くしゃみ・鼻水の主な原因
ハムスターのくしゃみ・鼻水は「風邪」とひとまとめにされがちですが、実際には大きく分けて環境による刺激と細菌などの感染が考えられます。
この2つは互いに関係していて、環境の刺激で鼻や気道が弱ったところに感染が起こることもあります。
床材の粉じん・アンモニアなど環境の刺激
VCA動物病院の解説では、ペットのげっ歯類の気道を刺激し、呼吸器の感染症にかかりやすくする要因として、次のものが挙げられています。
- 粉じんの多い床材
- 香りの強い杉(シダー)のチップ
- 掃除の間隔があいて、尿から発生したアンモニアがたまったケージ
床材を新しくした直後や、掃除の間隔があいたタイミングでくしゃみが増えたなら、環境の刺激が関わっている可能性があります。
ただし、刺激だけのくしゃみか、感染が始まっているのかを見た目で区別するのは難しいため、鼻水や元気のなさが出てきたら受診を検討してください。
細菌などによる呼吸器の感染(いわゆる風邪)
ハムスターも、細菌やウイルスによる呼吸器の感染症にかかることがあります。
ただ、PetMDによると、ハムスターは人の風邪の原因になるウイルスには通常かからないとされています。人の風邪に似た症状を起こすのは、主に細菌やウイルスによる呼吸器の感染症です。
発症のきっかけとしては、換気の悪さ、急な温度変化、ストレス、過密な飼育などで体の抵抗力が落ちることが挙げられています。
幼い子・高齢の子・ほかの病気がある子は、重症化しやすいため特に注意が必要です。
なお、「原因はウイルスか細菌か」については情報源によって書き方に幅があります。MSD獣医マニュアルでは、人やほかの動物と同じように、ハムスターもウイルスと細菌の両方で呼吸器の感染症を起こすと説明しています。
どちらの情報源も「人の風邪がそのままうつる」という意味ではない点は共通しています。原因の特定には診察が必要です。
放置すると肺炎に進むことも
鼻や喉の感染が肺まで広がると、肺炎と呼ばれる状態になります。
VCA動物病院の解説では、軽い段階では鼻水や目やにが中心でも、重くなるとゼーゼーとした呼吸や咳、口を開けての呼吸が見られるようになるとされています。
MSD獣医マニュアルによると、ハムスターの肺炎は多い病気ではないものの、ストレスで体が弱ったあとに起こることがあり、鼻や目からの分泌物・呼吸のしにくさ・食欲の低下・元気のなさが見られます。
軽症であれば抗菌薬と支持療法で改善が期待できるとされているため、早めの受診が大切です。
出典:VCA動物病院「ペットのげっ歯類がかかる病気」/MSD獣医マニュアル「ハムスターの病気(飼い主向け)」
人からうつる?
いわゆる人の風邪はハムスターには通常うつらないとされています(PetMD)。
一方で、新型コロナウイルスについては、米国疾病予防管理センター(CDC)がペットのハムスターの感染例を報告しており、感染が疑われる人・感染した人はペットとの接触を避けるよう呼びかけています。
飼い主さんの体調が悪いときは、お世話を家族に代わってもらう、触ったあとは手を洗うなど、念のため距離をとると安心です。
病院での治療と薬の注意点
動物病院で行われること
動物病院では、身体検査に加えて、症状が出始めた時期や、ケージ・床材・換気・最近の環境の変化・食事などについて質問されます。必要に応じて、検査やレントゲンで原因を調べます。
治療は原因と状態によって異なり、主に次のようなものが組み合わされます。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| 抗菌薬 | 細菌感染が疑われる場合に処方される |
| 輸液 | 脱水を防ぐ・改善するために行う |
| 栄養サポート | 食欲が落ちている場合に、食事がとれるよう支える |
| 酸素吸入 | 呼吸が苦しい場合に行う。状態によっては入院になることも |
受診のときは、次のようなことをメモしておくと診察がスムーズです。
- くしゃみ・鼻水に気づいた日と、その後の変化
- 床材の種類と、最近変えたかどうか
- ケージの掃除の頻度と置き場所
- 食欲・水の量・うんちの様子
自己判断の抗生物質が危険な理由
「鼻水が出ているなら抗生物質を」と考えるかもしれませんが、ハムスターでは特に注意が必要です。
MSD獣医マニュアルによると、ハムスターは一部の抗生物質で腸内の細菌バランスが崩れ、命に関わるほどの激しい下痢を起こすことがあります。
獣医師向けの解説では、ペニシリン・リンコマイシン・バシトラシンなどを投与した3〜5日後に、この腸炎が起こりうると記載されています。
出典:MSD獣医マニュアル「ハムスターの診療(獣医師向け)」
また、VCA動物病院は、ペットショップで売られている抗生物質は一般的に効果がなく使うべきではない、としています。
人用の風邪薬や、ほかのペット・家族に処方された抗生物質は与えないでください。薬の種類も量も、ハムスターの種類・体重・症状によって変わるため、必ず獣医師の診察を受けてから使いましょう。
抗生物質「エンロフロキサシン」は、ぽちたま薬局でも取り扱いがございます。
エンロフロキサシンは、獣医師向けの資料でもハムスターの治療に使われる抗菌薬のひとつとして記載があります。
※商品ページは犬猫用のご説明となっている点にご注意ください。投与法・投与量については、獣医師と相談の上慎重にご利用ください。
受診までに家でできること
家での対応はあくまで受診までのサポートです。症状を治すものではない点に注意してください。
PetMDでは、受診を待つあいだ、ストレスを減らすために次のことを勧めています。
- ケージを暖かく保ち、すきま風が当たらない場所に置く
- 新鮮な餌ときれいな水を用意する
- ケージを清潔で乾いた状態に保つ
- 粉じんの少ない床材を使う(獣医師にすすめられた場合)
- 回復するまで、抱っこなどのふれあいは控えめにする
暖める場合は、ケージの一部だけを暖めて、ハムスターが自分で暑すぎない場所へ移動できるようにしておくと安心です。
複数のハムスターを飼っている場合は、体調の悪い子を別のケージに分けてください。MSD獣医マニュアルでも、感染症の子はほかの子から離し、ケージを清潔に保つよう勧めています。
くしゃみ・鼻水を防ぐ飼育環境

| 見直すこと | ポイント |
|---|---|
| 床材 | 粉じんが少なく、香りの強くないものを選ぶ。香りの強い杉(シダー)のチップは避ける |
| 掃除 | 尿で汚れた床材はこまめに取り替え、アンモニアがたまらないようにする |
| 換気・置き場所 | 空気がこもらないようにしつつ、エアコンの風やすきま風が直接当たらない場所に置く |
| 温度 | 急な温度変化を避ける |
| ストレス | 過密な飼育やケンカを避ける。ストレスは抵抗力を下げる要因になる |
出典:VCA動物病院「ペットのげっ歯類がかかる病気」/PetMD「ハムスターは風邪をひく?」
くしゃみ・鼻水のよくある質問
くしゃみはするけど元気。様子見でいい?
鼻水や目やにがなく、食欲や元気もいつもどおりなら、まずは床材や掃除など環境を見直して様子を観察してください。
ただし、くしゃみが続く・増える、鼻水が出てきた、食欲が落ちたといった変化があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。
市販の薬で治せる?
人用の風邪薬や、ほかのペット用の薬を自己判断で与えるのは避けてください。
ハムスターは一部の抗生物質で命に関わる腸炎を起こすことがあり、薬の種類や量は診察で決める必要があります。
飼い主の風邪はハムスターにうつる?
人の風邪の原因になるウイルスは、ハムスターには通常うつらないとされています。
ただし新型コロナウイルスはハムスターへの感染例が報告されているため、体調が悪いときは接触を控えめにすると安心です。
目やにや涙が気になる場合や、ハムスターがかかりやすいほかの病気もあわせて知っておきたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
- ときどきのくしゃみで元気・食欲があり、鼻水もなければ、まずは床材や掃除など環境の見直しから
- くしゃみが続く、鼻水・目やにが出る、食欲が落ちたときは早めに動物病院へ相談を
- 口を開けて呼吸している、ぐったりしているときは、すぐ動物病院へ連絡を
- 人の風邪は通常うつらないとされるが、新型コロナは感染例があるため体調不良時は接触を控えめに
- 人用の風邪薬や手元の抗生物質は与えず、薬は獣医師の診察を受けてから
ぽちたま薬局ではハムスターに使用されるお薬も取り扱っています。

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。






