トイレに赤いおしっこを見つけると、「血が出てる!?」と一気に不安になりますよね。
うさぎのおしっこは、健康でもオレンジ〜濃い赤になることがあり、赤い=血尿とは限りません。ただし、色素による赤と血による赤は、見た目では見分けられません。家では次の3つで「どれくらい急ぐか」を決めましょう。
- いきむのに出ない・少ししか出ない、食欲や糞が減った → すぐ動物病院へ相談
- 避妊していないメスで、排尿の終わりに鮮血が出る → 子宮の病気も考えて早めに受診
- 食欲も排尿の様子もいつも通り → 数日で色が戻るか記録し、続く・くり返すなら尿を持って受診

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目次
すぐ病院へ連絡すべきサイン
おしっこの色より先に見てほしいのが、うさぎ本人の様子です。血尿の原因になる病気では、色の変化と一緒に、排尿のしづらさやお腹の痛みを示すしぐさが出ることがあります。
特に、おしっこがまったく出ていないときは様子を見ずに動物病院へ連絡してください。

- トイレで何度もいきむのに、おしっこが出ない・少ししか出ない
- 背中を丸めてじっとしている、歯ぎしりをしている(お腹の痛みのサイン)
- 食欲が落ちた、糞が小さい・少ない
- 陰部から血が出ている、排尿の終わりに鮮やかな血が混じる
- 元気がない、体重が減ってきた
- おしっこが泥のようにドロッとしている、お尻まわりの毛がおしっこで汚れている
出典:Vet Times「うさぎの血尿 ― 本当の血尿か色素尿かを見きわめる」/MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性疾患」
うさぎは食べる量が減ると体全体のバランスが崩れやすく、MSD獣医マニュアルでも食事量の低下は健康に大きく影響すると説明されています。食欲がないときの対応はこちらも参考にしてください。
赤いおしっこと血尿の違い
エキゾチック動物の専門医によるVet Timesの臨床解説によると、うさぎの正常な尿の色は、淡い黄色からオレンジ、濃い茶色、そして血と見間違えるほどの深い赤まで幅があります。
野菜などに含まれる植物の色素が尿に出るためで、ビーツ、ブロッコリー、タンポポ、にんじん、キャベツなどが例に挙げられています。
同じ解説では、こうした色素による赤い尿は出たり消えたりしやすく、3〜4日ほどで落ち着く傾向があるとも紹介されています。
また、うさぎは食べたカルシウムの多くを尿から捨てる動物なので、健康でも尿が白っぽく濁っているのが普通です(MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性疾患」)。

色素尿とは
血液ではなく、植物の色素やポルフィリンと呼ばれる色素によって、尿が赤〜オレンジに見える状態のことです。病気のサインではなく、うさぎではよく見られます。
色や出方だけでは見分けられない
やっかいなのは、色素による赤と血による赤が見た目ではほとんど区別できないことです。Vet Timesの解説でも、血尿が疑われたときに最初にすべきことは、本当の血尿か色素で赤いだけかを尿検査で確かめることだとされています。
「部分的に赤ければ血尿、全体が均一に赤ければ色素」という見分け方を見かけることがありますが、今回確認した獣医学の資料では、この見分け方を裏づける記述は見つかりませんでした。色の出方は参考程度にとどめ、次の章の3つの軸で判断するのがおすすめです。
見た目で比較的はっきりした手がかりになるのは、排尿の終わりに鮮やかな血が出るパターンです。これは子宮の病気でよく見られるサインとされています(主な原因で詳しく解説します)。
病院では試験紙ですぐ調べられる
MSD獣医マニュアルでは、尿の試験紙検査で色素による赤い尿をすばやく除外できると説明されています。
一方でVet Timesの解説は、試験紙は血液以外の成分(ヘモグロビンやミオグロビン)にも反応することがあるため、顕微鏡で赤血球を確認する検査もあわせて行うべきだとしています。
試験紙で「陰性」なら色素の可能性が高い一方、「陽性」だけで血尿と決まるわけではない、という関係です。
受診の急ぎ度を決める3つの軸
見た目で白黒つけられない以上、家でできるのは「どれくらい急いで病院に行くか」を決めることです。次の3つを順番に確認してみてください。
| 確認すること | 様子を見やすい | 早めに受診 |
|---|---|---|
| ①本人の様子 | いつも通り食べて、いつも通りおしっこが出ている | いきむ・少量・回数が多い、食欲や糞が減った |
| ②性別と避妊 | オス、または避妊手術を済ませたメス | 避妊していないメス(特に3歳以上) |
| ③続く日数 | 1回だけ、または数日で黄色系に戻る | 何日も赤い状態が続く、くり返す |
1つでも「早めに受診」に当てはまれば、動物病院への相談を検討してください。①で当てはまるものがあれば、②③を待つ必要はありません。
①本人の様子を見る
何度もトイレに行く、いきむのに少ししか出ない、背中を丸める、歯ぎしりをするといった様子は、尿の通り道の病気やお腹の痛みで見られるサインです(Vet Times)。赤い色がどうであれ、こうした様子があれば病気を疑って受診を考えましょう。
②性別と避妊の有無を確認する
メスのうさぎは、尿道が膣の中に開いている特殊な構造をしています。そのため、子宮から出た血が膣の中で尿と混ざり、血尿のように見えることがあります(Vet Times)。
さらに、避妊していない3歳以上のメスでは子宮のがんが非常に多いことが知られています(MSD獣医マニュアル)。元気や食欲があっても、赤い尿が続く・くり返すときは早めに診てもらうのが安心です。
③何日続くかを記録する
色素による赤い尿は、3〜4日ほどで落ち着く傾向があるとされています(Vet Times)。日付と色をメモしておき、それ以上続く、あるいは何度もくり返す場合は受診を検討してください。
「3〜4日」はあくまで色素尿の傾向を示した目安です。①②に当てはまる項目がある場合は、日数を待たずに相談してください。
うさぎの血尿の主な原因
本当に血が混じっている場合、出血のもとは大きく「尿の通り道(腎臓〜膀胱〜尿道)」と「メスの子宮」の2つに分かれます。どちらから出ているかを見きわめることが、診断の第一歩とされています(Vet Times)。
| 原因 | なりやすい子 | 見られやすい様子 |
|---|---|---|
| 尿石症・砂状の尿 | オス・メス両方 | いきむ、少量ずつ出る、泥のような尿 |
| 膀胱炎 | オス・メス両方 | 尿もれ、お尻まわりの汚れ |
| 子宮の病気 | 未避妊のメス | 排尿の終わりの鮮血、陰部からの出血 |
尿石症・砂のような尿
MSD獣医マニュアル「うさぎの腎臓・尿路の病気」によると、尿路の結石や、「スラッジ」「砂」と呼ばれるミネラルの沈殿はペットのうさぎに多く、血尿が見られたときにまず疑われる病気のひとつです。
原因として、食事のカルシウムの多さ、体質(遺伝)、感染、脱水、代謝の病気が挙げられています。
うさぎはほかの動物と違い、食べたカルシウムのほとんどを体に吸収し、余った分を尿から大量に出します。
成長期や妊娠・授乳中ではない大人のうさぎが、カルシウムの多い食事を長く続けると尿中のカルシウムが過剰になり、泥状の沈殿や結石ができることがあります。小さな結石は尿と一緒に出ることもありますが、大きな結石は手術が必要になることが多いとされています。
このほか、運動不足や肥満、エンセファリトゾーン感染や背骨の異常など、尿が膀胱にたまりやすくなる状態も結石の要因になるとされています(Vet Times)。
膀胱炎
カルシウムの沈殿が長く膀胱の粘膜を刺激すると膀胱炎を起こし、尿もれやお尻まわりの毛の汚れにつながることがあります。濡れた状態が続くと、皮膚炎に進むこともあります(MSD獣医マニュアル)。
メスの子宮の病気
MSD獣医マニュアルによると、うさぎで最も多い腫瘍は避妊していないメスの子宮腺がんで、3歳を超える未避妊のメスでは最大60%にのぼると報告されています。肝臓や肺などに転移することもある病気です。
なお、Vet Timesの解説では特定の品種で50〜80%という数字も紹介されています。資料によって数字に幅はありますが、「避妊していないメスにとても多い病気」という点は共通しています。
子宮腺がんでは血尿や血の混じったおりものがよく見られ、はっきりした血は排尿の終わりに出ることが多いとされています。子宮内膜の過形成や流産など、子宮に関わるほかの病気でも同じような出血が起こります(Vet Times)。
そのほかの原因
頻度は高くありませんが、血液が固まりにくくなる病気や鉛中毒でも血尿が報告されています。また、尿検査で血液は陰性なのに赤く見える「ウロビリン尿」というケースもあります(Vet Times)。
病院に行く前にしておくこと
受診をスムーズにするために、次のことを準備しておくと役立ちます。
- 赤いおしっこの写真を撮る(トイレシートの上の状態でOK)
- いつから、何回くらい赤かったかをメモする
- 食欲、糞の量や大きさ、飲む水の量の変化もあわせて記録する
- メスの場合は、避妊手術を受けているかどうかを伝える

採尿のコツ
トイレの砂やシートを外すか、シートを裏返して置いておくと、出たおしっこを集めやすくなります。清潔な容器に入れて持っていきましょう。持ち込み方は病院によって違うこともあるので、事前に電話で確認しておくと確実です。
家で採った尿も検査に使えますが、より正確に調べるため、病院で膀胱から直接採尿することもあります(Vet Times)。子宮の病気が疑われる場合は、超音波検査で子宮の状態を確認します。
血尿を防ぐためにできること
牧草中心の食事にする
アルファルファはカルシウムが多く、一般的なペレットの主な原料にもなっています。MSD獣医マニュアルでは、チモシーベースのペレットと、チモシーなどのイネ科牧草に切り替えることが結石の再発予防に役立つとしています。
水を飲みやすくする
水分不足は結石の要因のひとつです。MSD獣医マニュアルによると、うさぎは給水ボトルより器(ボウル)から飲むほうが、はるかに多く水を飲むとされています。ボトルだけの場合は、器も併用してみてください。
運動と体重管理
運動不足や肥満は、尿が膀胱にたまりやすくなり、結石の要因になるとされています(Vet Times)。部屋んぽなどで体を動かす時間をつくりましょう。
避妊手術を検討する
MSD獣医マニュアル「うさぎの日常の健康管理」では、避妊手術は子宮がんのリスクをなくすため非常に重要だとしています。
繁殖させないメスには生後4〜6か月での避妊手術がすすめられています(MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性疾患」)。手術の時期や方法は、かかりつけの動物病院と相談して決めてください。
年に1回は健康診断を
MSD獣医マニュアルでは、うさぎは年に1回の健康診断を受けることがすすめられています。高齢のうさぎは腎不全になることもあり、年1回の血液検査が早期発見に役立つとされています。
出典:MSD獣医マニュアル「うさぎの日常の健康管理」/MSD獣医マニュアル「うさぎの腎臓・尿路の病気」
うさぎの血尿のよくある質問
食欲があれば様子を見ても大丈夫?
食欲も排尿の様子もいつも通りなら、色素による赤い尿の可能性は十分あります。数日で色が戻るかを記録しながら見守るのもひとつの選択肢です。
ただし、避妊していないメスは元気でも子宮の病気が隠れていることがあるため、赤い尿が続く・くり返す場合は受診を検討してください。
ストレスで血尿になることはある?
今回確認した獣医学の資料では、ストレスそのものが血尿を起こすという記述は見つかりませんでした。
ただ、体調をくずして食べる量が減ると飲む水の量も減りやすく、水分不足は結石の要因のひとつとされています(MSD獣医マニュアル)。ストレスが続いて食欲が落ちているなら、それ自体が受診のサインです。
オスでも血尿になる?
なります。子宮の病気はメスだけのものですが、尿石症や膀胱炎はオスにも起こります。オスの場合は、尿の通り道のトラブルを中心に考えることになります。
1回だけ赤いおしっこが出たときは?
色素による赤い尿は出たり消えたりしやすいため(Vet Times)、うさぎの様子がいつも通りなら、写真と日付を記録して様子を見る選択肢もあります。次にまた赤い尿が出たときに、受診の判断材料になります。
おしっこが白く濁っているのは病気?
うさぎの尿は、カルシウムを多く含むため健康でも白っぽく濁るのが普通です。ただし、泥のようにドロッとしている、お尻まわりの毛が汚れるといった場合は、カルシウムが過剰に沈殿している可能性があります(MSD獣医マニュアル)。動物病院への相談を検討してください。
あわせて読みたい
血尿と一緒に食欲が落ちている、首をかしげる様子があるなど、ほかの症状も気になるときはこちらも参考にしてください。
まとめ
- うさぎのおしっこは、健康でもオレンジ〜濃い赤になることがある
- 色素による赤と血による赤は、見た目では見分けられない。確かめるには尿検査が必要
- 家では「本人の様子」「性別と避妊」「続く日数」の3つで急ぎ度を決める
- いきむのに出ない、食欲や糞が減ったときは、すぐ動物病院へ相談する
- 避妊していないメスの出血は、子宮の病気も考えて早めに受診する
- 予防は牧草中心の食事、水を飲みやすい環境、運動、避妊手術の検討、年1回の健康診断
この記事は獣医学の資料をもとに作成していますが、獣医師の監修は受けていません。症状の判断や治療については、必ず動物病院にご相談ください。
参考にした資料
- MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性疾患」
- MSD獣医マニュアル「うさぎの腎臓・尿路の病気」
- MSD獣医マニュアル「うさぎの日常の健康管理」
- Vet Times「うさぎの血尿 ― 本当の血尿か色素尿かを見きわめる」
ぽちたま薬局ではうさぎに使用されるお薬も取り扱っています。

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。






