うさぎの目のまわりがいつも濡れていたり、目やにが固まっていたりすると「病気かな?様子を見ていいのかな?」と心配になりますよね。
- うさぎの涙目は、涙が透明でも何らかの問題のサインであることがほとんどです。元気そうでも動物病院の予約を検討しましょう
- 原因は目そのものより「歯」と「涙の通り道(鼻涙管)」にあることが多く、目薬だけでは治りきらないケースがあります
- 涙・目やにの色と状態、そして目以外の症状を見ると、受診をどれくらい急ぐべきかの目安になります
- 長引くと涙の通り道が傷ついて元に戻らなくなることがあるため、「そのうち治るかも」と待たないのが大切です
出典:PDSA「うさぎの涙目」/MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」

ぽちたま薬局ではうさぎに使用されるお薬も取り扱っています
目次
すぐ受診したい目のサイン
まずは急ぎの判断から。次のような様子があるときは、涙や目やにの量にかかわらず早めの受診を検討してください。
- 目が飛び出して見える、左右で目の大きさが違う
- 目を開けにくそうにしている、しょぼしょぼさせる、まぶしそうにする
- 目の下やほお、あごが腫れている
- 膿のような目やにに加えて、鼻水・くしゃみが出ている
- 食欲が落ちている、うんちが小さい・少ない
目が飛び出して見える場合、MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性の病気」では、歯の膿瘍が眼の奥にできている可能性や、胸の中の腫瘍(胸腺腫など)で目の奥の血流が滞っている可能性が挙げられています。
目をしょぼしょぼさせる・まぶしがるのは角膜の傷のサインであることがあり、同マニュアルでは角膜潰瘍がうさぎで最も多い目のトラブルとされています。
また、うさぎは痛みを隠す動物なので、元気そうに見えても安心はできません。食欲の低下が重なっている場合は、歯の痛みや消化管のトラブルが隠れていることもあります。
出典:PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」/Rabbit.org財団「うさぎの慢性的な涙目」
涙・目やにの色と状態で見る原因
涙や目やにの見た目から、ある程度原因の見当をつけることができます。ただし最終的な判断は診察と検査が必要です。受診の急ぎ度をはかる目安として使ってください。
| 目の状態 | 考えられること | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 透明な涙で目の下が濡れている | 涙の通り道の詰まり、歯のトラブル、目への刺激など | 元気でも予約を |
| 白くネバつく・ドロッとした目やに | 涙嚢炎(涙をためる袋の炎症) | 早めに受診 |
| 膿のような目やに+鼻水・くしゃみ | スナッフルなどの細菌感染 | 早めに受診 |
| 目が赤い・前足で目をこする | 結膜炎、角膜の傷 | 早めに受診 |
| 目の下の毛が抜ける・皮膚が赤い | 涙があふれ続けて皮膚が荒れている | 原因の治療が必要 |
| 目が飛び出す・顔が腫れる | 歯の膿瘍、胸の腫瘍など | すぐ受診 |
出典:PDSA「うさぎの涙目」/PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」/MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」/同「うさぎの非感染性の病気」
白っぽい涙は正常?異常?
ここは情報源によって書き方に差があるポイントなので、正直にお伝えします。
Rabbit.org財団「うさぎの慢性的な涙目」では、うさぎの正常な涙は半透明でわずかに乳白色がかって見えるとしています。一方でPDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」では、白くネバつく目やには涙嚢炎の典型的な症状とされています。
つまり「涙そのものが少し白っぽく見える」ことはあっても、「目からあふれて毛を濡らす」「白く濁ってドロッとしている」状態は正常ではない、と考えておくのが安全です。
受診前にメモしておくこと
「片目だけなら大丈夫?」と気になる方も多いのですが、片目か両目かだけで原因を決めることはできません。涙管の病気は片目にも両目にも起こります。
その代わり、次のような情報は診察の手がかりになるので、受診前にメモしておくとスムーズです。
- 片目か両目か(途中で反対の目にも出てきたか)
- いつから・増えているか減っているか
- 涙か目やにか、色やネバつき
- くしゃみ・鼻水があるか
- 前足の内側が汚れていたり、毛が固まっていたりしないか
- 食欲・うんちの量や大きさ、牧草を食べる量の変化
- よだれや、あごの下の濡れがないか
前足の内側のチェックは見落としがちですが、MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」によると、鼻や目の分泌物を前足でぬぐうことで、前足の内側の毛が固まったり薄くなったりすることがあります。
スマートフォンで目・鼻・前足の写真を撮っておくと、症状の変化も伝えやすくなります。
涙・目やにの主な原因5つ
①鼻涙管の詰まり・涙嚢炎
涙は目頭にある小さな穴から「鼻涙管」という細い管を通って鼻へ流れていきます。この管が狭くなったり詰まったりすると、行き場をなくした涙が目からあふれてしまいます。
PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」によると、うさぎの涙管は長く細いため詰まりやすく、牧草の小さなかけらや涙の中の沈殿物が詰まりの原因になることもあります。
詰まった管の中で炎症や感染が起こると涙嚢炎になり、白くネバつく目やにが出ます。
また、ロップイヤーやドワーフなど顔の短い品種では、生まれつき涙管が細い・曲がっている子がいるとRabbit.org財団「うさぎの慢性的な涙目」で紹介されています。
②歯のトラブル(不正咬合・歯根の伸び)

うさぎの涙目で、いちばん見落とされやすく、かつ多い原因が歯です。
PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」では、涙嚢炎の原因として歯の病気が群を抜いて多いとしています。うさぎの歯は一生伸び続け、上の奥歯の根元は涙管のすぐ近くにあります。
歯の根が伸びたり炎症を起こしたりすると、涙管を圧迫して詰まらせてしまうのです。
歯と涙の関係
MSD獣医マニュアル「うさぎの非感染性の病気」では、涙目や目の突出で来院したうさぎには歯の詳しい検査を行うべきとしています。
MSPCA-Angell「飼いうさぎの歯の構造と病気」でも、涙嚢炎や目の突出がある場合、伸びた歯の根が口の中の細菌を周囲の組織に引き込んでいる可能性が指摘されています。「目の病気なのに歯を診るの?」と驚くかもしれませんが、うさぎではごく自然な流れです。
③結膜炎・角膜の傷
うさぎの目は大きく、まばたきも少ないため、牧草やほこりで目の表面を傷つけやすい動物です。
目が赤い、前足でしきりに目をこする、目をしょぼしょぼさせるといった様子があれば、結膜炎や角膜の傷が考えられます。MSD獣医マニュアルでは、結膜炎は涙嚢炎と合わせて起こることが多く、きっかけとして物理的な刺激・まぶたの病気・歯の病気が挙げられています。
出典:MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」/同「うさぎの非感染性の病気」
④スナッフル(鼻炎)などの感染症
くしゃみや鼻水を伴う場合は、パスツレラ菌などによる鼻炎(スナッフル)が関わっている可能性があります。
MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」によると、はじめは鼻と目からサラッとした分泌物が出て、やがて膿のようになっていきます。慢性の鼻炎が鼻涙管をさかのぼって涙嚢炎を起こすこともあります。
⑤異物・ほこりなどの刺激
牧草のかけらや草の種が目に入ったり、ほこりっぽい環境で暮らしていたりすると、目が刺激されて涙が増えます。他のうさぎとのケンカによる目のケガや、まぶた・まつげの異常が原因になることもあります。
出典:PDSA「うさぎの涙目」
動物病院での検査と治療
動物病院では、目の状態だけでなく、歯や鼻の状態もあわせて確認することが一般的です。原因に応じて、次のような検査・治療が行われます。
- 鼻涙管の洗浄:目頭の穴から細い管を入れて生理食塩水で流し、詰まりを取り除きます。1回で治りきらず、何度か必要になることや、麻酔が必要になることもあります
- 画像検査:造影剤を使ったレントゲンで涙管の詰まっている場所を確認したり、頭部のレントゲンやCTで歯の根の状態を調べたりします
- 点眼薬・飲み薬:細菌感染に対する抗菌薬や、炎症・痛みを抑える薬が使われます
- 歯の処置:歯が原因の場合は、歯の治療も並行して行います
出典:PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」/MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」/MSPCA-Angell「飼いうさぎの歯の構造と病気」
単純な詰まりなら洗浄で改善することも多い一方、重い歯の病気が原因の場合は完治が難しく、定期的な洗浄や目元のケアを続けながら付き合っていくケースもあります。
MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」では、涙嚢炎や結膜炎が長引くと涙管が徐々に狭くなって瘢痕化し、元に戻らなくなることがあるとされています。だからこそ、早い段階での受診が大切なのです。
受診までの自宅ケアとNG
目のまわりをやさしく拭く
濡れた毛や固まった目やにをそのままにしておくと、皮膚がただれて毛が抜けやすくなります。
受診までの間は、ぬるま湯で湿らせた柔らかいガーゼやコットンで、目のまわりの毛をやさしく拭いて清潔に保ちましょう。固まった目やには無理にはがさず、湿らせてふやかしてから拭き取るのがコツです。
治療が長期になる場合、拭き取りに使う液や方法は獣医師から指示されることがあります。Rabbit.org財団「うさぎの慢性的な涙目」でも、慢性的な涙目では日々の目元ケアが大切とされています。指示があればそれに従ってください。
やってはいけないこと
- 目頭や鼻筋を自己流でマッサージする・家で涙管を洗おうとする
- 人間用や別の動物用の目薬を自己判断で使う
- 「元気だから」と様子見を続ける
うさぎの涙管はとても繊細です。MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」では、動物病院での洗浄でさえ涙管を傷つけないよう注意が必要で、傷ついてしまうと涙目が一生続く原因になり得るとされています。
ネットで見かける「鼻涙管マッサージ」も、自己判断では行わず獣医師に相談してください。
また、目薬は原因によって合う・合わないがはっきり分かれます。歯が原因の涙目に目薬だけを使っても、根本的な解決にはなりません。お薬は必ず診察を受け、獣医師の指示のもとで使いましょう。
涙目を防ぐための習慣
- 牧草中心の食事:牧草をしっかり噛むことで歯が正しくすり減ります。MSPCA-Angellでは、繊維の少ない食事のうさぎほど歯の病気になりやすいとされています
- 定期的な歯のチェック:涙目は歯の病気の早期サインになることがあります。健康診断で歯も診てもらいましょう
- ほこりの少ない環境:細かい粉の出る床材や牧草のくずをこまめに掃除し、風通しを保ちます
- 毎日の顔チェック:目が澄んでいて、目のまわりが乾いているかを習慣的に確認します
出典:MSPCA-Angell「飼いうさぎの歯の構造と病気」/PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」
うさぎの涙・目やにQ&A
Q. 自然に治ることはありますか?
目にゴミが入っただけの一時的な涙なら治まることもありますが、見た目だけでは区別できません。PDSAでは、涙目や目やにに気づいたら「良くなるか様子を見る」のではなく獣医師に連絡するよう呼びかけています。待つことで治療が難しくなる場合があるためです。
Q. うさぎは悲しくて泣いているのですか?
涙があふれている状態は、感情ではなく何らかの体のトラブルのサインと考えるのが自然です。PDSAでも、涙目は透明な涙であってもほぼ常に問題のサインだとしています。
出典:PDSA「うさぎの涙目」/PDSA「うさぎの涙管の腫れ(涙嚢炎)」
Q. 目やにはどうやって取ればいいですか?
ぬるま湯で湿らせたガーゼやコットンで、固まった部分をふやかしてからやさしく拭き取ります。目の表面を直接こすったり、綿棒で目の中に触れたりしないようにしましょう。
Q. 他のうさぎにうつりますか?
原因が細菌感染の場合はうつる可能性があります。MSD獣医マニュアル「うさぎの細菌・真菌による病気」によると、パスツレラ菌は感染力が強く主に直接の接触で広がるとされています。
多頭飼いの場合は、診断がつくまで接触を控え、お世話の後は手を洗うようにしましょう。
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まとめ
- うさぎの涙目は、涙が透明でも何らかの問題のサインであることがほとんど
- 原因は鼻涙管の詰まり・涙嚢炎、歯のトラブル、結膜炎・角膜の傷、スナッフル、異物など。特に歯が関わることが多い
- 目の飛び出し・目を開けにくい・顔の腫れ・食欲低下があれば早めに受診を
- 受診前に「片目か両目か」「色や状態」「くしゃみ・鼻水」「食欲」をメモしておくと診察がスムーズ
- 自宅では目のまわりをやさしく拭く程度にとどめ、マッサージや自己判断の目薬は避ける
- 牧草中心の食事と定期的な歯のチェックが予防につながる
この記事は公開されている獣医学の資料をもとに作成していますが、個々のうさぎの診断や治療の代わりにはなりません。症状が気になる場合や、お薬の使用を検討する場合は、必ずうさぎを診られる動物病院にご相談ください。
ぽちたま薬局ではうさぎに使用されるお薬も取り扱っています

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。








