パキシル

パロキセチン20mg

パキシルは、有効成分にパロキセチンが配合されている選択的セロトニン再取り込み阻害剤です。

犬や猫の分離不安症や攻撃性治療などに用いられており、過度のグルーミングや尿スプレーなどの問題行動を改善します。

もともとヒト用のお薬であるパキシルは、犬や猫の治療にも用いられています。

有効成分パロキセチンの効果

有効成分パロキセチンは、犬や猫の精神状態を安定させる効果があります。

脳内の三大神経伝達物質のひとつ、セロトニンの再取り込みを防いで濃度を高めるため、犬や猫は感情をうまくコントロールできるようになり、不安な気持ちが和らぎます。
セロトニンは、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの材料でもあるため、睡眠改善にも効果的です。

犬に対するパキシルの使用

一般的に、パキシルは不安感や恐怖心が強いケースで使用されることが多いですが、認知症で強い不安を感じる犬にも有効です。

他にも攻撃性や騒音恐怖症、強迫性障害、不安症など、さまざまな治療に用いられており、夜鳴きの症状に対しては不安を解消して睡眠を促す目的で使用されるケースもあります。

猫に対するパキシルの使用

パキシルを猫に使用する場合、以下のような治療に用いられます。

・攻撃性
・過度の恐怖心
・尿スプレー（マーキング）
・強迫行動（過度のグルーミングや尻尾追い、毛吸いなど）

猫へのパキシルの有効性は、多岐にわたります。
室内で1年3ヶ月尿スプレーを続けていた猫は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬を投与することで症状が改善された事例も確認されています。

犬の場合
1日1回、体重1kgあたり1～1.5mgを基準として、経口投与

猫の場合
1日1回、体重1kgあたり0.5～1.5mgを基準として、経口投与

パキシルの投与期間は、症状やお薬への反応、副作用の発現状況によっても異なります。
投与量はあくまでも目安なので、使用する際は必ず獣医師の指導に従ってください。

パキシルには、以下のような副作用が報告されています。

投与後に副作用が見られた場合は直ちに使用を中止して、速やかに獣医師による診察を受けてください。

・服用量を最小限にするため、経過は慎重に観察して用量の調整を行ってください。
・投薬は突然中止するのではなく、数週間～数ヶ月かけて徐々に減らしてください。
・減量もしくは中止後に耐えられないほどの症状がある場合、直前の用量で投与を再開して、さらに緩やかな減量方法を検討してください。
・てんかんや緑内障、重度の腎障害や肝障害がある場合は使用しないでください。
・めまいや知覚障害などの症状のリスクが高まるため、投与は忘れないように注意してください。
・妊婦中や妊娠の可能性、授乳中や高齢の場合は使用を避けてください。

併用注意

パキシルには、併用に注意が必要な薬があります。
以下の薬を使っている場合は、獣医師に相談してください。

・セロトニン作用を有する薬剤
・フェノチアジン系抗精神病剤
・三環系抗うつ剤
・抗不整脈剤
・β-遮断剤
・アトモキセチン塩酸塩
・タモキシフェンクエン酸塩
・キニジン硫酸塩水和物
・フェニトイン
・フェノバルビタール
・カルバマゼピン
・リファンピシン
・ホスアンプレナビルカルシウム水和物とリトナビルの併用時
・ワルファリンカリウム
・ジゴキシン
・止血や血液凝固を阻害する薬剤
・出血症状の報告がある薬剤

併用禁忌

パキシルは、以下に該当するケースでは使用できません。

・パロキセチンに対して過敏症の既往歴がある
・MAO阻害剤を投薬中、または中止して2週間以内である
・ピモジドを投薬中である

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