アイセミド・チュアブル錠（トラセミド）

トラセミド 1mg、2mg、4mg

アイセミド・チュアブル錠は、有効成分にトラセミドを含む利尿薬です。

犬用に開発されたお薬で、うっ血性心不全や慢性心不全で起こる肺水腫や腹水、むくみなどの軽減に効果があります。

豚レバー風味のチュアブルタイプで嗜好性も高いので、苦いお薬が苦手な愛犬への投薬の負担も軽減できます。

犬のうっ血性心不全について

犬のうっ血性心不全は、全身に血液を送り出す心臓の機能が不十分になった状態です。

主な原因は弁膜疾患や心筋症などの病気で、心臓や肺などの臓器に血液が滞ることで、うっ血を起こします。

うっ血性心不全の治療では、症状の管理や進行を遅らせることが目的です。

余分な体液を排出するための利尿薬や、血流を改善するための血管拡張薬、他にも強心薬や抗不整脈薬が用いられる場合もあります。

犬のうっ血性心不全で現れる症状には、以下などが挙げられます。

・咳
・呼吸困難
・腹水
・むくみ
・食欲不振

犬の慢性心不全（僧帽弁閉鎖不全症）について

犬の慢性心不全は、心機能が低下することで慢性的に血液の循環が悪くなっている状態です。

最も多いとされる原因は僧帽弁閉鎖不全症で、左心房と左心室の間にある僧帽弁が変性することで血液の流れがコントロールできなくなり、逆流を引き起こします。

その結果、血液が溜まることで心臓の肥大や肺水腫を発症するようになり、呼吸困難で命を落とす恐れもあります。

僧帽弁閉鎖不全症の治療に用いられるのは、強心薬や血管拡張薬、降圧剤や利尿薬などです。

慢性心不全の犬には、以下のような症状が認められます。

・心雑音
・咳
・呼吸困難
・肺水腫、腹水、むくみ
・チアノーゼ
・失神
・疲れやすくなる

アイセミド・チュアブル錠の効果

・肺水腫
・腹水
・胸水
・むくみ

犬のうっ血性心不全や慢性心不全などで起こる上記の症状には、アイセミド・チュアブル錠が有効です。

アイセミド・チュアブル錠には利尿作用があるため、体内に溜まった余分な水分を排出することで、心臓にかかる負担やむくみを軽減します。

有効成分トラセミドの作用

有効成分トラセミドは、強力な利尿作用が期待できる成分です。

うっ血性心不全や、慢性心不全(僧帽弁閉鎖不全症)の影響で体内に滞る水分を尿として排出させるために、犬の腎臓に働きかけて肺水腫や腹水、胸水やむくみなどを改善します。

この働きにより心臓にかかる負担が軽減され、呼吸困難などを緩和する効果も期待できます。

有効成分トラセミドは用が長く、低カリウム血症のリスクが低いこと、消化管から吸収しやすいことなども特徴です。

※投与前に、必ずパッケージのリーフレットをご確認ください。

1日1回、体重1kgに対して0.13～0.25mgを基準に投与します。

中等度～重度の肺水腫が生じている場合の一時的な増量は、犬の体重1kgに対して0.4mgまで可能です。
増量後の投薬は、犬の状態に合わせて用量を減らして調整してください。

アイセミド・チュアブル錠には、以下の副作用が報告されています。

■副作用
・食欲不振
・脱水症状

■重い副作用
・肝機能障害

重い副作用の発現頻度はまれではありますが、アイセミド・チュアブル錠の投与後は経過を十分に観察してください。
気になる症状が認められた場合は、速やかに動物病院で診察を受けてください。

アイセミド・チュアブル錠を使用するにあたり、以下の注意事項を必ずご確認ください。

・使用前にパッケージのリーフレットを必ず確認してください。
・飲ませるタイプの動物用医薬品です。
・獣医師の指示や処方に従って使用してください。
・錠剤を分割した場合、残った分はブリスター包装内に戻して保管し、次の投薬で使用してください。
・動物が届かない場所で保管してください。
・子どもの手や目が届かない位置に保管してください。

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