愛犬が「甲状腺機能低下症」と診断された時、何歳まで生きられるのかと心配になる飼い主さんも少なくありません。
結論からお伝えすると、甲状腺機能低下症は治療を正しく続けられれば、健康な犬とほぼ変わらない寿命・生活を送ることが期待できます。
この記事では末期症状や治療しなかった場合どうなるかをはじめ、治療にかかる費用と薬代を抑える方法も分かりやすく解説します。
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寿命は縮む?結論は治療次第

甲状腺機能低下症は適切な治療を続けることができれば、健康な犬と寿命はほぼ変わりません。
甲状腺機能低下症を発症しても、治療により元気が戻り、被毛なども改善していくことで、その後は健康な犬と変わらない生活を送ることが期待できます。
完治はするの?
残念ながら、甲状腺機能低下症は基本的に完治しません。
弱った甲状腺の働きを元に戻すことは難しいため、足りないホルモンを薬で補い続けます。
治療は病気を治すものではなく、不足したホルモンを補って普通の生活を保つことが目的となるため、生涯にわたる投薬が必要になります。
治療しないとどうなる?放置した場合の経過について

甲状腺ホルモンは、全身の代謝を保つためのホルモンです。
甲状腺機能低下症により不足したホルモンを補充しないと、足りない状態が続くことで少しずつ全身へ影響が広がります。
初期の場合
犬が甲状腺機能低下症を発症すると、以下のような症状が見られます。
- 元気がなくなる
- すぐに疲れて、運動したがらない
- 食事の量は増えていないのに太る
- 尻尾や体幹の毛が抜ける
初期に見られる症状は加齢による変化と思われることが多いです。
そのため、発症に気づかず見過ごされることも少なくありません。
進行した際の症状
甲状腺機能低下症が進行すると、皮膚の症状のほか、心臓や神経にも影響が出ることがあります。
- 臓のリズムの変化(心拍数が低くなる)
- 顔や額の皮膚が厚くむくんだようになる(悲しそうな顔つきに見える)
- 頭が傾く、ふらつく、まっすぐ歩けない
- まぶたや口元が動かしにくくなる
(顔面神経麻痺) - 喉頭麻痺、巨大食道症
進行すると全身への影響が懸念されるため、早めに気づいて治療を始めることが重要になります。
他の病気を悪化させるリスクも
甲状腺ホルモンが足りなくなると代謝が落ち、血液中の脂質が増えやすくなります。
甲状腺機能低下症の犬は約8割が高コレステロール血症を併発するとされ、中性脂肪が高くなることもあります。
また、太りやすくなることで、関節や心臓への負担にも繋がってしまいます。
犬の甲状腺機能低下症の末期症状

治療せずに重症化した場合、末期症状として以下の症状が報告されています。
- 体温が大きく下がる(低体温)
- 拍数が低くなる(徐脈)、
呼吸が弱くなる、血圧が下がる - 意識がぼんやりし、反応が鈍くなる
- 顔やあごまわりがむくむ
また、まれにですが粘液水腫性昏睡という末期症状があり、非常に危険な状態に陥る可能性があります。
こんな症状が出たらすぐ動物病院へ
次のうち、ひとつでも当てはまる症状が出た場合は、様子を見ずにすぐ動物病院で診察を受けてください。
- 体が冷たい
- 名前を呼んでも反応が鈍い
- ぐったりして、ほとんど動かない
- 呼吸がゆっくり、浅い
- 顔のまわりがむくんでいる
- ふらついている、まっすぐ歩けない
- 自力で起き上がれない
自己判断での投薬中止が一番危険!
治療を始めて回復すると、「元気になったら治った?」と感じることがあります。
しかし、不足していたホルモンが補われて回復していても、甲状腺の機能そのものが回復したわけではありません。
投薬を止めると、ホルモンが足りない状態に戻ってしまいます。
「回復したから」「薬代も高いし…」といった理由で投薬を止めると、症状が悪化するリスクがあるため、自己判断で止めるのは避けてください。
お薬代の負担が気になる飼い主さんは、お薬代を抑える方法を検討してみてください。
寿命を守るための治療方法

甲状腺機能低下症の治療は、足りない甲状腺ホルモンを飲み薬で補うのが基本となります。
投薬に用いられるのは、「レボチロキシンナトリウム」という有効成分のお薬です。
通常は1日2回投薬を行いますが、犬によっては1日1回のケースもあります。
投薬を開始した後は、定期的に血液検査で血液中のホルモンの量を測り、薬の量が合っているかを確かめます。
投薬量が少ないと症状が改善せず、逆に多すぎると副作用の心配があるためです。
検査は一般的には4〜8週ごとに行い、状態が安定した後は半年〜1年ごとに行われます。
※血液検査の頻度は犬の状態によって変わるため、かかりつけの獣医師の指示に従って受けてください。
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参考(外部リンク)
甲状腺疾患の内科治療と栄養管理
投薬以外にできること
投薬以外にできることとして、愛犬のために以下のケアを行うことが役立ちます。
代謝が落ちて太りやすくなるため、定期的に体重を測り、記録しておくと、通院のときに獣医師へ伝えやすくなります。
血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいため、油分の多いおやつを控えるなど、食事内容を獣医師と相談することをお勧めします。
体温を保てず寒がる犬が多いため、室温や寝床に気を配りましょう。
皮膚の乾燥や抜け毛が起こりやすくなります。ブラッシングのついでに皮膚の状態も確かめると、変化に気づきやすくなります。
治療費はいくら?薬代を抑えて治療を続けるには
甲状腺機能低下症の治療は、生涯にわたって続くため、生涯にかかる費用は数十万円以上かかる場合もあります。
さらに、薬代とは別に診察代や血液検査の費用もかかります。
| 動物病院での薬代の目安 | |
|---|---|
| 1か月 | 5,000〜10,000円 |
| 1年 | 60,000〜120,000円 |
| 7年 | 420,000〜840,000円 |
※犬の大きさや薬の量、病院の価格設定によって変わります。
※甲状腺機能低下症は5歳以上での発症が多いため、犬の平均寿命が14.2歳であることを踏まえ、そこから「7歳で診断され、14歳まで治療を続けた場合」として計算しています。
お薬代を抑える方法

お薬代を抑える方法で有効なのが、同じ有効成分を含む別の薬を選ぶことです。
例えばぽちたま薬局で購入できる「チロノーム」は、動物病院で使われる薬と同じレボチロキシンナトリウムを有効成分として含む甲状腺ホルモン剤です。
| チロノームの価格 | |
|---|---|
| 50mcg | 120錠 1,900円 |
| 100mcg | 120錠 2,000円 |
| 150mcg | 120錠 2,200円 |
| 200mcg | 100錠 2,400円 |
※2026年10月時点での価格。価格は変動することがあります。
| 薬代の目安 | |
|---|---|
| 約2.5kg 50mcg×1日2回 |
1か月:約875円 1年:約10,650円 7年:約74,520円 |
| 約5kg 100mcg×1日2回 |
1か月:約925円 1年:約11,250円 7年:約78,780円 |
| 約10kg 200mcg×1日2回 |
1か月:約1,290円 1年:約15,700円 7年:約109,870円 |
※1日あたり1錠の価格×2錠として計算。
※実際の量は、必ず獣医師の処方に従ってください。
たとえば体重5kgの犬なら、薬代は年間約11,250円。
動物病院でかかる目安(年60,000〜120,000円)と比べると、年間で約5万〜11万円の差になります。
通販で購入する時の注意点
通販(個人輸入)を利用して愛犬のお薬を買う際は、次の点に注意してください。
- 動物病院で処方されている薬と同じ有効成分の薬を選ぶ
- 処方された量と同じ量を飲ませる
- 通販で購入した薬に切り替える場合は、かかりつけの獣医師へ相談する
- 薬を切り替えたあとも、動物病院での定期的な血液検査を受ける
- 投与量を勝手に変えたり、途中でやめたりしない
薬を病院処方のものから通販購入のものに切り替えたあとは、愛犬の体調に変化がないかよく見守っておきましょう。
気になる変化があった際は、獣医師に相談してください。
よくある質問
犬の甲状腺機能低下症について、飼い主さんからよくある質問にお答えします。
元気になったら薬をやめてもいい?
元気になったからといって、薬をやめてはいけません。
体調が回復したのは、投薬により不足したホルモンが補われているためです。
甲状腺の働き自体は回復していないため、投薬は基本的に一生続ける必要があります。
飲み忘れたらどうする?
一般的には、以下のような対応が行われます。
- 次の投与までに時間がある場合は、気づいた時点で飲ませる
- 次に飲ませる時間が近いときは、忘れた分は飛ばして、次の分からいつもどおりに飲ませる
絶対にやってはいけないのが、2回分をまとめて飲ませること。
過剰投与になり、副作用を起こす恐れがあります。
飲み忘れた場合の対処法は、あらかじめかかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。
人間用の薬と同じ成分って本当?
犬の治療で使われる「レボチロキシンナトリウム」は、人の甲状腺の治療薬と同じ有効成分です。
人・犬の治療どちらも、体の中で足りなくなった甲状腺ホルモンを補うために使われます。
ただし、犬と人では必要な量が異なります。
同じ薬だからといって、人間が処方された薬を愛犬に飲ませるのは絶対に避けてください。
犬に投与する量は、必ず獣医師の指示に従ってください。
老犬でも治療した方がいい?
甲状腺機能低下症は中高齢の犬に多い病気です。
老犬でも治療することで回復して元気になる、体調の改善に繋がることが期待できます。
一方で、愛犬の健康状態や、持病によっては治療の判断が異なってきます。
治療については、獣医師とよく相談して決めましょう。
まとめ
犬が甲状腺機能低下症になっても、適切な治療を続けることができれば、健康な犬と変わらない暮らし・寿命が期待できます。
愛犬の寿命を守る一番のポイントは、治療を自己判断でやめずに継続することです。
一生続く治療だからこそ、お薬代の負担を減らす工夫も大切です。
獣医師と相談しながら、同じ成分で続けやすい価格の薬も検討してみてください。
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このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。






