バルトレックス

バラシクロビル500mg
バラシクロビル1000mg

バルトレックスは帯状疱疹や水痘など、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の治療に使用されます。

有効成分であるアシクロビルは、ヘルペスウイルスがDNAを複製する作用を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する働きがあります。

感染初期に使用することで、ウイルスの増殖を早期に抑制し、症状の進行を抑えるとともに再発の予防にも効果的です。

バルトレックスの効果

・帯状疱疹
・水ぼうそう(水痘)
・口唇ヘルペス
・性器ヘルペス

これらの感染症は、ヘルペスウイルスによって引き起こされます。
ヘルペスウイルスは、皮膚や粘膜に感染してさまざまな疾患を引き起こすウイルスです。

バルトレックスの有効成分であるバラシクロビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑制し、症状の緩和および治療を促進する効果が期待できます。

有効成分バラシクロビルの作用

バルトレックスの有効成分であるバラシクロビルは、体内へ吸収されるとヘルペスウイルスのDNA合成を妨げる働きをもつ、アシクロビルに変換されます。

アシクロビルがヘルペスウイルスのDNA合成を阻害することで、ウイルスの増殖が抑制され、症状を緩和・改善します。

さらに、バラシクロビルは定期的に投与することで再発を抑制し、症状の重症化リスクを軽減する効果も期待できます。

帯状疱疹の治療に用いられる

バルトレックスは、帯状疱疹の治療に効果的とされています。

帯状疱疹はヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症で、身体の左右どちらかに痛みやかゆみが生じるという特徴があります。

発疹は小さな水ぶくれに変化し、その数が増えるとともに膿が溜まる傾向にありますが、徐々にかさぶたとなり、最終的に治癒します。

バルトレックスの有効成分バラシクロビルは高い抗ウイルス効果を持つため、投与することで治癒までの期間を短縮し、早期治療が期待されています。

バルトレックスの投与方法は、症状によって異なります。

・帯状疱疹の治療に用いる場合
1回1000mgを1日3回服用
症状が発現して5日以内に服用し、最低7日間は服用を継続してください。

・水痘の治療に用いる場合
1回1000mgを1日3回服用
症状が発現して2日以内に服用します。
成人は5～7日間、小児は5日間服用を継続してください。

・口唇ヘルペス・性器ヘルペスの治療に用いる場合
1回500mgを1日2回服用
最低5日間は服用を継続してください。
初めて性器ヘルペスに感染した場合は、重症化の可能性を含めて10日間まで継続可能です。

・ヘルペスの再発を防ぐ場合
1回500mgを1日1回服用
HIVに感染している場合は、1回500mgを1日2回服用してください

服用し忘れた場合は、気がついた時点で1回分を服用してください。
ただし、2回分を一度に服用することは避け、次の服用のタイミングが近づいている場合は1回分を飛ばして服用してください。

服用中は、普段より水分補給を心がけてください。
脱水症状を起こしやすい方は、特に水分補給を十分に行うことが重要です。

また、服用後はめまいや意識障害が生じる可能性があるため、高い場所での作業や車の運転は控えてください。

バルトレックスの服用により、以下の副作用が発現する可能性があります。
副作用の症状や気になる異常が現れた場合は服用を中止し、医師の診察を受けてください。

・腹痛
・下痢
・腹部の不快感
・吐き気
・頭痛
・めまい
・眠気

なお、症状の発現頻度は不明ですが、まれに発疹やじんましん、意識低下、尿閉などが生じることがあります。

これらの症状は深刻なアレルギー反応である可能性があるため、早めに医師の診察を受けましょう。

重大な副作用

バルトレックスは、まれに以下のような症状が発生する場合があります。
重大な副作用の症状が現れた場合は、ただちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

また、記載している以外の副作用や気になる症状が現れた際には、医師にご相談ください。

・呼吸困難、動悸、まぶたや口唇、舌が腫れる、動悸（アナフィラキシーショック）
・発熱、出血、全身の倦怠感（血液障害）
・尿量の減少、むくみ（急性腎障害など）
・昏睡、幻覚、けいれん（精神神経症状）
・腹部の不快感、食欲不振（肝機能障害）
・結膜の充血、紅斑、口腔などのただれ（中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群）

服用できない方

以下に該当する方は、バルトレックスを服用できないためご注意ください。

・有効成分バラシクロビルにアレルギーがある方
・有効成分アシクロビルに対してアレルギーがある方

また、腎機能の低下が見られやすい高齢者も、精神神経系の副作用が発現する可能性が高いため、服用は控えましょう。

なお、妊娠中や授乳中の女性も、安全性が確認されていないため服用を検討する必要があります。

服用に注意が必要な方

・悪性腫瘍や自己免疫性疾患により免疫機能が低下している方
バルトレックスの服用において予測できない副作用が生じる可能性があるため、注意が必要です。

・脱水症状を起こしやすい方
バルトレックスの有効成分が高濃度かつ持続的に血中に存在することで、副作用が発生しやすくなると考えられています。

・他の医薬品を服用中の方
服用している医薬品とバルトレックスが互いの作用に影響を与える可能性があるため、医師に相談のうえ、服用を検討しましょう。

服用に注意が必要な方

バルトレックスは、以下の医薬品との併用には注意が必要です。
併用により、効果が必要以上に増強され、身体に負担となる場合があります。

また、副作用が発現しやすくなる可能性があり、特にアナフィラキシーの症状が生じるリスクが高まります。

バルトレックスと以下の医薬品を併用する場合は、必ず医師や薬剤師へ相談してください。

・プロベネシド
・テオフィリン
・ミコフェノール酸　モフェチル
・シメチジン

バルトレックスを使用する際は、以下の点に注意してください。

・高温多湿を避けて、湿度の低い涼しい場所で保管してください。
・乳幼児や小児の手の届かないところで保管してください。
・症状に応じて服用方法が異なるため、必ず服用前に確認してください。

Glaxo Smith Kline
Arrow Pharma Pty Ltd

シンガポール