フェレットが急に吐いてしまうと、「このまま様子を見ていいの?」「何か飲み込んだのでは?」と不安になりますよね。
フェレットが吐いたら、まずは吐いた後の様子を確認しましょう。ひどくぐったりしている、24時間食べない・飲まない、いきんでもうんちが出ないといった場合はすぐに動物病院へ。嘔吐が24時間以上続くときも、早めの受診が勧められています。
もうひとつ知っておきたいのが、誤飲や毛玉は「吐かない」ことも多いという点です。吐いていなくても、食欲が落ちる・うんちが減る・歯ぎしりや口を掻くしぐさが続くときは、相談を検討してください。

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目次
フェレットが吐いた時の受診目安
フェレットは具合の悪さを隠しやすく、気づいたときには病気が進んでいて、そこから急に重くなることがあります。
MSD獣医マニュアルの「フェレットの緊急事態」でも、この点に注意するよう書かれています。吐いた回数だけでなく、その後の様子をあわせて見てください。

- 24時間、まったく食べない・飲まない
- ひどくぐったりして動かない
- いきんでいるのに、うんちやおしっこが出ない
- 黒くドロッとしたうんちが出た
- 強い痛みがずっと続いている様子がある
- 歯ぐきや舌が白っぽい・青っぽい
すぐに駆け込むほどではなくても、次のような様子があれば24時間以内の受診が目安とされています。
- 嘔吐や下痢が24時間以上続いている
- よだれが出ている
- ほかに症状はないが、食欲がない
- いつもより寝てばかりで、遊ぼうとしない
嘔吐や下痢が続くと、フェレットはすぐに脱水して弱ってしまうためです。
1回吐いただけでケロッとしている場合も、その日のうちは食欲とうんちの様子をよく見て、気になる変化があれば早めに相談しましょう。
出典:MSD獣医マニュアル「フェレットの緊急事態」
吐かない誤飲・毛玉に要注意
「吐いた=何か飲み込んだ」と考えがちですが、実は誤飲や毛玉では、吐かないことのほうが多いと考えられています。
MSD獣医マニュアルの「フェレットの感染症以外の病気」では、胃の中の異物(ゴム・プラスチック・毛玉など)のサインとして、食欲の低下・歯ぎしり・よだれ・お腹の強い痛み・下痢・黒いうんちを挙げています。
そのうえで、嘔吐は異物よりも胃炎で多い症状だとしています。
エキゾチック動物の獣医師向け資料LafeberVetの「フェレットの消化器の病気」でも、異物を飲み込んだフェレットはほとんど吐かないと書かれています。
いちばん多いサインは食欲の低下で、それも「食べたり食べなかったり」を繰り返しやすいそうです。

| 気づきたいサイン | 見え方の例 |
|---|---|
| 食欲のムラ | 食べる日と食べない日がある。好きなおやつにも反応が鈍い |
| ゆっくり痩せる | 数日〜数週間かけて体重や肉付きが落ちていく |
| お腹の痛み | 背中を丸めている、遊びたがらない、歯ぎしりをする |
| うんちの変化 | 量が減る・出なくなる。黒っぽいうんちが出る |
腸が詰まってしまうと、フェレットは食べるのもうんちもやめてしまい、吐き始めるのは病気が進んでからのこともあります。「吐いていないから大丈夫」とは考えず、上のようなサインが続くなら動物病院に相談しましょう。
出典:MSD獣医マニュアル「フェレットの感染症以外の病気」、「フェレットの緊急事態」、LafeberVet「フェレットの消化器の病気」
フェレットが飲み込みやすいもの
LafeberVetの資料では、フェレットはゴム(靴の底など)やスポンジ状のもの(靴の中敷き、家具の詰め物など)をかじるのが大好きだと紹介されています。
石けんをなめたり、香水やシャンプーのボトルをかじったりすることもあるそうです。
誤飲は2歳未満の若いフェレットに多いとされますが、年をとってからも、お腹の不調や痛みがあると毛や布などを口にしてしまうことがあります。
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」
吐きそうで吐かない時のサイン
「えずくのに何も出ない」「口をしきりに気にしている」というときは、吐き気を感じているのかもしれません。
LafeberVetの資料では、前足で口を掻くしぐさはフェレットの吐き気の大切なサインとされています。よだれや歯ぎしりもあわせて見られることがあります。
ただし、よだれ・歯ぎしりは、胃の病気だけでなくインスリノーマ(すい臓の腫瘍で低血糖になる病気)でも見られるサインです。家で見分けるのは難しいので、年齢や他の症状もあわせて獣医師に伝えましょう。
| 病気 | よく見られるサイン | 手がかり |
|---|---|---|
| 胃の異物・毛玉 | 食欲の低下、よだれ、歯ぎしり、お腹の痛み | 若い子に多い。吐くことは少なめ |
| 胃炎・胃潰瘍 | 食欲の低下、嘔吐、よだれ、歯ぎしり、黒いうんち | 年齢を問わない。ストレスがきっかけにも |
| インスリノーマ | よだれ、歯ぎしり、元気がない、後ろ足に力が入らない | 3歳を超えた子に多い |
インスリノーマでぐったりしたり倒れたりするのは低血糖のサインで、すぐに受診が必要とされています。症状や応急処置は、こちらの記事でくわしく解説しています。
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」、MSD獣医マニュアル「フェレットの感染症以外の病気」、「フェレットのホルモンの病気」、「フェレットの感染症(獣医師向け)」
フェレットが吐く主な原因
ここからは、フェレットが吐く原因として獣医学の資料で挙げられているものを紹介します。
嘔吐の研究モデル
フェレットは胃のつくりがシンプルで、薬品などへの耐性が低く、吐き気を起こす神経の反射も強いことから、嘔吐の研究モデル動物として使われてきました。吐く仕組みそのものは備わっている動物なので、吐いたときは、その裏に病気が隠れていないかを見てあげることが大切です。
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」
ヘリコバクター菌による胃炎・胃潰瘍
ヘリコバクター・ムステラエという細菌は、離乳後のフェレットの胃にすみついていることがあり、ふだんは症状が出ないことも多い菌です。
ところが、ストレスや別の病気をきっかけに増えると、胃炎や胃潰瘍を起こすことがあります。
MSD獣医マニュアルの「フェレットの感染症(獣医師向け)」では、食欲の低下・嘔吐・歯ぎしり・下痢・黒いうんち・よだれなどが症状として挙げられています。
同じ資料では、治療の際にストレスを減らすことや、毛玉ができていないかも考えることが大切だとしています。
黒くドロッとした(タール状の)うんちは、MSD獣医マニュアルではすぐに受診すべき症状とされています。
誤飲・毛玉
好奇心が強いフェレットは、ゴムやプラスチック、毛玉などが胃や腸に詰まることがあります。前述のとおり、吐くよりも食欲の低下やお腹の痛みとして現れやすいのが特徴です。多くの場合、手術や内視鏡で取り出す必要があるとされています。
コロナウイルスによる腸炎
フェレットの腸に感染するコロナウイルスは、食欲の低下・嘔吐・緑色や粘液状の下痢・脱水などを起こします。
症状のないフェレットから広がることが多く、新しい子を迎えた2〜14日後に症状が出始めることがあります。近年は発症することが少なくなっているとされますが、高齢の子ほど重くなりやすいので注意しましょう。
出典:MSD獣医マニュアル「フェレットの感染症(獣医師向け)」
ジステンパー
犬ジステンパーウイルスは、ワクチン接種を終えていない子どものフェレットで主に見られる病気です。初期に嘔吐や下痢が出ることがあり、目やに・鼻水・咳、あごから始まる発疹なども見られます。死亡率はほぼ100%とされ、ワクチン接種が強く勧められています。
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」、MSD獣医マニュアル「フェレットの感染症(獣医師向け)」
年齢や状況から考える原因の目安
原因をしぼる手がかりとして、年齢や最近の出来事も役に立ちます。あくまで目安なので、自己判断はせず受診時の参考にしてください。
| 年齢・状況 | 資料で多いとされる原因 |
|---|---|
| 2歳未満 | 誤飲(ゴム・スポンジ・布など) |
| ワクチン未接種の子ども | ジステンパー |
| 新しい子を迎えた後 | コロナウイルスによる腸炎 |
| 3歳を超えている | インスリノーマ、腸の慢性的な炎症やリンパ腫(下痢を繰り返すことが多い) |
| 年齢を問わない | ヘリコバクター菌による胃炎・胃潰瘍 |
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」、MSD獣医マニュアル「フェレットのホルモンの病気」、「フェレットの感染症(獣医師向け)」
3歳を超えて下痢や食欲の変化を繰り返す場合は、リンパ腫の可能性も含めて相談を検討しましょう。
吐いたものの色で原因はわかる?
「茶色いものを吐いた」「白い泡や透明な液体を吐いた」など、吐いたものの色が気になる方も多いと思います。
ただ、今回確認した獣医学の資料では、フェレットの吐いたものの色から原因を見分ける基準は見つかりませんでした。
色だけで「大丈夫」「危ない」と決めるのではなく、吐いた後の様子(食欲・元気・うんち)を優先して判断しましょう。吐いたものは、受診の際に獣医師が原因を考える大事な手がかりになります。
- 吐いたものをスマホで撮影しておく(色・量・中身がわかるように)
- 毛の塊やゴム片など、食べ物以外のものが混ざっていないか見る
- 吐いた時間・回数、食べてから吐くまでの時間をメモしておく
受診前に家でできること
動物病院に連絡する前後に、次のことを確認しておくと診察がスムーズです。
- かじった跡のある物や、なくなった物がないか部屋を確認する
- 最後にうんちをした時間と、量・色を確認する
- 最後に食べた・飲んだ時間を確認する
- 年齢、ワクチン歴、最近の新しい子のお迎えや環境の変化をメモする
何かを飲み込んだかもしれないと思っても、家で無理に吐かせようとせず、まずは動物病院に電話で相談しましょう。人用の胃薬なども、自己判断で与えるのは避けてください。
LafeberVetの資料でも、診察では与えているおもちゃや、口にできる物が身近にあったかどうかを確認するとされています。
出典:LafeberVet「フェレットの消化器の病気」
フェレットの嘔吐を防ぐには
すべての嘔吐を防げるわけではありませんが、資料で紹介されている対策をまとめました。
誤飲しやすい物を片付ける
部屋で遊ばせる前に、ゴム製品・靴や中敷き・スポンジ・クッションの詰め物・石けんなど、かじりやすい物が手の届く場所にないか確認しましょう。特に2歳未満の若い子は要注意です。
ストレスをためない
ヘリコバクター菌による胃炎は、ストレスや別の病気がきっかけになりやすいとされています。急な環境の変化を避け、落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。
新しい子を迎えるときは隔離する
コロナウイルスによる腸炎を防ぐために、MSD獣医マニュアルでは新しく迎えたフェレットの隔離、新しい寝床やおもちゃの洗浄、世話の後の手洗いや着替えが勧められています。
ジステンパーのワクチンを相談する
ジステンパーは死亡率が非常に高いため、ワクチン接種が強く勧められています。接種の時期や回数は、フェレットを診られる動物病院で相談してください。
出典:MSD獣医マニュアル「フェレットの感染症(獣医師向け)」、LafeberVet「フェレットの消化器の病気」
よくある質問
Q. 1回吐いたけど元気です。様子見でいい?
吐いた後に食欲があり、うんちもいつもどおり出ているなら、まずは様子をよく観察しましょう。
ただし、フェレットは不調を隠しやすい動物です。嘔吐が24時間以上続く、食欲やうんちの量が落ちてきたといった変化があれば、早めに受診を検討してください。
Q. 食べ過ぎで吐くことはある?
今回確認した獣医学の資料では、フェレットの「食べ過ぎによる嘔吐」についての記載は見つかりませんでした。
食べ過ぎだと思っても、吐くことを繰り返す場合や、食欲・元気が落ちている場合は、胃炎や誤飲などの可能性もあるため相談を検討しましょう。
Q. 吐いていないのに食欲がないのは大丈夫?
誤飲や毛玉では、吐かずに食欲が落ちるだけのことも多いとされています。
食べない日と食べる日を繰り返す、うんちが減る、歯ぎしりをするといったサインがあれば、吐いていなくても動物病院に相談しましょう。24時間まったく食べない・飲まない場合はすぐに受診が必要です。
あわせて読みたい
フェレットの嘔吐やよだれと関わりのある病気について、こちらの記事でも解説しています。
まとめ
- フェレットが吐いたら、吐いた後の食欲・元気・うんちを確認する
- ぐったり・24時間食べない飲まない・うんちが出ない・黒いうんちはすぐ受診
- 嘔吐が24時間以上続くときも、早めの受診が目安
- 誤飲や毛玉は吐かないことも多い。食欲のムラや歯ぎしりに注意
- 口を掻く・よだれは吐き気のサイン。インスリノーマでも見られる
- 吐いたものは写真を撮り、無理に吐かせず動物病院に相談する
この記事は獣医学の資料をもとにした一般的な情報で、診断や治療の代わりになるものではありません。フェレットの体調に不安があるときは、フェレットを診られる動物病院に相談してください。
ぽちたま薬局ではフェレットに使用されるお薬も取り扱っています

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。






