ケージの敷き紙を見たら、いつもより水っぽいフンが……。
「これって下痢?病院に行くべき?」と心配になりますよね。
- 鳥のフンは「便」「尿酸(白い部分)」「尿(透明な水分)」の3つでできている
- 水っぽくても便の形が残っていれば、下痢ではなく尿が増えた「多尿」の可能性がある
- 本当の下痢は、便そのものがドロドロで形がない状態。命に関わる病気が隠れていることもある
- 異常なフンが24時間以上続く、膨らんでじっとしているなどの様子があれば、早めに動物病院への相談を検討

ぽちたま薬局ではインコや文鳥などの鳥に使用されるお薬も取り扱っています
急いで病院へ行きたいサイン
鳥は、弱っている様子を外に見せないようにする動物です。
獣医師向けの解説では、症状に気づいたときには、すでに数日〜数週間たっていることが多いとされています。
フンの変化に加えて、次のような様子がないか確認してください。
| 見るところ | 気になる様子 |
|---|---|
| 姿勢・元気 | 羽を膨らませている、目を閉じて寝てばかりいる、止まり木の低い位置やケージの床でじっとしている |
| 食欲・飲水 | ごはんを食べない、水を飲む量が急に変わった |
| フン | 赤い・黒っぽい、黄緑色、フンの回数が明らかに減った |
| おしり | おしりまわりの羽がフンで汚れている |
| そのほか | 吐く、ふらつく、尾を上下に振るように呼吸している、おしゃべりやさえずりが減った |

- 羽を膨らませてじっとしている・ごはんを食べない
- フンが赤い・黒っぽい
- 異常なフンが24時間以上続いている
- ヒナや若い鳥で、急に食欲が落ちて下痢をしている
鳥の病気は、急に重くなることがあります。様子見を続けず、鳥を診られる動物病院への相談を検討してください。
出典:VCA動物病院「ペットの鳥の病気のサインに気づくには」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の病気」、VCA動物病院「鳥の異常なフン」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「全身に影響する鳥の病気」
下痢と多尿の見分け方
「下痢かも」と思ったら、まずはフンをよく見てみましょう。
鳥のフンは、「便」と、おしっこにあたる「尿酸」「尿」が一緒に出てきたものです。
- 便:緑色や茶色の、くるっと丸まった固形の部分。食べ物によって色が変わる
- 尿酸:白い部分。鳥は水分を節約するため、尿の一部を固形にして出している
- 尿:まわりに少しにじむ透明な水分
水っぽく見えても、便の部分の形がしっかり残っているなら、それは下痢ではなく「多尿」と呼ばれる状態です。
本当の下痢は、便そのものがドロドロ、または半分液体のように崩れている状態を指します。
| 状態 | 便の部分 | 水分の量 |
|---|---|---|
| 正常 | 形がある | 少しにじむ程度 |
| 多尿 | 形がある | 透明な水が多い |
| 下痢 | ドロドロで形がない | 便と混ざって崩れている |
多尿でも油断禁物
果物や水分の多い野菜をたくさん食べたあとは、尿が増えて水っぽいフンになることがあります。緊張したときにもフンは変化します。
一方で、果物をほとんど食べていないのに多尿が続く場合は、腎臓の病気が隠れていることもあります。
亜鉛による中毒では、最初のサインが多尿だったという報告もあります。
また、発情中や産卵前後のメス、朝いちばんのフンは、ためていた分がまとめて出るため大きくなることがあります。
フンの色や形でわかること
フンの色や形は、原因を考えるヒントになります。ただし、見た目だけで病気を決めることはできません。
気になる変化があれば、スマホで写真を撮っておくと、受診のときに役立ちます。
| フンの様子 | 考えられること |
|---|---|
| 種やペレットが粒のまま混ざる | メガバクテリア(鳥の胃の真菌)や、胃腸の神経の病気など |
| 黄緑色・黄色っぽい(白い尿酸まで色づく) | オウム病(クラミジア)など肝臓に関わる病気 |
| 赤い・黒っぽい | 血が混ざっている可能性。鉛中毒や、腸・総排泄腔の病気など |
| 大きくてふわっとした、ポップコーンのようなフン | ジアルジア(寄生虫)。オカメインコに多いとされる |
| 泡っぽい | 異常なフンのひとつとされる。ほかの症状とあわせて受診を検討 |
| 赤・オレンジ・紫など | 色付きペレットやベリー類など、食べた物の色のことも |
食べ物の色が原因なら、しばらくすると元に戻ります。
思い当たる食べ物がない色の変化は、動物病院で相談してみてください。
出典:MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の消化器の病気」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「全身に影響する鳥の病気」、VCA動物病院「鳥の異常なフン」
インコ・文鳥の下痢の主な原因
鳥の下痢の原因はさまざまです。
獣医学の資料で、下痢やフンの異常を起こすものとして挙げられている主なものを整理しました。
| 原因 | 特徴 | かかりやすい鳥 |
|---|---|---|
| メガバクテリア(鳥の胃の真菌) | 体重が減る、吐く、元気がない。フンに未消化の粒 | セキセイインコ、ボタンインコ、オカメインコ、文鳥などのフィンチ類 |
| ジアルジア(寄生虫) | 下痢、やせる。かゆがって羽をむしることも | 特にオカメインコ |
| ポリオーマウイルス | 急に食欲が落ち、下痢をして弱る | ヒナや若い鳥。セキセイインコで最初に見つかった |
| オウム病(クラミジア) | 膨らむ、目や鼻の分泌物、黄緑色のフン | 症状なく菌を持つこともある |
| そのほか | 細菌の感染、抗酸菌症(鳥の結核)、ヘルペスウイルスの感染など | 種類を問わない |
このように、原因によって治療の方向がまったく違います。
動物病院では、フンの検査(顕微鏡での観察や培養)、血液検査、レントゲンなどを組み合わせて原因を調べます。
ヒナや若い鳥は特に注意
ポリオーマウイルスは、ヒナや若い鳥ほどかかりやすいとされています。
急に食欲が落ちて下痢をし、24〜48時間ほどで亡くなることが多いと報告されています。
お迎えしたばかりの若い鳥がぐったりしている場合は、すぐに動物病院へ相談してください。
出典:MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の消化器の病気」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「全身に影響する鳥の病気」、VCA動物病院「鳥の異常なフン」
メガバクテリアについては、症状や予防をこちらの記事でくわしく解説しています。
病院へ行くまでに家でできること
家でのケアは、病気を治すものではありません。あくまで、受診までの体力を守るためのものです。
獣医学の資料では、具合の悪い鳥のケアとして次のポイントが挙げられています。
- 少し暖かくする:体温を保つためのエネルギーを節約できる。ただし、口を開けてハァハァしている、翼を体から離して広げているなら暑すぎのサイン
- 静かに休ませる:放鳥は控え、ケージで落ち着いて過ごさせる
- 水を切らさない:具合の悪い鳥は飲む量が減り、脱水しやすい
- 食べ慣れたものを用意する:消化しやすい食事は獣医師に相談して決める
受診のときに持っていきたいもの
動物病院では、フンを顕微鏡で調べることがあります。
新しいフンが付いた敷き紙を持参できるか、事前に病院に確認しておくとスムーズです。
いつから・どんなフンか、最近食べた物もメモし、写真も撮っておきましょう。
自己判断でやらないほうがいいこと
- 水を減らす:「水っぽいから」と水を控えると、脱水を進めてしまうおそれがある
- 人用の整腸剤や薬を与える:下痢か多尿か、原因が何かで対処はまったく違う。薬は獣医師の診断を受けてから
出典:MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の病気の基礎知識」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の消化器の病気」
お世話する人の感染対策も
鳥の下痢の原因の中には、人にうつるものもあります。代表的なのがオウム病です。
オウム病は、インコやオウム、ハトなどのフンに含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えたりすることで人に感染します。
セキセイインコやオカメインコは、症状を出さずに菌を持っていることもあるとされています。
お世話のコツ
具合の悪い鳥のお世話や掃除のときは、手袋を使い、終わったら手洗い・うがいをしましょう。
フンや羽はこまめに掃除し、口移しでエサを与えるのは控えてください。
多頭飼いの場合は、具合の悪い鳥をほかの鳥から離しておくと安心です。
鳥を飼っていて、なかなか治らない咳や息苦しさ、急な高熱が出たときは、病院で鳥を飼っていることを伝えましょう。妊娠中の方は特に注意が必要です。
出典:厚生労働省「オウム病」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「全身に影響する鳥の病気」
インコ・文鳥の下痢のQ&A
Q.野菜や果物を食べると下痢になりますか?
果物や水分の多い野菜をたくさん食べると、尿が増えて水っぽいフンになることがあります。これは下痢ではなく多尿です。
便の形が残っていて、元気や食欲もいつもどおりなら、食べ物の影響の可能性があります。
Q.元気で食欲もあれば、様子見でいいですか?
鳥は具合の悪さを隠すため、元気そうに見えても安心はできません。
異常なフンが24時間以上続く場合は、元気があっても動物病院への相談を検討してください。
Q.朝のフンだけ大きくて水っぽいのは?
夜のあいだフンをためていて、朝にまとめて出すことがあります。そのため、朝いちばんのフンは大きくなりがちです。
朝だけでなく一日中続く場合は、ほかの原因も考えましょう。
Q.文鳥とインコで気をつけることは違いますか?
メガバクテリアは、セキセイインコやオカメインコなどの小型のインコだけでなく、文鳥を含むフィンチ類でも見られます。
ジアルジアは特にオカメインコに多いとされます。どの鳥でも、フンの変化と様子の変化をあわせて見ることが大切です。
出典:VCA動物病院「鳥の異常なフン」、VCA動物病院「ペットの鳥の病気のサインに気づくには」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「ペットの鳥の消化器の病気」
あわせて読みたい
メスの鳥でフンが大きくなった、おなかが張っているなど、産卵まわりのトラブルが気になる方はこちらもご覧ください。
まとめ
- 鳥のフンは「便・尿酸・尿」の3つでできている
- 便の形が残っていれば、下痢ではなく多尿の可能性がある
- 粒のまま、黄緑色、赤・黒っぽいなどのフンは病気のサインのことも
- 家でのケアは、保温・安静・水を切らさないこと。薬の自己判断は避ける
- 異常が24時間以上続く、膨らんでじっとしているなら、早めに動物病院への相談を検討
この記事は一般的な情報をまとめたものです。インコや文鳥の体調に不安がある場合は、鳥を診られる動物病院にご相談ください。
ぽちたま薬局ではインコや文鳥などの鳥に使用されるお薬も取り扱っています

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。







