愛猫が猫カビと診断されたあと、自分の腕や首に赤い輪っかのような発疹ができて、「もしかして猫カビがうつった?」と不安になっていませんか。
猫カビ(皮膚糸状菌症)は、猫から人間にもうつる病気です。
人にうつった場合も、皮膚科で適切な治療を受ければ治すことができます。
ただし、人の治療だけを済ませても、感染源である猫や家の環境をそのままにしておくと、何度も再発してしまうことがあります。
この記事では、猫カビが人にうつる仕組みと症状、人に移ったときの治し方や市販薬の考え方、治るまでの期間、そして再発を防ぐために猫と一緒に治療を進めるポイントを解説します。
- 猫カビは人間にもうつり、腕・首・顔などに赤いリング状の発疹が出ることがある
- うつったかもと思ったら、市販薬を使う前にまず皮膚科を受診する
- 再発を防ぐには、人の治療・猫の治療・家の環境ケアを同時に進める
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猫カビは人間にうつる?
結論からいうと、猫カビは人間にもうつります。
猫カビ(皮膚糸状菌症)は、動物から人へ、人から動物へとうつる「人獣共通感染症(動物由来感染症)」のひとつです。
どうやってうつる?

猫カビの原因となる皮膚糸状菌は、感染した猫の皮膚や被毛、抜け毛、フケに付着しています。
人にうつる主な経路は次のとおりです。
- 感染している猫を抱っこする、なでる、頬ずりする
- 猫と一緒の布団やベッドで寝る
- 猫の抜け毛やフケが付いたソファやカーペット、ブラシなどに触れる
猫に症状が出ていなくても、真菌を持っている(保菌している)ことがあります。
とくに長毛種の猫は、目立った症状がないまま真菌を持っていることがあるため注意が必要です。
うつりやすいのはどんな人?
菌に触れた人が必ず発症するわけではありません。
次のような人は、うつりやすいとされています。
- 猫と過ごす時間が長く、触れ合う機会が多い人
- 皮膚に小さな傷や湿疹がある人(アトピー性皮膚炎の方など)
- 子どもや高齢者、病気や治療の影響で免疫力が下がっている人
人から人にうつる?
猫カビの原因となる菌(主にミクロスポルム・カニス)は、もともと動物を好む菌のため、人から人へうつることはまれとされています。
ただし、家族のあいだでタオルや寝具を共用している場合など、うつる可能性がゼロではありません。
家族に症状が出た人がいる場合は、タオルを分けるなどの対策をしておくと安心です。
人にうつった猫カビの症状
出やすい部位と見た目

猫カビが人にうつると、猫と触れ合うことが多い腕、首、顔、胸元などに症状が出やすくなります。
代表的なのは、次のような発疹です。
- 赤い輪っか(リング)のような形の発疹
- 輪の縁が少し盛り上がり、細かい皮むけや小さな水ぶくれがある
- 輪の中心は治ってきたように見え、外側に向かって広がっていく
- かゆみがある
猫カビがうつった場合、このような発疹が数か所に同時に出ることも少なくありません。
顔にできた場合は、ニキビや湿疹と見分けにくいこともあります。
潜伏期間と初期症状
猫カビがうつってから症状が出るまでの潜伏期間は、おおよそ1〜2週間程度といわれています。
初期は、小さな赤いポツポツや、かゆみのある赤い斑点として始まることが多く、虫刺されや湿疹と勘違いされがちです。
数日〜数週間かけて少しずつ広がり、リング状の形がはっきりしてきます。
猫が猫カビと診断されている、または猫に脱毛やフケがある状態で、自分の肌にこのような変化が出てきたら、猫カビがうつった可能性を考えましょう。
子ども・高齢者・免疫が下がっている人は注意
子どもは、猫との距離が近く、皮膚のバリア機能も未熟なため、うつりやすい傾向があります。
また、子どもの場合は頭皮にうつることがあり、フケや脱毛、強い炎症を起こすこともあります。
頭皮にうつった場合は治療期間も長くなりやすいため、早めに皮膚科を受診しましょう。
高齢者や、病気・治療の影響で免疫力が下がっている人は、症状が広がりやすかったり、治りにくかったりすることがあります。
持病がある方は、皮膚科を受診する際に持病や服用中の薬を伝えるようにしましょう。
猫カビが人にうつったら?治療と治るまでの期間
まずは皮膚科を受診する
猫カビがうつったかもしれないと思ったら、まずは皮膚科を受診しましょう。
皮膚科では、発疹の表面を少し採取して顕微鏡で調べる検査などで、真菌が原因かどうかを確認します。
- 猫を飼っていること
- 猫が猫カビと診断されている、または脱毛やフケなどの症状があること
- 発疹が出始めた時期と、市販薬などを塗ったかどうか
治療の内容
人の猫カビ(体部白癬など)の治療は、抗真菌薬の塗り薬が中心です。
発疹の範囲が広い場合や、頭皮・爪にうつった場合、塗り薬だけで治りにくい場合は、飲み薬が使われることもあります。
見た目がきれいになっても皮膚に真菌が残っていることがあるため、医師から指示された期間は、症状が消えたあとも塗り続けることが大切です。
市販薬は使っていい?
ドラッグストアには、「たむし」などに使える抗真菌薬の塗り薬も売られています。
ただし、自己判断で市販薬を使う前に、次の点に注意してください。
- 湿疹やかぶれと見分けにくい:真菌が原因でない発疹に抗真菌薬を塗っても治りません
- ステロイド入りの塗り薬で悪化することがある:かゆみ止めのつもりでステロイド外用薬を塗ると、真菌が増えて症状が広がったり、見分けにくくなったりすることがあります
- 顔や頭皮、子どもへの使用は特に注意:市販薬の中には、顔や頭部への使用を避けるよう記載されているものもあります。頭皮にうつった場合は、飲み薬での治療が必要になることもあります
一度皮膚科で猫カビと確認してもらってから治療を始める方が、結果的に早く確実に治せます。
市販薬を使いたい場合も、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。
治るまでの期間は?自然に治る?
治るまでの期間は、症状の範囲や部位によって異なります。
体にできた発疹であれば、塗り薬での治療を始めてから数週間程度で良くなることが多いですが、頭皮にうつった場合や範囲が広い場合は、数か月かかることもあります。
人にうつった猫カビは、自然に治ることもあります。
ただし、そのあいだに発疹が広がったり、家族にうつったりする可能性があります。
また、猫が感染源のままだと、自然に治ってもまたうつってしまいます。
「そのうち治るだろう」と放置せず、早めに受診しましょう。
人だけ治しても再発する理由
人の猫カビは、皮膚科で治療すれば治すことができます。
ただし、人の治療だけを済ませても、また同じ症状をくり返してしまうことがあります。
原因は、感染源が家の中に残っているからです。
猫が感染源のままになっている
人の発疹が治っても、猫の猫カビが治っていなければ、抱っこやなでるたびに再びうつってしまいます。
猫に症状が見られない場合でも、真菌を持っていることがあるため、人にうつった時点で猫も一度動物病院で検査を受けることが大切です。
家の中に真菌の胞子が残っている
猫カビの胞子は、抜け毛やフケと一緒に家の中に散らばり、長いあいだ感染力を保つといわれています。
ソファやカーペット、寝具、ブラシなどに胞子が残っていると、そこから人にも猫にもうつってしまいます。
猫と人、家の環境のあいだで真菌がぐるぐる回ってしまう再発のサイクルについては、こちらの記事でも解説しています。
猫の治療も同時に進めよう

再発を防ぐためには、人の治療・猫の治療・家の環境ケアの3つを同時に進めることが大切です。
どれか1つでも欠けると、真菌が残ったところから再びうつってしまいます。
猫は動物病院で検査・治療を
人に猫カビがうつったら、猫に目立った症状がなくても、一度動物病院で検査を受けましょう。
猫カビと診断された場合は、飲み薬や塗り薬、薬用シャンプーなどを組み合わせて治療します。
猫の治療は数週間〜数か月かかることもあり、見た目が治っても真菌が残っていることがあります。
治療をやめるタイミングは、獣医師が検査で確認してから判断します。
猫カビの治療に使われる薬については、こちらのページで紹介しています。
治療中の猫との接し方
治療中も、猫とのふれあいを完全にやめる必要はありません。
次のポイントを意識して、うつるリスクを減らしましょう。
- 一緒に寝るのは控える:布団やベッドは長時間肌が触れるため、治療が終わるまでは寝る場所を分けましょう
- 触ったあとは手を洗う:抱っこやブラッシングのあとは、石けんで手を洗いましょう
- ブラッシングは場所を決めて行う:抜け毛が散らばらないよう、掃除しやすい場所で行いましょう
- 寝具やタオルはこまめに洗う:猫が使うベッドや毛布、人の寝具も、こまめに洗濯しましょう
- 掃除機がけをこまめに:床やソファ、カーペットに落ちた抜け毛やフケを取り除きましょう
小さな子どもがいる家庭では
治療が終わるまで、子どもが猫に顔を近づけたり、抱いて寝たりしないよう気をつけてあげましょう。
まとめ
猫カビ(皮膚糸状菌症)は、猫から人間にもうつる病気です。
人にうつると、腕や首、顔などに、かゆみのある赤いリング状の発疹が出ることがあります。
子どもは頭皮にうつることもあるため、とくに注意が必要です。
猫カビがうつったかもしれないと思ったら、自己判断で市販薬やステロイド入りの塗り薬を使わず、まずは皮膚科を受診しましょう。
受診の際は、猫を飼っていることを伝えるのがポイントです。
そして、人の治療だけでなく、猫の治療と家の環境ケアも同時に進めることが、再発を防ぐいちばんの近道です。
人に症状が出たら、猫も一度動物病院で検査を受けましょう。
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参考
皮膚真菌症診療ガイドライン(日本皮膚科学会)(外部リンク)
動物由来感染症ハンドブック(厚生労働省)(外部リンク)
犬・猫の皮膚糸状菌症に対する治療指針(J-STAGE)(外部リンク)

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。







