「もう1匹迎えたいけど、うちの子と仲良くできるかな」「何匹までなら大丈夫?」と迷いますよね。
猫の多頭飼いは楽しみが増える一方で、迎える前に考えておきたいことも増えます。
- 猫を何匹まで飼えるかに全国一律の上限はなし。目安は1匹ずつにトイレ・食事・休む場所を用意できる数
- 犬猫あわせて10頭以上になると、届出が必要な自治体がある
- 相性は「成猫×子猫」「メス同士」がうまくいきやすく、「オスの成猫同士」「高齢猫×子猫」はトラブルが起きやすいといわれる
- 迎える前に健康診断と感染症の検査をして、ケージで別々に過ごす期間をつくってから少しずつ会わせる

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猫の多頭飼いとは?
多頭飼いは、2匹以上のペットを一緒に飼うことを指す言葉です。猫なら、2匹目を迎えた時点で多頭飼いになります。
猫は「単独で行動する動物」というイメージが強いかもしれません。
全米猫獣医師協会と国際猫医学会のガイドラインでは、猫は1匹でも、グループでも暮らせる動物とされています。
条件は、食べ物や休む場所などが十分にあることです。
また、ほかの猫と過ごすのが好きな猫の相手は、血縁のある猫や、子猫のころから一緒にいる猫であることが多いとされています。
出典:全米猫獣医師協会・国際猫医学会「猫の環境ニーズに関するガイドライン」
猫の多頭飼いは何匹まで?
上限はないが届出が必要な地域も
猫を何匹まで飼ってよいかについて、全国で決まった上限はありません。
ただし、犬や猫をたくさん飼う家庭に届出を求めている自治体があります。
たとえば神奈川県や千葉県では、犬と猫をあわせて10頭以上飼う場合に届出が必要です。
千葉県では、生後91日未満の子は数に入れず、10頭以上になった日から30日以内に届け出ます(千葉市・船橋市・柏市を除く)。
対象になる頭数や地域は自治体ごとに違います。10頭に近づきそうなときは、お住まいの自治体の動物愛護担当に確認しておくと安心です。
出典:神奈川県「多頭飼育届出制度」/千葉県「犬・猫の多頭飼養の届出について」
目安は「1匹ずつの場所」があるか
実際の目安になるのは、家の広さそのものよりも「1匹ずつに必要なものを、別々の場所に用意できるか」です。
先ほどのガイドラインでは、トイレ・食事・休む場所などを複数、それも離れた場所に置くようすすめています。
ほかの猫と顔を合わせずに使えると、取り合いやいじめ、ストレスを減らせるためです。
| 用意するもの | 目安 |
|---|---|
| トイレ | 頭数+1個といわれる |
| 食器・食べる場所 | 1匹に1つずつ。場所も分ける |
| 隠れ場所・休む場所 | 頭数以上。離れた場所に置く |
| 高い場所(棚やキャットタワー) | 上から周りを見渡せる場所 |
出典:全米猫獣医師協会・国際猫医学会「猫の環境ニーズに関するガイドライン」/トイレの数は新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
3匹以上ならグループにも注目
3匹以上になると、家の中で仲良しグループが2つに分かれることもあります。
ガイドラインでは、そうした場合はグループごとにトイレや食事場所を分け、ほかのグループと共有しなくてすむようにすることをすすめています。
世話と通院を続けられるか
もう1つの目安は、全員の毎日の世話と、具合が悪くなったときの通院を続けられるかどうかです。
2匹が同時に体調をくずすこともあります。そうなっても対応できる数かどうか、一度考えておきましょう。
多頭飼いのメリット・デメリット
新潟県動物愛護センターは、猫を複数飼うことのメリットとデメリットを次のように挙げています。
猫を多頭飼いするメリット
- いろいろな個性の猫に囲まれて暮らせる
- 猫同士で遊べるので、運動不足や退屈の解消になる
- 子猫はほかの猫と過ごすことで、猫や人に対して社交的になる
猫を多頭飼いするデメリット
- フード代やワクチン代、不妊去勢手術の費用などが頭数分かかる
- 相性が悪いとケンカやストレスから、体調不良や困った行動が出ることがある
- どちらかが猫エイズなどの感染症を持っていると、うつる危険がある
- 猫同士が仲良くなり、飼い主と少し距離ができることもある
1匹が好きな猫も
同センターは、猫はもともと単独で暮らす動物なので、1匹のほうが合う猫もいるとしています。
「1匹でかわいそう」と感じているのは、飼い主だけのこともあります。先住猫の性格をよく見て決めましょう。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
猫同士の相性と組み合わせ
新潟県動物愛護センターは、組み合わせごとの相性の傾向を次のようにまとめています。
| 組み合わせ | 相性の傾向 |
|---|---|
| 成猫×子猫 | うまくいくことが多い。オスの成猫でも子猫の面倒を見る子は多い |
| メス×メス | 縄張り意識がそれほど強くなく、仲良くなりやすい |
| 先住オス×新入りメス | 受け入れやすい |
| オス×オス(成猫) | 去勢していても縄張り意識が強く、ケンカやストレスにつながることがある |
| 高齢猫×子猫 | 手加減を知らない子猫の相手が、高齢猫のストレスになる |
ただし、あくまで傾向です。オス同士でも、性格によってはよい遊び相手になることがあります。
全米猫獣医師協会などのガイドラインでも、成猫は大人の猫より子猫のほうを受け入れやすいとされています。
また、きょうだいのように、もともと仲のよい2匹を一緒に迎えるほうが望ましいとしています。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/全米猫獣医師協会・国際猫医学会「猫の環境ニーズに関するガイドライン」

どの組み合わせでも不妊去勢を
同センターは、どの組み合わせでも避妊去勢手術を必ず行うよう呼びかけています。
成猫×子猫は相性がよいとされる組み合わせですが、去勢していないオスは子猫を襲ってしまうこともあるそうです。
法律でも、猫がむやみに増えて世話が難しくなるおそれがあるときは、繁殖を防ぐ手術などの措置をとることが飼い主の義務とされています。
仲良しかどうかのサイン
同じ部屋にいても、仲がよいとは限りません。食器や寝床が1か所にしかないため、仕方なく集まっているだけのこともあります。
ガイドラインでは、次のようなしぐさが見られる猫同士は、同じグループの仲間と考えられるとしています。
- 顔や体をこすりつけ合う
- しっぽを絡ませる
- くっついて、またはすぐ近くで寝る
- 一緒に遊ぶ
- 毛づくろいし合う
一方で、同じ場所を時間をずらして使い分けている猫同士もいます。
そんな様子があれば、トイレや休む場所を増やして、猫が選べるようにしてあげましょう。
2匹目を迎える前の準備
新しい子を家に連れてきたら、いきなり先住猫と会わせるのは避けましょう。第一印象が悪くなり、その後も仲良くなれないことがあるためです。
新潟県動物愛護センターは、次のような準備をすすめています。
| 準備するもの | ポイント |
|---|---|
| 猫用ケージ | 上下に動ける段付き(3段がおすすめ) |
| トイレ | ケージの中に入るものを必ず1個 |
| 食器 | 新しい子専用のものを用意 |
| フード | 最初はそれまで食べていたもの |
| ベッド | 怖がりな子には覆いのあるものや段ボールを |
健康診断と感染症の検査
同センターは、どちらの猫もワクチン接種や血液検査など、基本的な体調管理をしておくことをすすめています。
そのうえで、直接会わせるのは、どちらも感染性の病気にかかっていないか検査してからにするよう案内しています。
どちらかが感染している場合は、もう1匹にうつさないための予防について、動物病院で相談してみてください。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
猫風邪の子がいるときの家庭での隔離などは、こちらの記事で解説しています。
マイクロチップの登録変更
ペットショップやブリーダーから迎えた猫には、マイクロチップが入っていて、情報が登録されていることがあります。
登録されている猫を譲り受けた人は、登録内容の変更を届け出ることが義務になっています。迎えたら早めに手続きしましょう。
先住猫との会わせ方
新潟県動物愛護センターがすすめる会わせ方を、5つの段階にまとめました。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1. ケージで別々に | 新しい子はケージへ。できれば先住猫が入れない部屋に置き、怖がるならケージを布で覆う |
| 2. 数日は見守る | 先住猫が威嚇せず、新しい子に興味を見せるまで待つ |
| 3. ケージ越しに対面 | 扉は閉めたまま。猫たちだけにせず、飼い主が見守る |
| 4. 短い時間から一緒に | においを嗅ぎ合うなどできたら、少しずつ時間を延ばす。離れるときはケージへ戻す |
| 5. 先住猫を一番に | 新しい子ばかりかわいがらず、先住猫が一番だと伝わるように接する |
威嚇したり怖がったりする様子があれば、無理をせず前の段階に戻りましょう。
すべての猫がほかの猫を受け入れるわけではありません。それでも、距離を保ちながら一緒に暮らしていくことはできる、と同センターは伝えています。
数日であきらめず、時間をかけて見守ってあげてください。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」
新しく迎えた猫のケージの使い方は、こちらの記事でも解説しています。
体調の変化に気をつけて
新潟県動物愛護センターは、先住猫がストレスを感じると、ケンカや食べなくなる、トイレの失敗といった行動が出ることがあるとしています。
全米猫獣医師協会などのガイドラインでも、ストレスは泌尿器の病気などと関わるとされています。
また、行動の変化の裏に、病気が隠れていることもあります。
出典:新潟県動物愛護センター「動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって」/全米猫獣医師協会・国際猫医学会「猫の環境ニーズに関するガイドライン」

- ごはんを食べない
- トイレ以外の場所で排せつする
- 隠れたまま出てこない
- ケンカでケガをした
ストレスだけでなく、病気が原因のこともあります。こうした様子が続く場合は、早めに動物病院への相談を検討してください。
よくある質問
猫は1匹だとかわいそう?
必ずしもそうとは限りません。新潟県動物愛護センターは、1匹のほうが合う猫もいるとしています。
先住猫がほかの猫に会ったときの様子や、年齢、性格を見て決めるのがおすすめです。
2匹同時に迎えてもいい?
全米猫獣医師協会などのガイドラインでは、きょうだいのようにすでに仲のよい2匹を迎えるほうが、別々に育った猫同士より望ましいとしています。
保護団体やブリーダーに、2匹の関係を聞いてから決めると安心です。
相性が悪かったらどうする?
まずは無理に一緒にせず、部屋やケージを分けて、それぞれが安心できる場所を確保しましょう。
トイレや食事場所、隠れ場所を増やし、顔を合わせずに過ごせるようにするのも1つの方法です。
困ったときは、地域の動物愛護センターや動物病院に相談してみてください。
あわせて読みたい
犬との多頭飼いも考えている方は、犬の多頭飼いの基本をこちらでまとめています。
まとめ
- 猫を何匹まで飼えるかに全国一律の上限はない。ただし10頭以上で届出が必要な自治体がある
- 目安は、1匹ずつにトイレ・食事・休む場所を別々に用意でき、世話と通院を続けられる数
- メリットは遊び相手ができること。デメリットは費用や感染症、相性のリスク
- 「成猫×子猫」「メス同士」はうまくいきやすく、「オスの成猫同士」「高齢猫×子猫」は注意
- どの組み合わせでも不妊去勢を。迎える前に健康診断と感染症の検査をしておく
- 会わせるときはケージから始めて、先住猫を一番に。体調の変化が続くときは動物病院へ
犬猫のお薬の個人輸入は「ぽちたま薬局」へ

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。










