モモンガを迎えてから、部屋の臭いが気になるようになった。
最近、急に臭いがきつくなった気がする……。そんなモヤモヤを抱えて調べている方も多いのではないでしょうか。
- ペットのモモンガ(主にフクロモモンガ)の臭いの元は、おもに臭腺・排泄物・ケージの汚れの3つ
- 臭腺はオスにもメスにもあり、オスは額・喉・胸にもあるぶん臭いが強く出やすい
- 臭腺の臭いは体のしくみなのでゼロにはできない。掃除と食事の見直しで「こもらせない」のが現実的
- 口・お尻・袋などからいつもと違う臭いがして、元気や食欲も落ちているなら動物病院への相談を検討

ぽちたま薬局ではモモンガに使用されるお薬も取り扱っています
モモンガの臭いが急に変わったら要注意
臭腺から出る臭いは、モモンガにとって自然なものです。
ただし、臭う「場所」や「臭いの質」がいつもと違うときは、体のどこかに異常が起きている可能性もあります。気になる場所ごとに、下の表で様子を確認してみてください。
| 臭いが気になる場所 | あわせて確認したい様子 | 考えられる病気の一例 |
|---|---|---|
| 口のまわり | 歯石がついている、歯ぐきが腫れている、片目だけ飛び出している | 歯周病、歯の根元の膿瘍 |
| お尻(便) | 下痢が続く、お尻が汚れている、お尻から腸のようなものが出ている | 細菌・寄生虫などによる下痢、直腸や総排泄腔の脱出 |
| お尻(分泌物) | ドロッとした分泌物が出る、お尻をしきりに気にする | 総排泄腔のまわりにある臭腺の詰まり・感染 |
| 袋のなか(メス) | 分泌物や赤みがある、袋が外にめくれている | 袋の感染、袋の脱出 |
| おしっこ | 血が混じる、おしっこが出にくそう | 膀胱炎、尿石症 |
| 体の傷 | しっぽの付け根や陰部などを自分でかじっている | 自咬(じこう)による傷とその感染 |
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの病気と症候群」
このほか、高齢のメスでは子宮の感染(子宮蓄膿症など)が起きた例も報告されています。
表の内容は「臭いが気になったときに確認したいポイント」の目安です。当てはまるからといって、その病気だと決まるわけではありません。

- 臭いの変化に加えて、元気がない・食欲が落ちた・体重が減った
- 下痢が続いている、お尻から腸のようなものが出ている
- おしっこに血が混じる、おしっこが出にくそう
- 自分の体をかじって傷ができている
フクロモモンガの病気は、元気や食欲の低下、体重減少といったはっきりしない形で現れることが多いとされています。
当てはまるものがあれば、フクロモモンガを診られる動物病院への相談を検討してください。「いつから・どこが臭うか」をメモしておくと、診察で伝えやすくなります。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの病気と症候群」
モモンガが臭い3つの原因
健康なモモンガの臭いは、おもに次の3つから生まれます。どれが強いかによって、効果的な対策も変わってきます。
2種類のモモンガ
ペットとして飼われるモモンガには、フクロモモンガとアメリカモモンガがいます。
見た目はよく似ていますが、フクロモモンガはカンガルーと同じ有袋類、アメリカモモンガはリスの仲間のげっ歯類で、近い仲間ではありません。
この記事では、臭いの悩みでよく調べられているフクロモモンガを中心に解説します。
出典:MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「フクロモモンガの特徴と体のつくり」
原因①臭腺から出る臭い
フクロモモンガは、オスもメスも総排泄腔(便・尿・生殖器の出口がひとつになった穴)のそばに臭腺を持っています。
この臭腺で縄張りや仲間に自分の臭いをつけ、お互いを見分けています。
オスはさらに、額・喉・胸にも臭腺があります。これらの臭腺によって、オスにもメスにもムスクのような独特の臭いがあるのです。
| 臭腺の場所 | オス | メス |
|---|---|---|
| 総排泄腔のまわり | あり | あり |
| 額(おでこ) | あり | なし |
| 喉 | あり | なし |
| 胸 | あり | なし |
性成熟の目安は、メスで8〜12か月、オスで12〜15か月ごろです。
迎えたばかりのころは気にならなかったのに、1歳前後から急に臭うようになったと感じるなら、成長にともなう変化の可能性があります。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)「フクロモモンガの特徴と体のつくり」
原因②おしっこ・うんちとケージの汚れ
モモンガは、ケージの中の止まり木や寝袋、飼い主さんの手などにも臭いをつけます。
そこに食べ残しやおしっこ、うんちの汚れが加わると、臭いはどんどんこもっていきます。
特に布製の寝袋や、毎日入る巣箱は臭いが染みつきやすい場所です。「本体より、ケージまわりのほうが臭う」と感じるなら、まずここを疑ってみましょう。
原因③食事の内容
食事も臭いと無関係ではありません。やわらかく甘い食べ物を多く食べるフクロモモンガは、歯石がつきやすく、歯周病になりやすいとされています。
果物は糖分が多い一方で、カルシウムやたんぱく質が不足しがちです。果物・木の実・野菜は食事全体の1割未満にとどめるのが目安とされています。
口元の臭いが気になるときは、歯のトラブルが隠れていないかも確認したいポイントです。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」、MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの病気と症候群」
今日からできるモモンガの臭い対策
臭腺の臭いそのものを消すことはできません。目指すのは「臭いをため込まない環境づくり」です。
対策①寝袋・巣箱・食器をこまめに洗う
巣箱や寝袋、食器、床材は定期的に掃除することがすすめられています。
寝袋は洗い替えを用意しておくと、交換がぐっとラクになります。洗うときは、ほつれた糸が出ていないかもチェックしましょう。糸が足に絡まったり、飲み込んだりする事故を防ぐためです。
ケージの床には、新聞紙などかじっても害のない紙素材を敷くと、汚れたらすぐ取り替えられて便利です。
なお、便や分泌物には感染症の原因となる菌が含まれることもあります。掃除やお世話のあとは、しっかり手を洗いましょう。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」、MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの病気と症候群」
対策②果物や甘いものを与えすぎない
好物だからといって果物ばかり与えていると、歯石や栄養の偏りにつながります。
フクロモモンガ用のペレットや、カルシウムを補った昆虫などのたんぱく源を中心に、食事のバランスを見直してみましょう。殻のかたい昆虫は、歯石を減らす助けになるともいわれています。
食事の切り替えは急に行わず、少しずつ進めるのが安心です。若い個体では、食事の急な変更が下痢の原因になることがあります。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」、MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの病気と症候群」
対策③部屋の換気と消臭グッズを活用する
モモンガのいる部屋はこまめに換気し、臭いがこもらないようにしましょう。
消臭剤を使う場合は、小動物のいる環境で使えると明記された製品を選び、モモンガ本体や寝袋に直接吹きかけるのは避けるのが無難です。
対策④オスの去勢は動物病院で相談する
オスのフクロモモンガでは、精巣と陰嚢を取り除く去勢手術がよく行われています。
ただし、獣医師向けの資料で挙げられている主な目的は「繁殖を防ぐこと」と「性的な欲求不満を減らすこと」です。臭いを減らす目的とは明記されていません。
「去勢したら臭いが軽くなった」という飼い主さんの声もありますが、効果には個体差があると考えておきましょう。
また、フクロモモンガは手術のあとに傷口をかじってしまうことが多く、麻酔や縫い方に工夫が必要な手術です。臭い対策だけで決めず、メリットとリスクを獣医師とよく相談してください。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」
モモンガの臭いQ&A
Q.オスとメス、どちらが臭いますか?
オスは額・喉・胸・総排泄腔のまわりと臭腺が多いため、臭いを強く感じやすいといえます。
ただし、メスにも総排泄腔のそばに臭腺があり、無臭というわけではありません。
Q.オスの頭のハゲは病気ですか?
性成熟したオスでは、額と胸の臭腺の部分の毛が薄くなり、脂っぽい分泌物が出るのは正常とされています。
ただし、その部分が赤く腫れている・出血している・しきりにかじっているといった場合は、動物病院への相談を検討してください。
出典:MSD獣医マニュアル(獣医師向け)「フクロモモンガの概要」
Q.何歳くらいから臭うようになりますか?
性成熟の目安はメスで8〜12か月、オスで12〜15か月ごろです。このころから、臭いの変化を感じやすくなると考えられます。
Q.臭いを完全になくすことはできますか?
臭腺は仲間や縄張りを確かめるための大切な器官なので、臭いをゼロにするのは難しいです。
汚れからくる臭いを減らし、部屋にこもらせないことを目標にしましょう。
まとめ
- モモンガ(フクロモモンガ)の臭いの元は、臭腺・排泄物・ケージの汚れ・食事
- 臭腺はオスにもメスにもあり、オスは額・喉・胸にもあるため臭いが強く出やすい
- 寝袋・巣箱・食器のこまめな洗浄と、果物に偏らない食事が基本の対策
- 去勢は主に繁殖防止などのための手術。臭い対策だけで決めず獣医師と相談
- 口・お尻・袋などからいつもと違う臭いがして、元気や食欲が落ちていれば動物病院への相談を検討
この記事は一般的な情報をまとめたものです。モモンガの体調に不安がある場合は、エキゾチックアニマルを診られる動物病院にご相談ください。
ぽちたま薬局ではモモンガに使用されるお薬も取り扱っています

幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。






