2匹目を迎えてから、先住犬の元気がない、なんだか落ち着かない…。「無理をさせているのかな」と心配になりますよね。
新しい子が来ると、先住犬の暮らしは大きく変わります。ストレスのサインに早めに気づいて、先住犬が安心できる工夫をしていきましょう。
- 先住犬のストレスは、姿勢が低くなる、口をなめる、鳴く回数が増えるなどの様子に出ます。1つだけで決めず、いくつか重なっていないかを見ます
- 原因は、生活の変化、飼い主さんの注目が新しい子に向くこと(やきもち)、休む時間が減ることなどです
- 対策の基本は、先住犬だけの時間と、新しい子から離れて休める場所をつくること。今までの生活リズムはなるべく変えません
- 先住犬だけ一緒に寝るのは、今までの習慣を守る意味でも問題ないと考えられます
- 吐く・下痢・血便などの体の症状は、ストレスと決めつけず動物病院へ

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先住犬のストレス症状とサイン
犬は言葉で「つらい」と言えないぶん、体の動きや行動で気持ちを表します。
犬のストレス反応に関する研究をまとめた報告では、ストレスを受けた犬に次のような行動が見られるとしています。
| 出やすいところ | 具体的な様子 |
|---|---|
| 姿勢 | 体を低くする、立ち姿勢や座り姿勢が縮こまる |
| 口・足 | 鼻先や口のまわりをなめる、前足を片方上げる |
| 声 | 鳴く・吠える回数が増える |
| 強いストレスのとき | よだれが増える、ハアハアと息をする、同じ動きを何度も繰り返す |
ただし、こうした反応には犬によって大きな差があるとされています。
同じ報告でも、ひとつの指標だけで判断せず、いくつかを合わせて見ることが勧められています。
「口をなめた=ストレス」と決めつけず、いつもと比べて様子が変わっていないかを見てあげてください。
出典:ユトレヒト大学 Beerdaら(1997)「犬に見られる急性・慢性ストレスのあらわれ方」
行動の変化にも注目
2匹目が来てから、トイレを失敗するようになった先住犬もいます。
米国サクラメント郡の動物保護局の資料では、縄張りを侵されたと感じたときに、尿や便で少量のマーキングをすることがあるとしています。
また、新しいペットが来るなど家族の形や生活が変わったことが、留守番中の強い不安(分離不安)のきっかけになることもあるとしています。
トイレの失敗は、尿路の病気などが原因のこともあります。続くときは動物病院で体の原因がないかを確かめてもらいましょう。
出典:米国サクラメント郡動物保護局「新しく迎えた犬のお世話のポイント」
吐く・下痢・血便など体の症状
先に紹介した報告では、ストレスに関わるホルモンが胃腸の動きに影響することも報告されています。
ただ、吐く・下痢・血便は、感染症や誤食などほかの病気でも起こります。
「2匹目のストレスだろう」と様子見を続けず、動物病院に相談しましょう。
特に新しい子を迎えたばかりの時期は、新しい子から感染症や寄生虫がうつっていないかも確かめてもらえると安心です。
2匹目でストレスを感じる理由
先住犬にとって、2匹目が来ることは「生活が丸ごと変わる出来事」です。主な理由は次の4つです。
生活のリズムが変わる
散歩やごはんの時間がずれる、飼い主さんが家にいる時間の使い方が変わる。
こうした変化そのものが、先住犬の負担になります。
飼い主さんの注目が新しい子に向く
新しい子、特に子犬は手がかかるので、どうしてもそちらにかかりきりになりがちです。
大好きな飼い主さんを取られたように感じると、やきもちのような行動が出ることがあります(次の章でくわしく解説します)。
ゆっくり休めない
サクラメント郡の資料では、子犬は成犬にしつこくつきまとうものだとしています。
そのうえで、先住犬には子犬から離れて静かに過ごせる時間をつくるよう勧めています。
寝ていても起こされる状態が続くと、先住犬は気が休まりません。
自分の場所や持ち物を守りたい
寝床やおもちゃ、ごはんの場所は、先住犬にとって大事なもの。そこに新しい子が入ってくると、落ち着かなくなります。
先住犬が新しい子に唸る・吠えるといった「嫌がる」行動の対処は、別の記事でくわしく解説しています。
先住犬のやきもちのサイン
「犬もやきもちを焼くの?」と思うかもしれませんが、それを確かめた研究があります。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の実験では、36匹の犬の前で、飼い主さんに3つのものをかわいがってもらいました。
吠えてしっぽを振る犬のぬいぐるみ、かぼちゃ型のバケツ、絵本の3つです。
ぬいぐるみの犬をかわいがったときに、次のような行動がほかの2つより多く見られました。
- 飼い主さんやぬいぐるみを鼻や前足で押す・触る
- 飼い主さんとぬいぐるみの間に割り込む
- ぬいぐるみに噛みつこうとする(約4分の1の犬)
- クンクン鼻を鳴らす
多頭飼いの家でいえば、新しい子をなでているときに割り込んでくる、体を押しつけてくる、といった行動にあたります。
出典:カリフォルニア大学サンディエゴ校 Harrisら(2014)「犬のやきもち」
実験のポイント
この実験はぬいぐるみを使ったもので、対象も小型の犬に限られています。
また、すべての犬がやきもちのような行動を見せたわけではなく、出方には個体差がありました。
「割り込む=やきもち」と決めつけず、先住犬の気持ちを考えるヒントとして受け止めてください。
割り込んできたときは
割り込んできた先住犬を叱ったり、押しのけたりするのは避けましょう。
サクラメント郡の資料は、犬同士のもめごとに罰は効かず、かえって悪化させることがあるとしています。
新しい子をかまう時間とは別に、先住犬をたっぷりかまう時間をつくってあげるほうが近道です。
先住犬のストレスを減らす接し方
先住犬の負担を減らすために、今日からできることをまとめました。
先住犬だけの時間をつくる
サクラメント郡の資料では、先住犬に子犬から離れた静かな時間をつくり、個別にかまってあげるよう勧めています。
新しい子をサークルに入れている間に、先住犬とだけ散歩や遊びをする。短い時間でも、毎日続けることが大切です。
新しい子から離れて休める場所を
先住犬が新しい子に邪魔されずに休める場所を用意しましょう。
ベビーゲートやサークルで区切れば、先住犬は自分のペースで新しい子と距離をとれます。
今までの生活リズムを守る
散歩やごはんの時間、寝る場所など、先住犬の今までの習慣はできるだけそのままにします。
前の章で紹介したとおり、生活の変化はストレスや不安のきっかけになるためです。
ごはんとおもちゃは別々に
同じ資料では、慣れるまではごはんを別々の部屋やケージで与えるよう勧めています。
おもちゃも取り合いのきっかけになりやすいので、はじめは2匹が一緒にいるときに出さないほうが安心です。
先住犬だけ一緒に寝てもいい?

「今まで先住犬と一緒に寝ていたけれど、新しい子を1匹で寝かせるのはかわいそう?」と迷う方は多いようです。
先住犬が今まで飼い主さんと寝ていたなら、その習慣は続けて問題ないと考えられます。
寝る場所が急に変わると、先住犬にとっては「新しい子が来たら居場所をとられた」という変化になってしまうからです。
新しい子はどこで寝かせる?
サクラメント郡の資料では、迎えたばかりの犬は、飼い主さんが寝ている間などはクレートやサークルで過ごさせるよう勧めています。
夜はクレートを寝室に移して、飼い主さんのそばで過ごせるようにするのもよいとしています。
クレートを寝室に置けば、先住犬は飼い主さんと一緒、新しい子もすぐそば。どちらも安心して眠れます。
| 寝方 | 先住犬 | 新しい子 |
|---|---|---|
| おすすめ | 今までどおり飼い主さんと | 寝室にクレートを置いてそばで |
| 避けたい | 寝室から急に追い出す | 見守りなしで先住犬と同じベッド |
同じ資料では、クレートの中で鳴いたり吠えたりしている間に出すと、「鳴けば出してもらえる」と覚えてしまうとしています。
静かになったタイミングで出してあげましょう。
みんなで一緒に寝るかどうかは、2匹が落ち着いて過ごせるようになってから考えれば十分です。
動物病院や専門家に相談する目安
サクラメント郡の資料では、新しい犬を迎えてうまくいかないときは、早めに動物の行動の専門家に相談するよう勧めています。
問題が長引くほど、解決が難しくなることがあるためです。
行動の相談は、動物病院の獣医師(行動診療)や、ほめて教える方法のドッグトレーナーにできます。
- 吐く、下痢、血便が続いている
- ごはんを食べない、元気がない状態が続いている
- 体を同じところばかりなめる、毛が抜けて地肌が見える
- トイレの失敗が続いている
ストレスと決めつけず、体に原因がないかを確かめてもらうことが大切です。気になる様子があれば、動物病院への相談を検討してください。
よくある質問
先住犬のストレスはいつまで続く?
決まった期間はありません。すぐに慣れる犬もいれば、時間がかかる犬もいます。
日数で区切るより、先住犬がよく眠れているか、食欲があるか、表情がやわらいできたかを目安にしましょう。
2匹目を迎えたら、何でも先住犬を優先したほうがいい?
大事なのは、先住犬の今までの生活と、先住犬だけの時間を守ることです。
ごはんの順番などを細かく決めるより、先住犬が「自分の居場所はなくなっていない」と感じられることを意識しましょう。
先住犬がストレスで吐くときはどうすればいい?
吐く原因はストレスだけではありません。続く、何度も吐く、元気がないといったときは動物病院に相談してください。
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新しい子と先住犬の接触の始め方や、先住犬が新しい子を嫌がるときの対処はこちらで解説しています。
まとめ
- 先住犬のストレスは、姿勢・口・声・行動の変化にあらわれる
- サインは1つで決めず、いつもと比べて重なっていないかを見る
- 新しい子に割り込むのは、やきもちのサインかも。叱らずに先住犬だけの時間を
- 先住犬だけ一緒に寝るのはOK。新しい子は寝室のクレートで
- 吐く・下痢・血便は、ストレスと決めつけず動物病院へ
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幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。








