てんかん治療薬（猫）

てんかんとは、脳の神経細胞が過剰に興奮し、てんかん発作が繰り返し起こる脳の病気です。
猫のてんかん発症は、犬に比べると多くはありません。

ここでは、猫のてんかんの原因や症状、治療方法について説明します。

てんかんは大きく「特発性てんかん」と「症候性てんかん」の2つに分類されます。

MRI検査などの精密検査を行っても、脳に明らかな異常が見つからない場合は、特発性てんかんと診断されます。

原因不明以外に、遺伝的要因が関与していると言われています。

MRI検査や脳脊髄液検査などで脳腫瘍や脳炎などが見つかった場合、症候性てんかんと診断されます。

犬では特発性てんかんが多いのに対し、猫は症候性てんかんが多いことがわかっています。
原因になりうる病気は、脳腫瘍やFIP（猫伝染性腹膜炎）、FIV（猫免疫不全ウイルス）などがあります。

猫のてんかん症状は、全身にあわれる「全般発作」と、体の一部にのみあらわれる「焦点発作」があります。

猫のてんかんは、以下のような検査を行い診断します。

猫のてんかん治療は、抗てんかん薬を使用します。
抗てんかん薬は、てんかんを治す薬ではなく、発作が起こりにくくするための薬です。

てんかんの原因が明らかな場合は、その原因となっている病気の治療も併せて行います。

てんかん治療薬は、動物病院以外に通販（ぽちたま薬局）でも購入できます。

愛猫がてんかんと診断された場合は、生涯決まったお薬を飲ませ続けることになります。
動物病院で処方されたお薬を個人輸入することで、医療費を節約できます。

ゾニサミド（コンセーブ）は、脳の神経の過剰な興奮を抑制する抗てんかん薬です。
けいれんや意識消失など幅広い発作をコントロールすることができます。

ガバペンジェネリックは、特発性てんかんにおけるけいれん発作をコントロールすることができます。
他の抗てんかん薬と一緒に使用することが多い抗てんかん薬です。

てんかん発作の予防に効果的なサプリメントは、DHA（ドコサヘキサエン酸）です。
DHAを摂取すると、脳内でエストラジオールの合成が活性化され、てんかんに伴うけいれん発作が抑制されることが研究結果で明らかになっています

愛猫が突然けいれんなどのてんかん発作が起きると、不安になるかと思います。
発作が起きたら冷静に観察、見守るようにしましょう。

高い場所にいるときに発作が起きた場合は、落ちないよう確認してください。
また、発作の様子をスマホなどで録画しておくことで、動物病院を受診した際に録画映像を見てもらうこともできます。

猫のてんかんに関するよくある質問と回答をまとめました。

適切な治療を受けることで、猫の平均寿命が短くなることはありません。

しかし、てんかん発作時に高所から落ちて命にかかわるケガをする可能性もあります。
発作が起きた際は、安全な場所に移動させて、そっと見守ると良いでしょう。

残念ながら、てんかんの予防方法ありません。
定期的に健康診断を受けて、症候性てんかん（脳腫瘍や脳炎など）を引き起こす病気の予防をすることが大切です。

猫のてんかんを完治させることは難しいですが、抗てんかん薬で発作の頻度を減らして重症化を防ぐことは可能です。